離島航路整備法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十七年七月四日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第二百二十六号
離島航路整備法
(この法律の目的)
第一條 この法律は、離島航路事業に関する国の特別の助成措置を定めることにより、離島航路の維持及び改善を図り、もつて民生の安定及び向上に資することを目的とする。
(定義)
第二條 この法律において「離島航路」とは、本土(本州、北海道、四国及び九州をいう。)と離島(本土に附属する島をいう。)とを連絡する航路、離島相互間を連絡する航路その他船舶以外には交通機関がない地点間又は船舶以外の交通機関によることが著しく不便である地点間を連絡する航路をいう。
2 この法律において「離島航路事業」とは、離島航路における海上運送法(昭和二十四年法律第百八十七号)第二條第四項に規定する旅客定期航路事業で同法の適用を受けるものをいい、「離島航路事業者」とは、離島航路事業を営む者をいう。
(航路補助)
第三條 政府は、離島航路事業者に対し、毎年、予算の範囲内で、当該離島航路の維持を助成するための補助金(以下「航路補助金」という。)を交付することができる。
(航路補助金の交付の申請)
第四條 航路補助金の交付を受けようとする者は、航路補助金の交付申請書に当該離島航路に関する左の事項を記載した運航計画書、航路損益見込計算書その他省令で定める書類を添附して、運輸大臣に申請しなければならない。
一 航路の起点、寄港地、終点及びこれら相互間の距離(航路図をもつて明示すること。)
二 使用旅客船(予備船を含む。)の明細
三 運航回数及び発着時刻
(航路補助金を交付する場合)
第五條 航路補助金は、当該離島航路を維持するため特に必要がある場合であつて、前條の運航計画書に記載された運航計画が当該離島航路について運輸大臣が認める輸送需要度に適合するものでなければ、これを交付してはならない。
(運輸大臣の指示)
第六條 運輸大臣は、航路補助金の交付を受ける者(以下「補助航路事業者」という。)に対し、当該離島航路事業のサービスの改善に関し、必要な指示をすることができる。
(運航計画の変更)
第七條 補助航路事業者は、第四條の運航計画書に記載された運航計画の変更をしようとするときは、運輸大臣の認可を受けなければならない。
2 前項の規定により運航計画の変更の認可を受けた者は、当該運航計画の変更につき、海上運送法第十一條の認可を受けることを要しない。
(航路損益計算書等の提出)
第八條 補助航路事業者は、省令の定めるところにより、当該離島航路に関する航路損益計算書その他の書類を運輸大臣に提出しなければならない。
(帳簿等の整理)
第九條 補助航路事業者は、当該離島航路事業の損益計算の根拠が明らかであるように関係帳簿及び書類の整理をしなければならない。
(航路補助金の流用の禁止)
第十條 航路補助金は、その交付の目的以外の用途に使用してはならない。
(航路補助金の交付の停止及び返還)
第十一條 運輸大臣は、航路補助金の交付を受ける者又は航路補助金の交付を受けた者が左の各号の一に該当するときは、交付すべき航路補助金の全部若しくは一部を交付せず、又は既に交付した航路補助金の全部若しくは一部の返還を命ずることができる。
一 第六條の規定による指示に従わないとき。
二 第七條第一項又は前條の規定に違反したとき。
三 第八條の規定により提出する書類に虚偽の記載をしたとき。
(建造融資等に対する利子補給)
第十二條 政府は、金融機関が離島航路事業者でその事業の用に供する船舶の建造又は改造のために融資を受けようとするものに対して融資をするときは、省令の定めるところにより、当該融資額につき利子の補給をする旨の契約を当該金融機関と結ぶことができる。
2 前項の金融機関の範囲は、省令で定める。
3 第一項の規定により政府が利子を補給する旨の契約は、これに基いて補給すべき利子の総額が国会の議決を経た金額をこえない範囲内で、これを結ばなければならない。
(利子補給の基準)
第十三條 前條第一項の規定による契約に基いて政府が補給する利子は、省令の定めるところにより、金融機関がした当該契約に係る融資の融資残高に対し年四分の割合で計算した金額とする。
(利率)
第十四條 第十二條第一項の規定により政府が利子の補給をする旨の契約を結んだ金融機関のする当該契約に係る融資の利率は、当該金融機関が通常それと同種類の貸付を行う場合に定める利率を年四分引き下げた利率で当該契約の條件とされたものをこえてはならない。
