漁船損害補償法(昭和二十七年法律第二十八号)の一部を次のように改正する。
目次中
「
第二節 |
普通損害保険及び特殊保険(第百十二条―第百十三条の八) |
第三節 |
満期保険(第百十三条の九―第百十三条の十七) |
第四章 |
政府の再保険事業(第百十四条―第百二十六条) |
第五章 |
漁船保険中央会(第百二十七条―第百三十八条) |
」を
「
第二款 |
普通損害保険及び特殊保険(第百十二条―第百十三条の八) |
第三款 |
満期保険(第百十三条の九―第百十三条の十七) |
第三節 |
漁船船主責任保険(第百十四条―第百二十一条) |
第四節 |
漁船乗組船主保険(第百二十二条―第百二十六条) |
第四章 |
漁船保険中央会及びその漁船船主責任保険再保険事業等 |
第一節 |
漁船保険中央会(第百二十七条―第百三十八条) |
第二節 |
漁船船主責任保険再保険事業等(第百三十八条の二―第百三十八条の十一) |
第五章 |
政府の漁船保険再保険事業等(第百三十八条の十二―第百三十八条の二十三) |
」に改める。
第一条中「、不慮の」を「不慮の」に、「容易にし」を「容易にするとともに、漁船の運航に伴う不慮の費用の負担及び責任等の発生により漁業経営が困難となることを防止するための措置(以下「漁船損害等補償」という。)を定め」に改める。
第二条を次のように改める。
(漁船損害等補償)
第二条 漁船損害等補償は、次の事業により行う。
一 漁船保険組合が行う漁船保険事業、漁船船主責任保険事業及び漁船乗組船主保険事業(以下「漁船保険事業等」という。)
二 漁船保険中央会が行う漁船船主責任保険再保険事業及び漁船乗組船主保険再保険事業(以下「漁船船主責任保険再保険事業等」という。)
三 政府が行う漁船保険再保険事業及び前号の漁船船主責任保険再保険事業に係る再保険事業(以下「漁船保険再保険事業等」という。)
第三条第四項中「準ずるもの」の下に「(以下「戦乱等」という。)」を加え、「損害が生じた場合に保険金額を支払う保険」を「生じた損害をてん補する漁船保険」に改め、「満了した場合」の下に「に保険金を支払い」を加え、同条に次の二項を加える。
5 この法律において「漁船船主責任保険」とは、戦乱等によるものを除き、漁船の所有者又は使用者(所有権以外の権原に基づき漁船を使用する者をいう。以下同じ。)が、その所有し、若しくは所有権以外の権原に基づき使用する漁船の運航に伴つて生じた費用で自己が負担しなければならないものを負担し、又は当該漁船の運航に伴つて生じた損害につき自己の賠償責任に基づき賠償することによる損害をてん補する相互保険であつて、この法律により行うものをいう。
6 この法律において「漁船乗組船主保険」とは、戦乱等によるものを除き、漁船の所有者又は使用者であつてその所有し、又は所有権以外の権原に基づき使用する漁船の乗組員であるものにつき当該漁船の運航に伴つて死亡その他の省令で定める事故が生じた場合に一定の金額を支払う相互保険であつて、この法律により行うものをいう。
第四条中「漁船につき、漁船保険事業」を「漁船に関し漁船保険事業等」に改める。
第七条第三項中「もつぱら」を「専ら」に改め、「もののみを」の下に「漁船保険の」を加える。
第十二条中「漁船損害補償」を「漁船損害等補償」に改め、「書類」の下に「(漁船乗組船主保険事業及び漁船乗組船主保険再保険事業に関する書類を除く。)」を加える。
第二十一条第一項中「左の」を「次の」に改め、第六号を次のように改める。
第二十一条第一項中第十三号を第十四号とし、第七号から第十二号までを一号ずつ繰り下げ、第六号の次に次の一号を加える。
七 漁船保険、漁船船主責任保険及び漁船乗組船主保険(以下「漁船保険等」という。)の保険料率
第二十二条中「有する者は、」の下に「漁船保険の」を加え、「(所有権以外の権原に基づき漁船を使用する者をいう。以下同じ。)」を削る。
第二十三条第一項中「期間内に」の下に「漁船保険の」を加え、同条第二項中「組合に」の下に「漁船保険の」を加え、「別段の定」を「別段の定め」に改める。
第二十四条第二項中「左の」を「次の」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に、「定」を「定め」に改め、同項第一号中「保険関係」を「漁船保険の保険関係」に改める。
第二十五条第一項中「保険の目的」を「漁船保険の保険の目的」に、「第九十六条第一項」を「第百十一条の二第一項」に、「第九十六条の二第三項」を「第百十一条の三第三項」に、「第九十六条の三第二項」を「第九十五条第二項」に、「保険関係」を「漁船保険の保険関係」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に改め、同条第二項中「第九十六条第三項の規定による」を「第百十一条の二第三項の規定による漁船保険の」に改める。
第二十五条の二中「保険の目的」を「漁船保険の保険の目的」に、「第九十六条の二第一項」を「第百十一条の三第一項」に、「第九十六条第二項」を「第九十五条第二項又は第百十一条の二第二項」に、「第九十六条の二第三項」を「第百十一条の三第三項」に改め、「又は第九十六条の三第二項」を削り、「保険関係」を「漁船保険の保険関係」に改める。
第二十七条第一項中「脱退した」を「組合を脱退した」に、「保険関係は」を「当該組合と当該組合員との間に成立している漁船保険の保険関係は、すべて」に改め、同条第二項中「及び保険金額」を「の支払及び保険金の額」に、「免かれる」を「免れる」に改める。
第四十一条中「漁船損害補償法第三十一条第一項及び」を「漁船損害等補償法第三十一条第一項及ビ」に改める。
第四十五条中「漁船損害補償法」を「漁船損害等補償法」に改める。
第五十一条第一項中「保険関係は」を「当該組合と組合員との間に成立している漁船保険等の保険関係は、すべて」に改め、同条第二項中「普通損害保険及び特殊保険」を「漁船保険等(満期保険を除く。)」に、「附加保険料」を「付加保険料」に改める。
第六十二条中「漁船損害補償法」を「漁船損害等補償法」に改める。
第六十三条第二項中「左の」を「次の」に改め、同項第一号中「第十二号及び第十三号」を「第十三号及び第十四号」に改める。
第八十三条中「漁船損害補償法」を「漁船損害等補償法」に改める。
第三章の章名中「漁船保険事業」を「漁船保険事業等」に改める。
第八十九条及び第八十九条の二を削り、第九十条中「組合が」の下に「当該保険関係に係る」を加え、同条を第八十九条とし、第九十一条から第九十三条までを一条ずつ繰り上げる。
