漁船積荷保険臨時措置法
法令番号: 法律第56号
公布年月日: 昭和48年7月18日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

近年の漁場の遠隔化や漁船の大型化に伴い、漁船に積載する漁獲物等の積荷価額が増加している。航海中の事故による積荷の損失は漁業経営に重大な影響を及ぼすようになってきており、漁船の積荷についての保険制度の創設が強く要請されている。しかし、保険制度確立に必要な諸種の資料が十分整備されていない状況のため、まず試験的に保険事業を実施し、保険料率算定のための基礎資料収集や損害評価等の事業運営上の諸問題を検討する。その成果に基づいて、適切な損害保険制度の全面的な確立を図ることを目的として本法案を提出する。

参照した発言:
第71回国会 衆議院 農林水産委員会 第28号

審議経過

第71回国会

参議院
(昭和48年2月23日)
衆議院
(昭和48年6月6日)
(昭和48年6月12日)
(昭和48年6月13日)
(昭和48年6月19日)
(昭和48年6月26日)
参議院
(昭和48年6月28日)
(昭和48年7月3日)
(昭和48年7月5日)
(昭和48年7月10日)
(昭和48年7月11日)
漁船積荷保険臨時措置法をここに公布する。
御名御璽
昭和四十八年七月十八日
内閣総理大臣 田中角榮
法律第五十六号
漁船積荷保険臨時措置法
目次
第一章
総則(第一条・第二条)
第二章
漁船保険組合の漁船積荷保険事業(第三条―第十三条)
第三章
漁船保険中央会の漁船積荷保険再保険事業(第十四条―第十八条)
第四章
雑則(第十九条―第二十一条)
第五章
罰則(第二十二条)
附則
第一章 総則
(趣旨)
第一条 この法律は、漁船に積載した漁獲物等につき生ずることのある損害を適切に保険する制度の確立に資するため、試験的に漁船保険組合が漁船積荷保険事業を行ない、漁船保険中央会が当該漁船積荷保険事業による保険責任についての再保険事業を行なうことができることとする等必要な措置を定めるものとする。
(定義)
第二条 この法律において「漁船」とは、漁船損害補償法(昭和二十七年法律第二十八号)第三条第一項に規定する漁船であつて、総トン数千トン未満のものをいう。
2 この法律において「漁船積荷保険」とは、漁船に積載した漁獲物その他の農林省令で定める物(以下「漁船積荷」という。)につき、滅失、流失、損傷その他の事故(戦争、変乱その他農林省令で定める特殊な事由によるものを除く。以下「漁船積荷保険事故」という。)により生じた損害をてん補する保険をいう。
第二章 漁船保険組合の漁船積荷保険事業
(漁船積荷保険事業)
第三条 漁船保険組合は、漁船損害補償法第四条の規定により漁船保険事業を行なうほか、この法律で定めるところにより、漁船積荷保険事業を行なうことができる。
2 漁船保険組合は、漁船積荷保険事業を行なおうとするときは、農林省令で定めるところにより、漁船積荷保険事業計画で次に掲げる事項を内容とするもの(以下「事業計画」という。)及び漁船積荷保険約款(以下「保険約款」という。)を定め、農林大臣の認可を受けなければならない。
一 漁船積荷保険事業に係る漁船積荷の種類及び当該漁船積荷を積載する漁船の種類
二 漁船積荷保険事業の事業規模
3 漁船保険組合は、前項の認可の申請をするには、あらかじめ、その事業計画及び保険約款につき、総会又は総代会の議決を経なければならない。
4 第二項の認可は、全国を通ずる漁船積荷に係る損害の発生状況に照らし漁船保険組合が行なう漁船積荷保険事業が第一条に規定する制度の確立に資することとなるように効率的に行なわれることを旨としてしなければならない。
5 第二項の認可を受けた漁船保険組合(以下「指定組合」という。)は、その事業計画に従つて漁船積荷保険事業を行なわなければならない。
(事業計画等の変更)
第四条 指定組合は、その事業計画又は保険約款を変更しようとするときは、その変更につき、農林大臣の認可を受けなければならない。
2 前条第三項及び第四項の規定は、前項の認可について準用する。
(認可の取消し)
第五条 農林大臣は、指定組合が漁船積荷保険事業に係る業務又は会計につき法令、法令に基づいてする行政庁の処分又は保険約款に違反したときは、第三条第二項の認可を取り消すことができる。
(被保険者の資格)
第六条 漁船積荷保険の被保険者たる資格を有する者は、漁船積荷の所有者とする。
