陸軍兵器廠条例
法令番号: 勅令第七十八號
公布年月日: 明治36年4月15日
法令の形式: 勅令
朕陸軍兵器廠條例改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十六年四月十四日
陸軍大臣 寺內正毅
勅令第七十八號
陸軍兵器廠條例
第一條 陸軍兵器廠ハ兵器ノ購買貯藏保存修理支給交換及檢査竝要塞ノ備砲工事ヲ掌ル
第二條 兵器廠ハ兵器本廠兵器支廠及兵器分廠ヨリ成ル
本廠ハ之ヲ東京ニ置ク
支廠ハ師團司令部所在地臺北及門司ニ置キ本廠ノ事務ヲ分掌セシム
分廠ハ臺中及臺南ニ置キ臺北兵器支廠ノ事務ヲ分掌セシム
第三條 兵器廠ニ左ノ職員ヲ置ク
本廠
本廠長
廠員
檢査官
監督
支廠
支廠長
廠員
分廠
分廠長
右ニ揭クル職員ノ外准士官下士及判任文官ヲ置ク
第四條 本廠長ハ陸軍大臣ニ隸シ兵器廠ノ事務ヲ總理ス
第五條 支廠長ハ本廠長ノ命ヲ受ケ支廠ノ事務ヲ管理ス
第六條 分廠長ハ臺北兵器支廠長ノ命ヲ受ケ分廠ノ事務ヲ管理ス
第七條 本廠ノ廠員及監督ハ本廠長ノ命ヲ受ケ支廠ノ廠員ハ支廠長ノ命ヲ受ケ事務ニ服ス
第八條 檢査官ハ本廠長ノ命ヲ受ケ砲兵工廠ノ軍用製作品及兵器廠購買ニ係ル兵器材料ノ檢査ニ任ス
檢査官及之ニ屬スル准士官下士及判任文官ハ砲兵工廠ニ在リテ其ノ勤務ニ服セシム
第九條 准士官下士及判任文官ハ上官ノ命ヲ受ケ事務ニ服ス
第十條 支廠長及分廠長ハ師團臺灣守備混成旅團ノ兵器ニ就テハ當該師團長混成旅團長ノ命ヲ受ク
臺北兵器支廠長ハ戰時若ハ事變ニ際シ又ハ臺灣ニ於ケル動員計畫ニ關シテハ臺灣總督ノ命ヲ受ク
第十一條 兵器本廠長ハ要塞ノ備砲工事及要塞所在地軍隊官衙學校所要兵器ノ支給交換ニ關シテハ當該要塞司令部對馬ニ在リテハ對馬警備隊司令部部員タル砲兵科將校ヲ指揮ス
第十二條 砲兵工廠派出所ノ事務ハ該所在地兵器支廠長之ヲ管掌シ其ノ事務ニ關シテハ當該砲兵工廠提理ノ區處ヲ受ク
第十三條 兵器廠保管ノ武器庫彈藥庫器具庫及材料庫ニシテ衞兵ヲ置クノ必要アルトキハ兵器本廠長支廠長分廠長ハ之ヲ衞戍司令官ニ請求スルコトヲ得
前項ノ外武器庫彈藥庫器具庫及材料庫ニ准士官下士ヲ置クコトヲ得
附 則
本條例ハ明治三十六年五月一日ヨリ之ヲ施行ス
朕陸軍兵器廠条例改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十六年四月十四日
陸軍大臣 寺内正毅
勅令第七十八号
陸軍兵器廠条例
第一条 陸軍兵器廠ハ兵器ノ購買貯蔵保存修理支給交換及検査並要塞ノ備砲工事ヲ掌ル
第二条 兵器廠ハ兵器本廠兵器支廠及兵器分廠ヨリ成ル
本廠ハ之ヲ東京ニ置ク
支廠ハ師団司令部所在地台北及門司ニ置キ本廠ノ事務ヲ分掌セシム
分廠ハ台中及台南ニ置キ台北兵器支廠ノ事務ヲ分掌セシム
第三条 兵器廠ニ左ノ職員ヲ置ク
本廠
本廠長
廠員
検査官
監督
支廠
支廠長
廠員
分廠
分廠長
右ニ掲クル職員ノ外准士官下士及判任文官ヲ置ク
第四条 本廠長ハ陸軍大臣ニ隷シ兵器廠ノ事務ヲ総理ス
第五条 支廠長ハ本廠長ノ命ヲ受ケ支廠ノ事務ヲ管理ス
第六条 分廠長ハ台北兵器支廠長ノ命ヲ受ケ分廠ノ事務ヲ管理ス
第七条 本廠ノ廠員及監督ハ本廠長ノ命ヲ受ケ支廠ノ廠員ハ支廠長ノ命ヲ受ケ事務ニ服ス
第八条 検査官ハ本廠長ノ命ヲ受ケ砲兵工廠ノ軍用製作品及兵器廠購買ニ係ル兵器材料ノ検査ニ任ス
検査官及之ニ属スル准士官下士及判任文官ハ砲兵工廠ニ在リテ其ノ勤務ニ服セシム
第九条 准士官下士及判任文官ハ上官ノ命ヲ受ケ事務ニ服ス
第十条 支廠長及分廠長ハ師団台湾守備混成旅団ノ兵器ニ就テハ当該師団長混成旅団長ノ命ヲ受ク
台北兵器支廠長ハ戦時若ハ事変ニ際シ又ハ台湾ニ於ケル動員計画ニ関シテハ台湾総督ノ命ヲ受ク
第十一条 兵器本廠長ハ要塞ノ備砲工事及要塞所在地軍隊官衙学校所要兵器ノ支給交換ニ関シテハ当該要塞司令部対馬ニ在リテハ対馬警備隊司令部部員タル砲兵科将校ヲ指揮ス
第十二条 砲兵工廠派出所ノ事務ハ該所在地兵器支廠長之ヲ管掌シ其ノ事務ニ関シテハ当該砲兵工廠提理ノ区処ヲ受ク
第十三条 兵器廠保管ノ武器庫弾薬庫器具庫及材料庫ニシテ衛兵ヲ置クノ必要アルトキハ兵器本廠長支廠長分廠長ハ之ヲ衛戍司令官ニ請求スルコトヲ得
前項ノ外武器庫弾薬庫器具庫及材料庫ニ准士官下士ヲ置クコトヲ得
附 則
本条例ハ明治三十六年五月一日ヨリ之ヲ施行ス