国有財産法及び国有財産特別措置法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第67号
公布年月日: 昭和48年7月27日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

最近の社会的要請に応えるため、国有財産の無償貸し付けおよび減額譲渡等を可能とする対象を拡大するとともに、国有財産の有効活用および管理処分の適正化・合理化を図る必要がある。このため、国有財産法および国有財産特別措置法の改正を行うものである。具体的には、社会福祉事業施設や義務教育施設等への無償貸し付け、公害防止事業施設等への減額譲渡・貸し付けの対象拡大、普通財産の処理特例の合理化、行政財産の貸し付け制限の緩和などの措置を講じることとしている。

参照した発言:
第71回国会 衆議院 大蔵委員会 第39号

審議経過

第71回国会

参議院
(昭和48年3月27日)
衆議院
(昭和48年6月12日)
(昭和48年6月19日)
(昭和48年6月22日)
(昭和48年6月26日)
参議院
(昭和48年6月28日)
(昭和48年7月3日)
(昭和48年7月5日)
(昭和48年7月10日)
(昭和48年7月12日)
(昭和48年7月13日)
(昭和48年9月26日)
国有財産法及び国有財産特別措置法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和四十八年七月二十七日
内閣総理大臣 田中角榮
法律第六十七号
国有財産法及び国有財産特別措置法の一部を改正する法律
(国有財産法の一部改正)
第一条 国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。
第十二条に次のただし書を加える。
ただし、次条の規定により国会の議決を経なければならない場合又は政令で定める場合に該当するときは、大蔵大臣への協議は、要しないものとする。
第十四条第七号中「の使用又は収益の許可をしよう」を「を使用させ、又は収益させよう」に改める。
第十八条第一項に次のただし書を加える。
ただし、行政財産である土地について、その用途又は目的を妨げない限度において、国が地方公共団体若しくは政令で定める法人と一むねの建物を区分して所有するためこれらの者に当該土地を貸し付け、又は地方公共団体若しくは政令で定める法人がその経営する鉄道、道路その他政令で定める施設の用に供する場合においてこれらの者のために当該土地に地上権を設定するときは、この限りでない。
第十八条第四項中「おいては、当該地方公共団体、法人又は地方道路公社に前項の許可に係る」を「おいて、第一項ただし書の地上権の設定又は前項の許可をするときは、これらの者に当該」に改める。
第十九条中「第二十五条まで」の下に「(前条第一項ただし書の規定により地上権を設定する場合にあつては、第二十一条及び第二十三条を除く。)」を加え、「前条第三項」を「前条第一項ただし書の貸付け若しくは地上権の設定又は同条第三項」に改める。
第二十二条第一項第一号中「ため池」の下に「、用排水路」を加え、「又はと畜場」を「、と畜場又は信号機、道路標識その他公共用若しくは公用に供する政令で定める小規模な施設」に改める。
第二十六条中「前五条」の下に「(鉄道、道路その他政令で定める施設の用に供される土地に地上権を設定する場合にあつては、第二十一条及び第二十三条を除く。)」を加える。
第二十八条第一号及び第二号中「費用の額」の下に「が当該用途の廃止時における当該財産の価額に対して占める割合に対応する価額」を加える。
第二十九条の前の見出し中「売払」を「売払い等」に改め、同条中「売払」を「売払い又は譲与」に改め、「買受人」の下に「又は譲与を受けた者」を加える。
第三十条第一項中「売払」を「売払い又は譲与」に改める。
第三十一条第一項中「但し」を「ただし」に改め、同条第三項中「第一項但書」を「第一項ただし書」に、「左の各号の一に該当する事由がある」を「当該財産の譲渡を受けたもののする管理が適当でないと認める」に改め、各号を削り、同項を同条第四項とし、同条第二項中「前項但書」を「第一項ただし書」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 前項ただし書の規定により延納の特約をしようとする場合において、普通財産の譲渡を受けたものが地方公共団体であるときは、担保を徴しないことができる。
(国有財産特別措置法の一部改正)
