公立学校職員の待遇改善を目的とした法案である。現状、公立学校の教職員は高度な学術と品行が求められる重責を担っているにもかかわらず、給与が極めて低額である。師範学校・中学校で月32円、高等女学校・専門学校で30円、徒弟学校で14円未満、小学校で10円未満という薄給のため、貯蓄や家族の扶養も困難な状況にある。そのため有能な人材が他職業へ流出している。教育の質向上には教職員の長期勤続が必要であり、明治23年法で一部学校職員への退隠料制度を設けたが、本法案ではその対象を全公立学校職員に拡大し、学校間での在職年数通算制度も導入する。
参照した発言:
第9回帝国議会 衆議院 本会議 第11号