(民事訴訟法の一部を改正する法律)
法令番号: 法律第百四十九号
公布年月日: 昭和23年7月12日
法令の形式: 法律
民事訴訟法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十三年七月十二日
内閣総理大臣 芦田均
法律第百四十九号
民事訴訟法の一部を次のように改正する。
民事訴訟法目録中
第一章
地方裁判所ノ訴訟手續
第一節
第二節
辯論ノ準備
第三節
證據
第一款
総則
第二款
證人訊問
第三款
鑑定
第四款
書證
第五款
檢證
第六款
當事者訊問
第七款
證據保全
第二章
區裁判所ノ訴訟手續
第一章
第二章
辯論及其ノ準備
第三章
證據
第一節
総則
第二節
證人訊問
第三節
鑑定
第四節
書證
第五節
檢證
第六節
當事者訊問
第七節
證據保全
第四章
簡易裁判所ノ訴訟手續ニ関スル特則
に改める。
「判事」を「裁判官」に、「受託判事」を「受託裁判官」に、「執達吏」を「執行吏」に、「陪席判事」を「陪席裁判官」に、「受命判事」を「受命裁判官」に、「登記判事」を「登記官吏」に改める。
第三條中「東京市」を「最高裁判所ノ定ムル地」に改める。
第七條中「軍人、軍属又ハ」を削り、「軍事用ノ廳舍ノ所在地又ハ艦船ノ本籍若ハ船籍」を「船舶ノ船籍」に改める。
第二十二條第一項中「裁判所構成法」を「裁判所法」に、同條第二項中「千圓」を「五千圓」に改める。
第二十四條第一項第一号中「及裁判所構成法第十三條第二項ノ規定ニ依リテ之ニ代ルヘキ裁判所」を削る。
第三十條に次の一項を加える。
地方裁判所ハ訴訟カ其ノ管轄區域内ノ簡易裁判所ノ管轄ニ属スル場合ニ於テモ相當ト認ムルトキハ前項ノ規定ニ拘ラス申立ニ因リ又ハ職權ヲ以テ訴訟ノ全部又ハ一部ニ付自ラ審理及裁判ヲ爲スコトヲ得但シ訴ニ付專属管轄ノ定ノアル場合ハ此ノ限ニ在ラス
第三十一條ノ二 簡易裁判所ハ訴訟カ其ノ管轄ニ属スル場合ニ於テモ相當ト認ムルトキハ其ノ專属管轄ニ属スルモノヲ除クノ外申立ニ因リ又ハ職權ヲ以テ訴訟ノ全部又ハ一部ヲ其ノ所在地ヲ管轄スル地方裁判所ニ移送スルコトヲ得
第三十三條 移送ノ裁判及移送ノ申立ヲ却下シタル裁判ニ對シテハ即時抗告ヲ爲スコトヲ得
第三十五條第一号中「妻」を「配偶者」に、同條第二号中「若ハ三親等内ノ姻族」を「、三親等内ノ姻族若ハ同居ノ親族」に、同條第三号中「、保佐人又ハ戸主若ハ家族」を「又ハ保佐人」に改める。
第三十九條 合議體ノ構成員タル裁判官及地方裁判所ノ一人ノ裁判官ノ除斥又ハ忌避ニ付テハ其ノ裁判官所属ノ裁判所カ、簡易裁判所ノ裁判官ノ除斥又ハ忌避ニ付テハ其ノ裁判所ノ所在地ヲ管轄スル地方裁判所カ決定ヲ以テ裁判ヲ爲ス
前項ノ裁判ハ地方裁判所ニ於テハ合議體ニ於テ之ヲ爲ス
第四十三條中「監督權アル判事」を「監督權アル裁判所」に改める。
第四十四條 本節ノ規定ハ裁判所書記ニ之ヲ準用ス此ノ場合ニ於テハ裁判ハ書記所属ノ裁判所之ヲ爲シ簡易裁判所ノ書記ノ囘避ノ許可ハ其ノ裁判所ノ裁判所法第三十七條ニ規定スル裁判官之ヲ爲ス
第五十條中「、妻」を削り、「保佐人ノ同意、夫ノ許可又ハ親族會ノ同意」を「保佐人又ハ後見監督人ノ同意」に改める。
第七十九條第一項中「區裁判所」を「簡易裁判所」に改める。
第百十四條に次の一項を加える。
前項ノ規定ニ依リ口頭辯論ヲ經スシテ訴ヲ却下スルトキハ裁判所ハ判決前原告ヲ審訊スコトヲ要ス
第百四十條に次の一項を加える。
第一項ノ規定ハ當事者カ口頭辯論ノ期日ニ出頭セサル場合ニ之ヲ準用ス但シ口頭辯論期日ニ出頭セサル當事者カ公示送達ニ依ル呼出ヲ受ケタルモノナルトキハ此ノ限ニ在ラス
第百四十三條中「其ノ席次ニ從ヒ順次」を削る。
第百五十一條第一項中「閲覽若ハ」を削り、同項を第三項とし、同條第二項を第四項とし、同條第一項及び第二項として、次の二項を加える。
何人モ訴訟記録ノ閲覽ヲ裁判所書記ニ請求スルコトヲ得但シ訴訟記録ノ保存又ハ裁判所ノ執務ニ支障アルトキハ此ノ限ニ在ラス
公開ヲ禁止シタル口頭辯論ニ係ル訴訟記録ニ付テハ當事者及利害関係ヲ疎明シタル第三者ニ限リ前項ノ規定ニ依ル請求ヲ爲スコトヲ得
第百六十一條第二項中「區裁判所」を「地方裁判所」に改める。
第百六十七條 削除
第百七十六條 削除
第百八十條第二項中「前項」を「前二項」に改め、同項を第三項とし、同條第一項の次に次の一項を加える。
外國ニ於テ爲スヘキ送達ニ付爲シタル公示送達ニ在リテハ前項ノ期間ハ之ヲ六週間トス
第百八十一條中「區裁判所」を「地方裁判所」に改める。
第百八十七條に次の一項を加える。
單獨ノ裁判官ノ更迭アリタル場合ニ於テ從前訊問ヲ爲シタル證人ニ付當事者カ更ニ訊問ノ申出ヲ爲シタルトキハ裁判所ハ其ノ訊問ヲ爲スコトヲ要ス合議體ノ裁判官ノ過半數カ更迭シタル場合ニ於テ從前訊問ヲ爲シタル證人ニ付當事者カ更ニ訊問ノ申出ヲ爲シタルトキ亦同シ
