第一條 特別ノ法人ノ前事業年度ヨリ繰越シタル益金ハ其ノ事業年度ノ剩餘金ノ計算上益金ニ之ヲ算入セズ
特別ノ法人ノ前事業年度ヨリ繰越シタル損金ハ特別法人稅法第四條第四項ニ規定スルモノヲ除クノ外其ノ事業年度ノ剩餘金ノ計算上損金ニ之ヲ算入セズ
第二條 特別ノ法人ノ各事業年度開始ノ日前三年以內ニ開始シタル事業年度ニ於テ生ジタル損金ニシテ其ノ損金ノ生ジタル事業年度以後ノ事業年度ノ剩餘金ノ計算上總益金ヨリ控除セラレザリシモノノ金額ハ特別法人稅法第四條第四項ノ規定ニ依リ各事業年度ノ剩餘金ノ計算上損金ニ之ヲ算入ス
第三條 大藏大臣ノ指定スル國庫補助金ノ收入ハ特別ノ法人ノ剩餘金ノ計算上大藏大臣ノ定ムル割合ニ依リ其ノ全部又ハ一部ヲ益金ニ算入セズ
第四條 產業組合、商業組合、工業組合若ハ貿易組合又ハ此等ノ組合ノ聯合會ガ其ノ剩餘金中留保シタル金額ノ全部又ハ一部ヲ輸出振興ノ爲必要ナル資金ニ充テタルトキハ之ヲ其ノ剩餘金額ヨリ控除ス
第五條 產業組合、商業組合、工業組合若ハ貿易組合又ハ此等ノ組合ノ聯合會ガ各事業年度ノ留保金額ノ全部又ハ一部ヲ前條ニ定ムル輸出振興ノ爲必要ナル資金ニ充テントスルトキハ當該事業年度ノ剩餘金ノ處分ニ當リ其ノ金額ヲ確定シ之ヲ「輸出振興留保金」勘定(貸方勘定)ニ繰入ルベシ
前項ノ「輸出振興留保金」勘定ニ繰入レタル金額ハ現金、預金又ハ有價證券ノ外之ヲ運用スルコトヲ得ズ
第一項ノ「輸出振興留保金」勘定ニ繰入レタル金額ハ他ノ財產ト分別シテ之ヲ計理スベシ
第六條 產業組合、商業組合、工業組合若ハ貿易組合又ハ此等ノ組合ノ聯合會ガ「輸出振興留保金」勘定ニ繰入レタル金額ヲ輸出振興以外ノ目的ニ支出シタルトキ又ハ「輸出振興留保金」勘定ニ繰入レタル金額ヲ輸出振興ノ爲支出セズシテ解散シタルトキハ其ノ支出金又ハ繰入金ニ相當スル金額ヲ支出ノ日又ハ解散ノ日ノ屬スル事業年度ノ益金ニ算入ス
第七條 漁業協同組合ガ漁業權ノ抛棄又ハ讓渡ニ因リ生ジタル利益金額ノ全部又ハ一部ヲ組合員ニ對シ補償トシテ交付シ又ハ增殖施設、船溜若ハ船揚場ノ設置ノ爲支出シタルトキハ其ノ交付金額又ハ支出金額ハ特別ノ法人ノ剩餘金ノ計算上損金ニ之ヲ算入ス
第八條 漁業協同組合ガ漁業權ノ抛棄又ハ讓渡ニ因リ生ジタル利益金額ノ全部又ハ一部ヲ增殖施設又ハ船溜若ハ船揚場ノ設置ニ必要ナル資金ニ充テタルトキハ之ヲ其ノ剩餘金額ヨリ控除ス
第九條 漁業協同組合ガ漁業權ノ抛棄又ハ讓渡ニ因リ生ジタル利益金額ノ全部又ハ一部ヲ前條ニ定ムル增殖施設又ハ船溜若ハ般揚場ノ設置ニ必要ナル資金ニ充テントスルトキハ當該事業年度ノ剩餘金ノ處分ニ當リ其ノ金額ヲ確定シ之ヲ「增殖施設等設置留保金」勘定(貸方勘定)ニ繰入ルベシ
第五條第二項及第三項ノ規定ハ前項ノ「增殖施設等設置留保金」勘定ニ繰入レタル金額ニ付之ヲ準用ス
第十條 第六條ノ規定ハ漁業協同組合ガ「增殖施設等設置留保金」勘定ニ繰入レタル金額ヲ增殖施設又ハ船溜若ハ船揚場ノ設置以外ノ目的ニ支出シタル場合又ハ「增殖施設等設置留保金」勘定ニ繰入レタル金額ヲ增殖施設又ハ船溜若ハ船揚場ノ設置ノ爲支出セズシテ解散シタル場合ニ付之ヲ準用ス
第十一條 特別法人稅法第五條ノ規定ニ依リ剩餘金額ヨリ國債利子ノ控除ヲ受ケントスル特別ノ法人ハ其ノ旨所轄稅務署ニ申請スベシ
前項ノ申請ハ特別法人稅法第十條ノ申吿ト同時ニ控除ニ關スル明細書ヲ添附シテ之ヲ爲スベシ
第十二條 特別法人稅法第六條第二項ノ規定ニ依ル拂込濟出資金額ハ各事業年度ノ各月末ニ於ケル拂込濟出資金額ノ月割平均額ニ當該事業年度ノ月數ヲ乘ジタルモノヲ十二分シテ計算シタル金額ニ依ル
前項ノ月數ハ曆ニ從ヒ之ヲ計算シ一月ニ滿タザル端數ヲ生ジタルトキハ之ヲ一月トス
損失ノ塡補ニ充ツル爲拂込濟出資金額ヲ減少シタル特別ノ法人ノ第一項ノ拂込濟出資金額ハ其ノ減少ナカリシモノト看做シテ之ヲ計算ス
第十三條 特別ノ法人ノ各事業年度ノ剩餘金ハ每事業年度決算確定ノ日若ハ合併ノ日ヨリ十四日以內又ハ淸算著手ノ日ヨリ二十日以內ニ之ヲ所轄稅務署ニ申吿スベシ
前項ノ申吿ハ特別ノ法人ガ分割ニ因リ解散シタル場合ニ於テハ分割ノ日ヨリ十四日以內ニ所轄稅務署ニ之ヲ爲スベシ
第十四條 稅務署長又ハ其ノ代理官特別法人稅法第十二條ノ規定ニ依リ特別ノ法人ノ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ檢査スルトキハ檢査章ヲ携帶スベシ
第十五條 稅務署長特別法人稅法第十三條ノ規定ニ依リ剩餘金額ヲ決定シタルトキハ之ヲ納稅義務アル特別ノ法人ニ通知スベシ
第十六條 特別法人稅法第十四條ノ審査ノ請求ヲ爲サントスル特別ノ法人ハ事由ヲ具シ證憑書類ヲ添ヘ剩餘金額ノ決定ヲ爲シタル稅務署長ヲ經由シ稅務監督局長ニ申出ヅベシ
第十七條 所得稅法施行規則第七十九條ノ規定ハ特別法人稅ニ付之ヲ準用ス
第十八條 稅務監督局長特別法人稅法第十五條ノ規定ニ依リ剩餘金額ヲ決定シタルトキハ之ヲ納稅義務アル特別ノ法人ニ通知スベシ