(配当の許可)
第十五條 第十二條第一項の規定により政府が利子の補給をする旨の契約を結んだ金融機関のする当該契約に係る融資を受けて船舶の建造又は改造をした離島航路事業者は、当該金融機関が利子の補給を受けている期間に限り、運輸大臣の許可を受けた場合の外、省令で定める割合以上の利益の配当をしてはならない。
(金融機関の法令等の違反に対する措置)
第十六條 政府は、金融機関が第十四條の規定又は第十二條第一項の規定による契約に違反したときは、当該金融機関のした当該契約に係る融資について、補給すべき利子の全部若しくは一部について補給をせず、又は既に補給した利子の全部若しくは一部の返還を命ずることができる。
(立入検査)
第十七條 運輸大臣は、この法律の施行を確保するため必要があると認めるときは、その職員にこの法律の規定により助成を受ける離島航路事業者の使用する船舶、事業場その他の場所に立ち入り、帳簿書類その他の物件に関し検査をさせることができる。
2 当該職員は、前項の規定により立入検査をする場合においては、その身分を示す証票を携帯し、利害関係人に呈示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のため認められたものと解してはならない。
(罰則)
第十八條 前條第一項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。
(施行規定)
第十九條 この法律に定めるものの外、この法律の施行に関し必要な事項は、省令で定める。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 第十二條第一項の規定により政府と金融機関が契約を結ぶことができる融資は、この法律施行の日から十年以内になされるものに限る。
3 海上運送法の一部を次のように改正する。
第四條中「第二十條の規定により」を「離島航路整備法(昭和二十七年法律第二百二十六号)第三條の規定により」に改める。
第二十條を次のように改める。
第二十條 削除
4 この法律施行前に海上運送法第二十條の規定により交付の決定がなされた補助金については、なお従前の例による。
大蔵大臣 池田勇人
運輸大臣 村上義一
内閣総理大臣 吉田茂
離島航路整備法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十七年七月四日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第二百二十六号
離島航路整備法
(この法律の目的)
第一条 この法律は、離島航路事業に関する国の特別の助成措置を定めることにより、離島航路の維持及び改善を図り、もつて民生の安定及び向上に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「離島航路」とは、本土(本州、北海道、四国及び九州をいう。)と離島(本土に附属する島をいう。)とを連絡する航路、離島相互間を連絡する航路その他船舶以外には交通機関がない地点間又は船舶以外の交通機関によることが著しく不便である地点間を連絡する航路をいう。
2 この法律において「離島航路事業」とは、離島航路における海上運送法(昭和二十四年法律第百八十七号)第二条第四項に規定する旅客定期航路事業で同法の適用を受けるものをいい、「離島航路事業者」とは、離島航路事業を営む者をいう。
(航路補助)
第三条 政府は、離島航路事業者に対し、毎年、予算の範囲内で、当該離島航路の維持を助成するための補助金(以下「航路補助金」という。)を交付することができる。
(航路補助金の交付の申請)
第四条 航路補助金の交付を受けようとする者は、航路補助金の交付申請書に当該離島航路に関する左の事項を記載した運航計画書、航路損益見込計算書その他省令で定める書類を添附して、運輸大臣に申請しなければならない。
一 航路の起点、寄港地、終点及びこれら相互間の距離(航路図をもつて明示すること。)
二 使用旅客船(予備船を含む。)の明細
三 運航回数及び発着時刻
(航路補助金を交付する場合)
第五条 航路補助金は、当該離島航路を維持するため特に必要がある場合であつて、前条の運航計画書に記載された運航計画が当該離島航路について運輸大臣が認める輸送需要度に適合するものでなければ、これを交付してはならない。
(運輸大臣の指示)
第六条 運輸大臣は、航路補助金の交付を受ける者(以下「補助航路事業者」という。)に対し、当該離島航路事業のサービスの改善に関し、必要な指示をすることができる。
(運航計画の変更)
