朕遞信醫及遞信藥劑師ニ關スル件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十二年十一月二日
內閣總理大臣 公爵 近衞文麿
遞信大臣 永井柳太郞
勅令第六百三十七號
第一條 遞信省、遞信局及通信官署ニ遞信醫及遞信藥劑師ヲ置ク
第二條 遞信醫ハ勅任官、奏任官又ハ判任官ノ待遇トス上司ノ命ヲ承ケ醫務ヲ掌ル
遞信藥劑師ハ奏任官又ハ判任官ノ待遇トス上司ノ命ヲ承ケ調劑ヲ掌ル
第三條 勅任官ノ待遇ヲ受クル遞信醫ノ數ハ一人トシ奏任官ノ待遇ヲ受クル遞信醫ノ數ハ百五人以內、遞信藥劑師ノ數ハ一人トシ判任官ノ待遇ヲ受クル遞信醫ノ數ハ二十九人以內、遞信藥劑師ノ數ハ八人以內トス
第四條 勅任官ノ待遇ヲ受クル遞信醫ノ進退ハ勅任官ノ例ニ依リ、奏任官ノ待遇ヲ受クル遞信醫及遞信藥劑師ノ進退ハ奏任官ノ例ニ依リ之ヲ行ヒ判任官ノ待遇ヲ受クル遞信醫及遞信藥劑師ノ進退ハ遞信大臣之ヲ專行ス
第五條 奏任官又ハ判任官ノ待遇ヲ受クル遞信醫及遞信藥劑師ノ官等等級ハ其ノ俸給額ニ應ジ別表第一號表ニ依リ文武高等官官等又ハ文武判任官等級ニ配當ス
第六條 遞信醫及遞信藥劑師ニシテ勅任官、奏任官又ハ判任官ノ待遇ヲ受クル者ノ席次ハ同官等又ハ同等級內ニ於テ文武官吏ノ次席トス
第七條 遞信醫及遞信藥劑師ノ俸給ハ別表第二號表ニ依ル
第八條 遞信醫又ハ遞信藥劑師ニシテ一級俸ヲ受ケ五年ヲ超エ特ニ功勞アル者ニハ勅任官又ハ奏任官ノ待遇ヲ受クル者ニ在リテハ年額六百圓以內ヲ、判任官ノ待遇ヲ受クル者ニ在リテハ月額三十五圓以內ヲ加給スルコトヲ得
第九條 勅任官ノ待遇ヲ受クル遞信醫、奏任官ノ待遇ヲ受クル遞信醫若ハ遞信藥劑師ニシテ七級俸以上ノ俸給ヲ受クル者又ハ判任官ノ待遇ヲ受クル遞信醫若ハ遞信藥劑師ニシテ五級俸以上ノ俸給ヲ受クル者ハ一年ヲ經過スルニ非ザレバ昇級スルコトヲ得ズ
第十條 俸給ノ支給ニ關シテハ高等官又ハ判任官ノ俸給支給ノ例ニ依ル
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
本令施行ノ際現ニ遞信局又ハ通信官署ノ囑託醫ノ職ニ在ル者ヲ奏任官ノ待遇ヲ受クル遞信醫ニ任用スル場合ニ於テハ本令施行ノ際ニ限リ其ノ現ニ受クル手當月額ノ十二倍ニ相當スル金額ノ年俸ヲ給スルコトヲ得
第五條又ハ第九條ノ規定ハ前項ノ規定ニ依リテ年俸ヲ給セラルル者ニ付テハ其ノ俸給ニ最モ近キ上級ノ級俸ヲ其ノ者ガ受クル俸給ト看做シ之ヲ適用ス但シ年俸四千五十圓ヲ超ユル俸給ヲ給セラルル者ハ之ヲ一級俸ヲ受クルモノト看做ス
第八條ノ規定ハ第二項ノ規定ニ依リテ年俸ヲ給セラルル者ニ付テハ遞信局又ハ通信官署ノ囑託醫トシテ初メテ手當月額三百三十七圓以上ノ金額ヲ受ケタル時ヲ以テ一級俸ヲ受ケタル時ト看做シ其ノ期間ヲ通算シテ之ヲ適用ス但シ年俸四千六百五十圓ヲ超ユルコトヲ得ズ
別表
第一號表
【表】
第二號表
【表】