第二条 国有財産特別措置法(昭和二十七年法律第二百十九号)の一部を次のように改正する。
第二条第二項中「前項の規定」を「前二項の規定」に改め、同項後段を削り、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 普通財産は、次の各号に掲げる場合においては、当該各号の地方公共団体、社会福祉法人又は更生保護会に対し、政令で定めるところにより、無償で貸し付けることができる。
一 地方公共団体において、生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第三十八条に規定する保護施設、児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第七条に規定する児童福祉施設、老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第十四条に規定する老人福祉施設、身体障害者福祉法(昭和二十四年法律第二百八十三号)第五条第一項に規定する身体障害者更生援護施設及び精神薄弱者福祉法(昭和三十五年法律第三十七号)第十八条に規定する精神薄弱者援護施設のうち、政令で定めるものの用に供するとき、又は社会福祉法人(社会福祉事業法(昭和二十六年法律第四十五号)第二十二条に規定する社会福祉法人をいう。以下同じ。)において、これらの法律の規定に基づき都道府県知事若しくは市町村長の委託を受けて行なう当該委託に係る保護若しくは措置の用に主として供する施設の用に供するとき。
二 地方公共団体又は更生緊急保護法(昭和二十五年法律第二百三号)第三条第二項に規定する更生保護会で民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定により設立された法人であるもの(以下「更生保護会」という。)において、同項の規定に基づき保護観察所の長の委託を受けて行なう更生保護の用に主として供する施設の用に供するとき。
三 地方公共団体において、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する小学枚、中学校、盲学校、 聾学校又は養護学校の施設(学校給食の実施に必要な施設を含む。)で、災害による著しい被害、児童又は生徒の急増その他の特別の事由がある地域として政令で定める地域にあるものの用に供するとき。
第三条第一項第一号ロ中「(昭和二十六年法律第四十五号)」を削り、同号ハ中「(昭和二十二年法律第二十六号)」及び「又は第九十八条」を削り、「学校(以下「学校」という。)の施設」を「学校の施設(学校給食の実施に必要な施設を含む。以下「学校施設」という。)」に改め、同号チ中「(昭和二十五年法律第二百三号)」を削り、同号に次のように加える。
ル 公害の防止のために必要な事業に係る施設で政令で定めるもの
ヲ 一般の利用に供するための体育館、水泳プールその他のスポーツ施設で政令で定めるもの
ワ 水防、消防その他の防災に関する施設で政令で定めるもの
第三条第一項第四号中「社会福祉事業法第二十二条に規定する社会福祉法人(以下「社会福祉法人」という。)、更生緊急保護法第三条第二項に規定する更生保護会で民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定により設立された法人(以下「更生保護会」という。)」を「社会福祉法人、更生保護会」に、「学校」を「学校施設」に改め、同条第二項中「(昭和二十五年法律第百四十四号)」、「(昭和二十二年法律第百六十四号)」及び「(昭和三十八年法律第百三十三号)」を削る。
第四条を次のように改める。
第四条 削除
第六条中「、第四条」を削り、「買受人」を「買受人又は譲与を受けた者」に改める。
第六条の二第一項各号列記以外の部分を次のように改め、同項第二号中「共同住宅施設として住民に貸し付けている建物で、」を「共同住宅施設又は集団的に所在する居住の用に供する建物で、住民に貸し付けているもののうち」に改める。
地方公共団体が、普通財産のうち次に掲げる建物を取りこわして、その敷地を住民に賃貸する目的で経営する住宅施設又は公共の用に供する施設(これらの施設とあわせて建設する施設で政令で定めるものを含む。)の用に供する場合において、当該建物の居住者を当該住宅施設に収容し、又は他の住宅施設の提供等他の場所へ移転させるため必要な措置をとるときは、当該財産を所管する各省各庁の長は、政令で定めるところにより、当該地方公共団体に対し、当該建物を譲与し、又はその敷地のうち国有のものを時価からその七割以内を減額した対価で譲渡することができる。
