道路交通取締法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第203号
公布年月日: 昭和27年6月20日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

道路交通取締法の施行後の実情を踏まえ、以下の改正を行う必要が生じた。第一に、交差点における自動車の右折方法について、公安委員会が必要と認める場所では内小回りを義務付ける例外規定を設ける。第二に、一定の総排気量・定格出力の小型自動車を原動機付自転車として分離し、運転資格規制を簡素化する。第三に、無軌条電車の普及に伴い、その運転方法に関する規定を新設する。第四に、自動車運転免許および原動機付自転車運転許可に関する手数料収入と関係事務経費を都道府県に移管し、地方の実情に即した円滑な事務執行を図る。その他、技術的改正を加える。

参照した発言:
第13回国会 衆議院 地方行政委員会 第21号

審議経過

第13回国会

参議院
(昭和27年3月28日)
衆議院
(昭和27年3月29日)
(昭和27年4月16日)
(昭和27年4月17日)
参議院
(昭和27年5月12日)
衆議院
(昭和27年5月13日)
(昭和27年5月13日)
参議院
(昭和27年5月20日)
(昭和27年5月30日)
(昭和27年6月6日)
(昭和27年6月9日)
衆議院
(昭和27年6月12日)
(昭和27年7月31日)
道路交通取締法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十七年六月二十日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第二百三号
道路交通取締法の一部を改正する法律
道路交通取締法(昭和二十二年法律第百三十号)の一部を次のように改正する。
第二條第五項を次のように改める。
自動車とは、道路において、原動機を用い、軌條又は架線によらないで運転する諸車であつて、原動機付自転車以外のものをいう。
第二條第五項の次に次の一項を加える。
原動機付自転車とは、道路において、命令で定める総排気量又は定格出力を有する原動機を用い、軌條又は架線によらないで運転する諸車をいう。
第二條第六項を次のように改める。
軌動車とは、道路において、軌條又は架線により運転する車をいい、無軌條電車とは、架線のみにより運転する軌動車をいう。
第五條第一項中「当該警察官若しくは警察吏員の」の下に「手信号若しくは」を加える。
第九條の次に次の一條を加える。
第九條の二 原動機付自転車は、公安委員会の運転許可を受けた者でなければ、これを運転してはならない。但し、前條第一項の規定による運転免許を受けた者は、この限りでない。
前項の規定による運転許可は、公安委員会に運転許可を申請した者に対し、運転許可証を交付して、これを行う。
原動機付自転車の運転者は、運転中、運転許可証又は運転免許証を携帯していなければならない。
前條第四項乃至第八項の規定は、原動機付自転車の運転許可に関してこれを準用する。この場合において、同條第四項中「運転免許証」とあるのは「運転許可証」と、同條第五項乃至第八項中「運転免許」とあるのは「運転許可」と読み替えるものとする。
第十條第一項中「自動車」を「諸車」に改め、同條の次に次の一條を加える。
第十條の二 公安委員会は、危険防止及びその他の交通の安全のため必要があるときは、道路、区域又は時間を限り、法令に定められた軌動車の最高速度の範囲内で、最高速度の制限を定めることができる。
第十一條中「道路を通行する車馬」の下に「又は軌道車」を加える。
第十三條中「道路における車馬」の下に「又は軌道車」を加え、「追従又は追越」を「追従若しくは追越」に改める。
第十四條第一項中「車馬」の下に「又は無軌條電車」を加え、同條第二項中「自動車」の下に「又は無軌條電車」を加え、同項の次に次の一項を加える。
自動車又は無軌條電車は、公安委員会が交さ点の状況により特に必要があると認めて指定した場所においては、前項の規定にかかわらず、常に交さ点の中心の直近の内側を徐行して回らなければならない。
第十五條中「車馬」の下に「又は軌道車」を加える。
第十六條第一項第四号中「自動車以外の車馬」を「原動機付自転車」に改め、同号の次に次の一号を加える。
五 自動車及び原動機付自転車以外の車馬
第十六條第三項中「先順位の自動車」を「先順位の車馬」に改める。
第十七條第二項中「車馬」の下に「又は軌道車」を加える。
第十八條第二項を次のように改める。
車馬又は軌道車は、公安委員会が交さ点の状況により特に必要があると認めて指定した場所においては、前項の規定にかかわらず、常に一時停車しなければならない。
第十九條第三項中「第十四條第一項及び第二項」を「第十四條第一項乃至第三項」に改める。