第百九十三條ノ二 判決カ法令ニ違背シタルコトヲ發見シタルトキハ裁判所ハ其ノ言渡後一週間内ニ限リ變更ノ判決ヲ爲スコトヲ得但シ判決確定シタルトキ又ハ判決ヲ變更スル爲事件ニ付尚辯論ヲ爲ス必要アルトキハ此ノ限ニ在ラス
變更ノ判決ハ口頭辯論ヲ經スシテ之ヲ爲ス
前項ノ判決ノ言渡期日ノ呼出ニ於テハ公示送達ニ依ル場合ヲ除クノ外呼出状ヲ送達ヲ受クヘキ者ノ住所、居所其ノ他送達ヲ爲スヘキ場所ニ宛テ發シタル時ニ於テ其ノ送達アリタルモノト看做ス
第二百二條に次の一項を加える。
第百十四條第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第一編第四章第四節中第二百七條の次に次の一條を加える。
第二百七條ノ二 判決以外ノ裁判ハ判事補單獨ニテ之ヲ爲スコトヲ得
第二編中
第一章
地方裁判所ノ訴訟手續
第一節
を「第一章 訴」に、「第二節 辯論ノ準備」を「第二章 辯論及其ノ準備」に改める。
第二百四十九條 裁判所ハ訴訟ニ付合議體ニ於テ審理ヲ爲ス場合ニ於テ相當ト認ムルトキハ受命裁判官ニ依リ訴訟ノ全部若ハ一部又ハ或爭點ノミニ付口頭辯論ノ準備手續ヲ爲スコトヲ命スルコトヲ得
第二編中
第三節
證據
第一款
総則
第三章
證據
第一節
総則
に改める。
第二百六十一條 削除
第二百六十五條第一項中「部員」を「合議體ノ構成員」に、「區裁判所」を「地方裁判所若ハ簡易裁判所」に、同條第二項中「區裁判所」を「地方裁判所又ハ簡易裁判所」に改める。
第二百六十九條中「五百圓」を「五千圓」に改める。
第二編中「第二款 證人訊問」を「第二節 證人訊問」に改める。
第二百七十三條 内閣総理大臣其ノ他ノ國務大臣又ハ其ノ職ニ在リタル者ヲ證人トシテ職務上ノ祕密ニ付訊問スル場合ニ於テハ裁判所ハ内閣ノ承認ヲ得ルコトヲ要ス
第二百七十四條中「貴族院若ハ衆議院」を「衆議院若ハ參議院」に改める。
第二百七十七條 證人カ正當ノ事由ナクシテ出頭セサルトキハ裁判所ハ決定ヲ以テ之ニ因リテ生シタル訴訟費用ノ負擔ヲ命シ且五千圓以下ノ過料ニ處ス此ノ決定ニ對シテハ即時抗告ヲ爲スコトヲ得
第二百七十七條ノ二 證人カ正當ノ事由ナクシテ出頭セサルトキハ五千圓以下ノ罰金又ハ拘留ニ處ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者ニハ情状ニ因リ罰金及拘留ヲ併科スルコトヲ得
第二百八十條第一号中「證人ノ家ノ戸主但シ親族ニ付テハ親族関係カ止ミタル後亦同シ」を「證人ト此等ノ親族関係アリタル者」に改める。
第二百八十四條 證言拒絶ヲ理由ナシトスル裁判確定シタル後證人カ故ナク證言ヲ拒ムトキハ第二百七十七條及第二百七十七條ノ二ノ規定ヲ準用ス
第二百九十三條 第二百七十七條、第二百七十七條ノ二、第二百八十二條及第二百八十三條ノ規定ハ證人カ宣誓ヲ拒ム場合ニ之ヲ準用ス
第二百九十八條及び第二百九十九條を削り、第二百九十四條を第二百九十六條とし、以下第二百九十七條まで順次二條ずつ繰り下げる。
第二百九十四條 證人ハ其ノ訊問ノ申出ヲ爲シタル當事者先ツ之ヲ訊問シ其ノ訊問ノ終リタル後他ノ當事者之ヲ訊問スルコトヲ得
裁判長ハ當事者ノ訊問ノ終リタル後證人ヲ訊問スルコトヲ得
裁判長ハ必要アリト認ムルトキハ何時ニテモ自ラ訊問シ又ハ當事者ノ訊問ヲ許スコトヲ得
當事者ノ訊問カ既ニ爲シタル訊問ト重複スルトキ、爭點ニ関係ナキ事項ニ亘ルトキ其ノ他特ニ必要アリト認ムルトキハ裁判長ハ之ヲ制限スルコトヲ得
陪席裁判官ハ裁判長ニ告ケ證人ヲ訊問スルコトヲ得
第二百九十五條 當事者ハ前條ノ規定ニ依ル訊問ノ許否又ハ制限ニ付異議ヲ述フルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ裁判所異議ニ付裁判ヲ爲ス
第三百條中「前條第二項」を「第二百九十五條」に改める。
第二編中「第三款 鑑定」ヲ「第三節 鑑定」に改める。
第三百一條中「前款」を「前節」に改める。
第三百十條第一項中「本款」を「本節」に改める。
第二編中「第四款 書證」を「第四節 書證」に改める。
第三百十八條、第三百二十八條第二項及び第三百三十一條第一項中「五百圓」を「五千圓」に改める。
第三百三十二條中「本款」を「本節」に改める。
第二編中「第五款 檢證」を「第五節 檢證」に改める。
第三百三十五條第二項中「五百圓」を「五千圓」に改める。
第二編中「第六款 當事者訊問」を「第六節 當事者訊問」に改める。
第三百三十九條第一項中「五百圓」を「五千圓」に改める。
第三百四十二條中「第二百九十五條及第二百九十七條乃至」を「第二百九十四條、第二百九十五條、第二百九十七條、第二百九十九條及」に、「本款」を「本節」に改める。
第二編中「第七款 證據保全」を「第七節 證據保全」に改める。
第三百四十三條中「本節」を「本章」に改める。
第三百四十四條中「區裁判所」を「地方裁判所又ハ簡易裁判所」に改める。
第二編第三章第七節中第三百五十一條の次に次の一條を加える。
