(戦時民事特別法及戦時刑事特別法中改正法律)
法令番号: 法律第三十七號
公布年月日: 昭和20年6月20日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル戰時民事特別法及戰時刑事特別法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二十年六月十九日
內閣總理大臣 男爵 鈴木貫太郞
司法大臣 松阪廣政
內務大臣 安倍源基
法律第三十七號
第一條 戰時民事特別法中左ノ通改正ス
第四條第二項ヲ削ル
第二十二條中「別段ノ定ヲ爲スコトヲ得」ノ下ニ「登記簿又ハ旣登記ノ建物ノ滅失シタル場合ニ於ケル登記ノ手續ニ關シ亦同ジ」ヲ加フ
第二條 戰時刑事特別法中左ノ通改正ス
第十九條ノ二 裁判所適當ト認ムルトキハ土地管轄ニ關スル規定ニ拘ラズ自ラ事件ヲ審判シ又ハ檢事ノ意見ヲ聽キ決定ヲ以テ他ノ裁判所ニ之ヲ移送スルコトヲ得
前項ノ規定ハ豫審判事ニ之ヲ準用ス
第二十二條ノ四 辯護人ニ對スル書類ノ送達ハ刑事訴訟法第七十五條第一項ノ規定ニ依ル屆出ノ場所ニ宛テ郵便ニ付シ之ヲ爲スコトヲ得
刑事訴訟法第七十五條第一項ノ規定ニ依ル屆出ナキトキハ辯護人ニ對スル書類ノ送達ハ之ヲ爲サザルコトヲ得
刑事訴訟法第七十六條第二項ノ規定ハ第一項ノ場合ニ付之ヲ準用ス
第二十二條ノ五 左ニ揭グル期間滿了ノ時ニ當リ戰爭ニ起因スル避クベカラザル障碍ニ因リ刑事手續上必要ナル行爲ヲ爲スコト能ハザルトキハ其ノ期間ヲ伸長ス
一 被吿人又ハ被疑者ヲ勾引シタル場合ニ付法律ニ定ムル期間
二 刑事又ハ司法警察官現行犯人ヲ逮捕シ又ハ之ヲ受取リタル場合ニ付法律ニ定ムル期間
三 勾留ノ期間
四 公訴ノ時效期間
五 上訴其ノ他裁判ニ對スル不服申立ノ期間
六 上吿趣意書差出ノ期間
前項ノ規定ニ依リテ伸長セラレタル期間ハ其ノ障碍ノ止ミタル時ヨリ一週間ノ經過ニ依リテ滿了ス但シ前項ノ期間ガ一週間ヨリ短キトキハ其ノ期間ト同一ノ期間ノ經過ニ依リテ滿了ス
前二項ノ規定ハ違警罪卽決例ニ依ル卽決ノ言渡ニ對スル正式裁判請求ノ期間及豫防拘禁ニ關スル假收容ノ期間ニ付之ヲ準用ス
第二十二條ノ六 裁判所書記差支ノ爲其ノ職務ヲ行フコト能ハズ且試補ヲシテ裁判所書記ノ職務ヲ行ハシムルコト能ハザル場合ニ於テ裁判所、豫審判事、受命判事、受託判事又ハ檢事手續ノ遲延ヲ避クル爲必要アリト認ムルトキハ裁判所書記ノ立會又ハ列席ナクシテ訊問其ノ他ノ職務ヲ行フコトヲ得此ノ場合ニ於テハ裁判所書記ノ職務ハ裁判長ノ指定スル判事又ハ當該職務ヲ行フ判事若ハ檢事之ヲ取扱フ
前項前段ノ規定ハ司法警察官ガ訊問ヲ爲ス場合ニ付之ヲ準用ス
第二十三條ノ二 裁判所適當ト認ムルトキハ公判期日ニ於ケル取調準備ノ爲被吿人若ハ證人ノ訊問ヲ爲シ又ハ部員ヲシテ之ヲ爲サシムルコトヲ得
刑事訴訟法第三百二十三條第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ付之ヲ準用ス
第二十三條ノ三 裁判所已ムコトヲ得ザル事情アリト認ムルトキハ決定ヲ以テ刑事訴訟法第三百三十二條ノ規定ニ依ラザルモノト爲スコトヲ得
第二十四條ニ左ノ一項ヲ加フ
裁判所已ムコトヲ得ザル事情アリト認ムルトキハ決定ヲ以テ前項ニ揭ゲザル罪ニ關スル事件ニ付刑事訴訟法第三百三十四條ノ規定ニ依ラザルモノト爲スコトヲ得
第二十九條ノ六 刑事訴訟法第三百九十一條及第三百九十二條ノ規定ハ略式命令ヲ受ケタル被吿人ガ監獄ニ在ル場合ニ付之ヲ準用ス