朕逓信医及逓信薬剤師ニ関スル件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十二年十一月二日
内閣総理大臣 公爵 近衛文麿
逓信大臣 永井柳太郎
勅令第六百三十七号
第一条 逓信省、逓信局及通信官署ニ逓信医及逓信薬剤師ヲ置ク
第二条 逓信医ハ勅任官、奏任官又ハ判任官ノ待遇トス上司ノ命ヲ承ケ医務ヲ掌ル
逓信薬剤師ハ奏任官又ハ判任官ノ待遇トス上司ノ命ヲ承ケ調剤ヲ掌ル
第三条 勅任官ノ待遇ヲ受クル逓信医ノ数ハ一人トシ奏任官ノ待遇ヲ受クル逓信医ノ数ハ百五人以内、逓信薬剤師ノ数ハ一人トシ判任官ノ待遇ヲ受クル逓信医ノ数ハ二十九人以内、逓信薬剤師ノ数ハ八人以内トス
第四条 勅任官ノ待遇ヲ受クル逓信医ノ進退ハ勅任官ノ例ニ依リ、奏任官ノ待遇ヲ受クル逓信医及逓信薬剤師ノ進退ハ奏任官ノ例ニ依リ之ヲ行ヒ判任官ノ待遇ヲ受クル逓信医及逓信薬剤師ノ進退ハ逓信大臣之ヲ専行ス
第五条 奏任官又ハ判任官ノ待遇ヲ受クル逓信医及逓信薬剤師ノ官等等級ハ其ノ俸給額ニ応ジ別表第一号表ニ依リ文武高等官官等又ハ文武判任官等級ニ配当ス
第六条 逓信医及逓信薬剤師ニシテ勅任官、奏任官又ハ判任官ノ待遇ヲ受クル者ノ席次ハ同官等又ハ同等級内ニ於テ文武官吏ノ次席トス
第七条 逓信医及逓信薬剤師ノ俸給ハ別表第二号表ニ依ル
第八条 逓信医又ハ逓信薬剤師ニシテ一級俸ヲ受ケ五年ヲ超エ特ニ功労アル者ニハ勅任官又ハ奏任官ノ待遇ヲ受クル者ニ在リテハ年額六百円以内ヲ、判任官ノ待遇ヲ受クル者ニ在リテハ月額三十五円以内ヲ加給スルコトヲ得
第九条 勅任官ノ待遇ヲ受クル逓信医、奏任官ノ待遇ヲ受クル逓信医若ハ逓信薬剤師ニシテ七級俸以上ノ俸給ヲ受クル者又ハ判任官ノ待遇ヲ受クル逓信医若ハ逓信薬剤師ニシテ五級俸以上ノ俸給ヲ受クル者ハ一年ヲ経過スルニ非ザレバ昇級スルコトヲ得ズ
第十条 俸給ノ支給ニ関シテハ高等官又ハ判任官ノ俸給支給ノ例ニ依ル
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
本令施行ノ際現ニ逓信局又ハ通信官署ノ嘱託医ノ職ニ在ル者ヲ奏任官ノ待遇ヲ受クル逓信医ニ任用スル場合ニ於テハ本令施行ノ際ニ限リ其ノ現ニ受クル手当月額ノ十二倍ニ相当スル金額ノ年俸ヲ給スルコトヲ得
第五条又ハ第九条ノ規定ハ前項ノ規定ニ依リテ年俸ヲ給セラルル者ニ付テハ其ノ俸給ニ最モ近キ上級ノ級俸ヲ其ノ者ガ受クル俸給ト看做シ之ヲ適用ス但シ年俸四千五十円ヲ超ユル俸給ヲ給セラルル者ハ之ヲ一級俸ヲ受クルモノト看做ス
第八条ノ規定ハ第二項ノ規定ニ依リテ年俸ヲ給セラルル者ニ付テハ逓信局又ハ通信官署ノ嘱託医トシテ初メテ手当月額三百三十七円以上ノ金額ヲ受ケタル時ヲ以テ一級俸ヲ受ケタル時ト看做シ其ノ期間ヲ通算シテ之ヲ適用ス但シ年俸四千六百五十円ヲ超ユルコトヲ得ズ
別表
第一号表
【表】
第二号表
【表】