第三百五十一條ノ二 證據保全ノ手續ニ於テ訊問シタル證人ニ付當事者カ口頭辯論ニ於ケル訊問ノ申出ヲ爲シタルトキハ裁判所ハ其ノ訊問ヲ爲スコトヲ要ス
第二編中「第二章 區裁判所ノ訴訟手續」を「第四章 簡易裁判所ノ訴訟手續ニ関スル特則」に改める。
第三百五十二條 簡易裁判所ニ於テハ簡易ナル手續ニ依リ迅速ニ紛議ヲ解決スルモノトス
第三百五十五條第一項及び第三百五十六條第一項中「區裁判所」を「簡易裁判所」に改める。
第三百五十六條ノ二 期日ニ於ケル呼出ハ第百五十四條ニ定ムル方法以外ノ相當ト認ムル方法ニ依リテ之ヲ爲スコトヲ得此ノ場合ニ於テハ期日ニ出頭セサル當事者、證人又ハ鑑定人ニ對シ法律上ノ制裁其ノ他期日ノ懈怠ニ因ル不利益ヲ歸スルコトヲ得ス
第三百五十八條 第百三十八條ノ規定ハ原告又ハ被告カ口頭辯論續行ノ期日ニ出頭セス又ハ出頭スルモ本案ノ辯論ヲ爲ササル場合ニ之ヲ準用ス
第三百五十八條ノ二 調書ハ當事者ニ異議アル場合ヲ除クノ外裁判官ノ許可アルトキハ之ニ記載スヘキ事項ヲ省略スルコトヲ得
前項ノ規定ハ口頭辯論ノ方式ニ関スル規定ノ遵守並和解、認諾、抛棄、取下及自白ニ付テハ之ヲ適用セス
第三百五十八條ノ三 裁判所ハ相當ト認ムルトキハ證人又ハ鑑定人ノ訊問ニ代ヘ書面ノ提出ヲ爲サシムルコトヲ得
第三百五十八條ノ四 裁判所ハ必要アリト認ムルトキハ和解ヲ試ミルニ付司法委員ヲシテ補助ヲ爲サシメ又ハ司法委員ヲシテ審理ニ立會ハシメ事件ニ付其ノ意見ヲ徴スルコトヲ得
第三百五十八條ノ五 司法委員ノ員數ハ各事件ニ付一人以上トス
司法委員ハ毎年豫メ地方裁判所ノ選任シタル者ノ中ヨリ各事件ニ付裁判所之ヲ指定ス
前項ノ規定ニ依リ選任セラルル者ノ資格、員數其ノ他同項ノ選任ニ関シ必要ナル事項ハ最高裁判所之ヲ定ム
第三百五十八條ノ六 司法委員ニ對シテハ最高裁判所ノ定ムル額ノ旅費、日當及止宿料ヲ給ス
第三百六十條第二項を削り、同條第三項中「第一項」を「前項」に改め、同條第一項を次のように改める。
控訴ハ地方裁判所カ第一審トシテ爲シタル終局判決又ハ簡易裁判所ノ終局判決ニ對シテ之ヲ爲スコトヲ得但シ終局判決後當事者雙方共ニ上告ヲ爲ス權利ヲ留保シテ控訴ヲ爲ササル旨ノ合意ヲ爲シタルトキハ此ノ限ニ在ラス
第三百七十八條中「第一章」の下に「乃至第三章」を加える。
第三百八十三條に次の一項を加える。
第百十四條第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第三百八十四條ノ二 前條第一項ノ規定ニ依リ控訴ヲ棄却スル場合ニ於テ控訴人カ訴訟ノ完結ヲ遅延セシムル目的ノミヲ以テ提訴ヲ提起シタルモノト認ムルトキハ控訴裁判所ハ之ニ對シ控訴状ニ貼用スヘキ印紙金額ノ十倍以下ノ金錢ノ納付ヲ命スルコトヲ得
前項ノ裁判ハ判決主文ニ之ヲ掲クルコトヲ要ス
第一項ノ裁判ハ本案判決ヲ變更スル判決ノ言渡ニ因リ其ノ効力ヲ失フ
上告裁判所ハ上告ヲ棄却スル場合ニ於テモ第一項ノ裁判ヲ變更スルコトヲ得
第三百九十三條 上告ハ高等裁判所カ第二審又ハ第一審トシテ爲シタル終局判決ニ對シテハ最高裁判所ニ、地方裁判所カ第二審トシテ爲シタル終局判決ニ對シテハ高等裁判所ニ之ヲ爲スコトヲ得
第三百六十條第一項但書ノ場合ニ於テハ地方裁判所ノ判決ニ對シテハ最高裁判所ニ、簡易裁判所ノ判決ニ對シテハ高等裁判所ニ直ニ上告ヲ爲スコトヲ得
第四百六條ノ二 高等裁判所カ上告裁判所タル場合ニ於テ最高裁判所ノ定ムル事由アルトキハ決定ヲ以テ事件ヲ最高裁判所ニ移送スルコトヲ要ス
第四百八條第二号中「通常裁判所」を「裁判所」に改める。
第三編第二章中第四百九條の次に次の五條を加える。
第四百九條ノ二 高等裁判所カ上告審トシテ爲シタル終局判決ニ對シテハ其ノ判決ニ於テ法律、命令、規則又ハ處分カ憲法ニ適合スルヤ否ニ付爲シタル判斷ノ不當ナルコトヲ理由トスルトキニ限リ最高裁判所ニ更ニ上告ヲ爲スコトヲ得
第四百九條ノ三 前條ノ上告及其ノ上告審ノ訴訟手續ニハ其ノ性質ニ反セサル限リ第二審又ハ第一審ノ終局判決ニ對スル上告ニ関スル規定ヲ準用ス但シ第四百三條中原判決トアルハ之ヲ地方裁判所カ第二審トシテ爲シタル終局判決又ハ簡易裁判所ノ終局判決トス
第四百九條ノ四 上告裁判所ノ判決ニ對シテハ其ノ判決カ法令ニ違背スルコトヲ理由トスル場合ニ限リ其ノ裁判所ニ異議ノ申立ヲ爲スコトヲ得
第四百九條ノ五 異議ハ判決ノ送達アリタル日ヨリ十日以内ニ之ヲ申立ツルコトヲ要ス但シ其ノ期間前申立テタル異議ノ効力ヲ妨ケス
前項ノ期間ハ之ヲ不變期間トス
第四百九條ノ六 異議ヲ理由アリトスルトキハ上告裁判所ハ變更ノ判決ヲ爲スコトヲ要ス
異議ヲ理由ナシトスルトキハ決定ヲ以テ之ヲ却下スルコトヲ得
第百九十三條ノ二第二項ノ規定ハ第一項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第四百十二條第三項中「大審院」を「最高裁判所又ハ高等裁判所」に改める。