第九十四条の見出し中「てん補責任」を「保険責任」に改め、同条中「損害をてん補する責任」を「保険責任」に、「定」を「定め」に、「外」を「ほか」に改め、同条を第九十三条とする。
第九十五条中「損害てん補の責任」を「保険責任」に改め、「事故」の下に「(漁船船主責任保険にあつては、漁船の運航に伴つて生ずる不慮の費用又は損害であつて、漁船の所有者又は使用者が負担し、又は賠償するもののうち、当該保険に係るもの。以下同じ。)」を、「当該漁船保険」の下に「、漁船船主責任保険又は漁船乗組船主保険」を加え、同条を第九十四条とする。
第九十六条の前の見出し、同条及び第九十六条の二を削る。
第九十六条の三第一項中「保険の目的」を「漁船保険の保険の目的」に改め、「当該保険関係」の下に「(当該漁船に係る漁船船主責任保険又は漁船乗組船主保険の保険関係が成立している場合にあつては、これらの保険関係を含むすべての保険関係)」を加え、同条第二項中「保険関係が存続する保険の目的たる」を「存続するものとされる保険関係に係る」に改め、同条を第九十五条とする。
第九十八条の見出し中「払いもどし」を「払戻し」に改め、同条中「漁船保険」の下に「、漁船船主責任保険又は漁船乗組船主保険」を加え、「且つ」を「かつ」に、「払いもどし」を「払戻し」に改め、同条ただし書中「但し、附加保険料」を「ただし、付加保険料」に、「払いもどさない」を「払い戻さない」に改め、同条を第九十六条とする。
第九十九条中「又は被保険者は、保険の目的たる漁船につき組合のてん補すべき損害」を「、被保険者又は漁船乗組船主保険の一定の金額の支払を受けるべき者(以下「組合員等」という。)は、漁船保険の保険の目的たる漁船につき事故が発生したとき、又は漁船船主責任保険若しくは漁船乗組船主保険に係る漁船の運航に伴つて事故」に改め、同条を第九十七条とする。
第百条中「保険の目的たる」を「保険に係る」に改め、同条を第九十八条とする。
第百一条の見出しを「(組合による漁船の調査等)」に改め、同条中「保険の目的たる」を「保険に係る」に改め、同条を第九十九条とする。
第百二条中「左の」を「次の」に、「てん補すべき額」を「てん補すべき損害の額又は支払うべき一定の金額」に、「てん補する責を免かれる」を「そのてん補し、又は支払うべき責めを免れる」に改め、同条第一号中「保険の目的たる漁船につき、事故による損害」を「事故」に、「航行又は」を「保険に係る漁船を運航し、又は当該漁船により」に改め、同条第三号中「組合員」を「漁船保険又は漁船船主責任保険にあつては、組合員」に、「保険の目的たる漁船」を「保険に係る漁船又はその運航」に、「行なう」を「行う」に改め、同条第四号中「組合員又は被保険者が第九十九条」を「組合員等が第九十七条」に改め、同条第五号中「第百条第一項」を「第九十八条第一項」に改め、同条を第百条とする。
第百三条中「又は」を「若しくは」に、「過失によつて生じた損害及び」を「過失若しくは」に、「損害をてん補する」を「損害(漁船船主責任保険にあつては、事故)又は漁船乗組船主保険の一定の金額の支払を受けるべき者の故意によつて生じた事故については、損害をてん補し、又は一定の金額を支払う」に改め、同条を第百一条とする。
第百四条中「保険の目的たる」を「保険に係る」に、「基いてなされた処分によつて生じた損害をてん補する責」を「基づく処分として、又は当該処分によつて生じた事故については、損害をてん補し、又は一定の金額を支払う責め」に改め、同条を第百二条とし、同条の次に次の一条を加える。
(組合の経理)
第百三条 組合は、省令の定めるところにより、漁船保険事業のうち普通保険に係るもの及び特殊保険に係るもの、漁船船主責任保険事業並びに漁船乗組船主保険事業ごとに経理を区分し、それぞれ会計を設けて整理しなければならない。ただし、これらの保険事業の業務の執行に要する経費及び付加保険料その他その経費に充てるための収入金に係る部分については、この限りでない。
第百七条の見出し中「保険金額」を「保険金」に改め、同条第一項中「漁船保険に係る」を「第百三条の規定による」に、「保険金額の」を「保険金の」に、「保険金額を」を「支払うべき保険金の額を」に改め、同条第二項中「保険金額を」を「支払うべき保険金の額を」に、「保険金額は」を「保険金の額は」に改め、「政府」の下に「又は漁船保険中央会」を加え、「再保険金額」を「再保険金の額」に改め、同条を第百五条とする。
第百八条中「終」を「終わり」に、「漁船保険」を「漁船保険等」に改め、同条を第百六条とする。
第百九条を第百七条とし、第百十条を第百八条とし、同条の次に次の一条、節名及び款名を加える。
(商法の準用)
第百九条 組合の漁船保険事業等については、商法第六百四十四条から第六百四十六条まで(告知義務違反による契約の解除等)の規定を準用する。
第百十一条中「第六百四十四条から第六百四十八条まで」を「第六百四十七条、第六百四十八条」に、「漁船損害補償法第百五条第一項第一号」を「漁船損害等補償法第百十一条の五第一項第一号」に改め、同条を第百十一条の六とし、同条の前に次の六条を加える。
(保険の目的)
第百十条 地域組合の漁船保険の保険の目的たるべき漁船は、総トン数千トン未満の漁船とする。
2 業態組合の漁船保険の保険の目的たるべき漁船は、第七条第三項に規定する漁船であつて、総トン数千トン未満のものとする。
3 地域組合又は業態組合のいずれか一方の普通保険の保険の目的となつている漁船は、他の一方の普通保険の保険の目的とすることができない。
4 地域組合又は業態組合のいずれか一方の特殊保険の保険の目的となつている漁船は、他の一方の特殊保険の保険の目的とすることができない。
5 組合と組合員との間に普通保険の保険関係が成立している漁船については、他の組合員又は組合員たる資格を有する者は、当該保険関係に係る保険期間の全部又は一部をその保険期間の全部又は一部とする当該組合の普通保険の保険の目的とすることができない。
6 組合と組合員との間に特殊保険の保険関係が成立している漁船については、他の組合員又は組合員たる資格を有する者は、当該保険関係に係る保険期間の全部又は一部をその保険期間の全部又は一部とする当該組合の特殊保険の保険の目的とすることができない。
7 漁具は、定款の定めるところにより特約がある場合に限り、その属する漁船とともに漁船保険の保険の目的とすることができる。
8 前項の規定により漁具を漁船保険の保険の目的とする場合においては、この法律の規定中「漁船」とあるのは「漁船(漁具を含む。)」と読み替えるものとする。