第二十一條第一項を次のように改める。
停車若しくは駐車の意義若しくは方法又は停車若しくは駐車を禁止する場所について必要な事項は、命令でこれを定める。
第二十一條第二項中「駐車の時間」の下に「、方法」を加える。
第二十二條第一項中「車馬の操縦者は、」を「車馬又は無軌條電車の操縦者は、」に改め、「又は後方の車馬」の下に「若しくは無軌條電車」を加える。
第二十三條第二項中「諸車」の下に「又は軌道車」を加える。
第二十四條第二項中「当該車馬」の下に「又は軌道車」を加える。
第二十六條第三項中「前項」を「第一項」に改める。
第二十六條の二第一項中「第九條」の下に「又は第九條の二」を加え、「都道府県公安委員会から運転免許証」の下に「若しくは運転許可書」を加え、「運転免許証交付手数料又は」を「運転免許証交付手数料、」に改め、「運転免許証再交付手数料」の下に「、運転許可証交付手数料又は運転許可証再交付手数料」を加え、「国庫」を「当該都道府県」に改める。
第二十六條の三中「第九條」の下に「又は第九條の二」を加え、「特別区公安委員会から運転免許証」の下に「若しくは運転許可証」を加え、「運転免許証交付手数料若しくは」を「運転免許証交付手数料、」に改め、「運転免許証再交付手数料」の下に「、運転許可証交付手数料若しくは運転許可証再交付手数料」を加える。
第二十六條の三の次に次の一條を加える。
第二十六條の四 第九條及び第九條の二の規定により、都道府県公安委員会の行う運転免許及び運転許可に関する事務に要する経費は、当該都道府県の負担とする。
第二十八條中「懲役又は五千円以下の罰金」を「懲役、五千円以下の罰金又は科料」に改める。
第二十九條第一号中「第九條第三項若しくは第七項」の下に「(第九條の二第四項において準用する場合を含む。)、第九條の二第三項」を加え、同條第二号中「第十四條第一項乃至第三項」を「第十四條第一項乃至第四項」に改める。
第三十條中「第九條第八項」の下に「(第九條の二第四項において準用する場合を含む。)」を加える。
附 則
1 この法律は、公布の日から起算して六月をこえない期間内において、政令で定める日から施行する。
2 この法律施行の際もつぱら道路交通取締法第九條の規定に基く都道府県公安委員会の運転免許に関する必要な事務の用に供せられていた国有の財産(国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第二條第一項各号に掲げる財産をいう。)及び物品で、当該都道府県公安委員会が道路交通取締法第九條に規定する運転免許又は改正後の同法第九條の二に規定する運転許可に関する事務を行うために必要なものは、国が無償で当該都道府県に譲渡するものとする。但し、土地は譲渡しないものとし、当該都道府県は、無償でこれを使用することができるものとする。この場合において、都道府県が取得する財産に伴う負債があるときは、その処分については、相互の協議により、これを定めるものとし、本項の規定の適用について争があるときは、国家地方警察本部長官又は都道府県知事の申立に基き、内閣総理大臣がこれを決定する。
内閣総理大臣 吉田茂
運輸大臣 村上義一
道路交通取締法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十七年六月二十日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第二百三号
道路交通取締法の一部を改正する法律
道路交通取締法(昭和二十二年法律第百三十号)の一部を次のように改正する。
第二条第五項を次のように改める。
自動車とは、道路において、原動機を用い、軌条又は架線によらないで運転する諸車であつて、原動機付自転車以外のものをいう。
第二条第五項の次に次の一項を加える。
原動機付自転車とは、道路において、命令で定める総排気量又は定格出力を有する原動機を用い、軌条又は架線によらないで運転する諸車をいう。
第二条第六項を次のように改める。
軌動車とは、道路において、軌条又は架線により運転する車をいい、無軌条電車とは、架線のみにより運転する軌動車をいう。
第五条第一項中「当該警察官若しくは警察吏員の」の下に「手信号若しくは」を加える。
第九条の次に次の一条を加える。
第九条の二 原動機付自転車は、公安委員会の運転許可を受けた者でなければ、これを運転してはならない。但し、前条第一項の規定による運転免許を受けた者は、この限りでない。
前項の規定による運転許可は、公安委員会に運転許可を申請した者に対し、運転許可証を交付して、これを行う。
原動機付自転車の運転者は、運転中、運転許可証又は運転免許証を携帯していなければならない。
前条第四項乃至第八項の規定は、原動機付自転車の運転許可に関してこれを準用する。この場合において、同条第四項中「運転免許証」とあるのは「運転許可証」と、同条第五項乃至第八項中「運転免許」とあるのは「運転許可」と読み替えるものとする。