(保険契約の成立)
第七条 漁船積荷保険の保険契約は、当該保険契約を指定組合との間に締結することができる者から当該指定組合が保険料(保険約款の定めるところに従い保険料の分割支払がされる場合にあつては、保険料のうちその第一回の支払に係るもの)を受け取つた時に成立する。
(保険契約者の資格)
第八条 漁船積荷保険の保険契約を指定組合との間に締結することができる者は、当該指定組合の組合員(漁船損害補償法第九十六条第二項(同条第三項及び同法第九十六条の二第三項において準用する場合を含む。)又は同法第九十六条の三第二項の規定により組合員とみなされる者を含む。)とする。
(保険期間)
第九条 漁船積荷保険の保険期間は、一年とする。ただし、指定組合は、農林省令で定めるところにより、保険約款で別段の定めをすることができる。
(純保険料率)
第十条 漁船積荷保険の純保険料率は、指定組合が漁船積荷保険の保険責任に係る危険の態様を勘案して保険約款で定める割合とする。
(指定組合のてん補責任)
第十一条 指定組合は、保険の目的たる漁船積荷につき、漁船積荷保険事故により生じた損害をてん補する。
2 前項の規定によりてん補すべき損害の範囲に関して必要な事項は、農林省令で定める。
(経理の区分)
第十二条 指定組合は、漁船損害補償法第百五条の二の規定によるほか、漁船積荷保険事業については、他の事業と区分して経理しなければならない。
(漁船損害補償法及び商法の準用等)
第十三条 漁船損害補償法第四十四条第四項及び第五項の規定は、保険約款について準用する。この場合において、同項中「第四十二条及び第一項から第三項まで」とあるのは、「漁船積荷保険臨時措置法第四条第一項及び同条第二項において準用する同法第三条第三項」と読み替えるものとする。
2 漁船損害補償法第五十一条、第九十三条から第九十五条まで、第九十七条から第九十九条まで、第百二条(同条第五号及び第六号を除く。)、第百三条、第百四条並びに第百七条から第百九条まで並びに商法(明治三十二年法律第四十八号)第六百四十四条から第六百四十八条まで、第六百五十二条、第六百六十二条及び第六百六十三条の規定は、漁船積荷保険事業について準用する。この場合において、漁船損害補償法第五十一条第二項中「普通損害保険及び特殊保険にあつては、まだ経過しない期間に対する保険料を、満期保険にあつては、第百十三条の十一第一項の積立保険料のうちの純保険料及びまだ経過しない期間に対する附加保険料並びに同項の損害保険料のうちまだ経過しない期間に対するもの」とあるのは「まだ経過しない期間に対する保険料」と、第百二条第一号中「法令に」とあるのは「当該漁船積荷を積載した漁船が法令に」と、第百四条中「漁船」とあるのは「漁船積荷を積載した漁船」と、第百七条第二項中「政府」とあるのは「漁船保険中央会」と読み替えるものとする。
3 指定組合が漁船積荷保険事業を行なう場合における漁船損害補償法第八十五条及び第八十六条第一項の規定の適用については、同法第八十五条第一項中「又は定款」とあるのは「、定款又は保険約款」と、同条第二項及び同法第八十六条第一項中「若しくは定款」とあるのは「、定款若しくは保険約款」とする。
第三章 漁船保険中央会の漁船積荷保険再保険事業
(漁船積荷保険再保険事業)
第十四条 漁船保険中央会(以下「中央会」という。)は、漁船損害補償法第百三十二条に規定する事業のほか、この法律で定めるところにより、漁船積荷保険再保険事業を行なうことができる。
2 中央会は、漁船積荷保険再保険事業を行なおうとするときは、農林省令で定めるところにより、漁船積荷保険再保険約款(以下「再保険約款」という。)を定め、農林大臣の認可を受けなければならない。
3 中央会は、前項の認可の申請をするには、あらかじめ、その再保険約款につき、総会の議決を経なければならない。
4 第四条第一項及び前項の規定は再保険約款の変更について、第五条の規定は第二項の認可の取消しについて、それぞれ準用する。
(再保険契約の当然成立)
第十五条 漁船積荷保険事業に係る保険契約が指定組合と保険契約者との間に成立したときは、これによつて、中央会と当該指定組合との間に当該保険契約についての漁船積荷保険再保険事業に係る再保険契約が成立するものとする。
(純再保険料率)
第十六条 中央会の純再保険料率は、中央会がその再保険責任に係る危険の態様を勘案して再保険約款で定める割合とする。
(経理の区分)
