災害弔慰金の支給及び災害援護資金の貸付けに関する法律
法令番号: 法律第八十二号
公布年月日: 昭和48年9月18日
法令の形式: 法律
災害弔慰金の支給及び災害援護資金の貸付けに関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和四十八年九月十八日
内閣総理大臣 田中角榮
法律第八十二号
災害弔慰金の支給及び災害援護資金の貸付けに関する法律
目次
第一章
総則(第一条・第二条)
第二章
災害弔慰金の支給(第三条―第七条)
第三章
災害援護資金の貸付け(第八条―第十三条)
附則
第一章 総則
(趣旨)
第一条 この法律は、災害により死亡した者の遺族に対して支給する災害弔慰金及び災害により被害を受けた世帯の世帯主に対して貸し付ける災害援護資金について規定するものとする。
(定義)
第二条 この法律において「災害」とは、暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波その他の異常な自然現象により被害が生ずることをいう。
第二章 災害弔慰金の支給
(災害弔慰金の支給)
第三条 市町村(特別区を含む。以下同じ。)は、条例の定めるところにより、政令で定める災害(以下この章において単に「災害」という。)により死亡した住民の遺族に対し、災害弔慰金の支給を行なうことができる。
2 前項に規定する遺族は、死亡した者の死亡当時における配偶者(婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含み、離婚の届出をしていないが事実上離婚したと同様の事情にあつた者を除く。)、子、父母、孫及び祖父母の範囲とする。
3 災害弔慰金の額は、死亡者一人当たり五十万円以内とする。
(災害による死亡の推定)
第四条 災害の際現にその場にいあわせた者につき、当該災害のやんだ後三月間その生死がわからない場合には、災害弔慰金に関する規定の適用については、その者は、当該災害によつて死亡したものと推定する。
(支給の制限)
第五条 災害弔慰金は、その災害による死亡がその死亡した者の故意又は重大な過失によるものである場合その他これを支給することが不適当と認められる政令で定める場合には、支給しない。
(非課税)
第六条 租税その他の公課は、災害弔慰金として支給を受ける金銭を標準として、課することができない。
(費用の負担)
第七条 都道府県は、災害弔慰金に要する費用につき、その四分の三を負担するものとする。
2 国は、前項の規定により都道府県が負担する費用につき、その三分の二を負担するものとする。
第三章 災害援護資金の貸付け
(災害援護資金の貸付け)
第八条 市町村は、条例の定めるところにより、その区域内において災害救助法(昭和二十二年法律第百十八号)による救助の行なわれる災害その他の政令で定める災害により次に掲げる被害を受けた世帯で政令の定めるところにより算定したこれに属する者の所得の合計額が政令で定める額に満たないものの世帯主に対し、生活の立て直しに資するため、災害援護資金の貸付けを行なうことができる。
一 療養に要する期間がおおむね一月以上である世帯主の負傷
二 政令で定める相当程度の住居又は家財の損害
2 災害援護資金の一災害における一世帯当たりの限度額は、五十万円をこえない範囲内で政令で定める。
3 災害援護資金の償還期間(据置期間を含む。)は、十年をこえない範囲内で政令で定める。
4 災害援護資金は、据置期間中は無利子とし、据置期間経過後はその利率を延滞の場合を除き年三パーセントとする。
(都道府県の貸付け)
第九条 都道府県は、市町村(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)を除く。第十一条第一項を除き、以下同じ。)が災害援護資金の貸付けの財源として必要とする金額に相当する金額を、延滞の場合を除き無利子で、市町村に貸し付けるものとする。
2 前項の貸付金の償還期間(据置期間を含む。)は、十一年をこえない範囲内で政令で定める。
(国の貸付け)
第十条 国は、指定都市が災害援護資金の貸付けの財源として必要とする金額又は都道府県が前条第一項の規定により市町村に貸し付ける貸付金の額の三分の二に相当する金額を、延滞の場合を除き無利子で、指定都市又は都道府県に貸し付けるものとする。
2 前項の貸付金の償還期間(据置期間を含む。)は、十二年(指定都市に対するものにあつては十一年)をこえない範囲内で政令で定める。
(償還免除)