(被保険者たる資格)
第百十一条 漁船保険の被保険者たる資格を有する者は、漁船の所有者とする。
(保険関係に関する権利義務の承継)
第百十一条の二 漁船保険の保険の目的たる漁船の譲受人は、組合に通知して、譲渡人が当該漁船の当該保険関係に関して有する権利義務(第百三十九条第一項又は第百三十九条の二第一項の規定による負担金に係る権利義務を除く。)を承継することができる。ただし、組合が正当な事由により、当該通知を受けた後直ちに当該譲受人に通知してその承継を拒んだときは、この限りでない。
2 前項の規定により保険関係に関する権利義務を承継した者(被保険者としての権利義務のみを承継した者を除く。)が組合員たる資格を有しない場合には、その者は、この章及び第六章の規定の適用については、組合員とみなす。
3 漁船保険の保険の目的たる漁船につき、相続その他の包括承継又は遺贈があつた場合については、前二項の規定を準用する。
第百十一条の三 漁船保険の保険の目的たる漁船の所有者又は使用者は、組合に通知して、所有者にあつては当該漁船の使用者たる組合員が当該漁船の当該保険関係に関して有する権利義務(第百三十九条第一項又は第百三十九条の二第一項の規定による負担金に係る権利義務を除く。)を、使用者にあつては組合員が当該漁船の当該保険関係に関して有する権利義務(第百三十九条第一項又は第百三十九条の二第一項の規定による負担金に係る権利義務及び当該漁船の所有者たる組合員が被保険者として有する権利義務を除く。)を承継することができる。ただし、組合が、正当な事由により、当該通知を受けた後直ちに当該所有者又は使用者に通知してその承継を拒んだときは、この限りでない。
2 前項の規定により保険関係に関する権利義務を承継しようとする者は、省令で定める場合を除き、あらかじめ、当該保険関係に関し権利義務を有する者の承諾を得なければならない。
3 第一項の規定により保険関係に関する権利義務を承継した者については前条第二項の規定を、漁船保険の保険の目的たる漁船を使用する所有権以外の権原につき相続その他の包括承継又は遺贈があつた場合については同項及び前二項の規定を、それぞれ準用する。
(通常行うべき管理等の義務)
第百十一条の四 組合員又は被保険者は、漁船保険の保険の目的たる漁船につき、通常行うべき管理その他損害の防止及び軽減に努めなければならない。このため必要又は有益であつた費用(通常行うべき管理に要した費用を除く。)は、省令の定めるところにより、組合がてん補する。
(委付の原因)
第百十一条の五 次の場合には、被保険者は、漁船保険の保険の目的たる漁船を組合に委付して保険金額の全部につき保険金の支払を請求することができる。
四 漁船が捕獲され、だ捕され又は抑留され、三十日間解放されなかつたとき。
2 前項第三号の規定に該当する場合については、省令で定める。
第三章第二節の節名を削り、第百十二条の前に次の款名を付する。
第百十三条第一項中「保険料(特殊保険の保険料を除く。以下この条において同じ。)」を「普通保険の保険料」に、「代り」を「代わり」に改め、同条第二項及び第三項中「支払うべき」の下に「普通保険の」を加え、「代り」を「代わり」に改める。
第百十三条の四第一号中「見込まれる」の下に「普通損害保険の保険の目的たる」を加え、「危険区分」を「普通損害保険の危険区分」に改め、「その他の事項で」の下に「普通損害保険に係る」を加え、同条第二号中「保険金額」を「保険金」に、「第百十七条第一項各号」を「第百三十八条の十五第一項各号」に改め、同条第三号中「危険区分」を「普通損害保険の危険区分」に、「第百十七条」を「第百三十八条の十五」に改める。
第百十三条の六の見出しを「(組合のてん補責任)」に改め、同条第一項中「組合は、」の下に「普通損害保険又は特殊保険の」を加え、「てん補する」を「てん補する」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に、「だ捕」を「だ捕」に、「てん補する責」を「てん補する責め」に改める。
第百十三条の七中「組合員は、」の下に「普通損害保険又は特殊保険の」を加え、「払いもどし」を「払戻し」に改める。
第三章第三節の節名を削り、第百十三条の九の前に次の款名を付する。
第百十三条の十一第一項中「保険金額」を「保険金」に改め、同条第二項中「危険区分」を「普通損害保険の危険区分」に、「「トン数区分」」を「「普通損害保険のトン数区分」」に改め、同条第三項中「割合は、」の下に「普通損害保険の」を加え、「第百十七条第二項」を「第百三十八条の十五第二項」に改める。
第百十三条の十二の見出し中「保険金額」を「保険金」に改め、同条第一項中「組合は、」の下に「満期保険の」を加え、「てん補し」を「てん補し」に改め、「保険金額」の下に「に相当する額の保険金」を加える。
第百十三条の十六の見出しを「(払戻金の支払)」に改め、同条第一項中「第百十一条」を「第百九条」に、「払いもどし金」を「払戻金」に改め、同条第二項中「危険区分」を「普通損害保険の危険区分」に、「こえない額の払いもどし金」を「超えない額の払戻金」に改め、同項ただし書中「第百三条又は第百四条」を「第百一条又は第百二条」に改める。
第百十三条の十七中「保険金額」を「保険金」に、「払いもどす」を「払い戻す」に、「払いもどし金」を「払戻金」に改める。
第四章の章名を削り、第百十四条の前に次の節名を付する。
第百十四条から第百十八条までを次のように改める。
(被保険者たる資格)
第百十四条 漁船船主責任保険の被保険者たる資格を有する者は、漁船の所有者又は使用者とする。
(漁船船主責任保険の引受けの制限)
第百十五条 組合は、普通保険の申込人が併せてその申込みに係る普通保険の保険の目的たる漁船につき漁船船主責任保険を申し込む場合又は当該組合との間に普通保険の保険関係が成立している者(第百十一条の二第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)又は第百十一条の三第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定によりその者から当該保険関係に関して有する権利義務を承継した者(被保険者としての権利義務のみを承継した者を除く。)を含む。)が当該普通保険の保険の目的たる漁船につき漁船船主責任保険を申し込む場合でなければ、漁船船主責任保険の引受けをすることができない。
2 組合は、中央会が漁船船主責任保険再保険事業を行つている場合でなければ、漁船船主責任保険の引受けをすることができない。
(保険関係に関する権利義務の承継)
第百十六条 漁船船主責任保険に係る漁船の譲受人は、併せて第百十一条の二第一項の規定により当該漁船を保険の目的とする普通保険の保険関係に関する権利義務を承継する場合(被保険者としての権利義務のみを承継する場合を除く。)に限り、組合に通知して、譲渡人が当該漁船に係る漁船船主責任保険の保険関係に関して有する権利義務(第百三十九条第二項又は第百三十九条の二第一項の規定による負担金に係る権利義務を除く。)を承継することができる。ただし、その漁船船主責任保険の保険関係に関する権利義務が被保険者としての権利義務のみである場合は、この限りでない。
2 漁船船主責任保険に係る漁船につき、相続その他の包括承継又は遺贈があつた場合については、前項の規定を準用する。
第百十七条 漁船船主責任保険に係る漁船の所有者又は使用者は、併せて第百十一条の三第一項の規定により当該漁船に係る普通保険の保険関係に関する権利義務を承継する場合に限り、組合に通知して、所有者にあつては当該漁船の使用者たる組合員が当該漁船に係る漁船船主責任保険の保険関係に関して有する権利義務(第百三十九条第二項又は第百三十九条の二第一項の規定による負担金に係る権利義務及び当該漁船の使用者たる組合員が被保険者として有する権利義務を除く。)を、使用者にあつては組合員が当該漁船に係る漁船船主責任保険の保険関係に関して有する権利義務(第百三十九条第二項又は第百三十九条の二第一項の規定による負担金に係る権利義務及び当該漁船の所有者たる組合員が被保険者として有する権利義務を除く。)を承継することができる。
(保険金額)
第百十八条 漁船船主責任保険の保険金額は、政令で定めるてん補すべき損害の区分(以下「てん補区分」という。)及び漁船船主責任保険に係る漁船の総トン数の区分に応じて農林水産大臣が定める金額を限度として、定款の定めるところにより、申込人が申し出た金額とする。
第百十八条の二を削り、第百十九条から第百二十一条までを次のように改める。
(組合のてん補責任)
第百十九条 組合は、戦乱等によるものを除き、漁船船主責任保険に係る漁船の所有者又は使用者が、その所有し、若しくは所有権以外の権原に基づき使用する当該漁船の運航に伴つて生じた費用で自己が負担しなければならないものを負担し、又は当該漁船の運航に伴つて生じた損害につき自己の賠償責任に基づき賠償することによる損害をてん補する。
2 前項の規定によりてん補すべき損害の範囲に関して必要な事項は、省令で定める。
(保険関係の消滅)
第百二十条 漁船船主責任保険の保険関係は、当該漁船船主責任保険に係る漁船を保険の目的とする普通保険の保険関係が消滅したときは、消滅する。ただし、当該普通保険の保険関係の消滅が漁船の全損又は委付によるものであるときは、この限りでない。
2 第百三十七条の四第一項の規定により中央会と組合との間に成立している漁船船主責任保険に係る再保険関係が終了したときは、漁船船主責任保険の保険関係は、消滅する。
3 前二項の場合には、組合は、まだ経過しない期間に対する保険料を払い戻さなければならない。
(準用規定)
第百二十一条 組合の漁船船主責任保険については、第百十一条の四、第百十三条第三項及び第四項、第百十三条の四、第百十三条の五並びに第百十三条の七並びに商法第六百四十七条、第六百四十八条、第六百五十二条、第六百六十二条及び第六百六十三条(損害保険の総則)の規定を準用する。この場合において、第百十一条の四中「漁船保険の保険の目的たる漁船」とあるのは「漁船船主責任保険に係る漁船の運航」と、第百十三条第三項中「その組合員」とあるのは「その組合員及びその組合員」と、「漁船」とあるのは「漁船(同条第五項に規定するものを除く。)」と、「普通保険」とあるのは「漁船船主責任保険」と、同条第四項中「前三項」とあるのは「第百二十一条において準用する前項」と、第百十三条の四中「次の各号」とあるのは「てん補区分ごとに、次の各号」と、同条第一号中「普通損害保険」とあるのは「漁船船主責任保険」と、「の保険の目的たる」とあるのは「に係る」と、同条第二号中「普通損害保険」とあるのは「漁船船主責任保険」と、「(満期保険の満期前の普通損害保険事故により保険金を支払う保険の部分を含む。以下この号及び第百三十八条の十五第一項各号において同じ。)に係る危険率」とあるのは「に係る危険率」と、同条第三号中「普通損害保険」とあるのは「漁船船主責任保険」と、「第百三十八条の十五の規定により定まる当該組合の再保険料率」とあるのは「第百三十八条の五第一項の規定により定まる純再保険料率」と、第百十三条の五中「普通損害保険にあつては一年とし、特殊保険にあつては四箇月」とあるのは「一年」と、第百十三条の七中「普通損害保険又は特殊保険の保険の目的たる漁船」とあるのは「漁船船主責任保険に係る漁船の運航」と、商法第六百六十三条中「保険料支払ノ義務」とあるのは「保険料支払ノ義務及ビ追徴金支払ノ義務」と読み替えるものとする。
第百二十二条から第百二十六条までを次のように改める。
(被保険者たる資格)
第百二十二条 漁船乗組船主保険の被保険者たる資格を有する者は、漁船の所有者又は使用者であつて、その所有し、又は所有権以外の権原に基づき使用する漁船の乗組員であるものとする。
(漁船乗組船主保険の引受けの制限)
第百二十三条 組合は、漁船船主責任保険の申込人であつてその申込みに係る漁船船主責任保険に係る漁船の乗組員であるものが併せて当該漁船に係る漁船乗組船主保険を申し込む場合又は当該組合との間に漁船船主責任保険の保険関係が成立している者(第百十六条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)又は第百十七条の規定によりその者から当該保険関係に関して有する権利義務を承継した者を含む。)であつて当該保険に係る漁船の乗組員であるものが当該漁船に係る漁船乗組船主保険を申し込む場合でなければ、漁船乗組船主保険の引受けをすることができない。
(純保険料率)
第百二十四条 漁船乗組船主保険の保険料率のうち純保険料に対応する部分の率は、漁船乗組船主保険に係る危険率を基礎とし、当該組合の漁船乗組船主保険に係る純保険料及び再保険金の収入と保険金及び純再保険料の支出とが長期的に均衡を保つように定めなければならない。
(組合の保険金支払義務)
第百二十五条 組合は、戦乱等によるものを除き、漁船乗組船主保険に係る漁船の所有者又は使用者であつて、その所有し、又は所有権以外の権原に基づき使用する当該漁船の乗組員であるものにつき当該漁船の運航に伴つて死亡その他の第三条第六項の省令で定める事故が生じた場合に一定の金額を支払う。
2 前項の規定により支払うべき金額の基準に関して必要な事項は、省令で定める。
(準用規定)
第百二十六条 組合の漁船乗組船主保険については、第百十三条第三項及び第四項、第百十三条の五、第百十三条の七、第百十五条第二項並びに第百二十条(第一項ただし書を除く。)並びに商法第六百六十三条(短期時効)の規定を準用する。この場合において、第百十三条第三項中「その組合員」とあるのは「その組合員及びその組合員」と、「漁船」とあるのは「漁船(同条第五項に規定するものを除く。)」と、「普通保険」とあるのは「漁船乗組船主保険」と、同条第四項中「前三項」とあるのは「第百二十六条において準用する前項」と、第百十三条の五中「普通損害保険にあつては一年とし、特殊保険にあつては四箇月」とあるのは「一年」と、第百十三条の七中「普通損害保険又は特殊保険の保険の目的たる漁船」とあるのは「漁船乗組船主保険に係る漁船の運航」と、第百十五条第二項中「漁船船主責任保険再保険事業」とあるのは「漁船乗組船主保険再保険事業」と、第百二十条第一項中「漁船船主責任保険に係る漁船を保険の目的とする普通保険」とあるのは「漁船乗組船主保険に係る漁船に係る漁船船主責任保険」と、商法第六百六十三条中「保険料支払ノ義務」とあるのは「保険料支払ノ義務及ビ追徴金支払ノ義務」と読み替えるものとする。
第五章の章名を次のように改める。
第五章 漁船保険中央会及びその漁船船主責任保険再保険事業等
第百二十七条中「漁船保険事業」を「漁船保険事業等」に、「図るため」を「図るとともに漁船船主責任保険再保険事業等を行うことを目的として、」に改める。
第百三十条中「及び第九号から第十三号」を「、第八号及び第十号から第十四号」に改める。
第百三十二条中「左の」を「次の」に改め、同条第一号を次のように改める。
第百三十二条第二号中「損害」を「漁船保険等に係る事故及び損害」に改め、同条第三号中「保険引受」を「漁船保険等の引受」に、「及び保険の目的たる漁船についての損害」を「並びに当該保険に係る事故及び損害」に改め、同条第四号中「漁船保険」を「漁船保険等」に改め、同条第六号中「漁船保険事業」を「漁船保険事業等」に改め、同条第七号を同条第九号とし、同条第六号の次に次の二号を加える。
第百三十三条第一項中「対して」の下に「漁船保険等の」を加え、同条第二項中「算出する」の下に「漁船保険等の」を加え、「保険事業」を「漁船保険事業等」に、「且つ」を「かつ」に改め、同条第三項中「その」の下に「漁船保険等の」を加え、「且つ」を「かつ」に改め、同条第四項中「中央会は、」の下に「漁船保険等の」を加え、同条の次に次の三条を加える。
(再保険約款の認可)
第百三十三条の二 中央会は、漁船船主責任保険再保険事業等について、次の事項を記載した再保険約款を定め、農林水産大臣の認可を受けなければならない。
一 漁船船主責任保険再保険事業等の細目に関する事項
五 漁船船主責任保険再保険事業等の実施の方法に関する事項
2 前項の再保険約款は、同項の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(認可の基準)
第百三十三条の三 農林水産大臣は、再保険約款の内容が次の各号の一に該当すると認めるときは、前条第一項の認可をしてはならない。
一 法令又は法令に基づく行政庁の処分に違反するとき。
四 漁船船主責任保険再保険事業又は漁船乗組船主保険再保険事業の健全かつ円滑な運営に支障を生ずるおそれがあるとき。
(再保険約款の変更の認可)
第百三十三条の四 中央会は、第百三十三条の二第一項の再保険約款の変更をしようとするときは、農林水産大臣の認可を受けなければならない。
2 前項の変更については、第百三十三条の二第二項及び前条の規定を準用する。
第百三十四条中「漁船損害補償」を「漁船損害等補償」に改める。
第百三十七条中「左の」を「次の」に改め、同条第五号中「収支決算書」を「損益計算書」に改め、同号を同条第六号とし、同条第二号から第四号までを一号ずつ繰り下げ、同条第一号の次に次の一号を加える。
二 漁船船主責任保険再保険事業等の再保険約款の設定又は変更
第百三十七条の二の次に次の七条を加える。
(再保険事業に係る特別の勘定)
第百三十七条の三 中央会は、漁船船主責任保険再保険事業又は漁船乗組船主保険再保険事業に係る経理については、他の経理と区分し、それぞれ特別の勘定を設けて整理しなければならない。
(解散の効果)
第百三十七条の四 中央会が解散したときは、組合との間に成立している漁船船主責任保険及び漁船乗組船主保険に係る再保険関係は、すべて、終了する。
2 前項の場合には、中央会は、まだ経過しない期間に対する再保険料を払い戻さなければならない。
(残余財産の処分)
第百三十七条の五 中央会が解散した場合において、清算人は、中央会の漁船船主責任保険再保険事業又は漁船乗組船主保険再保険事業に係るそれぞれの特別の勘定についてその債務を弁済してなお残余財産があるときは、それぞれ、政令で定めるところにより、一定年間における組合の漁船船主責任保険再保険事業又は漁船乗組船主保険再保険事業の利用分量に応じて、組合にこれを分配しなければならない。
(組合の先取特権)
第百三十七条の六 中央会から第百三十八条の六の規定による再保険料の払戻し又は再保険金の支払を受けるべき権利を有する組合は、同条の規定により払戻しを受けることができる再保険料の額又は第百三十八条の七の規定による再保険金の額につき、中央会の財産について他の債権者に先だつて弁済を受ける権利を有する。
2 前項の先取特権の順序は、民法の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。
(事業報告書等の提出)
第百三十七条の七 中央会は、毎事業年度、省令の定めるところにより、事業報告書並びに財産目録、貸借対照表及び損益計算書を作成し、当該事業年度の終了後三箇月以内に、農林水産大臣に提出しなければならない。
(常例検査)
第百三十七条の八 農林水産大臣は、中央会の業務又は会計の状況につき、毎年一回を常例として検査しなければならない。
(業務又は会計状況の検査)
第百三十七条の九 組合が総組合の十分の一以上の同意を得て、中央会の漁船船主責任保険再保険事業又は漁船乗組船主保険再保険事業の業務又は会計が法令、法令に基づいてする行政庁の処分、定款又は再保険約款に違反する疑いがあることを理由として検査を請求したときは、農林水産大臣は、中央会のその請求に係る事業の業務又は会計の状況を検査しなければならない。
第百三十八条第三項中「「追徴金及び保険金額の削減」とあるのは「賦課金」」を「「追徴金の支払及び保険金の削減」とあるのは「賦課金の支払」」に改め、同条第四項中「この場合において」の下に「、第三十一条の二第一項及び第三十八条第一項中「定款」とあるのは「定款、再保険約款」と」を加え、「損益計算書」を「、損益計算書」に、「収支決算書」を「及び損益計算書」に改め、同条第七項に後段として次のように加える。
この場合において、第八十五条第一項中「会計」とあるのは「会計(漁船船主責任保険再保険事業又は漁船乗組船主保険再保険事業に係るものを除く。)」と、同条第二項中「若しくは定款」とあるのは「、定款若しくは再保険約款」と、第八十六条第一項中「第八十四条」とあるのは「第百三十八条第七項において準用する第八十四条」と、「前条」とあるのは「同項において準用する前条若しくは第百三十七条の八若しくは第百三十七条の九」と、「若しくは定款」とあるのは「、定款若しくは再保険約款」と読み替えるものとする。
第五章中第百三十八条の次に次の一節を加える。
第二節 漁船船主責任保険再保険事業等
(再保険者)
第百三十八条の二 中央会は、組合が漁船船主責任保険事業及び漁船乗組船主保険事業によつて被保険者及び一定の金額の支払を受けるべき者に対して負う保険責任の一部を再保険するものとする。
(再保険関係の当然成立)
第百三十八条の三 組合とその組合員との間に漁船船主責任保険又は漁船乗組船主保険の保険関係が成立したときは、これによつて中央会と当該組合との間に当該保険に係る再保険関係が成立するものとする。
(再保険金額)
第百三十八条の四 中央会と組合との間に成立する再保険関係に係る再保険金額(以下「中央会の再保険金額」という。)は、次のとおりとする。
一 漁船船主責任保険に係るものにあつては、てん補区分ごとに、当該てん補区分に係る保険金額に政令の定めるところにより農林水産大臣が定める割合を乗じて得た金額
二 漁船乗組船主保険に係るものにあつては、保険金額に政令の定めるところにより農林水産大臣が定める割合を乗じて得た金額
(純再保険料率)
第百三十八条の五 漁船船主責任保険に係る純再保険料率は、てん補区分ごとに、政令で定める一定年間における各年のすべての組合の漁船船主責任保険の危険区分(第百二十一条の規定により読み替えられた同条において準用する第百十三条の四に規定する漁船船主責任保険の危険区分をいう。以下同じ。)に係るトン数区分(以下「漁船船主責任保険のトン数区分」という。)ごとの漁船船主責任保険に係る危険率を基礎として算定される漁船船主責任保険のトン数区分ごとの全組合平均の危険率を基準とし、農林水産大臣が、これに漁船船主責任保険のトン数区分間の調整を施し、これを基礎として漁船船主責任保険の危険区分ごとに定める一定率とする。
2 漁船乗組船主保険に係る純再保険料率は、組合の定款で定められた漁船乗組船主保険の保険料率のうち純保険料に対応する部分の率と同率とする。
(再保険料の払戻し)
第百三十八条の六 組合は、第五十一条第二項、第九十六条若しくは第百二十条第三項又は第百二十一条及び第百二十六条において準用する第百十三条の七の規定により組合員に漁船船主責任保険又は漁船乗組船主保険の保険料の払戻しをすべきときは、中央会に対し、政令の定めるところにより、再保険料の払戻しを請求することができる。
(再保険金)
第百三十八条の七 中央会が支払うべき再保険金の金額は、次のとおりとする。
一 漁船船主責任保険に係るものにあつては、てん補区分ごとに、組合が支払うべき当該てん補区分に係る保険金の金額に再保険金額の保険金額に対する割合を乗じて得た金額
二 漁船乗組船主保険に係るものにあつては、組合が支払うべき保険金の金額に再保険金額の保険金額に対する割合を乗じて得た金額
(組合の通知義務)
第百三十八条の八 組合は、漁船船主責任保険又は漁船乗組船主保険の保険関係が成立したときは、再保険約款の定めるところにより、当該保険関係に関する事項を中央会に通知しなければならない。通知した事項に変更を生じたとき、又は当該保険関係が消滅したときも、同様とする。
第百三十八条の九 組合は、漁船船主責任保険又は漁船乗組船主保険に係る事故が発生したと認めるときは、遅滞なく、再保険約款の定めるところにより、その旨を中央会に通知しなければならない。
(再保険の免責)
第百三十八条の十 次の場合には、中央会は、再保険約款の定めるところにより、支払うべき再保険金の全部又は一部につき、その支払の責めを免れることができる。
一 組合が法令又は定款に違反して保険金を支払つたとき。
二 組合が保険金の額を不当に認定して支払つたとき。
三 組合が不正の目的をもつて前二条の規定による通知を怠り、又は虚偽の通知をしたとき。
(準用規定)
第百三十八条の十一 中央会の再保険については、第百六条及び第百七条並びに商法第六百四十六条、第六百六十二条及び第六百六十三条(損害保険の総則)の規定を準用する。この場合において、第百六条中「漁船保険等」とあるのは、「漁船船主責任保険に係る再保険及び漁船乗組船主保険に係る再保険」と読み替えるものとする。
第五章を第四章とし、同章の次に次の一章を加える。
第五章 政府の漁船保険再保険事業等
(再保険者)
第百三十八条の十二 政府は、組合が漁船保険事業によつて被保険者に対して負う保険責任及び中央会が漁船船主責任保険再保険事業によつて組合に対して負う再保険責任の一部を再保険するものとする。
(再保険関係の当然成立)
第百三十八条の十三 組合とその組合員との間に漁船保険の保険関係が成立したときは、これによつて政府と当該組合との間に漁船保険に係る再保険関係が成立するものとする。
2 中央会と組合との間に漁船船主責任保険に係る再保険関係が成立したときは、これによつて、政令で定めるてん補区分を除き、てん補区分ごとに、政府と中央会との間に、その保険責任の開始日が同一の会計年度に属する漁船船主責任保険に係る再保険関係(以下「同一年度再保険関係」という。)に係る再保険責任を一体として、これにつき漁船船主責任保険再保険事業に係る再保険関係が成立するものとする。
(再保険金額)
第百三十八条の十四 普通損害保険及び特殊保険に係る再保険金額は、保険金額に政令の定めるところにより農林水産大臣が定める割合を乗じて得た金額とする。
2 満期保険に係る再保険金額は、満期による支払に係るものについては、保険金額に農林水産大臣が定める割合を乗じて得た金額とし、満期前の普通損害保険事故による支払に係るものについては、保険金額に政令の定めるところにより農林水産大臣が定める割合を乗じて得た金額とする。
3 漁船船主責任保険再保険事業に係る再保険金額は、てん補区分ごとに、同一年度再保険関係に係る中央会の再保険金額の合計額のうち、政令の定めるところにより中央会の再保険責任に係る危険の態様を勘案して農林水産大臣が定める方法により算定される金額(以下「中央会責任総再保険金額」という。)を超える部分の金額とする。
(再保険料率)
第百三十八条の十五 普通損害保険に係る再保険料率は、普通損害保険の危険区分及び組合ごとに、第二号の率と当該普通損害保険の危険区分の属する普通損害保険のトン数区分に係る当該組合の第一号の率とを合計して得た率とする。
一 政令で定める一定年間における各年の組合ごと及び普通損害保険のトン数区分ごとの普通損害保険に係る危険率の一部で、台風その他の異常な天然現象に係る部分の率(次号において「天災危険率」という。)のうち、農林水産大臣が普通損害保険のトン数区分ごとに定める標準危険率を超えるもののその超える部分の率(次号において「異常危険率」という。)を基礎として、農林水産大臣が組合ごと及び普通損害保険のトン数区分ごとに定める一定率
二 前号の政令で定める一定年間における各年のすべての組合の普通損害保険のトン数区分ごとの普通損害保険に係る危険率(その各危険率のうちの天災危険率中に同号の標準危険率を超えるものがあるときは、当該危険率については、その率から当該危険率に係る異常危険率を控除した率とする。)を基礎として算定される普通損害保険のトン数区分ごとの全組合平均の通常の危険率を基準とし、農林水産大臣が、これに普通損害保険のトン数区分間の調整を施し、これを基礎として普通損害保険の危険区分ごとに定める一定率
2 満期保険に係る再保険料率のうち満期前の普通損害保険事故による支払に係る部分の率については、組合が当該満期保険の保険関係に基づき損害をてん補する責任が始まる日において適用されている当該組合の普通損害保険に係る再保険料率に、普通損害保険のトン数区分その他第百十三条の十一第二項の農林水産大臣が定める区分ごとに保険期間の期間に応じて農林水産大臣が定める割合を乗じて得た率とする。
3 満期保険に係る再保険料率のうち満期による支払に係る部分の率及び特殊保険に係る再保険料率は、組合の定款で定められた満期保険及び特殊保険の保険料率のうち、それぞれ、満期保険の満期による支払に係る部分の純保険料に対応する部分の率及び特殊保険の純保険料に対応する部分の率と同率とする。
4 漁船船主責任保険再保険事業に係る再保険料率は、てん補区分ごとに、政府の再保険責任に係る危険に対応するものとして農林水産大臣の定めるところにより算定される率とする。
(再保険料の払戻し等)
第百三十八条の十六 組合は、第五十一条第二項、第九十六条、第百十三条の七(第百十三条の十六第三項において準用する場合を含む。)又は第百十三条の十六第一項若しくは第二項の規定により組合員に保険料の払戻し又は払戻金の支払をすべきときは、政府に対し、政令の定めるところにより、再保険料の払戻し又は払戻金の支払を請求することができる。
2 中央会は、漁船船主責任保険に係る再保険につき、第百三十八条の六の規定により再保険料の払戻しをしなければならないときは、政令の定めるところにより、政府に対し、再保険料の払戻しを請求することができる。
(再保険料の延滞金)
第百三十八条の十七 政府は、組合又は中央会が再保険料を納期日までに納付しなかつたときは、その組合又は中央会から、その未納付に係る金額につき、納期日の翌日から納付の日の前日までの日数に応じ、政令で定める割合をもつて計算した金額の延滞金を徴収することができる。
(再保険金)
第百三十八条の十八 政府が支払うべき再保険金の金額は、次のとおりとする。
一 普通損害保険又は特殊保険に係るものにあつては、組合が支払うべき保険金の金額に再保険金額の保険金額に対する割合を乗じて得た金額
二 満期保険に係るものにあつては、組合が支払うべき保険金の金額に満期による支払に係るもの又は満期前の普通損害保険事故による支払に係るものの区分により、それぞれ再保険金額の保険金額に対する割合を乗じて得た金額
三 漁船船主責任保険再保険事業に係るものにあつては、てん補区分ごとに、中央会が同一年度再保険関係につき支払うべき再保険金の合計額のうち、当該同一年度再保険関係に係る中央会責任総再保険金額を超える部分の金額に相当する金額
(組合等の通知義務)
第百三十八条の十九 組合又は中央会は、漁船保険の保険関係又は漁船船主責任保険に係る再保険関係が成立したときは、省令の定めるところにより、当該保険関係又は再保険関係に関する事項を農林水産大臣に通知しなければならない。通知した事項に変更を生じたとき、又は当該保険関係若しくは再保険関係が消滅したときも、同様とする。
2 組合は、漁船保険に係る事故が発生したと認めるときは、遅滞なく、省令の定めるところにより、その旨を農林水産大臣に通知しなければならない。
3 中央会は、省令の定めるところにより、漁船船主責任保険再保険事業に係る政府が行う再保険事業の適正かつ円滑な運営を確保するため必要と認められる事項を農林水産大臣に通知しなければならない。
(委付等による政府の取得権利)
第百三十八条の二十 組合は、省令の定めるところにより、委付によつて取得した一切の権利の行使又は処分に関する事項を定めて農林水産大臣の承認を受けなければならない。
2 農林水産大臣が前項の承認をしたときは、政府は、組合に対して再保険金額の全部につき再保険金を支払うものとする。
3 前項の規定により再保険金の支払を受けた組合は、委付によつて取得した一切の権利を行使し又は処分して得た金額からその行使又は処分に要した費用を控除した残額に、再保険金額の保険金額に対する割合を乗じて得た金額を、遅滞なく、政府に還付しなければならない。
4 第百十一条の六において準用する商法第六百六十一条及び第六百六十二条の規定によつて組合が権利を取得した場合については、前三項の規定を準用する。
(納付金)
第百三十八条の二十一 再保険金の支払を受けた中央会は、てん補区分ごとに、支払を受けた再保険金に係る同一年度再保険関係につき第百三十八条の十一において準用する商法第六百六十二条の規定により取得した権利を行使し又は処分して得た金額からその行使又は処分に要した費用を控除した残額に、当該支払を受けた再保険金の金額の当該同一年度再保険関係につき支払つた再保険金の金額の合計額に対する割合を乗じて得た金額を、遅滞なく、政府に納付しなければならない。
