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臨時船舶管理法
法令番号: 法律第九十三號
公布年月日: 昭和12年9月10日
法令の形式: 法律
沿革
リンク
改正:
昭和16年3月6日 法律第35号
改正:
昭和17年2月18日 法律第9号
改正:
昭和21年3月14日 勅令第139号
改正:
昭和21年5月6日 勅令第262号
改正:
昭和24年6月1日 法律第187号
改正:
昭和25年5月4日 法律第153号
改正:
昭和26年4月16日 法律第149号
廃止:
昭和28年8月1日 法律第149号
国立国会図書館『官報』
国立公文書館『御署名原本』
日本法令索引
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル臨時船舶管理法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十二年九月九日
內閣總理大臣 公爵 近衞文麿
遞信大臣 永井柳太郞
拓務大臣 大谷尊由
法律第九十三號
臨時船舶管理法
第一條
本法ハ支那事變ニ關聯シ海上ニ於ケル一般交通運輸ノ調整ヲ圖ルヲ目的トス
第二條
本法ニ於テ運航業者トハ帝國臣民又ハ帝國法人ニシテ海上ニ於テ人又ハ物ヲ運送スル事業ヲ營ム者ヲ謂フ
第三條
日本船舶ハ命令ヲ以テ定ムルモノヲ除クノ外之ヲ日本船舶(關東州ニ行ハルル命令ニ依ル日本船舶ヲ含ム)ヲ所有スルコトヲ得ザル者ニ讓渡シ、貸渡シ(期間傭船ヲ含ム)、擔保ニ供シ又ハ引渡サントスルトキハ政府ノ許可ヲ受クベシ
前項ノ規定ハ製造中ノ船舶ニ之ヲ準用ス
第四條
日本船舶ヲ所有スルコトヲ得ル者日本船舶(關東州ニ行ハルル命令ニ依ル日本船舶ヲ含ム)ニ非ザル船舶ヲ取得セントスルトキハ政府ノ許可ヲ受クベシ但シ命令ヲ以テ定ムル船舶ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ許可ニハ條件ヲ附スルコトヲ得
第五條
政府ハ運航業者ニ對シ外國諸港間ノ運送ヲ爲スコトヲ禁止又ハ制限スルコトヲ得
第六條
政府ハ運航業者ニ對シ航路、就航區域又ハ運送スベキ人若ハ物ヲ指定シテ航海ヲ命ズルコトヲ得
第七條
政府ハ運航業者、船舶所有者又ハ造船業者ニ對シ運賃、船舶ノ賃貸料(期間傭船料ヲ含ム)又ハ其ノ製造若ハ賣買ノ價格ニ關シ必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
第八條
政府ハ造船業者ニ對シ船舶ノ製造順位ノ變更、材料又ハ艤裝品ノ取得ノ調整其ノ他船舶ノ製造ニ關シ必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
第九條
政府ハ運航業者又ハ船舶所有者ニ對シ船舶ノ施設又ハ乘組員ノ保護若ハ整備ニ關シ必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
第十條
政府ハ運航業者、船舶所有者又ハ造船業者ニ對シ其ノ業務ノ狀況ニ關シ報吿ヲ爲サシムルコトヲ得
第十一條
政府ハ遠洋航路補助法ニ依ル補助航海ニ使用スル船舶ノ資格ニ付命令ヲ以テ別段ノ規定ヲ爲スコトヲ得
第十二條
政府ハ船舶職員法ニ依リ船舶ニ乘組マシムベキ船舶職員ノ定員又ハ其ノ免狀ノ種類ニ付命令ヲ以テ別段ノ規定ヲ爲スコトヲ得
第十三條
第七條ノ規定ニ依ル命令ヲ爲サントスルトキハ船舶管理委員會ノ議ヲ經ベシ
船舶管理委員會ニ關スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十四條
第三條ノ規定ニ違反シ許可ヲ受ケズシテ日本船舶ヲ讓渡シ、貸渡シ(期間傭船ヲ含ム)、擔保ニ供シ又ハ引渡シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ三千圓以下ノ罰金ニ處ス
第十五條
左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ一年以下ノ懲役又ハ二千圓以下ノ罰金ニ處ス
