朕海軍病院條例改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正十年六月六日
內閣總理大臣 原敬
海軍大臣 男爵 加藤友三郞
勅令第二百六十四號
海軍病院令
第一條 各軍港其ノ他海軍大臣ノ指定スル地ニ海軍病院ヲ置ク
海軍病院ハ其ノ所在地名ヲ冠稱ス
第二條 軍港ニ在ル海軍病院ハ當該鎭守府ニ、其ノ他ノ海軍病院ハ海軍大臣ノ定ムル鎭守府ニ屬ス
第三條 海軍病院ハ患者ノ診療、諸般ノ衞生的檢査及傳染病消毒ニ關スルコトヲ掌ル
軍港ニ在ル海軍病院ハ前項ニ揭クルモノノ外治療品ノ準備供給ニ關スルコトヲ掌ル
第四條 海軍病院ニ第一部、第二部、藥劑部及消毒部ヲ置ク各部ノ事務ノ分掌ハ海軍大臣之ヲ定ム
海軍大臣ハ必要ニ依リ藥劑部又ハ消毒部ヲ置カサルコトヲ得
第五條 海軍病院ニ左ノ職員ヲ置ク
院長
副官
部長
部員
第六條 院長ハ鎭守府司令長官ニ隸シ院務ヲ總理シ軍紀風紀ヲ維持シ部下ヲ訓練ス
第七條 院長ハ部下ノ職員缺員中又ハ事故アルトキハ他ノ部下ノ職員ヲシテ其ノ職務ヲ代理セシムルコトヲ得
第八條 院長缺員中又ハ事故アルトキハ部下ノ軍醫科士官席次ニ從ヒ其ノ職務ヲ代理ス但シ鎭守府司令長官特ニ代理者ヲ置キタル場合ハ此ノ限ニ在ラス
第九條 副官ハ院長ノ命ヲ承ケ庶務ヲ掌ル
第十條 部長ハ院長ノ命ヲ承ケ第四條ニ揭クル各部ノ事務ヲ掌ル
第十一條 部員ハ各上官ノ命ヲ承ケ服務ス
第十二條 海軍病院ニ判任文官ヲ置ク
附ハ海軍士官、特務士官、准士官、下士官兵又ハ判任文官ヲ以テ之ニ充ツ各上官ノ命ヲ承ケ服務ス
第十三條 軍港ニ在ル海軍病院ニ練習部ヲ置ク
練習部ハ海軍看護科下士官兵ニシテ特修兵ト爲スヘキモノ及海軍四等看護兵ヲ敎育ス
第十四條 院長ハ鎭守府司令長官ノ指揮ヲ承ケ練習部ノ部務ヲ總理ス
第十五條 練習部ヲ置ク海軍病院ニ練習部ノ敎育ヲ掌ラシムル爲敎官ヲ置ク
敎官ハ院長ノ命ヲ承ケ敎育ヲ擔任シ且敎務ヲ掌理ス
第十六條 院長ハ必要ニ應シ敎官以外ノ海軍病院職員ヲシテ練習部ニ關スルコトヲ掌ラシムルコトヲ得
第十七條 練習部ニ於テ敎育スル海軍特修兵ト爲スヘキ海軍看護科下士官兵ヲ練習生、海軍四等看護兵ヲ新兵ト稱ス
第十八條 練習部ノ敎育綱領竝練習生及新兵ニ關スル事項ハ海軍大臣之ヲ定ム
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
大正五年勅令第二百三十六號第二條及大正七年勅令第三百九十三號第一條中「海軍病院條例第二條」ヲ「海軍病院令第三條」ニ改ム
朕海軍病院条例改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正十年六月六日
内閣総理大臣 原敬
海軍大臣 男爵 加藤友三郎
勅令第二百六十四号
海軍病院令
第一条 各軍港其ノ他海軍大臣ノ指定スル地ニ海軍病院ヲ置ク
海軍病院ハ其ノ所在地名ヲ冠称ス
第二条 軍港ニ在ル海軍病院ハ当該鎮守府ニ、其ノ他ノ海軍病院ハ海軍大臣ノ定ムル鎮守府ニ属ス
第三条 海軍病院ハ患者ノ診療、諸般ノ衛生的検査及伝染病消毒ニ関スルコトヲ掌ル
軍港ニ在ル海軍病院ハ前項ニ掲クルモノノ外治療品ノ準備供給ニ関スルコトヲ掌ル
第四条 海軍病院ニ第一部、第二部、薬剤部及消毒部ヲ置ク各部ノ事務ノ分掌ハ海軍大臣之ヲ定ム
海軍大臣ハ必要ニ依リ薬剤部又ハ消毒部ヲ置カサルコトヲ得
第五条 海軍病院ニ左ノ職員ヲ置ク
院長
副官
部長
部員
第六条 院長ハ鎮守府司令長官ニ隷シ院務ヲ総理シ軍紀風紀ヲ維持シ部下ヲ訓練ス
第七条 院長ハ部下ノ職員欠員中又ハ事故アルトキハ他ノ部下ノ職員ヲシテ其ノ職務ヲ代理セシムルコトヲ得
第八条 院長欠員中又ハ事故アルトキハ部下ノ軍医科士官席次ニ従ヒ其ノ職務ヲ代理ス但シ鎮守府司令長官特ニ代理者ヲ置キタル場合ハ此ノ限ニ在ラス
第九条 副官ハ院長ノ命ヲ承ケ庶務ヲ掌ル
第十条 部長ハ院長ノ命ヲ承ケ第四条ニ掲クル各部ノ事務ヲ掌ル
第十一条 部員ハ各上官ノ命ヲ承ケ服務ス
第十二条 海軍病院ニ判任文官ヲ置ク
附ハ海軍士官、特務士官、准士官、下士官兵又ハ判任文官ヲ以テ之ニ充ツ各上官ノ命ヲ承ケ服務ス
第十三条 軍港ニ在ル海軍病院ニ練習部ヲ置ク
練習部ハ海軍看護科下士官兵ニシテ特修兵ト為スヘキモノ及海軍四等看護兵ヲ教育ス
第十四条 院長ハ鎮守府司令長官ノ指揮ヲ承ケ練習部ノ部務ヲ総理ス
第十五条 練習部ヲ置ク海軍病院ニ練習部ノ教育ヲ掌ラシムル為教官ヲ置ク
教官ハ院長ノ命ヲ承ケ教育ヲ担任シ且教務ヲ掌理ス
第十六条 院長ハ必要ニ応シ教官以外ノ海軍病院職員ヲシテ練習部ニ関スルコトヲ掌ラシムルコトヲ得
第十七条 練習部ニ於テ教育スル海軍特修兵ト為スヘキ海軍看護科下士官兵ヲ練習生、海軍四等看護兵ヲ新兵ト称ス
第十八条 練習部ノ教育綱領並練習生及新兵ニ関スル事項ハ海軍大臣之ヲ定ム
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
大正五年勅令第二百三十六号第二条及大正七年勅令第三百九十三号第一条中「海軍病院条例第二条」ヲ「海軍病院令第三条」ニ改ム