附 則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル戦時民事特別法及戦時刑事特別法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二十年六月十九日
内閣総理大臣 男爵 鈴木貫太郎
司法大臣 松阪広政
内務大臣 安倍源基
法律第三十七号
第一条 戦時民事特別法中左ノ通改正ス
第四条第二項ヲ削ル
第二十二条中「別段ノ定ヲ為スコトヲ得」ノ下ニ「登記簿又ハ既登記ノ建物ノ滅失シタル場合ニ於ケル登記ノ手続ニ関シ亦同ジ」ヲ加フ
第二条 戦時刑事特別法中左ノ通改正ス
第十九条ノ二 裁判所適当ト認ムルトキハ土地管轄ニ関スル規定ニ拘ラズ自ラ事件ヲ審判シ又ハ検事ノ意見ヲ聴キ決定ヲ以テ他ノ裁判所ニ之ヲ移送スルコトヲ得
前項ノ規定ハ予審判事ニ之ヲ準用ス
第二十二条ノ四 弁護人ニ対スル書類ノ送達ハ刑事訴訟法第七十五条第一項ノ規定ニ依ル届出ノ場所ニ宛テ郵便ニ付シ之ヲ為スコトヲ得
刑事訴訟法第七十五条第一項ノ規定ニ依ル届出ナキトキハ弁護人ニ対スル書類ノ送達ハ之ヲ為サザルコトヲ得
刑事訴訟法第七十六条第二項ノ規定ハ第一項ノ場合ニ付之ヲ準用ス
第二十二条ノ五 左ニ掲グル期間満了ノ時ニ当リ戦争ニ起因スル避クベカラザル障碍ニ因リ刑事手続上必要ナル行為ヲ為スコト能ハザルトキハ其ノ期間ヲ伸長ス
一 被告人又ハ被疑者ヲ勾引シタル場合ニ付法律ニ定ムル期間
二 刑事又ハ司法警察官現行犯人ヲ逮捕シ又ハ之ヲ受取リタル場合ニ付法律ニ定ムル期間
三 勾留ノ期間
四 公訴ノ時効期間
五 上訴其ノ他裁判ニ対スル不服申立ノ期間
六 上告趣意書差出ノ期間
前項ノ規定ニ依リテ伸長セラレタル期間ハ其ノ障碍ノ止ミタル時ヨリ一週間ノ経過ニ依リテ満了ス但シ前項ノ期間ガ一週間ヨリ短キトキハ其ノ期間ト同一ノ期間ノ経過ニ依リテ満了ス
前二項ノ規定ハ違警罪即決例ニ依ル即決ノ言渡ニ対スル正式裁判請求ノ期間及予防拘禁ニ関スル仮収容ノ期間ニ付之ヲ準用ス
第二十二条ノ六 裁判所書記差支ノ為其ノ職務ヲ行フコト能ハズ且試補ヲシテ裁判所書記ノ職務ヲ行ハシムルコト能ハザル場合ニ於テ裁判所、予審判事、受命判事、受託判事又ハ検事手続ノ遅延ヲ避クル為必要アリト認ムルトキハ裁判所書記ノ立会又ハ列席ナクシテ訊問其ノ他ノ職務ヲ行フコトヲ得此ノ場合ニ於テハ裁判所書記ノ職務ハ裁判長ノ指定スル判事又ハ当該職務ヲ行フ判事若ハ検事之ヲ取扱フ
前項前段ノ規定ハ司法警察官ガ訊問ヲ為ス場合ニ付之ヲ準用ス
第二十三条ノ二 裁判所適当ト認ムルトキハ公判期日ニ於ケル取調準備ノ為被告人若ハ証人ノ訊問ヲ為シ又ハ部員ヲシテ之ヲ為サシムルコトヲ得
刑事訴訟法第三百二十三条第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ付之ヲ準用ス
第二十三条ノ三 裁判所已ムコトヲ得ザル事情アリト認ムルトキハ決定ヲ以テ刑事訴訟法第三百三十二条ノ規定ニ依ラザルモノト為スコトヲ得
第二十四条ニ左ノ一項ヲ加フ
裁判所已ムコトヲ得ザル事情アリト認ムルトキハ決定ヲ以テ前項ニ掲ゲザル罪ニ関スル事件ニ付刑事訴訟法第三百三十四条ノ規定ニ依ラザルモノト為スコトヲ得
第二十九条ノ六 刑事訴訟法第三百九十一条及第三百九十二条ノ規定ハ略式命令ヲ受ケタル被告人ガ監獄ニ在ル場合ニ付之ヲ準用ス
附 則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス