第一條 本法ハ資金ノ蓄積及金融機關ノ資金ノ合理的運用等ニ資スルヲ以テ目的トス
第二條 社債ノ登錄ハ勅令ヲ以テ定ムル法人(以下登錄機關ト稱ス)ヲシテ之ヲ取扱ハシム
第三條 社債ノ登錄ハ社債權者ノ請求ニ依リテ之ヲ爲ス
登錄機關ハ正當ノ事由アルニ非ザレバ社債ノ登錄ヲ拒ムコトヲ得ズ
第四條 登錄ヲ爲シタル社債ニ付テハ債券ハ之ヲ發行セズ
登錄機關債券ヲ發行シタル社債ニ付登錄ヲ爲ストキハ其ノ債券ヲ囘收スルコトヲ要ス
第五條 登錄ヲ爲シタル無記名社債ヲ移轉シ若ハ之ヲ以テ擔保權ノ目的ト爲シ又ハ之ヲ信託財產ト爲シタルトキハ其ノ登錄ヲ爲スニ非ザレバ之ヲ以テ社債ヲ發行シタル會社其ノ他ノ第三者ニ對抗スルコトヲ得ズ
登錄ヲ爲シタル記名社債ヲ移轉シ若ハ之ヲ以テ擔保權ノ目的ト爲シ又ハ之ヲ信託財產ト爲シタルトキハ其ノ登錄ヲ爲シ且社債原簿ニ其ノ旨ノ記載ヲ爲スニ非ザレバ之ヲ以テ社債ヲ發行シタル會社其ノ他ノ第三者ニ對抗スルコトヲ得ズ
第六條 法令ニ依リ擔保トシテ社債ヲ供託スル場合ニ於テハ登錄ヲ爲シタル社債ニ付テハ其ノ登錄ヲ受ケ之ニ代フルコトヲ得
第七條 社債權者ハ登錄ヲ爲シタル社債ニ付何時ニテモ登錄ノ抹消ヲ請求スルコトヲ得
第十條 主務大臣ハ必要アリト認ムルトキハ登錄機關ヲシテ登錄事務ニ關スル報吿ヲ爲サシメ又ハ當該官吏ヲシテ登錄事務ヲ檢査シ若ハ社債登錄簿其ノ他ノ書類ヲ檢査セシムルコトヲ得
第十一條 左ノ場合ニ於テハ登錄機關ノ業務ヲ執行スル役員ヲ五千圓以下ノ過料ニ處ス
一 本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ違反シタルトキ
二 前條ノ規定ニ依ル當該官吏ノ檢査ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタルトキ
第十二條 登錄事務ニ從事スル登錄機關ノ職員ハ之ヲ法令ニ依リ公務ニ從事スル職員ト看做ス
第十三條 本法ハ命令ヲ以テ定ムル社債ニハ之ヲ適用セズ
第十四條 本法ハ地方債、特別ノ法令ニ依リ設立セラレタル法人ニシテ會社ニ非ザルモノノ發行スル債券及命令ヲ以テ定ムル外國又ハ外國法人ノ發行スル公債又ハ社債ニ之ヲ準用ス
第十五條 本法ニ規定スルモノヲ除クノ外登錄竝ニ登錄ヲ爲シタル社債、地方債、特別ノ法令ニ依リ設立セラレタル法人ニシテ會社ニ非ザルモノノ發行スル債券及命令ヲ以テ定ムル外國又ハ外國法人ノ發行スル公債又ハ社債ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム