(計画の認定)
第五条 建築物の耐震改修をしようとする者は、建設省令で定めるところにより、建築物の耐震改修の計画を作成し、所管行政庁の認定を申請することができる。
2 前項の計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
3 所管行政庁は、第一項の申請があった場合において、建築物の耐震改修の計画が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、その旨の認定(以下この章において「計画の認定」という。)をすることができる。
一 建築物の耐震改修の事業の内容が耐震関係規定又は地震に対する安全上これに準ずるものとして建設大臣が定める基準に適合していること。
二 前項第四号の資金計画が建築物の耐震改修の事業を確実に遂行するため適切なものであること。
三 第一項の申請に係る建築物、建築物の敷地又は建築物若しくはその敷地の部分が耐震関係規定及び耐震関係規定以外の建築基準法又はこれに基づく命令若しくは条例の規定に適合せず、かつ、同法第三条第二項の規定の適用を受けているものである場合において、当該建築物又は建築物の部分の増築(壁のない部分に壁を設けることにより建築物の延べ面積を増加させるものに限る。)、大規模の修繕(同法第二条第十四号に規定する大規模の修繕をいう。)又は大規模の模様替(同条第十五号に規定する大規模の模様替をいう。)をしようとするものであり、かつ、当該工事後も、引き続き、当該建築物、建築物の敷地又は建築物若しくはその敷地の部分が耐震関係規定以外の同法又はこれに基づく命令若しくは条例の規定に適合しないこととなるものであるときは、前二号に掲げる基準のほか、次に掲げる基準に適合していること。
イ 当該工事が地震に対する安全性の向上を図るため必要と認められるものであり、かつ、当該工事後も、引き続き、当該建築物、建築物の敷地又は建築物若しくはその敷地の部分が耐震関係規定以外の建築基準法又はこれに基づく命令若しくは条例の規定に適合しないこととなることがやむを得ないと認められるものであること。
ロ 工事の計画に係る建築物及び建築物の敷地について、交通上の支障の度、安全上、防火上及び避難上の危険の度並びに衛生上及び市街地の環境の保全上の有害の度が高くならないものであること。
四 第一項の申請に係る建築物が耐震関係規定に適合せず、かつ、建築基準法第三条第二項の規定の適用を受けている耐火建築物(同法第二条第九号の二に規定する耐火建築物をいう。)である場合において、当該建築物について壁を設け、又は柱若しくははりの模様替をすることにより当該建築物が同法第二十七条第一項、第六十一条又は第六十二条第一項の規定に適合しないこととなるものであるときは、第一号及び第二号に掲げる基準のほか、次に掲げる基準に適合していること。
イ 当該工事が地震に対する安全性の向上を図るため必要と認められるものであり、かつ、当該工事により、当該建築物が建築基準法第二十七条第一項、第六十一条又は第六十二条第一項の規定に適合しないこととなることがやむを得ないと認められるものであること。
ロ 次に掲げる基準に適合し、防火上及び避難上支障がないと認められるものであること。
(1) 工事の計画に係る壁又は柱若しくははりの構造が建設省令で定める防火上の基準に適合していること。
(2) 工事の計画に係る壁又は柱若しくははりに係る火災が発生した場合の通報の方法が建設省令で定める防火上の基準に適合していること。
4 第一項の申請に係る建築物の耐震改修の計画が建築基準法第六条第一項の規定による確認又は同法第十八条第二項の規定による通知を要するものである場合において、計画の認定をしようとするときは、所管行政庁は、あらかじめ、建築主事の同意を得なければならない。
5 建築基準法第九十三条の規定は所管行政庁が同法第六条第一項の規定による確認又は同法第十八条第二項の規定による通知を要する建築物の耐震改修の計画について計画の認定をしようとする場合について、同法第九十三条の二の規定は所管行政庁が同法第六条第一項の規定による確認を要する建築物の耐震改修の計画について計画の認定をしようとする場合について準用する。
6 所管行政庁が計画の認定をしたときは、次に掲げる建築物、建築物の敷地又は建築物若しくはその敷地の部分(以下この項において「建築物等」という。)については、建築基準法第三条第三項第三号及び第四号の規定にかかわらず、同条第二項の規定を適用する。
一 耐震関係規定に適合せず、かつ、建築基準法第三条第二項の規定の適用を受けている建築物等であって、第三項第一号の建設大臣が定める基準に適合しているものとして計画の認定を受けたもの
7 所管行政庁が計画の認定をしたときは、計画の認定に係る第三項第四号の建築物については、建築基準法第二十七条第一項、第六十一条又は第六十二条第一項の規定は、適用しない。
8 第一項の申請に係る建築物の耐震改修の計画が建築基準法第六条第一項の規定による確認又は同法第十八条第二項の規定による通知を要するものである場合において、所管行政庁が計画の認定をしたときは、同法第六条第一項の規定による確認又は同法第十八条第三項の規定による通知があったものとみなす。この場合において、所管行政庁は、その旨を建築主事に通知するものとする。
(計画の変更)
第六条 計画の認定を受けた者(以下この章において「認定事業者」という。)は、当該計画の認定を受けた計画の変更(建設省令で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、所管行政庁の認定を受けなければならない。
(報告の徴収)
第七条 所管行政庁は、認定事業者に対し、計画の認定を受けた計画(前条第一項の規定による変更の認定があったときは、その変更後のもの。次条において同じ。)に係る建築物(以下この章において「認定建築物」という。)の耐震改修の状況について報告を求めることができる。
(改善命令)
第八条 所管行政庁は、認定事業者が計画の認定を受けた計画に従って認定建築物の耐震改修を行っていないと認めるときは、当該認定事業者に対し、相当の期限を定めて、その改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(計画の認定の取消し)
第九条 所管行政庁は、認定事業者が前条の規定による処分に違反したときは、計画の認定を取り消すことができる。
(住宅金融公庫の資金の貸付けの特例)
第十条 住宅金融公庫が、認定建築物である住宅の耐震改修をしようとする認定事業者に対し、住宅金融公庫法(昭和二十五年法律第百五十六号)第二十条第四項の規定による限度において同法第十七条第五項の規定により資金を貸し付ける場合における当該貸付金の同法第二十一条第一項の表一の項に規定する当初期間の利率は、同表五の項の規定にかかわらず、年五・五パーセント以内で政令で定める率とする。