(設置)
第一條 破壊活動防止法(昭和二十七年法律第二百四十号)の規定により公共の安全の確保に寄与するために行う破壊的団体の規制に関する審査及び決定の事務をつかさどらせるため、法務府の外局として、公安審査委員会(以下「委員会」という。)を設置する。
(権限)
第二條 委員会は、この法律に規定する所掌事務を遂行するため、左に掲げる権限を有する。但し、その権限の行使は、法律(これに基く命令を含む。)に従つてなされなければならない。
一 予算の範囲内で所掌事務の遂行に必要な支出負担行為をすること。
二 収入金を徴収し、所掌事務の遂行に必要な支払をすること。
三 所掌事務の遂行に直接必要な事務所等を設置し、及び管理すること。
四 所掌事務の遂行に直接必要な事務用品等を調達すること。
五 職員の任免及び賞罰を行い、その他職員の人事を管理すること。
七 暴力主義的破壊活動を行つた団体に対して、活動制限の処分を行うこと。
八 暴力主義的破壊活動を行つた団体に対して、解散の指定を行うこと。
九 前各号に掲げるものの外、法律(これに基く命令を含む。)に基き委員会に属させられた権限
(職権の行使)
第三條 委員会の委員長及び委員は、独立してその職権を行う。
(組織)
第四條 委員会は、委員長及び委員六人をもつて組織する。
(委員長及び委員の任命)
第五條 委員長及び委員は、人格が高潔であつて、団体の規制に関し公正な判断をすることができ、且つ、法律又は社会に関する学識経験を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。
2 委員長又は委員の任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、前項の規定にかかわらず、人格が高潔であつて、団体の規制に関し公正な判断をすることができ、且つ、法律又は社会に関する学識経験を有する者のうちから、委員長又は委員を任命することができる。
3 前項の場合においては、任命後最初の国会で両議院の事後の承認を得なければならない。この場合において、両議院の事後の承認を得られないときは、内閣総理大臣は、その委員長又は委員を罷免しなければならない。
4 委員長及び委員の任命については、そのうちの三人以上が同一の政党に属する者となることとなつてはならない。
(任期)
第六條 委員長及び委員の任期は、四年とする。但し、補欠の委員長又は委員の任期は、前任者の残任期間とする。
(身分保障)
第七條 委員長及び委員は、左の各号の一に該当する場合及び第九條の場合を除いては、在任中、その意に反して罷免されることがない。
三 委員会により、心身の故障のため職務の執行ができないと認められたとき、又は職務上の義務違反その他委員長若しくは委員たるに適しない非行があると認められたとき。
(罷免)
第八條 内閣総理大臣は、委員長又は委員が前條各号の一に該当するときは、その委員長又は委員を罷免しなければならない。
第九條 内閣総理大臣は、委員長及び委員のうち三人以上が同一の政党に属することとなつたときは、同一の政党に属する者が二人になるように、両議院の同意を得て、委員を罷免するものとする。
2 前項の規定は、政党所属関係に異動のなかつた委員長又は委員の地位に影響を及ぼすものではない。
(委員長)
第十條 委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。
2 委員会は、あらかじめ委員のうちから、委員長に故障があるときに委員長を代理する者を定めて置かなければならない。
(会議)
第十一條 委員会は、委員長及び三人以上の委員の出席がなければ、会議を開き、議決をすることができない。
2 委員会の議事は、出席者の過半数をもつて決する。可否同数のときは、委員長の決するところによる。
3 委員会は、第七條第三号の規定による認定をするには、前項の規定にかかわらず、本人を除く全員の一致がなければならない。
(委員補佐)
2 委員補佐は、委員長の命を受けて、委員会の審査及び決定に関する必要な事務をつかさどる。
3 委員補佐は、弁護士その他法律事務に学識経験を有する者のうちから、委員長が任命する。
(規則の制定)
第十三條 委員会は、その所掌事務について、法律若しくは政令を実施するため、又は法律若しくは政令の特別の委任に基いて、公安審査委員会規則を制定することができる。
(事務局)
第十四條 委員会に関する事務を処理させるため、委員会に事務局を置く。
2 委員会の事務局に、事務局長その他の職員を置く。
3 委員会の事務局に置かれる職員の定員は、別に法律で定める。
4 委員会の事務局に置かれる職員の任免、昇任、懲戒その他人事管理に関する事項については、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)の定めるところによる。
5 委員会の事務局の内部組織は、公安審査委員会規則で定める。