第七条 補助航路事業者は、第四条の運航計画書に記載された運航計画の変更をしようとするときは、運輸大臣の認可を受けなければならない。
2 前項の規定により運航計画の変更の認可を受けた者は、当該運航計画の変更につき、海上運送法第十一条の認可を受けることを要しない。
(航路損益計算書等の提出)
第八条 補助航路事業者は、省令の定めるところにより、当該離島航路に関する航路損益計算書その他の書類を運輸大臣に提出しなければならない。
(帳簿等の整理)
第九条 補助航路事業者は、当該離島航路事業の損益計算の根拠が明らかであるように関係帳簿及び書類の整理をしなければならない。
(航路補助金の流用の禁止)
第十条 航路補助金は、その交付の目的以外の用途に使用してはならない。
(航路補助金の交付の停止及び返還)
第十一条 運輸大臣は、航路補助金の交付を受ける者又は航路補助金の交付を受けた者が左の各号の一に該当するときは、交付すべき航路補助金の全部若しくは一部を交付せず、又は既に交付した航路補助金の全部若しくは一部の返還を命ずることができる。
一 第六条の規定による指示に従わないとき。
二 第七条第一項又は前条の規定に違反したとき。
三 第八条の規定により提出する書類に虚偽の記載をしたとき。
(建造融資等に対する利子補給)
第十二条 政府は、金融機関が離島航路事業者でその事業の用に供する船舶の建造又は改造のために融資を受けようとするものに対して融資をするときは、省令の定めるところにより、当該融資額につき利子の補給をする旨の契約を当該金融機関と結ぶことができる。
2 前項の金融機関の範囲は、省令で定める。
3 第一項の規定により政府が利子を補給する旨の契約は、これに基いて補給すべき利子の総額が国会の議決を経た金額をこえない範囲内で、これを結ばなければならない。
(利子補給の基準)
第十三条 前条第一項の規定による契約に基いて政府が補給する利子は、省令の定めるところにより、金融機関がした当該契約に係る融資の融資残高に対し年四分の割合で計算した金額とする。
(利率)
第十四条 第十二条第一項の規定により政府が利子の補給をする旨の契約を結んだ金融機関のする当該契約に係る融資の利率は、当該金融機関が通常それと同種類の貸付を行う場合に定める利率を年四分引き下げた利率で当該契約の条件とされたものをこえてはならない。
(配当の許可)
第十五条 第十二条第一項の規定により政府が利子の補給をする旨の契約を結んだ金融機関のする当該契約に係る融資を受けて船舶の建造又は改造をした離島航路事業者は、当該金融機関が利子の補給を受けている期間に限り、運輸大臣の許可を受けた場合の外、省令で定める割合以上の利益の配当をしてはならない。
(金融機関の法令等の違反に対する措置)
第十六条 政府は、金融機関が第十四条の規定又は第十二条第一項の規定による契約に違反したときは、当該金融機関のした当該契約に係る融資について、補給すべき利子の全部若しくは一部について補給をせず、又は既に補給した利子の全部若しくは一部の返還を命ずることができる。
(立入検査)
第十七条 運輸大臣は、この法律の施行を確保するため必要があると認めるときは、その職員にこの法律の規定により助成を受ける離島航路事業者の使用する船舶、事業場その他の場所に立ち入り、帳簿書類その他の物件に関し検査をさせることができる。
2 当該職員は、前項の規定により立入検査をする場合においては、その身分を示す証票を携帯し、利害関係人に呈示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のため認められたものと解してはならない。
(罰則)
第十八条 前条第一項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。
(施行規定)
第十九条 この法律に定めるものの外、この法律の施行に関し必要な事項は、省令で定める。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 第十二条第一項の規定により政府と金融機関が契約を結ぶことができる融資は、この法律施行の日から十年以内になされるものに限る。
3 海上運送法の一部を次のように改正する。
第四条中「第二十条の規定により」を「離島航路整備法(昭和二十七年法律第二百二十六号)第三条の規定により」に改める。
第二十条を次のように改める。
第二十条 削除
4 この法律施行前に海上運送法第二十条の規定により交付の決定がなされた補助金については、なお従前の例による。
大蔵大臣 池田勇人
運輸大臣 村上義一
内閣総理大臣 吉田茂