朕樞密顧問ノ諮詢ヲ經テ鐵道院官制ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十一年十二月四日
內閣總理大臣 侯爵 桂太郞
遞信大臣 男爵 後藤新平
勅令第二百九十六號
鐵道院官制
第一條 鐵道院ハ內閣總理大臣ニ隸シ鐵道及軌道ニ關スル事項竝南滿洲鐵道株式會社ニ關スル事項ヲ統理ス
第二條 鐵道院ニ左ノ職員ヲ置ク
總裁
副總裁
技監
理事
參事
祕書
主事
主事補
技師
書記
技手
第三條 總裁ハ親任トス內閣總理大臣ノ監督ヲ承ケ一切ノ院務ヲ總理ス
第四條 總裁ハ所部ノ官吏ヲ指揮監督シ奏任官ノ進退ハ內閣總理大臣ニ具狀シ判任官以下ノ進退ハ之ヲ行フ
第五條 鐵道院ニ總裁官房及左ノ四部一所ヲ置ク
總務部
建設部
運輸部
計理部
鐵道調査所
第六條 鐵道院ノ事務ヲ分掌セシムル爲地方ニ五箇所ノ管理局ヲ置ク其ノ名稱、位置及管理區域ハ總裁ノ禀申ニ依リ內閣總理大臣之ヲ定ム
第七條 總裁ハ前二條ニ揭クルモノノ外鐵道院ノ事務ヲ取扱フ爲必要ナリト認ムルトキハ地方ニ事務所ヲ設クルコトヲ得
第八條 總裁ハ必要ニ應シ鐵道院ニ顧問ヲ置クコトヲ得
顧問ハ鐵道院ノ事務ニ關シ總裁ノ諮詢ニ應シテ意見ヲ開陳ス
第九條 副總裁ハ勅任トス總裁ヲ補佐シ總裁事故アルトキ其ノ職務ヲ代理ス
第十條 技監ハ勅任トス技術ニ關スル事務ヲ掌理ス
第十一條 總裁ハ副總裁又ハ技監ヲシテ部ノ事務ヲ掌理セシムルコトヲ得
第十二條 理事ハ勅任又ハ奏任トス上官ノ命ヲ承ケ部局ノ事務ヲ掌理ス
第十三條 參事、主事、主事補ハ奏任トス官房又ハ部局所ニ分屬シ上官ノ指揮ヲ承ケ各部局所ノ事務ヲ掌ル
第十四條 祕書ハ奏任トス總裁ノ命ヲ承ケ機密ニ關スル事務ヲ掌ル
第十五條 技師ハ上官ノ指揮ヲ承ケ技術ヲ掌ル
第十六條 書記ハ判任トス上官ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ從事ス
第十七條 技手ハ上官ノ指揮ヲ承ケ技術ニ從事ス
第十八條 部長、鐵道調査所長及鐵道管理局長ハ第十一條ノ場合ヲ除クノ外理事又ハ技師ヲ以テ之ニ充ツ
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
帝國鐵道廳官制ハ之ヲ廢止ス
帝國鐵道廳職員ニシテ本令施行ノ際現ニ其ノ職ニ在ル者別ニ辭令書ヲ交付セラレサルトキハ帝國鐵道廳理事ハ鐵道院理事ニ、帝國鐵道廳參事ハ鐵道院參事ニ、帝國鐵道廳主事ハ鐵道院主事ニ、帝國鐵道廳主事補ハ鐵道院主事補ニ、帝國鐵道廳技師ハ鐵道院技師ニ、帝國鐵道廳書記ハ鐵道院書記ニ、帝國鐵道廳技手ハ鐵道院技手ニ同官等俸給ヲ以テ任セラレタルモノトス
朕枢密顧問ノ諮詢ヲ経テ鉄道院官制ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十一年十二月四日
内閣総理大臣 侯爵 桂太郎
逓信大臣 男爵 後藤新平
勅令第二百九十六号
鉄道院官制
第一条 鉄道院ハ内閣総理大臣ニ隷シ鉄道及軌道ニ関スル事項並南満洲鉄道株式会社ニ関スル事項ヲ統理ス
第二条 鉄道院ニ左ノ職員ヲ置ク
総裁
副総裁
技監
理事
参事
秘書
主事
主事補
技師
書記
技手
第三条 総裁ハ親任トス内閣総理大臣ノ監督ヲ承ケ一切ノ院務ヲ総理ス
第四条 総裁ハ所部ノ官吏ヲ指揮監督シ奏任官ノ進退ハ内閣総理大臣ニ具状シ判任官以下ノ進退ハ之ヲ行フ
第五条 鉄道院ニ総裁官房及左ノ四部一所ヲ置ク
総務部
建設部
運輸部
計理部
鉄道調査所
第六条 鉄道院ノ事務ヲ分掌セシムル為地方ニ五箇所ノ管理局ヲ置ク其ノ名称、位置及管理区域ハ総裁ノ禀申ニ依リ内閣総理大臣之ヲ定ム
第七条 総裁ハ前二条ニ掲クルモノノ外鉄道院ノ事務ヲ取扱フ為必要ナリト認ムルトキハ地方ニ事務所ヲ設クルコトヲ得
第八条 総裁ハ必要ニ応シ鉄道院ニ顧問ヲ置クコトヲ得
顧問ハ鉄道院ノ事務ニ関シ総裁ノ諮詢ニ応シテ意見ヲ開陳ス
第九条 副総裁ハ勅任トス総裁ヲ補佐シ総裁事故アルトキ其ノ職務ヲ代理ス
第十条 技監ハ勅任トス技術ニ関スル事務ヲ掌理ス
第十一条 総裁ハ副総裁又ハ技監ヲシテ部ノ事務ヲ掌理セシムルコトヲ得
第十二条 理事ハ勅任又ハ奏任トス上官ノ命ヲ承ケ部局ノ事務ヲ掌理ス
第十三条 参事、主事、主事補ハ奏任トス官房又ハ部局所ニ分属シ上官ノ指揮ヲ承ケ各部局所ノ事務ヲ掌ル
第十四条 秘書ハ奏任トス総裁ノ命ヲ承ケ機密ニ関スル事務ヲ掌ル
第十五条 技師ハ上官ノ指揮ヲ承ケ技術ヲ掌ル
第十六条 書記ハ判任トス上官ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ従事ス
第十七条 技手ハ上官ノ指揮ヲ承ケ技術ニ従事ス
第十八条 部長、鉄道調査所長及鉄道管理局長ハ第十一条ノ場合ヲ除クノ外理事又ハ技師ヲ以テ之ニ充ツ
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
帝国鉄道庁官制ハ之ヲ廃止ス
帝国鉄道庁職員ニシテ本令施行ノ際現ニ其ノ職ニ在ル者別ニ辞令書ヲ交付セラレサルトキハ帝国鉄道庁理事ハ鉄道院理事ニ、帝国鉄道庁参事ハ鉄道院参事ニ、帝国鉄道庁主事ハ鉄道院主事ニ、帝国鉄道庁主事補ハ鉄道院主事補ニ、帝国鉄道庁技師ハ鉄道院技師ニ、帝国鉄道庁書記ハ鉄道院書記ニ、帝国鉄道庁技手ハ鉄道院技手ニ同官等俸給ヲ以テ任セラレタルモノトス