一
第四條第一項ノ規定ニ違反シ許可ヲ受ケズシテ船舶ヲ取得シタル者
二
第四條第二項ノ規定ニ依リ附シタル條件ニ違反シタル者
三
第五條ノ規定ニ依ル禁止又ハ制限ニ違反シタル者
四
第六條又ハ第七條ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
第十六條
第八條又ハ第九條ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者ハ二千圓以下ノ罰金ニ處ス
第十七條
第十條ノ規定ニ違反シ報吿ヲ爲サズ又ハ虛僞ノ報吿ヲ爲シタル者ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
第十八條
運航業者、船舶所有者又ハ造船業者ハ支配人其ノ他ノ代理人又ハ船長其ノ他ノ從業者ガ其ノ業務ニ關シ本法又ハ本法ニ基ク命令ニ違反シタルトキハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第十九條
本法又ハ本法ニ基ク命令ニ依リ運航業者、船舶所有者又ハ造船業者ニ適用スベキ罰則ハ其ノ者ガ法人ナルトキハ理事、取締役其ノ他ノ法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年者又ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用ス但シ營業ニ關シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第二十條
前二條ノ場合ニ於テハ懲役ノ刑ニ處スルコトヲ得ズ
第二十一條
本法ノ罰則ハ本法施行地ニ本店又ハ主タル事務所ヲ有スル法人ノ代表者、代理人、使用人其ノ他ノ從業者ガ本法施行地外ニ於テ爲シタル行爲ニモ之ヲ適用ス本法施行地ニ住所ヲ有スル人又ハ其ノ代理人、使用人其ノ他ノ從業者ガ本法施行地外ニ於テ爲シタル行爲ニ付亦同ジ
第二十二條
本法及本法ニ基ク命令中船舶所有者ニ關スル規定ハ船舶共有ノ場合ニ在リテ船舶管理人ヲ置キタルトキハ船舶管理人ニ之ヲ適用ス
第二十三條
朝鮮及臺灣ニ於テハ第十一條乃至第十三條ノ規定ニ關シ勅令ヲ以テ別段ノ規定ヲ爲スコトヲ得
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法ハ支那事變終了後一年內ニ之ヲ廢止スルモノトス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル臨時船舶管理法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十二年九月九日
内閣総理大臣 公爵 近衛文麿
逓信大臣 永井柳太郎
拓務大臣 大谷尊由
法律第九十三号
臨時船舶管理法
第一条
本法ハ支那事変ニ関連シ海上ニ於ケル一般交通運輸ノ調整ヲ図ルヲ目的トス
第二条
本法ニ於テ運航業者トハ帝国臣民又ハ帝国法人ニシテ海上ニ於テ人又ハ物ヲ運送スル事業ヲ営ム者ヲ謂フ
第三条
日本船舶ハ命令ヲ以テ定ムルモノヲ除クノ外之ヲ日本船舶(関東州ニ行ハルル命令ニ依ル日本船舶ヲ含ム)ヲ所有スルコトヲ得ザル者ニ譲渡シ、貸渡シ(期間傭船ヲ含ム)、担保ニ供シ又ハ引渡サントスルトキハ政府ノ許可ヲ受クベシ
前項ノ規定ハ製造中ノ船舶ニ之ヲ準用ス
第四条
日本船舶ヲ所有スルコトヲ得ル者日本船舶(関東州ニ行ハルル命令ニ依ル日本船舶ヲ含ム)ニ非ザル船舶ヲ取得セントスルトキハ政府ノ許可ヲ受クベシ但シ命令ヲ以テ定ムル船舶ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ許可ニハ条件ヲ附スルコトヲ得
第五条
政府ハ運航業者ニ対シ外国諸港間ノ運送ヲ為スコトヲ禁止又ハ制限スルコトヲ得
第六条
政府ハ運航業者ニ対シ航路、就航区域又ハ運送スベキ人若ハ物ヲ指定シテ航海ヲ命ズルコトヲ得
第七条