第三編第三章中第四百十九條の次に次の二條を加える。
第四百十九條ノ二 不服ヲ申立ツルコトヲ得サル決定及命令ニ對シテハ其ノ裁判ニ於テ法律、命令、規則又ハ處分カ憲法ニ適合スルヤ否ニ付原裁判所カ爲シタル判斷ノ不當ナルコトヲ理由トスルトキニ限リ最高裁判所ニ特ニ抗告ヲ爲スコトヲ得
前項ノ抗告ノ提起期間ハ五日トス
前項ノ期間ハ之ヲ不變期間トス
第四百十九條ノ三 前條ノ抗告及之ニ関スル訴訟手續ニハ第四百十八條第二項ノ規定ヲ準用スルノ外其ノ性質ニ反セサル限リ第四百九條ノ二ノ上告及其ノ上告審ノ訴訟手續ニ関スル規定ヲ準用ス
第四百三十一條、第四百四十一條及第四百四十二條第一項中「區裁判所」を「簡易裁判所」に改める。
第四百九十八條中「故障」を「異議」に改め、「上訴」の下に「(第四百九條ノ二ノ上告ヲ除ク)」を加える。
第五百條第一項中「再審」を「第四百九條ノ二ノ上告ノ提起アルトキ又ハ再審」に改める。
第五百十三條第一項中「區裁判所」を「地方裁判所」に改める。
第五百十四條第二項中「區裁判所又ハ」を削る。
第五百二十七條中「區裁判所」を「地方裁判所」に改める。
第五百三十條 削除
第五百三十一條第二項中「區裁判所書記」を「地方裁判所書記」に改める。
第五百三十六條第二項後段を削る。
第五百三十七條中「家族」を「同居ノ親族」に改める。
第五百四十三條第一項及び第二項中「區裁判所」を「地方裁判所」に改める。
第五百四十九條第三項後段を削る。
第五百五十三條 削除
第五百五十六條 削除
第五百六十條中「第五百五十八條」を「第五百二十九條、第五百三十一條乃至第五百五十二條、第五百五十四條、第五百五十五條、第五百五十七條及ヒ第五百五十八條」に改める。
第五百六十一條第三項中「區裁判所」を「簡易裁判所」に改める。
第五百六十一條ノ二中「過料ノ裁判」の下に「及ヒ第三百八十四條ノ二第一項ノ裁判」を加える。
第五百六十二條第二項中「區裁判所」を「地方裁判所」に改める。
第五百七十條第一項中「家族」を「同居ノ親族」に改め、「文武ノ」を削る。
第五百九十五條第一項及び第六百十六條第一項中「區裁判所」を「地方裁判所」に改める。
第六百十八條第一項中「家族」を「同居ノ親族」に改め、「文武ノ」を削り、同項第三号及び第四号を次のように改める。
第三及ヒ第四 削除
同條第二項を次のように改める。
第一号、第五号及第六号ニ掲ケル收入ニ付テハ一个年間ニ受ク可キ総額ノ四分ノ三ヲ超過スル部分ニ限リ之ヲ差押フルコトヲ得但シ差押ニ因リ債務者カ其生活上窮迫ノ状態ニ陷ルノ恐ナキトキハ裁判所ノ許可ヲ得テ其二分ノ一ニ達スルマテ之ヲ差押フルコトヲ得
第六百十八條ノ二 第五百七十條ノ二ノ規定ハ前條第二項本文ノ規定ニ依リ差押ヲ爲ス場合ニ之ヲ準用ス
第六百二十二條中「區裁判所」を「地方裁判所」に改める。
第六百二十九條第二項中「裁判所書記課」を「裁判所」に改める。
第六百三十五條 異議ヲ申立テタル債權者ノ訴ニ付テハ配當裁判所之ヲ管轄ス
第六百四十一條第一項、第七百十八條、第七百二十五條及び第七百二十六條中「區裁判所」を「地方裁判所」に改める。
第七百三十一條第三項中「家族」を「同居ノ親族」に改める。
第七百三十九條並びに第七百六十一條第一項及び第二項中「區裁判所」を「地方裁判所」に改める。
第七百六十四條第二項中「區裁判所」を「簡易裁判所」に改める。
第七百九十九條第二項中「ノ書記課」を削る。
第八百五條第一項中「區裁判所」を「簡易裁判所」に改める。
附 則
第一條 この法律中、附則第八條の規定を除くその他の規定は、昭和二十四年一月一日から、附則第八條の規定は、昭和二十三年七月十五日から、これを施行する。
第二條 この附則で、新法とは、この法律による改正後の民事訴訟法をいい、旧法とは、從前の民事訴訟法をいう。
第三條 新法は、特別の定のある場合を除いては、新法施行前に生じた事項にもこれを適用する。但し、旧法及び昭和二十二年法律第七十五号によつて生じた効力を妨げない。
第四條 新法第七十九條第一項但書及び第二項の規定は、地方裁判所が裁判所法施行令第三條第一項の規定に基いて從前の例によれば區裁判所の權限に属する事件を取り扱う場合にこれを準用する。
第五條 新法施行前に旧法によつて過料に處すべき行爲をした者で新法施行の際まだその裁判を受けていないものは、旧法により處罰する。
第六條 東京高等裁判所が裁判所法施行令第四條の規定により裁判權を有する事件についてした終局判決については、新法第三百九十三條の規定は、これを適用しない。
前項の終局判決については、新法第四百九條ノ二及び第四百九條ノ三の規定を準用する。
第七條 昭和二十年法律第四十六号の一部を次のように改正する。
附則第二項中「、第五條」を削る。
第八條 昭和二十二年法律第七十五号の一部を次のように改正する。
第八條を削る。
附則第二項中「昭和二十三年七月十五日」を「昭和二十四年一月一日」に改める。
法務総裁 鈴木義男
内閣総理大臣 芦田均
民事訴訟法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十三年七月十二日
内閣総理大臣 芦田均
法律第百四十九号
民事訴訟法の一部を次のように改正する。
民事訴訟法目録中
第一章
地方裁判所ノ訴訟手続
第一節
第二節
弁論ノ準備
第三節
証拠
第一款
総則
第二款
証人訊問
第三款
鑑定
第四款
書証
第五款
検証
第六款
当事者訊問
第七款
証拠保全
第二章
区裁判所ノ訴訟手続
第一章
第二章
弁論及其ノ準備
第三章
証拠
第一節
総則
第二節
証人訊問
第三節
鑑定
第四節
書証
第五節
検証
第六節
当事者訊問
第七節
証拠保全
第四章
簡易裁判所ノ訴訟手続ニ関スル特則
に改める。
「判事」を「裁判官」に、「受託判事」を「受託裁判官」に、「執達吏」を「執行吏」に、「陪席判事」を「陪席裁判官」に、「受命判事」を「受命裁判官」に、「登記判事」を「登記官吏」に改める。
第三条中「東京市」を「最高裁判所ノ定ムル地」に改める。
第七条中「軍人、軍属又ハ」を削り、「軍事用ノ庁舎ノ所在地又ハ艦船ノ本籍若ハ船籍」を「船舶ノ船籍」に改める。
第二十二条第一項中「裁判所構成法」を「裁判所法」に、同条第二項中「千円」を「五千円」に改める。
第二十四条第一項第一号中「及裁判所構成法第十三条第二項ノ規定ニ依リテ之ニ代ルヘキ裁判所」を削る。
第三十条に次の一項を加える。
地方裁判所ハ訴訟カ其ノ管轄区域内ノ簡易裁判所ノ管轄ニ属スル場合ニ於テモ相当ト認ムルトキハ前項ノ規定ニ拘ラス申立ニ因リ又ハ職権ヲ以テ訴訟ノ全部又ハ一部ニ付自ラ審理及裁判ヲ為スコトヲ得但シ訴ニ付専属管轄ノ定ノアル場合ハ此ノ限ニ在ラス
第三十一条ノ二 簡易裁判所ハ訴訟カ其ノ管轄ニ属スル場合ニ於テモ相当ト認ムルトキハ其ノ専属管轄ニ属スルモノヲ除クノ外申立ニ因リ又ハ職権ヲ以テ訴訟ノ全部又ハ一部ヲ其ノ所在地ヲ管轄スル地方裁判所ニ移送スルコトヲ得
第三十三条 移送ノ裁判及移送ノ申立ヲ却下シタル裁判ニ対シテハ即時抗告ヲ為スコトヲ得
第三十五条第一号中「妻」を「配偶者」に、同条第二号中「若ハ三親等内ノ姻族」を「、三親等内ノ姻族若ハ同居ノ親族」に、同条第三号中「、保佐人又ハ戸主若ハ家族」を「又ハ保佐人」に改める。
第三十九条 合議体ノ構成員タル裁判官及地方裁判所ノ一人ノ裁判官ノ除斥又ハ忌避ニ付テハ其ノ裁判官所属ノ裁判所カ、簡易裁判所ノ裁判官ノ除斥又ハ忌避ニ付テハ其ノ裁判所ノ所在地ヲ管轄スル地方裁判所カ決定ヲ以テ裁判ヲ為ス
前項ノ裁判ハ地方裁判所ニ於テハ合議体ニ於テ之ヲ為ス
第四十三条中「監督権アル判事」を「監督権アル裁判所」に改める。
第四十四条 本節ノ規定ハ裁判所書記ニ之ヲ準用ス此ノ場合ニ於テハ裁判ハ書記所属ノ裁判所之ヲ為シ簡易裁判所ノ書記ノ回避ノ許可ハ其ノ裁判所ノ裁判所法第三十七条ニ規定スル裁判官之ヲ為ス
第五十条中「、妻」を削り、「保佐人ノ同意、夫ノ許可又ハ親族会ノ同意」を「保佐人又ハ後見監督人ノ同意」に改める。
第七十九条第一項中「区裁判所」を「簡易裁判所」に改める。
第百十四条に次の一項を加える。
前項ノ規定ニ依リ口頭弁論ヲ経スシテ訴ヲ却下スルトキハ裁判所ハ判決前原告ヲ審訊スコトヲ要ス
第百四十条に次の一項を加える。
第一項ノ規定ハ当事者カ口頭弁論ノ期日ニ出頭セサル場合ニ之ヲ準用ス但シ口頭弁論期日ニ出頭セサル当事者カ公示送達ニ依ル呼出ヲ受ケタルモノナルトキハ此ノ限ニ在ラス
第百四十三条中「其ノ席次ニ従ヒ順次」を削る。
第百五十一条第一項中「閲覧若ハ」を削り、同項を第三項とし、同条第二項を第四項とし、同条第一項及び第二項として、次の二項を加える。
何人モ訴訟記録ノ閲覧ヲ裁判所書記ニ請求スルコトヲ得但シ訴訟記録ノ保存又ハ裁判所ノ執務ニ支障アルトキハ此ノ限ニ在ラス
公開ヲ禁止シタル口頭弁論ニ係ル訴訟記録ニ付テハ当事者及利害関係ヲ疎明シタル第三者ニ限リ前項ノ規定ニ依ル請求ヲ為スコトヲ得
第百六十一条第二項中「区裁判所」を「地方裁判所」に改める。
第百六十七条 削除
第百七十六条 削除
第百八十条第二項中「前項」を「前二項」に改め、同項を第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
外国ニ於テ為スヘキ送達ニ付為シタル公示送達ニ在リテハ前項ノ期間ハ之ヲ六週間トス
第百八十一条中「区裁判所」を「地方裁判所」に改める。
第百八十七条に次の一項を加える。
単独ノ裁判官ノ更迭アリタル場合ニ於テ従前訊問ヲ為シタル証人ニ付当事者カ更ニ訊問ノ申出ヲ為シタルトキハ裁判所ハ其ノ訊問ヲ為スコトヲ要ス合議体ノ裁判官ノ過半数カ更迭シタル場合ニ於テ従前訊問ヲ為シタル証人ニ付当事者カ更ニ訊問ノ申出ヲ為シタルトキ亦同シ
第百九十三条ノ二 判決カ法令ニ違背シタルコトヲ発見シタルトキハ裁判所ハ其ノ言渡後一週間内ニ限リ変更ノ判決ヲ為スコトヲ得但シ判決確定シタルトキ又ハ判決ヲ変更スル為事件ニ付尚弁論ヲ為ス必要アルトキハ此ノ限ニ在ラス
変更ノ判決ハ口頭弁論ヲ経スシテ之ヲ為ス
前項ノ判決ノ言渡期日ノ呼出ニ於テハ公示送達ニ依ル場合ヲ除クノ外呼出状ヲ送達ヲ受クヘキ者ノ住所、居所其ノ他送達ヲ為スヘキ場所ニ宛テ発シタル時ニ於テ其ノ送達アリタルモノト看做ス
第二百二条に次の一項を加える。
第百十四条第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第一編第四章第四節中第二百七条の次に次の一条を加える。
第二百七条ノ二 判決以外ノ裁判ハ判事補単独ニテ之ヲ為スコトヲ得
第二編中
第一章
地方裁判所ノ訴訟手続
第一節
を「第一章 訴」に、「第二節 弁論ノ準備」を「第二章 弁論及其ノ準備」に改める。
第二百四十九条 裁判所ハ訴訟ニ付合議体ニ於テ審理ヲ為ス場合ニ於テ相当ト認ムルトキハ受命裁判官ニ依リ訴訟ノ全部若ハ一部又ハ或争点ノミニ付口頭弁論ノ準備手続ヲ為スコトヲ命スルコトヲ得
第二編中
第三節
証拠
第一款
総則
第三章
証拠
第一節
総則
に改める。
第二百六十一条 削除
第二百六十五条第一項中「部員」を「合議体ノ構成員」に、「区裁判所」を「地方裁判所若ハ簡易裁判所」に、同条第二項中「区裁判所」を「地方裁判所又ハ簡易裁判所」に改める。
第二百六十九条中「五百円」を「五千円」に改める。
第二編中「第二款 証人訊問」を「第二節 証人訊問」に改める。
第二百七十三条 内閣総理大臣其ノ他ノ国務大臣又ハ其ノ職ニ在リタル者ヲ証人トシテ職務上ノ秘密ニ付訊問スル場合ニ於テハ裁判所ハ内閣ノ承認ヲ得ルコトヲ要ス
第二百七十四条中「貴族院若ハ衆議院」を「衆議院若ハ参議院」に改める。
第二百七十七条 証人カ正当ノ事由ナクシテ出頭セサルトキハ裁判所ハ決定ヲ以テ之ニ因リテ生シタル訴訟費用ノ負担ヲ命シ且五千円以下ノ過料ニ処ス此ノ決定ニ対シテハ即時抗告ヲ為スコトヲ得
第二百七十七条ノ二 証人カ正当ノ事由ナクシテ出頭セサルトキハ五千円以下ノ罰金又ハ拘留ニ処ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者ニハ情状ニ因リ罰金及拘留ヲ併科スルコトヲ得
第二百八十条第一号中「証人ノ家ノ戸主但シ親族ニ付テハ親族関係カ止ミタル後亦同シ」を「証人ト此等ノ親族関係アリタル者」に改める。
第二百八十四条 証言拒絶ヲ理由ナシトスル裁判確定シタル後証人カ故ナク証言ヲ拒ムトキハ第二百七十七条及第二百七十七条ノ二ノ規定ヲ準用ス
第二百九十三条 第二百七十七条、第二百七十七条ノ二、第二百八十二条及第二百八十三条ノ規定ハ証人カ宣誓ヲ拒ム場合ニ之ヲ準用ス
第二百九十八条及び第二百九十九条を削り、第二百九十四条を第二百九十六条とし、以下第二百九十七条まで順次二条ずつ繰り下げる。
第二百九十四条 証人ハ其ノ訊問ノ申出ヲ為シタル当事者先ツ之ヲ訊問シ其ノ訊問ノ終リタル後他ノ当事者之ヲ訊問スルコトヲ得
裁判長ハ当事者ノ訊問ノ終リタル後証人ヲ訊問スルコトヲ得
裁判長ハ必要アリト認ムルトキハ何時ニテモ自ラ訊問シ又ハ当事者ノ訊問ヲ許スコトヲ得
当事者ノ訊問カ既ニ為シタル訊問ト重複スルトキ、争点ニ関係ナキ事項ニ亘ルトキ其ノ他特ニ必要アリト認ムルトキハ裁判長ハ之ヲ制限スルコトヲ得
陪席裁判官ハ裁判長ニ告ケ証人ヲ訊問スルコトヲ得
第二百九十五条 当事者ハ前条ノ規定ニ依ル訊問ノ許否又ハ制限ニ付異議ヲ述フルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ裁判所異議ニ付裁判ヲ為ス
第三百条中「前条第二項」を「第二百九十五条」に改める。
第二編中「第三款 鑑定」ヲ「第三節 鑑定」に改める。
第三百一条中「前款」を「前節」に改める。
第三百十条第一項中「本款」を「本節」に改める。
第二編中「第四款 書証」を「第四節 書証」に改める。
第三百十八条、第三百二十八条第二項及び第三百三十一条第一項中「五百円」を「五千円」に改める。
第三百三十二条中「本款」を「本節」に改める。
第二編中「第五款 検証」を「第五節 検証」に改める。
第三百三十五条第二項中「五百円」を「五千円」に改める。
第二編中「第六款 当事者訊問」を「第六節 当事者訊問」に改める。
第三百三十九条第一項中「五百円」を「五千円」に改める。
第三百四十二条中「第二百九十五条及第二百九十七条乃至」を「第二百九十四条、第二百九十五条、第二百九十七条、第二百九十九条及」に、「本款」を「本節」に改める。
第二編中「第七款 証拠保全」を「第七節 証拠保全」に改める。
第三百四十三条中「本節」を「本章」に改める。
第三百四十四条中「区裁判所」を「地方裁判所又ハ簡易裁判所」に改める。
第二編第三章第七節中第三百五十一条の次に次の一条を加える。
第三百五十一条ノ二 証拠保全ノ手続ニ於テ訊問シタル証人ニ付当事者カ口頭弁論ニ於ケル訊問ノ申出ヲ為シタルトキハ裁判所ハ其ノ訊問ヲ為スコトヲ要ス
第二編中「第二章 区裁判所ノ訴訟手続」を「第四章 簡易裁判所ノ訴訟手続ニ関スル特則」に改める。
第三百五十二条 簡易裁判所ニ於テハ簡易ナル手続ニ依リ迅速ニ紛議ヲ解決スルモノトス
第三百五十五条第一項及び第三百五十六条第一項中「区裁判所」を「簡易裁判所」に改める。
第三百五十六条ノ二 期日ニ於ケル呼出ハ第百五十四条ニ定ムル方法以外ノ相当ト認ムル方法ニ依リテ之ヲ為スコトヲ得此ノ場合ニ於テハ期日ニ出頭セサル当事者、証人又ハ鑑定人ニ対シ法律上ノ制裁其ノ他期日ノ懈怠ニ因ル不利益ヲ帰スルコトヲ得ス
第三百五十八条 第百三十八条ノ規定ハ原告又ハ被告カ口頭弁論続行ノ期日ニ出頭セス又ハ出頭スルモ本案ノ弁論ヲ為ササル場合ニ之ヲ準用ス
第三百五十八条ノ二 調書ハ当事者ニ異議アル場合ヲ除クノ外裁判官ノ許可アルトキハ之ニ記載スヘキ事項ヲ省略スルコトヲ得
前項ノ規定ハ口頭弁論ノ方式ニ関スル規定ノ遵守並和解、認諾、抛棄、取下及自白ニ付テハ之ヲ適用セス
第三百五十八条ノ三 裁判所ハ相当ト認ムルトキハ証人又ハ鑑定人ノ訊問ニ代ヘ書面ノ提出ヲ為サシムルコトヲ得
第三百五十八条ノ四 裁判所ハ必要アリト認ムルトキハ和解ヲ試ミルニ付司法委員ヲシテ補助ヲ為サシメ又ハ司法委員ヲシテ審理ニ立会ハシメ事件ニ付其ノ意見ヲ徴スルコトヲ得
第三百五十八条ノ五 司法委員ノ員数ハ各事件ニ付一人以上トス
司法委員ハ毎年予メ地方裁判所ノ選任シタル者ノ中ヨリ各事件ニ付裁判所之ヲ指定ス
前項ノ規定ニ依リ選任セラルル者ノ資格、員数其ノ他同項ノ選任ニ関シ必要ナル事項ハ最高裁判所之ヲ定ム
第三百五十八条ノ六 司法委員ニ対シテハ最高裁判所ノ定ムル額ノ旅費、日当及止宿料ヲ給ス
第三百六十条第二項を削り、同条第三項中「第一項」を「前項」に改め、同条第一項を次のように改める。
控訴ハ地方裁判所カ第一審トシテ為シタル終局判決又ハ簡易裁判所ノ終局判決ニ対シテ之ヲ為スコトヲ得但シ終局判決後当事者双方共ニ上告ヲ為ス権利ヲ留保シテ控訴ヲ為ササル旨ノ合意ヲ為シタルトキハ此ノ限ニ在ラス
第三百七十八条中「第一章」の下に「乃至第三章」を加える。
第三百八十三条に次の一項を加える。
第百十四条第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第三百八十四条ノ二 前条第一項ノ規定ニ依リ控訴ヲ棄却スル場合ニ於テ控訴人カ訴訟ノ完結ヲ遅延セシムル目的ノミヲ以テ提訴ヲ提起シタルモノト認ムルトキハ控訴裁判所ハ之ニ対シ控訴状ニ貼用スヘキ印紙金額ノ十倍以下ノ金銭ノ納付ヲ命スルコトヲ得
前項ノ裁判ハ判決主文ニ之ヲ掲クルコトヲ要ス
第一項ノ裁判ハ本案判決ヲ変更スル判決ノ言渡ニ因リ其ノ効力ヲ失フ
上告裁判所ハ上告ヲ棄却スル場合ニ於テモ第一項ノ裁判ヲ変更スルコトヲ得
第三百九十三条 上告ハ高等裁判所カ第二審又ハ第一審トシテ為シタル終局判決ニ対シテハ最高裁判所ニ、地方裁判所カ第二審トシテ為シタル終局判決ニ対シテハ高等裁判所ニ之ヲ為スコトヲ得
第三百六十条第一項但書ノ場合ニ於テハ地方裁判所ノ判決ニ対シテハ最高裁判所ニ、簡易裁判所ノ判決ニ対シテハ高等裁判所ニ直ニ上告ヲ為スコトヲ得
第四百六条ノ二 高等裁判所カ上告裁判所タル場合ニ於テ最高裁判所ノ定ムル事由アルトキハ決定ヲ以テ事件ヲ最高裁判所ニ移送スルコトヲ要ス
第四百八条第二号中「通常裁判所」を「裁判所」に改める。
第三編第二章中第四百九条の次に次の五条を加える。
第四百九条ノ二 高等裁判所カ上告審トシテ為シタル終局判決ニ対シテハ其ノ判決ニ於テ法律、命令、規則又ハ処分カ憲法ニ適合スルヤ否ニ付為シタル判断ノ不当ナルコトヲ理由トスルトキニ限リ最高裁判所ニ更ニ上告ヲ為スコトヲ得
第四百九条ノ三 前条ノ上告及其ノ上告審ノ訴訟手続ニハ其ノ性質ニ反セサル限リ第二審又ハ第一審ノ終局判決ニ対スル上告ニ関スル規定ヲ準用ス但シ第四百三条中原判決トアルハ之ヲ地方裁判所カ第二審トシテ為シタル終局判決又ハ簡易裁判所ノ終局判決トス
第四百九条ノ四 上告裁判所ノ判決ニ対シテハ其ノ判決カ法令ニ違背スルコトヲ理由トスル場合ニ限リ其ノ裁判所ニ異議ノ申立ヲ為スコトヲ得
第四百九条ノ五 異議ハ判決ノ送達アリタル日ヨリ十日以内ニ之ヲ申立ツルコトヲ要ス但シ其ノ期間前申立テタル異議ノ効力ヲ妨ケス
前項ノ期間ハ之ヲ不変期間トス
第四百九条ノ六 異議ヲ理由アリトスルトキハ上告裁判所ハ変更ノ判決ヲ為スコトヲ要ス
異議ヲ理由ナシトスルトキハ決定ヲ以テ之ヲ却下スルコトヲ得
第百九十三条ノ二第二項ノ規定ハ第一項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第四百十二条第三項中「大審院」を「最高裁判所又ハ高等裁判所」に改める。
第三編第三章中第四百十九条の次に次の二条を加える。