(政府を相手方とする訴えの提起)
第百三十八条の二十二 組合又は中央会が、政府が漁船保険再保険事業等として行う再保険に関する事項につき、政府を相手方とする訴えを提起するには、農林漁業保険審査会の審査を経なければならない。
2 前項の審査の申立ては、時効の中断に関しては、裁判上の請求とみなす。
(準用規定)
第百三十八条の二十三 政府が漁船保険再保険事業等として行う再保険については第百三十八条の十並びに商法第六百四十六条及び第六百六十三条(特別危険の消滅等)の規定を、政府が行う漁船保険に係る再保険については商法第六百三十六条及び第六百三十七条(一部保険等)の規定を準用する。この場合において、第百三十八条の十の規定中「再保険約款」とあるのは「省令」と、「組合」とあるのは「組合又は中央会」と、「定款」とあるのは「定款若しくは再保険約款」と、「保険金」とあるのは「保険金又は再保険金」と、「前二条」とあるのは「第百三十八条の十九」と読み替えるものとする。
第百三十九条第一項中「これ等」を「これら」に改め、同項第一号中「第百十七条第一項第一号」を「第百三十八条の十五第一項第一号」に改め、同項第二号中「次に掲げる区分」を「別表の上欄に掲げる区分」に改め、「次に掲げる割合」を「同表の中欄に掲げる割合」に改め、イからホまでを削り、同条第二項中「前項」を「前二項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 国庫は、対象漁船に係る漁船船主責任保険について、組合員が支払うべき当該保険の純保険料のうち、次の各号の額を合計して得た額に相当する額を負担する。
一 対象漁船が他の船舶と衝突して生じた当該船舶又はその積荷の損害につき対象漁船の所有者又は使用者が自己の賠償責任に基づき賠償することによる損害を含むてん補区分に係る対象漁船の保険金額(政令で定めるものを除く。)に対象漁船に係る当該てん補区分に係る漁船船主責任保険の純保険料率(第百二十一条の規定により読み替えられた同条において準用する第百十三条の四第二号に規定する漁船船主責任保険の純保険料率をいう。次号において同じ。)を乗じて得た額に、別表の上欄に掲げる区分に従い、それぞれ同表の中欄に掲げる割合を乗じて得た額
二 前号のてん補区分以外のてん補区分(第百三十八条の十三第二項の政令で定めるてん補区分を除く。)に係る対象漁船の保険金額に対象漁船に係る当該てん補区分に係る漁船船主責任保険の純保険料率を乗じて得た額に、別表の上欄に掲げる区分に従い、それぞれ同表の下欄に掲げる割合を乗じて得た額
第百三十九条の二第一項中「又は満期保険の純保険料」を「、満期保険又は漁船船主責任保険の純保険料」に改め、同条第二項中「前条第二項」を「前条第三項」に改める。
第百四十条第一項中「及び」の下に「第二項並びに」を加え、同条第二項中「当該組合」を「当該組合が中央会に支払うべき再保険料の一部に充てるべきものとして中央会に交付し、又は当該組合若しくは中央会」に、「一部」を「全部若しくは一部」に改める。
第百四十一条第一項中「第百十三条第四項」の下に「(第百二十一条において準用する場合を含む。)」を加える。
第百四十三条(見出しを含む。)中「再保険事業」を「漁船保険再保険事業等」に改める。
第百四十四条第一項中「の規定において」を「において」に、「の規定により検査」を「、第百三十七条の八若しくは第百三十七条の九の規定による検査」に、「二千円」を「二十万円」に改める。
第百四十五条中「左の」を「次の」に、「一万円」を「十万円」に改め、同条第六号中「又は第三十六条」を「若しくは第三十六条(これらの規定を第百三十八条第四項において準用する場合を含む。)又は第百三十七条の五」に改め、同条第十四号中「第百五条の二」を「第百三条又は第百三十七条の三」に改め、同条第十五号中「保険金額」を「保険金の額」に改め、同条第十六号中「第百八条又は第百九条」を「第百六条又は第百七条(これらの規定を第百三十八条の十一において準用する場合を含む。)」に改め、同条に次の一号を加える。
十七 第百三十七条の七の規定に違反して同条に規定する書類を作成せず、その書類に虚偽の記載をし、又はその書類を提出しなかつたとき。
附則第四項中「第百三十九条第一項第二号」を「別表」に改め、附則に次の四項を加える。
5 中央会は、当分の間、第百三十二条に規定する業務のほか、定款の定めるところにより、組合が行う漁船船主責任保険事業の円滑な運営に資するため、組合が漁船船主責任保険によつて被保険者に対して負う保険責任のうち漁船船主責任保険再保険事業によつては再保険されない部分を再保険する事業(以下「補完再保険事業」という。)を行うことができる。
6 中央会は、前項の規定により補完再保険事業を行う場合には、当該事業に係る経理については、他の経理と区分し、特別の勘定を設けて整理しなければならない。
7 中央会が、附則第五項の規定により補完再保険事業を行う場合には、第百六条、第百七条、第百三十三条の二から第百三十三条の四まで及び第百三十七条の四の規定を準用する。この場合において、第百六条中「漁船保険等」とあり、第百三十三条の二第一項第一号及び第五号中「漁船船主責任保険再保険事業等」とあり、並びに第百三十三条の三第四号中「漁船船主責任保険再保険事業又は漁船乗組船主保険再保険事業」とあるのは、「補完再保険事業」と読み替えるものとする。
8 中央会が附則第五項の規定により補完再保険事業を行う場合における第百四十五条第三号、第十四号及び第十六号の規定の適用については、同条第三号中「目的でない事業」とあるのは「目的とする事業(中央会にあつては、附則第五項に規定する補完再保険事業を含む。)以外の事業」と、同条第十四号中「又は第百三十七条の三」とあるのは「、第百三十七条の三又は附則第六項」と、同条第十六号中「第百三十八条の十一」とあるのは「第百三十八条の十一及び附則第七項」とする。
附則の次に次の別表を加える。
別表(第百三十九条関係)
無動力漁船 |
百分の六十 |
百分の三十五 |
総トン数五トン未満の動力漁船 |
百分の五十五 |
百分の三十五 |
総トン数五トン以上二十トン未満の動力漁船 |
百分の五十 |
百分の三十 |
総トン数二十トン以上五十トン未満の動力漁船 |
百分の四十五 |
百分の二十 |
総トン数五十トン以上百トン未満の動力漁船 |
百分の四十 |
百分の十五 |