アルコール専売事業特別会計法
法令番号: 法律第三十九号
公布年月日: 昭和22年3月31日
法令の形式: 法律
朕は、帝國議会の協賛を経た燃料局特別会計法を改正する法律を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽
昭和二十二年三月三十一日
内閣総理大臣 吉田茂
大藏大臣 石橋湛山
商工大臣 石井光次郎
法律第三十九号
アルコール專賣事業特別会計法
第一條 アルコール專賣事業を企業的に運営し、その健全な発達に資するため、特別会計を設置し、一般会計と区分して経理する。
この法律において、アルコール專賣事業とは、アルコール專賣法に規定するアルコールの製造、收納、販賣等の事業、アルコールに関する試驗及び研究並びにこれらの附帶業務をいう。
第二條 この会計は、商工大臣が、法令の定めるところに從い、これを管理する。
第三條 この会計においては、この会計に所属する資產の金額を以て資本とする。
第四條 この会計においては、アルコール專賣事業の経営成績及び財政状態を明らかにするため、財產の増減及び異動を、その発生の事実に基いて計理する。
この会計に属する資產及び負債については、政令の定めるところに從い、その内容を明らかにしなければならない。
第五條 この会計において、事業設備費を支弁するため必要があるときは、この会計の負担において、公債を発行し又は借入金をなすことができる。
前項の規定による公債及び借入金の限度額については、予算を以て、國会の議決を経なければならない。
第六條 この会計において、運轉資金に充てるため必要があるときは、この会計の負担において、一時借入金をなし若しくは融通証券を発行し又は國庫余裕金を繰替使用することができる。
前項の規定による一時借入金及び融通証券は、遅くとも翌年度内に、繰替金は当該年度内に、これを償還しなければならない。
第一項の規定による一時借入金、融通証券及び繰替金の限度額については、予算を以て、國会の議決を経なければならない。
第七條 前二條に規定する公債、借入金、一時借入金及び融通証券の起債、償還等に関する事務は、大藏大臣がこれを行う。
第八條 この会計の負担に属する公債、借入金、一時借入金又は融通証券の償還金及び利子並びに発行及び償還に関する諸費の支出に必要な金額は、年度内に償還する償還金を除いて、毎会計年度、これを國債整理基金特別会計に繰り入れなければならない。
第九條 商工大臣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出予定計算書及び國庫債務負担行爲要求書を作成し、これを大藏大臣に送付しなければならない。
第十條 この会計の歳入歳出予算は、歳入の性質及び歳出の目的に從つて、これを款及び項に区分する。
第十一條 内閣は、毎会計年度この会計の予算を作成し、一般会計の予算とともに、これを國会に提出しなければならない。
前項の予算には、左の書類を添附しなければならない。
一 歳入歳出予定計算書及び國庫債務負担行爲要求書
二 前前年度の損益計算書、貸借対照表及び財產目録
三 前年度及び当該年度の予定損益計算書及び予定貸借対照表
四 國庫債務負担行爲で翌年度以降にわたるものについての前年度までの支出額及び支出額の見込、当該年度以降の支出予定額並びに数会計年度にわたる事業に伴うものについてはその全体の計画その他事業等の進行状況の調書
第十二條 この会計において、決算上利益を生じたときは、これを当該利益を生じた年度の一般会計の歳入に納付しなければならない。
第十三條 商工大臣は、毎会計年度、歳入歳出予定計算書と同一の区分により、この会計の歳入歳出決定計算書を作製し、これを大藏大臣に送付しなければならない。
第十四條 内閣は、毎会計年度この会計の歳入歳出決算を作成し、一般会計歳入歳出決算とともに、これを國会に提出しなければならない。
前項の歳入歳出決算には、左の書類を添附しなければならない。
一 歳入歳出決定計算書
二 当該年度の損益計算書、貸借対照表及び財產目録
三 債務に関する計算書
第十五條 この会計において、支拂義務の生じた歳出金で当該年度内に支出済とならなかつたものに係る歳出予算は、これを翌年度に繰り越して使用することができる。
前項の規定による繰越は、財政法第四十三條の規定にかかわらず、大藏大臣の承認を経ることを要しない。
商工大臣は、第一項の規定による繰越をなしたときは、大藏大臣及び会計檢査院に通知しなければならない。
第十六條 この法律の施行に関し必要な事項は、政令でこれを定める。
附 則
第一條 この法律は、昭和二十二年四月一日から、これを施行する。附則第五條の規定は、公布の日から、これを施行する。
第二條 從前の燃料局特別会計の昭和二十二年三月三十一日現在における資本所属以外の物品等は、これをこの会計の資產に組み入れ、同日現在の支出未済額は、これを負債に編入する。
第三條 改正前の第三條の規定により、据置運轉資本補足のため借り入れた借入金又は國庫余裕金を繰替使用した繰替金は、これを第六條の規定による、一時借入金又は繰替金とみなす。
第四條 昭和二十一年度における一般会計歳出予算中アルコールの專賣事業に係るもので、年度内に契約をなし、昭和二十二年四月三十日までに支出を終らなかつた経費の金額については、これをこの会計に繰り越して使用することができる。
第五條 この会計において、決算上生じた利益金の一般会計えの納付については、この法律施行後三箇年を限り、第十二條本文の規定にかかわらず、政令の定めるところにより、その翌年度までに納付することができる。
第六條 この会計において、資本を増加する必要があるときは、当分の間、予算の定めるところにより、この会計の決算上生じた利益を以て、これに充てることができる。
第七條 この法律施行前になした予備費の支出並びに昭和二十年度及び同二十一年度の決算に関しては、なお、從前の例による。
第八條 この法律中「國会」、「内閣」及び「政令」とあるのは、日本國憲法施行の日までは、これを夫ゝ「帝國議会」、「政府」及び「勅令」と読み替えるものとする。