第六条の二第二項中「前項の公営住宅等を建設しないとき、又は建設した公営住宅等にその建設のために取りこわした建物の居住者を収容しようとしない」を「同項に規定する施設の用に供しないとき、又は同項の収容をしようとせず若しくは同項の必要な措置をとらない」に改める。
第十条第一項中「旧軍用財産は、大蔵大臣が」を「普通財産は、各省各庁の長が当該財産の有効な利用を図るため」に改め、同条第二項から第四項までの規定中「大蔵大臣」を「各省各庁の長」に、「旧軍用財産」を「普通財産」に改め、同条の次に次の一条を加える。
(特定普通財産の処理の特例)
第十条の二 賃借権その他の不動産を使用する権利の目的となつている普通財産で居住の用に供されているもの(居住の用に供する部分と事業の用に供する部分とが結合して併用住宅と認められる施設の用に供されているものを含む。)のうち政令で定めるもの(当該財産と一体として処分することが適当と認められる普通財産を含む。以下「特定普通財産」という。)を売り払うため特に必要がある場合において、当該特定普通財産につき使用する権利を有する者(当該特定普通財産が建物である場合におけるその敷地の所有者その他当該特定普通財産の譲渡を受けることについて特別の事情を有する者として政令で定める者を含む。以下「権利者等」という。)に対し、政令で定めるところにより、売払価額その他売払いに関し必要な事項を提示して当該売払価額で買い受けるよう勧奨したときは、その勧奨を行なつた特定普通財産は、当該権利者等に対し、当該勧奨の日から一年以内に限り、当該勧奨に係る売払価額により売り払うことができる。
第十一条第一項ただし書を次のように改める。
ただし、次の各号に掲げる場合には、当該各号に掲げる期間以内とすることができる。
一 地方公共団体、学校法人、社会福祉法人、更生保護会、日本赤十字社又は公益事業その他の政令で定める事業を営む者に譲渡するとき。十年
二 居住の用に供されている普通財産を現に使用している者に譲渡するとき。 十年
三 特定普通財産を当該財産の権利者等に譲渡するとき。 二十年
第十一条第二項中「第三十一条第二項及び第三項」を「第三十一条第二項から第四項まで」に改め、同項後段を削る。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。
(国有財産法の一部改正に伴う経過措置)
第二条 この法律の施行前に公共用財産の用途を廃止したことによつて生じた普通財産に対する第一条の規定による改正後の国有財産法第二十八条第一号又は第二号の規定の適用については、当該公共用財産の用途の廃止は、この法律の施行の日にされたものとみなす。
2 この法律の施行の際現に存する第一条の規定による改正前の国有財産法第三十一条第一項ただし書の規定による延納の特約に附された条件のうち、担保の徴取を内容とするもので地方公共団体に対する延納の特約に附されているもの及び同条第三項第二号の解除を内容とするものは、この法律の施行の日以後は、附されていないものとみなす。
(国有財産特別措置法の一部改正に伴う経過措置)
第三条 この法律の施行前に第二条の規定による改正前の国有財産特別措置法(以下「旧措置法」という。)第六条の二第一項の規定により行なつた譲与又は譲渡に係る契約の解除については、なお従前の例による。
2 前条第二項の規定は、旧措置法第十一条第一項の規定による延納の特約に附された条件について準用する。
(社会福祉事業等の施設に関する措置法の廃止)
第四条 社会福祉事業等の施設に関する措置法(昭和三十三年法律第百四十二号)は、廃止する。
2 旧社会福祉事業等の施設に関する措置法第二条の規定により貸し付けられた普通財産については、なお従前の例による。
(児童福祉法の一部改正)
第五条 児童福祉法の一部を次のように改正する。
第五十六条の五中「(昭和二十七年法律第二百十九号)」の下に「第二条第二項第一号の規定又は同法」を加える。
(身体障害者福祉法の一部改正)
第六条 身体障害者福祉法の一部を次のように改正する。
目次中「第三十八条」を「第三十八条の二」に改める。
第四章中第三十八条の次に次の一条を加える。
(準用規定)
第三十八条の二 社会福祉事業法第五十六条第二項から第四項までの規定は、国有財産特別措置法(昭和二十七年法律第二百十九号)第二条第二項第一号の規定又は同法第三条第一項第四号及び第二項の規定により普通財産の譲渡又は貸付けを受けた社会福祉法人に準用する。