第十一条 市町村は、災害援護資金の貸付けを受けた者が死亡したとき、又は精神若しくは身体に著しい障害を受けたため災害援護資金を償還することができなくなつたと認められるときは、当該災害援護資金の償還未済額の全部又は一部の償還を免除することができる。ただし、政令で定める場合は、この限りでない。
2 都道府県は、市町村が前項の規定により災害援護資金の償還を免除したときは、当該市町村に対し、その免除した金額に相当する額の貸付金の償還を免除するもとする。
3 国は、指定都市又は都道府県が第一項又は前項の規定により災害援護資金又は貸付金の償還を免除したときは、当該指定都市又は都道府県に対し、その免除した金額の三分の二に相当する額の貸付金の償還を免除するものとする。
(貸付金の償還方法)
第十二条 市町村は、都道府県からの貸付金の償還期間の終期前一年までの間は、災害援護資金の償還を受けたときに、政令の定めるところにより、償還を受けた金額(利子及び延滞利子に係る金額を除く。第三項において同じ。)に相当する金額を都道府県に償還するものとする。
2 都道府県は、国からの貸付金の償還期間の終期前一年までの間は、前項の規定により貸付金の償還を受けたときに、政令の定めるところにより、償還を受けた金額の三分の二に相当する金額を国に償還するものとする。
3 指定都市は、国からの貸付金の償還期間の終期前一年までの間は、災害援護資金の償還を受けたときに、政令の定めるところにより、償還を受けた金額の三分の二に相当する金額を国に償還するものとする。
(政令への委任)
第十三条 第八条から前条までに規定するもののほか、災害援護資金の貸付方法、貸付条件その他災害援護資金の貸付け(これに係る都道府県及び国の貸付金の貸付けを含む。)に関し必要な事項は、政令で定める。
附 則
(施行期日等)
1 この法律は、政令で定める昭和四十九年四月一日以前の日から施行する。ただし、政令で、この法律の公布の日以後施行の日前に生じた災害から適用することを妨げない。
(厚生省設置法の一部改正)
2 厚生省設置法(昭和二十四年法律第百五十一号)の一部を次のように改正する。
第十二条第六号の次に次の一号を加える。
六の二 災害弔慰金の支給及び災害援護資金の貸付けに関する法律(昭和四十八年法律第八十二号)を施行すること。
厚生大臣 齋藤邦吉
内閣総理大臣 田中角榮
災害弔慰金の支給及び災害援護資金の貸付けに関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和四十八年九月十八日
内閣総理大臣 田中角栄
法律第八十二号
災害弔慰金の支給及び災害援護資金の貸付けに関する法律
目次
第一章
総則(第一条・第二条)
第二章
災害弔慰金の支給(第三条―第七条)
第三章
災害援護資金の貸付け(第八条―第十三条)
附則
第一章 総則
(趣旨)
第一条 この法律は、災害により死亡した者の遺族に対して支給する災害弔慰金及び災害により被害を受けた世帯の世帯主に対して貸し付ける災害援護資金について規定するものとする。
(定義)
第二条 この法律において「災害」とは、暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波その他の異常な自然現象により被害が生ずることをいう。
第二章 災害弔慰金の支給
(災害弔慰金の支給)
第三条 市町村(特別区を含む。以下同じ。)は、条例の定めるところにより、政令で定める災害(以下この章において単に「災害」という。)により死亡した住民の遺族に対し、災害弔慰金の支給を行なうことができる。
2 前項に規定する遺族は、死亡した者の死亡当時における配偶者(婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含み、離婚の届出をしていないが事実上離婚したと同様の事情にあつた者を除く。)、子、父母、孫及び祖父母の範囲とする。
3 災害弔慰金の額は、死亡者一人当たり五十万円以内とする。
(災害による死亡の推定)
第四条 災害の際現にその場にいあわせた者につき、当該災害のやんだ後三月間その生死がわからない場合には、災害弔慰金に関する規定の適用については、その者は、当該災害によつて死亡したものと推定する。
(支給の制限)
第五条 災害弔慰金は、その災害による死亡がその死亡した者の故意又は重大な過失によるものである場合その他これを支給することが不適当と認められる政令で定める場合には、支給しない。
(非課税)