政府ハ運航業者、船舶所有者又ハ造船業者ニ対シ運賃、船舶ノ賃貸料(期間傭船料ヲ含ム)又ハ其ノ製造若ハ売買ノ価格ニ関シ必要ナル命令ヲ為スコトヲ得
第八条
政府ハ造船業者ニ対シ船舶ノ製造順位ノ変更、材料又ハ艤装品ノ取得ノ調整其ノ他船舶ノ製造ニ関シ必要ナル命令ヲ為スコトヲ得
第九条
政府ハ運航業者又ハ船舶所有者ニ対シ船舶ノ施設又ハ乗組員ノ保護若ハ整備ニ関シ必要ナル命令ヲ為スコトヲ得
第十条
政府ハ運航業者、船舶所有者又ハ造船業者ニ対シ其ノ業務ノ状況ニ関シ報告ヲ為サシムルコトヲ得
第十一条
政府ハ遠洋航路補助法ニ依ル補助航海ニ使用スル船舶ノ資格ニ付命令ヲ以テ別段ノ規定ヲ為スコトヲ得
第十二条
政府ハ船舶職員法ニ依リ船舶ニ乗組マシムベキ船舶職員ノ定員又ハ其ノ免状ノ種類ニ付命令ヲ以テ別段ノ規定ヲ為スコトヲ得
第十三条
第七条ノ規定ニ依ル命令ヲ為サントスルトキハ船舶管理委員会ノ議ヲ経ベシ
船舶管理委員会ニ関スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十四条
第三条ノ規定ニ違反シ許可ヲ受ケズシテ日本船舶ヲ譲渡シ、貸渡シ(期間傭船ヲ含ム)、担保ニ供シ又ハ引渡シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ三千円以下ノ罰金ニ処ス
第十五条
左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ一年以下ノ懲役又ハ二千円以下ノ罰金ニ処ス
一
第四条第一項ノ規定ニ違反シ許可ヲ受ケズシテ船舶ヲ取得シタル者
二
第四条第二項ノ規定ニ依リ附シタル条件ニ違反シタル者
三
第五条ノ規定ニ依ル禁止又ハ制限ニ違反シタル者
四
第六条又ハ第七条ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
第十六条
第八条又ハ第九条ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者ハ二千円以下ノ罰金ニ処ス
第十七条
第十条ノ規定ニ違反シ報告ヲ為サズ又ハ虚偽ノ報告ヲ為シタル者ハ五百円以下ノ罰金ニ処ス
第十八条
運航業者、船舶所有者又ハ造船業者ハ支配人其ノ他ノ代理人又ハ船長其ノ他ノ従業者ガ其ノ業務ニ関シ本法又ハ本法ニ基ク命令ニ違反シタルトキハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ其ノ処罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第十九条
本法又ハ本法ニ基ク命令ニ依リ運航業者、船舶所有者又ハ造船業者ニ適用スベキ罰則ハ其ノ者ガ法人ナルトキハ理事、取締役其ノ他ノ法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年者又ハ禁治産者ナルトキハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用ス但シ営業ニ関シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第二十条
前二条ノ場合ニ於テハ懲役ノ刑ニ処スルコトヲ得ズ
第二十一条
本法ノ罰則ハ本法施行地ニ本店又ハ主タル事務所ヲ有スル法人ノ代表者、代理人、使用人其ノ他ノ従業者ガ本法施行地外ニ於テ為シタル行為ニモ之ヲ適用ス本法施行地ニ住所ヲ有スル人又ハ其ノ代理人、使用人其ノ他ノ従業者ガ本法施行地外ニ於テ為シタル行為ニ付亦同ジ
第二十二条
本法及本法ニ基ク命令中船舶所有者ニ関スル規定ハ船舶共有ノ場合ニ在リテ船舶管理人ヲ置キタルトキハ船舶管理人ニ之ヲ適用ス
第二十三条
朝鮮及台湾ニ於テハ第十一条乃至第十三条ノ規定ニ関シ勅令ヲ以テ別段ノ規定ヲ為スコトヲ得
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法ハ支那事変終了後一年内ニ之ヲ廃止スルモノトス
本文
詳細・沿革