第十条第一項中「自動車」を「諸車」に改め、同条の次に次の一条を加える。
第十条の二 公安委員会は、危険防止及びその他の交通の安全のため必要があるときは、道路、区域又は時間を限り、法令に定められた軌動車の最高速度の範囲内で、最高速度の制限を定めることができる。
第十一条中「道路を通行する車馬」の下に「又は軌道車」を加える。
第十三条中「道路における車馬」の下に「又は軌道車」を加え、「追従又は追越」を「追従若しくは追越」に改める。
第十四条第一項中「車馬」の下に「又は無軌条電車」を加え、同条第二項中「自動車」の下に「又は無軌条電車」を加え、同項の次に次の一項を加える。
自動車又は無軌条電車は、公安委員会が交さ点の状況により特に必要があると認めて指定した場所においては、前項の規定にかかわらず、常に交さ点の中心の直近の内側を徐行して回らなければならない。
第十五条中「車馬」の下に「又は軌道車」を加える。
第十六条第一項第四号中「自動車以外の車馬」を「原動機付自転車」に改め、同号の次に次の一号を加える。
五 自動車及び原動機付自転車以外の車馬
第十六条第三項中「先順位の自動車」を「先順位の車馬」に改める。
第十七条第二項中「車馬」の下に「又は軌道車」を加える。
第十八条第二項を次のように改める。
車馬又は軌道車は、公安委員会が交さ点の状況により特に必要があると認めて指定した場所においては、前項の規定にかかわらず、常に一時停車しなければならない。
第十九条第三項中「第十四条第一項及び第二項」を「第十四条第一項乃至第三項」に改める。
第二十一条第一項を次のように改める。
停車若しくは駐車の意義若しくは方法又は停車若しくは駐車を禁止する場所について必要な事項は、命令でこれを定める。
第二十一条第二項中「駐車の時間」の下に「、方法」を加える。
第二十二条第一項中「車馬の操縦者は、」を「車馬又は無軌条電車の操縦者は、」に改め、「又は後方の車馬」の下に「若しくは無軌条電車」を加える。
第二十三条第二項中「諸車」の下に「又は軌道車」を加える。
第二十四条第二項中「当該車馬」の下に「又は軌道車」を加える。
第二十六条第三項中「前項」を「第一項」に改める。
第二十六条の二第一項中「第九条」の下に「又は第九条の二」を加え、「都道府県公安委員会から運転免許証」の下に「若しくは運転許可書」を加え、「運転免許証交付手数料又は」を「運転免許証交付手数料、」に改め、「運転免許証再交付手数料」の下に「、運転許可証交付手数料又は運転許可証再交付手数料」を加え、「国庫」を「当該都道府県」に改める。
第二十六条の三中「第九条」の下に「又は第九条の二」を加え、「特別区公安委員会から運転免許証」の下に「若しくは運転許可証」を加え、「運転免許証交付手数料若しくは」を「運転免許証交付手数料、」に改め、「運転免許証再交付手数料」の下に「、運転許可証交付手数料若しくは運転許可証再交付手数料」を加える。
第二十六条の三の次に次の一条を加える。
第二十六条の四 第九条及び第九条の二の規定により、都道府県公安委員会の行う運転免許及び運転許可に関する事務に要する経費は、当該都道府県の負担とする。
第二十八条中「懲役又は五千円以下の罰金」を「懲役、五千円以下の罰金又は科料」に改める。
第二十九条第一号中「第九条第三項若しくは第七項」の下に「(第九条の二第四項において準用する場合を含む。)、第九条の二第三項」を加え、同条第二号中「第十四条第一項乃至第三項」を「第十四条第一項乃至第四項」に改める。
第三十条中「第九条第八項」の下に「(第九条の二第四項において準用する場合を含む。)」を加える。
附 則
1 この法律は、公布の日から起算して六月をこえない期間内において、政令で定める日から施行する。
2 この法律施行の際もつぱら道路交通取締法第九条の規定に基く都道府県公安委員会の運転免許に関する必要な事務の用に供せられていた国有の財産(国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第二条第一項各号に掲げる財産をいう。)及び物品で、当該都道府県公安委員会が道路交通取締法第九条に規定する運転免許又は改正後の同法第九条の二に規定する運転許可に関する事務を行うために必要なものは、国が無償で当該都道府県に譲渡するものとする。但し、土地は譲渡しないものとし、当該都道府県は、無償でこれを使用することができるものとする。この場合において、都道府県が取得する財産に伴う負債があるときは、その処分については、相互の協議により、これを定めるものとし、本項の規定の適用について争があるときは、国家地方警察本部長官又は都道府県知事の申立に基き、内閣総理大臣がこれを決定する。
内閣総理大臣 吉田茂
運輸大臣 村上義一