第六条 租税その他の公課は、災害弔慰金として支給を受ける金銭を標準として、課することができない。
(費用の負担)
第七条 都道府県は、災害弔慰金に要する費用につき、その四分の三を負担するものとする。
2 国は、前項の規定により都道府県が負担する費用につき、その三分の二を負担するものとする。
第三章 災害援護資金の貸付け
(災害援護資金の貸付け)
第八条 市町村は、条例の定めるところにより、その区域内において災害救助法(昭和二十二年法律第百十八号)による救助の行なわれる災害その他の政令で定める災害により次に掲げる被害を受けた世帯で政令の定めるところにより算定したこれに属する者の所得の合計額が政令で定める額に満たないものの世帯主に対し、生活の立て直しに資するため、災害援護資金の貸付けを行なうことができる。
一 療養に要する期間がおおむね一月以上である世帯主の負傷
二 政令で定める相当程度の住居又は家財の損害
2 災害援護資金の一災害における一世帯当たりの限度額は、五十万円をこえない範囲内で政令で定める。
3 災害援護資金の償還期間(据置期間を含む。)は、十年をこえない範囲内で政令で定める。
4 災害援護資金は、据置期間中は無利子とし、据置期間経過後はその利率を延滞の場合を除き年三パーセントとする。
(都道府県の貸付け)
第九条 都道府県は、市町村(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)を除く。第十一条第一項を除き、以下同じ。)が災害援護資金の貸付けの財源として必要とする金額に相当する金額を、延滞の場合を除き無利子で、市町村に貸し付けるものとする。
2 前項の貸付金の償還期間(据置期間を含む。)は、十一年をこえない範囲内で政令で定める。
(国の貸付け)
第十条 国は、指定都市が災害援護資金の貸付けの財源として必要とする金額又は都道府県が前条第一項の規定により市町村に貸し付ける貸付金の額の三分の二に相当する金額を、延滞の場合を除き無利子で、指定都市又は都道府県に貸し付けるものとする。
2 前項の貸付金の償還期間(据置期間を含む。)は、十二年(指定都市に対するものにあつては十一年)をこえない範囲内で政令で定める。
(償還免除)
第十一条 市町村は、災害援護資金の貸付けを受けた者が死亡したとき、又は精神若しくは身体に著しい障害を受けたため災害援護資金を償還することができなくなつたと認められるときは、当該災害援護資金の償還未済額の全部又は一部の償還を免除することができる。ただし、政令で定める場合は、この限りでない。
2 都道府県は、市町村が前項の規定により災害援護資金の償還を免除したときは、当該市町村に対し、その免除した金額に相当する額の貸付金の償還を免除するもとする。
3 国は、指定都市又は都道府県が第一項又は前項の規定により災害援護資金又は貸付金の償還を免除したときは、当該指定都市又は都道府県に対し、その免除した金額の三分の二に相当する額の貸付金の償還を免除するものとする。
(貸付金の償還方法)
第十二条 市町村は、都道府県からの貸付金の償還期間の終期前一年までの間は、災害援護資金の償還を受けたときに、政令の定めるところにより、償還を受けた金額(利子及び延滞利子に係る金額を除く。第三項において同じ。)に相当する金額を都道府県に償還するものとする。
2 都道府県は、国からの貸付金の償還期間の終期前一年までの間は、前項の規定により貸付金の償還を受けたときに、政令の定めるところにより、償還を受けた金額の三分の二に相当する金額を国に償還するものとする。
3 指定都市は、国からの貸付金の償還期間の終期前一年までの間は、災害援護資金の償還を受けたときに、政令の定めるところにより、償還を受けた金額の三分の二に相当する金額を国に償還するものとする。
(政令への委任)
第十三条 第八条から前条までに規定するもののほか、災害援護資金の貸付方法、貸付条件その他災害援護資金の貸付け(これに係る都道府県及び国の貸付金の貸付けを含む。)に関し必要な事項は、政令で定める。
附 則
(施行期日等)
1 この法律は、政令で定める昭和四十九年四月一日以前の日から施行する。ただし、政令で、この法律の公布の日以後施行の日前に生じた災害から適用することを妨げない。
(厚生省設置法の一部改正)
2 厚生省設置法(昭和二十四年法律第百五十一号)の一部を次のように改正する。
第十二条第六号の次に次の一号を加える。
六の二 災害弔慰金の支給及び災害援護資金の貸付けに関する法律(昭和四十八年法律第八十二号)を施行すること。
厚生大臣 斎藤邦吉
内閣総理大臣 田中角栄