第四百十九条ノ二 不服ヲ申立ツルコトヲ得サル決定及命令ニ対シテハ其ノ裁判ニ於テ法律、命令、規則又ハ処分カ憲法ニ適合スルヤ否ニ付原裁判所カ為シタル判断ノ不当ナルコトヲ理由トスルトキニ限リ最高裁判所ニ特ニ抗告ヲ為スコトヲ得
前項ノ抗告ノ提起期間ハ五日トス
前項ノ期間ハ之ヲ不変期間トス
第四百十九条ノ三 前条ノ抗告及之ニ関スル訴訟手続ニハ第四百十八条第二項ノ規定ヲ準用スルノ外其ノ性質ニ反セサル限リ第四百九条ノ二ノ上告及其ノ上告審ノ訴訟手続ニ関スル規定ヲ準用ス
第四百三十一条、第四百四十一条及第四百四十二条第一項中「区裁判所」を「簡易裁判所」に改める。
第四百九十八条中「故障」を「異議」に改め、「上訴」の下に「(第四百九条ノ二ノ上告ヲ除ク)」を加える。
第五百条第一項中「再審」を「第四百九条ノ二ノ上告ノ提起アルトキ又ハ再審」に改める。
第五百十三条第一項中「区裁判所」を「地方裁判所」に改める。
第五百十四条第二項中「区裁判所又ハ」を削る。
第五百二十七条中「区裁判所」を「地方裁判所」に改める。
第五百三十条 削除
第五百三十一条第二項中「区裁判所書記」を「地方裁判所書記」に改める。
第五百三十六条第二項後段を削る。
第五百三十七条中「家族」を「同居ノ親族」に改める。
第五百四十三条第一項及び第二項中「区裁判所」を「地方裁判所」に改める。
第五百四十九条第三項後段を削る。
第五百五十三条 削除
第五百五十六条 削除
第五百六十条中「第五百五十八条」を「第五百二十九条、第五百三十一条乃至第五百五十二条、第五百五十四条、第五百五十五条、第五百五十七条及ヒ第五百五十八条」に改める。
第五百六十一条第三項中「区裁判所」を「簡易裁判所」に改める。
第五百六十一条ノ二中「過料ノ裁判」の下に「及ヒ第三百八十四条ノ二第一項ノ裁判」を加える。
第五百六十二条第二項中「区裁判所」を「地方裁判所」に改める。
第五百七十条第一項中「家族」を「同居ノ親族」に改め、「文武ノ」を削る。
第五百九十五条第一項及び第六百十六条第一項中「区裁判所」を「地方裁判所」に改める。
第六百十八条第一項中「家族」を「同居ノ親族」に改め、「文武ノ」を削り、同項第三号及び第四号を次のように改める。
第三及ヒ第四 削除
同条第二項を次のように改める。
第一号、第五号及第六号ニ掲ケル収入ニ付テハ一个年間ニ受ク可キ総額ノ四分ノ三ヲ超過スル部分ニ限リ之ヲ差押フルコトヲ得但シ差押ニ因リ債務者カ其生活上窮迫ノ状態ニ陥ルノ恐ナキトキハ裁判所ノ許可ヲ得テ其二分ノ一ニ達スルマテ之ヲ差押フルコトヲ得
第六百十八条ノ二 第五百七十条ノ二ノ規定ハ前条第二項本文ノ規定ニ依リ差押ヲ為ス場合ニ之ヲ準用ス
第六百二十二条中「区裁判所」を「地方裁判所」に改める。
第六百二十九条第二項中「裁判所書記課」を「裁判所」に改める。
第六百三十五条 異議ヲ申立テタル債権者ノ訴ニ付テハ配当裁判所之ヲ管轄ス
第六百四十一条第一項、第七百十八条、第七百二十五条及び第七百二十六条中「区裁判所」を「地方裁判所」に改める。
第七百三十一条第三項中「家族」を「同居ノ親族」に改める。
第七百三十九条並びに第七百六十一条第一項及び第二項中「区裁判所」を「地方裁判所」に改める。
第七百六十四条第二項中「区裁判所」を「簡易裁判所」に改める。
第七百九十九条第二項中「ノ書記課」を削る。
第八百五条第一項中「区裁判所」を「簡易裁判所」に改める。
附 則
第一条 この法律中、附則第八条の規定を除くその他の規定は、昭和二十四年一月一日から、附則第八条の規定は、昭和二十三年七月十五日から、これを施行する。
第二条 この附則で、新法とは、この法律による改正後の民事訴訟法をいい、旧法とは、従前の民事訴訟法をいう。
第三条 新法は、特別の定のある場合を除いては、新法施行前に生じた事項にもこれを適用する。但し、旧法及び昭和二十二年法律第七十五号によつて生じた効力を妨げない。
第四条 新法第七十九条第一項但書及び第二項の規定は、地方裁判所が裁判所法施行令第三条第一項の規定に基いて従前の例によれば区裁判所の権限に属する事件を取り扱う場合にこれを準用する。
第五条 新法施行前に旧法によつて過料に処すべき行為をした者で新法施行の際まだその裁判を受けていないものは、旧法により処罰する。
第六条 東京高等裁判所が裁判所法施行令第四条の規定により裁判権を有する事件についてした終局判決については、新法第三百九十三条の規定は、これを適用しない。
前項の終局判決については、新法第四百九条ノ二及び第四百九条ノ三の規定を準用する。
第七条 昭和二十年法律第四十六号の一部を次のように改正する。
附則第二項中「、第五条」を削る。
第八条 昭和二十二年法律第七十五号の一部を次のように改正する。
第八条を削る。
附則第二項中「昭和二十三年七月十五日」を「昭和二十四年一月一日」に改める。
法務総裁 鈴木義男
内閣総理大臣 芦田均