第十七条 中央会は、漁船積荷保険再保険事業については、漁船損害補償法第百三十二条に規定する事業と区分して経理しなければならない。
(漁船損害補償法及び商法の準用等)
第十八条 漁船損害補償法第四十四条第四項及び第五項の規定は、再保険約款について準用する。この場合において、同項中「第四十二条及び第一項から第三項まで」とあるのは、「漁船積荷保険臨時措置法第十四条第四項において準用する同法第四条第一項及び第十四条第三項」と読み替えるものとする。
2 漁船損害補償法第五十一条第一項、第百七条第一項、第百八条、第百九条、第百十八条及び第百十九条から第百二十一条まで並びに商法第六百六十二条及び第六百六十三条の規定は、中央会の漁船積荷保険再保険事業について準用する。この場合において、漁船損害補償法第百十八条中「政府」とあるのは「中央会」と、同法第百十九条及び第百二十条中「農林大臣」とあるのは「中央会」と、同法第百二十一条中「政府」とあるのは「中央会」と読み替えるものとする。
3 中央会が漁船積荷保険再保険事業を行なう場合における漁船損害補償法第百三十八条第七項において準用する同法第八十五条及び第八十六条第一項の規定の適用については、同法第八十五条第一項中「又は定款」とあるのは「、定款又は再保険約款」と、同条第二項及び同法第八十六条第一項中「若しくは定款」とあるのは「、定款若しくは再保険約款」とする。
第四章 雑則
(国の援助)
第十九条 国は、漁船積荷保険事業及び漁船積荷保険再保険事業の適切な実施を確保するため、指定組合及び中央会に対し、必要な助言、指導その他の援助を行なうように努めるものとする。
(報告の徴収)
第二十条 農林大臣は、この法律の施行の状況を明らかにするため必要があると認めるときは、指定組合又は中央会から報告を徴収することができる。
(印紙税の非課税)
第二十一条 この法律による漁船積荷保険及び漁船積荷保険再保険に関する書類には、印紙税を課さない。
第五章 罰則
第二十二条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をした指定組合又は中央会の役員は、一万円以下の過料に処する。
一 第十二条又は第十七条の規定に違反したとき。
二 第十三条第二項又は第十八条第二項において準用する漁船損害補償法第百八条又は第百九条の規定に違反したとき。
附 則
1 この法律は、昭和四十八年十月一日から施行する。
2 この法律は、施行の日から起算して五年をこえない範囲内において別に法律で定める日にその効力を失う。
3 この法律の失効に伴い必要な経過措置は、別に法律で定める。
4 農林省設置法(昭和二十四年法律第百五十三号)の一部を次のように改正する。
第七十七条第八号中「及び漁船乗組員給与保険」を「、漁船乗組員給与保険及び漁船積荷保険」に改める。
大蔵大臣 愛知揆一
農林大臣 櫻内義雄
内閣総理大臣 田中角榮
漁船積荷保険臨時措置法をここに公布する。
御名御璽
昭和四十八年七月十八日
内閣総理大臣 田中角栄
法律第五十六号
漁船積荷保険臨時措置法
目次
第一章
総則(第一条・第二条)
第二章
漁船保険組合の漁船積荷保険事業(第三条―第十三条)
第三章
漁船保険中央会の漁船積荷保険再保険事業(第十四条―第十八条)
第四章
雑則(第十九条―第二十一条)
第五章
罰則(第二十二条)
附則
第一章 総則
(趣旨)
第一条 この法律は、漁船に積載した漁獲物等につき生ずることのある損害を適切に保険する制度の確立に資するため、試験的に漁船保険組合が漁船積荷保険事業を行ない、漁船保険中央会が当該漁船積荷保険事業による保険責任についての再保険事業を行なうことができることとする等必要な措置を定めるものとする。
(定義)
第二条 この法律において「漁船」とは、漁船損害補償法(昭和二十七年法律第二十八号)第三条第一項に規定する漁船であつて、総トン数千トン未満のものをいう。
2 この法律において「漁船積荷保険」とは、漁船に積載した漁獲物その他の農林省令で定める物(以下「漁船積荷」という。)につき、滅失、流失、損傷その他の事故(戦争、変乱その他農林省令で定める特殊な事由によるものを除く。以下「漁船積荷保険事故」という。)により生じた損害をてん補する保険をいう。
第二章 漁船保険組合の漁船積荷保険事業
(漁船積荷保険事業)
第三条 漁船保険組合は、漁船損害補償法第四条の規定により漁船保険事業を行なうほか、この法律で定めるところにより、漁船積荷保険事業を行なうことができる。