(生活保護法の一部改正)
第七条 生活保護法の一部を次のように改正する。
第七十四条の二中「(昭和二十七年法律第二百十九号)」の下に「第二条第二項第一号の規定又は同法」を加える。
(国有林野法の一部改正)
第八条 国有林野法(昭和二十六年法律第二百四十六号)の一部を次のように改正する。
第七条第二項中「第二十五条まで」の下に「(鉄道、道路その他政令で定める施設の用に供される土地に地上権を設定する場合にあつては、第二十一条及び第二十三条を除く。)」を加える。
(国有の炭鉱医療施設の譲渡及び貸付に関する特例法の一部改正)
第九条 国有の炭鉱医療施設の譲渡及び貸付に関する特例法(昭和二十九年法律第二百二十七号)の一部を次のように改正する。
第一条第二項中「売払」を「売払い又は譲与」に、「買受人」を「買受人又は譲与を受けた者」に改める。
第二条第二項中「第三十一条第二項及び第三項」を「第三十一条第二項から第四項まで」に、「前項但書」を「前項ただし書」に、「同条第三項中「第一項但書」」を「同条第三項及び第四項中「第一項ただし書」」に改める。
(精神薄弱者福祉法の一部改正)
第十条 精神薄弱者福祉法の一部を次のように改正する。
目次中「第二十七条」を「第二十七条の二」に改める。
第五章中第二十七条の次に次の一条を加える。
(準用規定)
第二十七条の二 社会福祉事業法第五十六条第二項から第四項までの規定は、国有財産特別措置法(昭和二十七年法律第二百十九号)第二条第二項第一号の規定又は同法第三条第一項第四号及び第二項の規定により普通財産の譲渡又は貸付けを受けた社会福祉法人に準用する。
(老人福祉法の一部改正)
第十一条 老人福祉法の一部を次のように改正する。
第二十五条中「(昭和二十七年法律第二百十九号)」の下に「第二条第二項第一号の規定若しくは同法」を加える。
(国有農地等の売払いに関する特別措置法の一部改正)
第十二条 国有農地等の売払いに関する特別措置法(昭和四十六年法律第五十号)の一部を次のように改正する。
第三条第二項中「第三十一条第二項」の下に「及び第三項」を加え、「同条第二項中「前項但書」」を「同条第二項中「前項ただし書」とあり、又は同条第三項中「第一項ただし書」」に改める。
(国有林野の活用に関する法律の一部改正)
第十三条 国有林野の活用に関する法律(昭和四十六年法律第百八号)の一部を次のように改正する。
第七条中「同条第二項及び第三項(同項第二号を除く。)」を「同条第二項から第四項まで」に改める。
(国有の炭鉱医療施設の譲渡及び貸付に関する特例法等の改正に伴う経過措置)
第十四条 附則第二条第二項の規定は、附則第九条又は前二条の規定による改正前の国有の炭鉱医療施設の譲渡及び貸付に関する特例法第二条第一項、国有農地等の売払いに関する特別措置法第三条第一項又は国有林野の活用に関する法律第七条の規定による延納の特約に附された条件について準用する。
内閣総理大臣 田中角榮
大蔵大臣 愛知揆一
国有財産法及び国有財産特別措置法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和四十八年七月二十七日
内閣総理大臣 田中角栄
法律第六十七号
国有財産法及び国有財産特別措置法の一部を改正する法律
(国有財産法の一部改正)
第一条 国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。
第十二条に次のただし書を加える。
ただし、次条の規定により国会の議決を経なければならない場合又は政令で定める場合に該当するときは、大蔵大臣への協議は、要しないものとする。
第十四条第七号中「の使用又は収益の許可をしよう」を「を使用させ、又は収益させよう」に改める。
第十八条第一項に次のただし書を加える。
ただし、行政財産である土地について、その用途又は目的を妨げない限度において、国が地方公共団体若しくは政令で定める法人と一むねの建物を区分して所有するためこれらの者に当該土地を貸し付け、又は地方公共団体若しくは政令で定める法人がその経営する鉄道、道路その他政令で定める施設の用に供する場合においてこれらの者のために当該土地に地上権を設定するときは、この限りでない。
第十八条第四項中「おいては、当該地方公共団体、法人又は地方道路公社に前項の許可に係る」を「おいて、第一項ただし書の地上権の設定又は前項の許可をするときは、これらの者に当該」に改める。
