第十八條 経済調査官の定員は、全國を通じて三千五百人を超えてはならない。
第十九條 経済調査官は、上官の命を受け、第一條第二項各号の事務を掌る。
2 経済調査官は、経済法令に関する違反事件を調査するため必要な取調をすることができる。但し、強制の処分は、この法律又は他の法律に特別の定のある場合でなければ、これをすることができない。
3 経済調査官は、前項の調査について、公務所に照会して必要な事項の報告を求めることができる。
第二十條 経済調査官は、経済法令に関する違反事件を調査するため必要があるときは、適当な裁判所の裁判官から臨檢、搜索又は差押の許可状を受けることができる。
2 前項の許可状の請求は、経済法令に関する違反事件があると疑うにたりる相当の理由を宣誓により明示した書面を提出して、これをしなければならない。
3 第一項の許可状の請求があつた場合、裁判官は、経済法令に関する違反事件があると疑うにたりる相当の理由があると認めるときは、臨檢すべき場所、搜索すべき場所、身体若しくは物件又は差押すべき物件、請求者の官職及び氏名、有効期間並びに所属裁判所を記載し且つ自己の氏名を記し、押印をした許可状を経済調査官に交付しなければならない。この場合において、違反嫌疑者の氏名及び理由となつている違反事実が明らかなときは、裁判官は、これらの事項をも記載しなければならない。
4 経済調査官は、第一項の許可状を他の経済調査官に交付して、調査をさせることができる。
5 経済調査官は、第一項の許可状に基き調査をするときは、許可状の執行に從い且つ差押及び身体についての搜索をする所轄の警察官又は警察吏員を同行しなければならない。
6 経済調査官は、第一項の許可状に基く調査をすることができるが、差押及び身体についての搜索は、警察官又は警察吏員に限りこれをすることができる。
第二十一條 経済調査官は、経済法令に関する現行犯人を逮捕する場合においては、前條第一項の許可状を受けないで、その違反現場で、臨檢、搜索又は差押をすることができる。但し、差押をしたときは、関係人に受領書を交付し、且つ差押物件を二十四時間以内に警察官又は警察吏員に引き渡さなければならない。
第二十二條 経済調査官は、職務を行うにあたつては、その身分を証明すべき証票を携帶し、関係人の請求があるときは、これを示さなければならない。
第二十三條 経済調査官は、搜索をしたときは、その始終を記載し、立会人に示し、ともに署名押印しなければならない。立会人が署名せず又は署名押印することができないときはその旨を附記しなければならない。
第二十四條 経済調査官は、経済法令に関する違反事件を調査するため必要があるときは、適当な裁判所の裁判官の許可状を受けて警察官又は警察吏員を同行し、その者に違反嫌疑者の逮捕を求めることができる。
2 前項の許可状の請求については、第二十條第二項の規定を準用する。
3 第一項の許可状の請求があつた場合、裁判官は、経済法令に関する違反事件があると疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、違反嫌疑者の氏名及び住所、請求者の氏名及び官職、有効期間並びに所属裁判所を記載し、違反事実を明示し、且つ自己の氏名を記し、押印した許可状を経済調査官に交付しなければならない。
4 経済調査官は、第一項の許可状を他の経済調査官に交付し、その者に同項の権限を行わせることができる。
5 経済調査官は、経済法令に関する現行犯人がその場所にいるときは、許可状を受けないで、これを逮捕することができる。現行犯人を逮捕した場合、経済調査官は、留置の必要のあるときは、これを警察官又は警察吏員に引き渡さなければならない。この場合、警察官又は警察吏員がその身柄を檢察官に送致するのは、経済調査官が現行犯人を逮捕したときから四十八時間を超えてはならない。
第二十五條 経済調査官は、前條第五項の規定により現行犯人を逮捕して引き渡し、又は第二十一條の規定により物件を差し押えて引き渡し、前條第一項又は第二十條の規定により警察官若しくは警察吏員違反嫌疑者を逮捕し、又は物件の差押をしたときは、事件を告発するまでは、何時でも違反嫌疑者を取り調べ、差押物件につき調査することができる。
2 経済調査官が、現行犯人を逮捕し又はその求めにより警察官若しくは警察吏員が違反嫌疑者を逮捕したときの事件の告発その他の処理については、刑事訴訟に関する法令の規定を準用する。
第二十六條 経済調査官は、違反事件の調査によつて心証を得たときは、檢察官に事件を告発しなければならない。
第二十七條 経済調査官は、経済法令に関するいかなる違反事件についても、又いかなる地域においても、その職務を行うことができる。
第二十八條 この法律の規定による警察官又は警察吏員の行爲については、刑事訴訟に関する法令の規定を準用する。