2 漁船保険組合は、漁船積荷保険事業を行なおうとするときは、農林省令で定めるところにより、漁船積荷保険事業計画で次に掲げる事項を内容とするもの(以下「事業計画」という。)及び漁船積荷保険約款(以下「保険約款」という。)を定め、農林大臣の認可を受けなければならない。
一 漁船積荷保険事業に係る漁船積荷の種類及び当該漁船積荷を積載する漁船の種類
二 漁船積荷保険事業の事業規模
3 漁船保険組合は、前項の認可の申請をするには、あらかじめ、その事業計画及び保険約款につき、総会又は総代会の議決を経なければならない。
4 第二項の認可は、全国を通ずる漁船積荷に係る損害の発生状況に照らし漁船保険組合が行なう漁船積荷保険事業が第一条に規定する制度の確立に資することとなるように効率的に行なわれることを旨としてしなければならない。
5 第二項の認可を受けた漁船保険組合(以下「指定組合」という。)は、その事業計画に従つて漁船積荷保険事業を行なわなければならない。
(事業計画等の変更)
第四条 指定組合は、その事業計画又は保険約款を変更しようとするときは、その変更につき、農林大臣の認可を受けなければならない。
2 前条第三項及び第四項の規定は、前項の認可について準用する。
(認可の取消し)
第五条 農林大臣は、指定組合が漁船積荷保険事業に係る業務又は会計につき法令、法令に基づいてする行政庁の処分又は保険約款に違反したときは、第三条第二項の認可を取り消すことができる。
(被保険者の資格)
第六条 漁船積荷保険の被保険者たる資格を有する者は、漁船積荷の所有者とする。
(保険契約の成立)
第七条 漁船積荷保険の保険契約は、当該保険契約を指定組合との間に締結することができる者から当該指定組合が保険料(保険約款の定めるところに従い保険料の分割支払がされる場合にあつては、保険料のうちその第一回の支払に係るもの)を受け取つた時に成立する。
(保険契約者の資格)
第八条 漁船積荷保険の保険契約を指定組合との間に締結することができる者は、当該指定組合の組合員(漁船損害補償法第九十六条第二項(同条第三項及び同法第九十六条の二第三項において準用する場合を含む。)又は同法第九十六条の三第二項の規定により組合員とみなされる者を含む。)とする。
(保険期間)
第九条 漁船積荷保険の保険期間は、一年とする。ただし、指定組合は、農林省令で定めるところにより、保険約款で別段の定めをすることができる。
(純保険料率)
第十条 漁船積荷保険の純保険料率は、指定組合が漁船積荷保険の保険責任に係る危険の態様を勘案して保険約款で定める割合とする。
(指定組合のてん補責任)
第十一条 指定組合は、保険の目的たる漁船積荷につき、漁船積荷保険事故により生じた損害をてん補する。
2 前項の規定によりてん補すべき損害の範囲に関して必要な事項は、農林省令で定める。
(経理の区分)
第十二条 指定組合は、漁船損害補償法第百五条の二の規定によるほか、漁船積荷保険事業については、他の事業と区分して経理しなければならない。
(漁船損害補償法及び商法の準用等)
第十三条 漁船損害補償法第四十四条第四項及び第五項の規定は、保険約款について準用する。この場合において、同項中「第四十二条及び第一項から第三項まで」とあるのは、「漁船積荷保険臨時措置法第四条第一項及び同条第二項において準用する同法第三条第三項」と読み替えるものとする。
2 漁船損害補償法第五十一条、第九十三条から第九十五条まで、第九十七条から第九十九条まで、第百二条(同条第五号及び第六号を除く。)、第百三条、第百四条並びに第百七条から第百九条まで並びに商法(明治三十二年法律第四十八号)第六百四十四条から第六百四十八条まで、第六百五十二条、第六百六十二条及び第六百六十三条の規定は、漁船積荷保険事業について準用する。この場合において、漁船損害補償法第五十一条第二項中「普通損害保険及び特殊保険にあつては、まだ経過しない期間に対する保険料を、満期保険にあつては、第百十三条の十一第一項の積立保険料のうちの純保険料及びまだ経過しない期間に対する附加保険料並びに同項の損害保険料のうちまだ経過しない期間に対するもの」とあるのは「まだ経過しない期間に対する保険料」と、第百二条第一号中「法令に」とあるのは「当該漁船積荷を積載した漁船が法令に」と、第百四条中「漁船」とあるのは「漁船積荷を積載した漁船」と、第百七条第二項中「政府」とあるのは「漁船保険中央会」と読み替えるものとする。