朕は、帝国議会の協賛を経た燃料局特別会計法を改正する法律を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽
昭和二十二年三月三十一日
内閣総理大臣 吉田茂
大蔵大臣 石橋湛山
商工大臣 石井光次郎
法律第三十九号
アルコール専売事業特別会計法
第一条 アルコール専売事業を企業的に運営し、その健全な発達に資するため、特別会計を設置し、一般会計と区分して経理する。
この法律において、アルコール専売事業とは、アルコール専売法に規定するアルコールの製造、収納、販売等の事業、アルコールに関する試験及び研究並びにこれらの附帯業務をいう。
第二条 この会計は、商工大臣が、法令の定めるところに従い、これを管理する。
第三条 この会計においては、この会計に所属する資産の金額を以て資本とする。
第四条 この会計においては、アルコール専売事業の経営成績及び財政状態を明らかにするため、財産の増減及び異動を、その発生の事実に基いて計理する。
この会計に属する資産及び負債については、政令の定めるところに従い、その内容を明らかにしなければならない。
第五条 この会計において、事業設備費を支弁するため必要があるときは、この会計の負担において、公債を発行し又は借入金をなすことができる。
前項の規定による公債及び借入金の限度額については、予算を以て、国会の議決を経なければならない。
第六条 この会計において、運転資金に充てるため必要があるときは、この会計の負担において、一時借入金をなし若しくは融通証券を発行し又は国庫余裕金を繰替使用することができる。
前項の規定による一時借入金及び融通証券は、遅くとも翌年度内に、繰替金は当該年度内に、これを償還しなければならない。
第一項の規定による一時借入金、融通証券及び繰替金の限度額については、予算を以て、国会の議決を経なければならない。
第七条 前二条に規定する公債、借入金、一時借入金及び融通証券の起債、償還等に関する事務は、大蔵大臣がこれを行う。
第八条 この会計の負担に属する公債、借入金、一時借入金又は融通証券の償還金及び利子並びに発行及び償還に関する諸費の支出に必要な金額は、年度内に償還する償還金を除いて、毎会計年度、これを国債整理基金特別会計に繰り入れなければならない。
第九条 商工大臣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出予定計算書及び国庫債務負担行為要求書を作成し、これを大蔵大臣に送付しなければならない。
第十条 この会計の歳入歳出予算は、歳入の性質及び歳出の目的に従つて、これを款及び項に区分する。
第十一条 内閣は、毎会計年度この会計の予算を作成し、一般会計の予算とともに、これを国会に提出しなければならない。
前項の予算には、左の書類を添附しなければならない。
一 歳入歳出予定計算書及び国庫債務負担行為要求書
二 前前年度の損益計算書、貸借対照表及び財産目録
三 前年度及び当該年度の予定損益計算書及び予定貸借対照表
四 国庫債務負担行為で翌年度以降にわたるものについての前年度までの支出額及び支出額の見込、当該年度以降の支出予定額並びに数会計年度にわたる事業に伴うものについてはその全体の計画その他事業等の進行状況の調書
第十二条 この会計において、決算上利益を生じたときは、これを当該利益を生じた年度の一般会計の歳入に納付しなければならない。
第十三条 商工大臣は、毎会計年度、歳入歳出予定計算書と同一の区分により、この会計の歳入歳出決定計算書を作製し、これを大蔵大臣に送付しなければならない。
第十四条 内閣は、毎会計年度この会計の歳入歳出決算を作成し、一般会計歳入歳出決算とともに、これを国会に提出しなければならない。
前項の歳入歳出決算には、左の書類を添附しなければならない。
一 歳入歳出決定計算書
二 当該年度の損益計算書、貸借対照表及び財産目録
三 債務に関する計算書
第十五条 この会計において、支払義務の生じた歳出金で当該年度内に支出済とならなかつたものに係る歳出予算は、これを翌年度に繰り越して使用することができる。
前項の規定による繰越は、財政法第四十三条の規定にかかわらず、大蔵大臣の承認を経ることを要しない。
商工大臣は、第一項の規定による繰越をなしたときは、大蔵大臣及び会計検査院に通知しなければならない。
第十六条 この法律の施行に関し必要な事項は、政令でこれを定める。
附 則
第一条 この法律は、昭和二十二年四月一日から、これを施行する。附則第五条の規定は、公布の日から、これを施行する。
第二条 従前の燃料局特別会計の昭和二十二年三月三十一日現在における資本所属以外の物品等は、これをこの会計の資産に組み入れ、同日現在の支出未済額は、これを負債に編入する。
第三条 改正前の第三条の規定により、据置運転資本補足のため借り入れた借入金又は国庫余裕金を繰替使用した繰替金は、これを第六条の規定による、一時借入金又は繰替金とみなす。
第四条 昭和二十一年度における一般会計歳出予算中アルコールの専売事業に係るもので、年度内に契約をなし、昭和二十二年四月三十日までに支出を終らなかつた経費の金額については、これをこの会計に繰り越して使用することができる。
第五条 この会計において、決算上生じた利益金の一般会計えの納付については、この法律施行後三箇年を限り、第十二条本文の規定にかかわらず、政令の定めるところにより、その翌年度までに納付することができる。
第六条 この会計において、資本を増加する必要があるときは、当分の間、予算の定めるところにより、この会計の決算上生じた利益を以て、これに充てることができる。
第七条 この法律施行前になした予備費の支出並びに昭和二十年度及び同二十一年度の決算に関しては、なお、従前の例による。
第八条 この法律中「国会」、「内閣」及び「政令」とあるのは、日本国憲法施行の日までは、これを夫ゝ「帝国議会」、「政府」及び「勅令」と読み替えるものとする。