第十九条中「第二十五条まで」の下に「(前条第一項ただし書の規定により地上権を設定する場合にあつては、第二十一条及び第二十三条を除く。)」を加え、「前条第三項」を「前条第一項ただし書の貸付け若しくは地上権の設定又は同条第三項」に改める。
第二十二条第一項第一号中「ため池」の下に「、用排水路」を加え、「又はと畜場」を「、と畜場又は信号機、道路標識その他公共用若しくは公用に供する政令で定める小規模な施設」に改める。
第二十六条中「前五条」の下に「(鉄道、道路その他政令で定める施設の用に供される土地に地上権を設定する場合にあつては、第二十一条及び第二十三条を除く。)」を加える。
第二十八条第一号及び第二号中「費用の額」の下に「が当該用途の廃止時における当該財産の価額に対して占める割合に対応する価額」を加える。
第二十九条の前の見出し中「売払」を「売払い等」に改め、同条中「売払」を「売払い又は譲与」に改め、「買受人」の下に「又は譲与を受けた者」を加える。
第三十条第一項中「売払」を「売払い又は譲与」に改める。
第三十一条第一項中「但し」を「ただし」に改め、同条第三項中「第一項但書」を「第一項ただし書」に、「左の各号の一に該当する事由がある」を「当該財産の譲渡を受けたもののする管理が適当でないと認める」に改め、各号を削り、同項を同条第四項とし、同条第二項中「前項但書」を「第一項ただし書」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 前項ただし書の規定により延納の特約をしようとする場合において、普通財産の譲渡を受けたものが地方公共団体であるときは、担保を徴しないことができる。
(国有財産特別措置法の一部改正)
第二条 国有財産特別措置法(昭和二十七年法律第二百十九号)の一部を次のように改正する。
第二条第二項中「前項の規定」を「前二項の規定」に改め、同項後段を削り、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 普通財産は、次の各号に掲げる場合においては、当該各号の地方公共団体、社会福祉法人又は更生保護会に対し、政令で定めるところにより、無償で貸し付けることができる。
一 地方公共団体において、生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第三十八条に規定する保護施設、児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第七条に規定する児童福祉施設、老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第十四条に規定する老人福祉施設、身体障害者福祉法(昭和二十四年法律第二百八十三号)第五条第一項に規定する身体障害者更生援護施設及び精神薄弱者福祉法(昭和三十五年法律第三十七号)第十八条に規定する精神薄弱者援護施設のうち、政令で定めるものの用に供するとき、又は社会福祉法人(社会福祉事業法(昭和二十六年法律第四十五号)第二十二条に規定する社会福祉法人をいう。以下同じ。)において、これらの法律の規定に基づき都道府県知事若しくは市町村長の委託を受けて行なう当該委託に係る保護若しくは措置の用に主として供する施設の用に供するとき。
二 地方公共団体又は更生緊急保護法(昭和二十五年法律第二百三号)第三条第二項に規定する更生保護会で民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定により設立された法人であるもの(以下「更生保護会」という。)において、同項の規定に基づき保護観察所の長の委託を受けて行なう更生保護の用に主として供する施設の用に供するとき。
三 地方公共団体において、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する小学枚、中学校、盲学校、 聾学校又は養護学校の施設(学校給食の実施に必要な施設を含む。)で、災害による著しい被害、児童又は生徒の急増その他の特別の事由がある地域として政令で定める地域にあるものの用に供するとき。
第三条第一項第一号ロ中「(昭和二十六年法律第四十五号)」を削り、同号ハ中「(昭和二十二年法律第二十六号)」及び「又は第九十八条」を削り、「学校(以下「学校」という。)の施設」を「学校の施設(学校給食の実施に必要な施設を含む。以下「学校施設」という。)」に改め、同号チ中「(昭和二十五年法律第二百三号)」を削り、同号に次のように加える。
ル 公害の防止のために必要な事業に係る施設で政令で定めるもの
ヲ 一般の利用に供するための体育館、水泳プールその他のスポーツ施設で政令で定めるもの
ワ 水防、消防その他の防災に関する施設で政令で定めるもの
第三条第一項第四号中「社会福祉事業法第二十二条に規定する社会福祉法人(以下「社会福祉法人」という。)、更生緊急保護法第三条第二項に規定する更生保護会で民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定により設立された法人(以下「更生保護会」という。)」を「社会福祉法人、更生保護会」に、「学校」を「学校施設」に改め、同条第二項中「(昭和二十五年法律第百四十四号)」、「(昭和二十二年法律第百六十四号)」及び「(昭和三十八年法律第百三十三号)」を削る。
第四条を次のように改める。
第四条 削除
第六条中「、第四条」を削り、「買受人」を「買受人又は譲与を受けた者」に改める。
第六条の二第一項各号列記以外の部分を次のように改め、同項第二号中「共同住宅施設として住民に貸し付けている建物で、」を「共同住宅施設又は集団的に所在する居住の用に供する建物で、住民に貸し付けているもののうち」に改める。
地方公共団体が、普通財産のうち次に掲げる建物を取りこわして、その敷地を住民に賃貸する目的で経営する住宅施設又は公共の用に供する施設(これらの施設とあわせて建設する施設で政令で定めるものを含む。)の用に供する場合において、当該建物の居住者を当該住宅施設に収容し、又は他の住宅施設の提供等他の場所へ移転させるため必要な措置をとるときは、当該財産を所管する各省各庁の長は、政令で定めるところにより、当該地方公共団体に対し、当該建物を譲与し、又はその敷地のうち国有のものを時価からその七割以内を減額した対価で譲渡することができる。
第六条の二第二項中「前項の公営住宅等を建設しないとき、又は建設した公営住宅等にその建設のために取りこわした建物の居住者を収容しようとしない」を「同項に規定する施設の用に供しないとき、又は同項の収容をしようとせず若しくは同項の必要な措置をとらない」に改める。
第十条第一項中「旧軍用財産は、大蔵大臣が」を「普通財産は、各省各庁の長が当該財産の有効な利用を図るため」に改め、同条第二項から第四項までの規定中「大蔵大臣」を「各省各庁の長」に、「旧軍用財産」を「普通財産」に改め、同条の次に次の一条を加える。
(特定普通財産の処理の特例)
第十条の二 賃借権その他の不動産を使用する権利の目的となつている普通財産で居住の用に供されているもの(居住の用に供する部分と事業の用に供する部分とが結合して併用住宅と認められる施設の用に供されているものを含む。)のうち政令で定めるもの(当該財産と一体として処分することが適当と認められる普通財産を含む。以下「特定普通財産」という。)を売り払うため特に必要がある場合において、当該特定普通財産につき使用する権利を有する者(当該特定普通財産が建物である場合におけるその敷地の所有者その他当該特定普通財産の譲渡を受けることについて特別の事情を有する者として政令で定める者を含む。以下「権利者等」という。)に対し、政令で定めるところにより、売払価額その他売払いに関し必要な事項を提示して当該売払価額で買い受けるよう勧奨したときは、その勧奨を行なつた特定普通財産は、当該権利者等に対し、当該勧奨の日から一年以内に限り、当該勧奨に係る売払価額により売り払うことができる。
第十一条第一項ただし書を次のように改める。
ただし、次の各号に掲げる場合には、当該各号に掲げる期間以内とすることができる。
一 地方公共団体、学校法人、社会福祉法人、更生保護会、日本赤十字社又は公益事業その他の政令で定める事業を営む者に譲渡するとき。十年
二 居住の用に供されている普通財産を現に使用している者に譲渡するとき。 十年
三 特定普通財産を当該財産の権利者等に譲渡するとき。 二十年
第十一条第二項中「第三十一条第二項及び第三項」を「第三十一条第二項から第四項まで」に改め、同項後段を削る。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。
(国有財産法の一部改正に伴う経過措置)
第二条 この法律の施行前に公共用財産の用途を廃止したことによつて生じた普通財産に対する第一条の規定による改正後の国有財産法第二十八条第一号又は第二号の規定の適用については、当該公共用財産の用途の廃止は、この法律の施行の日にされたものとみなす。
2 この法律の施行の際現に存する第一条の規定による改正前の国有財産法第三十一条第一項ただし書の規定による延納の特約に附された条件のうち、担保の徴取を内容とするもので地方公共団体に対する延納の特約に附されているもの及び同条第三項第二号の解除を内容とするものは、この法律の施行の日以後は、附されていないものとみなす。
(国有財産特別措置法の一部改正に伴う経過措置)
第三条 この法律の施行前に第二条の規定による改正前の国有財産特別措置法(以下「旧措置法」という。)第六条の二第一項の規定により行なつた譲与又は譲渡に係る契約の解除については、なお従前の例による。
2 前条第二項の規定は、旧措置法第十一条第一項の規定による延納の特約に附された条件について準用する。
(社会福祉事業等の施設に関する措置法の廃止)
第四条 社会福祉事業等の施設に関する措置法(昭和三十三年法律第百四十二号)は、廃止する。
2 旧社会福祉事業等の施設に関する措置法第二条の規定により貸し付けられた普通財産については、なお従前の例による。
(児童福祉法の一部改正)
第五条 児童福祉法の一部を次のように改正する。
第五十六条の五中「(昭和二十七年法律第二百十九号)」の下に「第二条第二項第一号の規定又は同法」を加える。
(身体障害者福祉法の一部改正)
第六条 身体障害者福祉法の一部を次のように改正する。
目次中「第三十八条」を「第三十八条の二」に改める。
第四章中第三十八条の次に次の一条を加える。
(準用規定)
第三十八条の二 社会福祉事業法第五十六条第二項から第四項までの規定は、国有財産特別措置法(昭和二十七年法律第二百十九号)第二条第二項第一号の規定又は同法第三条第一項第四号及び第二項の規定により普通財産の譲渡又は貸付けを受けた社会福祉法人に準用する。
(生活保護法の一部改正)
第七条 生活保護法の一部を次のように改正する。
第七十四条の二中「(昭和二十七年法律第二百十九号)」の下に「第二条第二項第一号の規定又は同法」を加える。
(国有林野法の一部改正)
第八条 国有林野法(昭和二十六年法律第二百四十六号)の一部を次のように改正する。
第七条第二項中「第二十五条まで」の下に「(鉄道、道路その他政令で定める施設の用に供される土地に地上権を設定する場合にあつては、第二十一条及び第二十三条を除く。)」を加える。
(国有の炭鉱医療施設の譲渡及び貸付に関する特例法の一部改正)
第九条 国有の炭鉱医療施設の譲渡及び貸付に関する特例法(昭和二十九年法律第二百二十七号)の一部を次のように改正する。
第一条第二項中「売払」を「売払い又は譲与」に、「買受人」を「買受人又は譲与を受けた者」に改める。
第二条第二項中「第三十一条第二項及び第三項」を「第三十一条第二項から第四項まで」に、「前項但書」を「前項ただし書」に、「同条第三項中「第一項但書」」を「同条第三項及び第四項中「第一項ただし書」」に改める。
(精神薄弱者福祉法の一部改正)
第十条 精神薄弱者福祉法の一部を次のように改正する。
目次中「第二十七条」を「第二十七条の二」に改める。
第五章中第二十七条の次に次の一条を加える。
(準用規定)
第二十七条の二 社会福祉事業法第五十六条第二項から第四項までの規定は、国有財産特別措置法(昭和二十七年法律第二百十九号)第二条第二項第一号の規定又は同法第三条第一項第四号及び第二項の規定により普通財産の譲渡又は貸付けを受けた社会福祉法人に準用する。
(老人福祉法の一部改正)
第十一条 老人福祉法の一部を次のように改正する。
第二十五条中「(昭和二十七年法律第二百十九号)」の下に「第二条第二項第一号の規定若しくは同法」を加える。
(国有農地等の売払いに関する特別措置法の一部改正)
第十二条 国有農地等の売払いに関する特別措置法(昭和四十六年法律第五十号)の一部を次のように改正する。
第三条第二項中「第三十一条第二項」の下に「及び第三項」を加え、「同条第二項中「前項但書」」を「同条第二項中「前項ただし書」とあり、又は同条第三項中「第一項ただし書」」に改める。
(国有林野の活用に関する法律の一部改正)
第十三条 国有林野の活用に関する法律(昭和四十六年法律第百八号)の一部を次のように改正する。
第七条中「同条第二項及び第三項(同項第二号を除く。)」を「同条第二項から第四項まで」に改める。
(国有の炭鉱医療施設の譲渡及び貸付に関する特例法等の改正に伴う経過措置)
第十四条 附則第二条第二項の規定は、附則第九条又は前二条の規定による改正前の国有の炭鉱医療施設の譲渡及び貸付に関する特例法第二条第一項、国有農地等の売払いに関する特別措置法第三条第一項又は国有林野の活用に関する法律第七条の規定による延納の特約に附された条件について準用する。
内閣総理大臣 田中角栄
大蔵大臣 愛知揆一