3 指定組合が漁船積荷保険事業を行なう場合における漁船損害補償法第八十五条及び第八十六条第一項の規定の適用については、同法第八十五条第一項中「又は定款」とあるのは「、定款又は保険約款」と、同条第二項及び同法第八十六条第一項中「若しくは定款」とあるのは「、定款若しくは保険約款」とする。
第三章 漁船保険中央会の漁船積荷保険再保険事業
(漁船積荷保険再保険事業)
第十四条 漁船保険中央会(以下「中央会」という。)は、漁船損害補償法第百三十二条に規定する事業のほか、この法律で定めるところにより、漁船積荷保険再保険事業を行なうことができる。
2 中央会は、漁船積荷保険再保険事業を行なおうとするときは、農林省令で定めるところにより、漁船積荷保険再保険約款(以下「再保険約款」という。)を定め、農林大臣の認可を受けなければならない。
3 中央会は、前項の認可の申請をするには、あらかじめ、その再保険約款につき、総会の議決を経なければならない。
4 第四条第一項及び前項の規定は再保険約款の変更について、第五条の規定は第二項の認可の取消しについて、それぞれ準用する。
(再保険契約の当然成立)
第十五条 漁船積荷保険事業に係る保険契約が指定組合と保険契約者との間に成立したときは、これによつて、中央会と当該指定組合との間に当該保険契約についての漁船積荷保険再保険事業に係る再保険契約が成立するものとする。
(純再保険料率)
第十六条 中央会の純再保険料率は、中央会がその再保険責任に係る危険の態様を勘案して再保険約款で定める割合とする。
(経理の区分)
第十七条 中央会は、漁船積荷保険再保険事業については、漁船損害補償法第百三十二条に規定する事業と区分して経理しなければならない。
(漁船損害補償法及び商法の準用等)
第十八条 漁船損害補償法第四十四条第四項及び第五項の規定は、再保険約款について準用する。この場合において、同項中「第四十二条及び第一項から第三項まで」とあるのは、「漁船積荷保険臨時措置法第十四条第四項において準用する同法第四条第一項及び第十四条第三項」と読み替えるものとする。
2 漁船損害補償法第五十一条第一項、第百七条第一項、第百八条、第百九条、第百十八条及び第百十九条から第百二十一条まで並びに商法第六百六十二条及び第六百六十三条の規定は、中央会の漁船積荷保険再保険事業について準用する。この場合において、漁船損害補償法第百十八条中「政府」とあるのは「中央会」と、同法第百十九条及び第百二十条中「農林大臣」とあるのは「中央会」と、同法第百二十一条中「政府」とあるのは「中央会」と読み替えるものとする。
3 中央会が漁船積荷保険再保険事業を行なう場合における漁船損害補償法第百三十八条第七項において準用する同法第八十五条及び第八十六条第一項の規定の適用については、同法第八十五条第一項中「又は定款」とあるのは「、定款又は再保険約款」と、同条第二項及び同法第八十六条第一項中「若しくは定款」とあるのは「、定款若しくは再保険約款」とする。
第四章 雑則
(国の援助)
第十九条 国は、漁船積荷保険事業及び漁船積荷保険再保険事業の適切な実施を確保するため、指定組合及び中央会に対し、必要な助言、指導その他の援助を行なうように努めるものとする。
(報告の徴収)
第二十条 農林大臣は、この法律の施行の状況を明らかにするため必要があると認めるときは、指定組合又は中央会から報告を徴収することができる。
(印紙税の非課税)
第二十一条 この法律による漁船積荷保険及び漁船積荷保険再保険に関する書類には、印紙税を課さない。
第五章 罰則
第二十二条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をした指定組合又は中央会の役員は、一万円以下の過料に処する。
一 第十二条又は第十七条の規定に違反したとき。
二 第十三条第二項又は第十八条第二項において準用する漁船損害補償法第百八条又は第百九条の規定に違反したとき。
附 則
1 この法律は、昭和四十八年十月一日から施行する。
2 この法律は、施行の日から起算して五年をこえない範囲内において別に法律で定める日にその効力を失う。
3 この法律の失効に伴い必要な経過措置は、別に法律で定める。
4 農林省設置法(昭和二十四年法律第百五十三号)の一部を次のように改正する。
第七十七条第八号中「及び漁船乗組員給与保険」を「、漁船乗組員給与保険及び漁船積荷保険」に改める。
大蔵大臣 愛知揆一
農林大臣 桜内義雄
内閣総理大臣 田中角栄