第四條 裁判所適當ト認ムルトキハ土地ノ管轄ニ關スル規定ニ拘ラズ申立ニ依リ又ハ職權ヲ以テ訴訟ノ全部若ハ一部ヲ他ノ裁判所ニ移送シ又ハ自ラ裁判ヲ爲スコトヲ得
前項ノ規定ハ訴ニ付專屬管轄ノ定アル場合ニハ之ヲ適用セズ
第五條 裁判所構成法戰時特例第三條第一項ノ訴訟ノ請求ガ他ノ請求ト併セ一ノ訴ヲ以テ提起セラレタル場合ニ於テハ裁判所ハ口頭辯論ヲ分離スルコトヲ要ス
第六條 裁判所特ニ必要アリト認ムルトキハ攻擊又ハ防禦ノ方法ヲ提出スベキ期間ヲ定ムルコトヲ得
前項ノ期間經過後ニ於テハ攻擊又ハ防禦ノ方法ハ裁判所ノ許可ヲ受クルニ非ザレバ口頭辯論ニ於テ之ヲ主張スルコトヲ得ズ
第一審ニ於テ前項ノ規定ニ依リテ主張スルコトヲ得ザリシ攻擊又ハ防禦ノ方法ハ裁判所ノ許可ヲ受クルニ非ザレバ控訴審ニ於テ之ヲ主張スルコトヲ得ズ
第七條 裁判所ハ機密ノ保持其ノ他公益上ノ理由ニ依リ訴訟記錄ノ謄寫又ハ其ノ謄本若ハ抄本ノ交付ヲ相當ナラズト認ムルトキハ之ヲ禁止スルコトヲ得
第八條 期日ニ於ケル呼出ハ民事訴訟法第百五十四條ニ定ムル方法以外ノ相當ト認ムル方法ニ依リテ之ヲ爲スコトヲ得此ノ場合ニ於テハ期日ニ出頭セザル當事者、證人又ハ鑑定人ニ對シ法律上ノ制裁其ノ他期日ノ懈怠ニ依ル不利益ヲ歸スルコトヲ得ズ
第九條 裁判所相當ト認ムルトキハ證人又ハ鑑定人ノ訊問ニ代ヘ書面ノ提出ヲ爲サシムルコトヲ得
第十條 民事訴訟法第三百五十九條ノ規定ハ裁判所構成法戰時特例第三條第一項ノ判決ニハ之ヲ適用セズ
第十一條 債務者ガ戰爭ノ影響ニ因リ債務ヲ履行スルコト困難ナル場合ニ於テ債務者ガ誠實ニシテ債務履行ノ意思アリ且債權者ノ經濟ニ甚シキ影響ヲ及ボサザルモノト認ムベキ顯著ナル事由アルトキハ裁判所ハ債務者ノ申立ニ依リ擔保ヲ供セシメ又ハ供セシメズシテ强制執行ノ一時ノ停止又ハ旣ニ爲シタル執行處分ノ取消ヲ命ズルコトヲ得
民事訴訟法第五百七十條ノ二第二項及第三項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス