朕陸軍兵器廠條例改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正二年三月二十七日
內閣總理大臣 伯爵 山本權兵衞
陸軍大臣 男爵 木越安綱
勅令第三十號
陸軍兵器廠條例
第一條 陸軍兵器廠ハ兵器ノ購買、檢査、貯藏、保存、修理、支給、交換、廢品處分及砲兵工廠ニ於テ製造修理スル軍用品ノ檢査竝要塞ノ備砲工事ヲ掌ル
第二條 兵器廠ハ兵器本廠及兵器支廠ヨリ成ル
本廠ハ東京ニ、支廠ハ師團司令部所在地臺北龍山及旅順ニ置ク
陸軍大臣ハ必要ニ應シ兵器支廠出張所ヲ置キ支廠ノ業務ヲ分掌セシムルコトヲ得
第三條 兵器廠ニ左ノ職員ヲ置ク
本廠
本廠長
廠員
檢査官
主計正主計
支廠
支廠長
廠員
主計
前項職員ノ外准士官下士及判任文官ヲ置ク
出張所ヲ置キタル場合ニ於テハ出張所長ハ廠員ヲ以テ之ニ充ツ
第四條 本廠長ハ陸軍大臣ニ隸シ兵器廠ノ事務ヲ總理ス
第五條 支廠長ハ本廠長ノ命ヲ承ケ支廠ノ事務ヲ管理ス
第六條 廠員主計正及主計ハ上官ノ命ヲ承ケ各擔任ノ事務ヲ掌ル
第七條 檢査官ハ本廠長ノ命ヲ承ケ兵器廠購買ニ係ル兵器及砲兵工廠ニ於テ製造修理スル軍用品ノ檢査ニ任ス
砲兵工廠ニ於テ製造修理スル軍用品ノ檢査ニ任スル檢査官竝之ニ屬スル准士官下士及判任文官ハ砲兵工廠ニ於テ其ノ任務ニ服セシム
第八條 准士官下士及判任文官ハ上官ノ命ヲ承ケ事務ニ服ス
第九條 支廠長ハ師團長朝鮮駐箚軍司令官臺灣守備隊司令官又ハ關東都督ノ管理スル兵器ニ付テハ當該師團長司令官又ハ都督ノ命ヲ承ク
第十條 本廠長ハ要塞ノ備砲工事及要塞所在地軍隊官衙學校所要兵器ノ支給交換ニ關シテハ當該要塞司令部對馬ニ在リテハ對馬警備隊司令部部員タル砲兵科將校ヲ指揮ス
第十一條 兵器廠所管倉庫ニシテ衞兵ヲ置クノ必要アルトキハ本廠長又ハ支廠長ハ之ヲ東京衞戍總督又ハ衞戍司令官ニ請求スルコトヲ得
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
朕陸軍兵器廠条例改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正二年三月二十七日
内閣総理大臣 伯爵 山本権兵衛
陸軍大臣 男爵 木越安綱
勅令第三十号
陸軍兵器廠条例
第一条 陸軍兵器廠ハ兵器ノ購買、検査、貯蔵、保存、修理、支給、交換、廃品処分及砲兵工廠ニ於テ製造修理スル軍用品ノ検査並要塞ノ備砲工事ヲ掌ル
第二条 兵器廠ハ兵器本廠及兵器支廠ヨリ成ル
本廠ハ東京ニ、支廠ハ師団司令部所在地台北龍山及旅順ニ置ク
陸軍大臣ハ必要ニ応シ兵器支廠出張所ヲ置キ支廠ノ業務ヲ分掌セシムルコトヲ得
第三条 兵器廠ニ左ノ職員ヲ置ク
本廠
本廠長
廠員
検査官
主計正主計
支廠
支廠長
廠員
主計
前項職員ノ外准士官下士及判任文官ヲ置ク
出張所ヲ置キタル場合ニ於テハ出張所長ハ廠員ヲ以テ之ニ充ツ
第四条 本廠長ハ陸軍大臣ニ隷シ兵器廠ノ事務ヲ総理ス
第五条 支廠長ハ本廠長ノ命ヲ承ケ支廠ノ事務ヲ管理ス
第六条 廠員主計正及主計ハ上官ノ命ヲ承ケ各担任ノ事務ヲ掌ル
第七条 検査官ハ本廠長ノ命ヲ承ケ兵器廠購買ニ係ル兵器及砲兵工廠ニ於テ製造修理スル軍用品ノ検査ニ任ス
砲兵工廠ニ於テ製造修理スル軍用品ノ検査ニ任スル検査官並之ニ属スル准士官下士及判任文官ハ砲兵工廠ニ於テ其ノ任務ニ服セシム
第八条 准士官下士及判任文官ハ上官ノ命ヲ承ケ事務ニ服ス
第九条 支廠長ハ師団長朝鮮駐箚軍司令官台湾守備隊司令官又ハ関東都督ノ管理スル兵器ニ付テハ当該師団長司令官又ハ都督ノ命ヲ承ク
第十条 本廠長ハ要塞ノ備砲工事及要塞所在地軍隊官衙学校所要兵器ノ支給交換ニ関シテハ当該要塞司令部対馬ニ在リテハ対馬警備隊司令部部員タル砲兵科将校ヲ指揮ス
第十一条 兵器廠所管倉庫ニシテ衛兵ヲ置クノ必要アルトキハ本廠長又ハ支廠長ハ之ヲ東京衛戍総督又ハ衛戍司令官ニ請求スルコトヲ得
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス