第一條 救護ハ救護ヲ受ケントスル者ノ住所地地方長官之ヲ行フ
救護ヲ受ケントスル者ハ地方長官ニ出願スベシ但シ地方長官必要アリト認ムルトキハ其ノ出願ナキ場合ト雖モ救護ヲ行フコトヲ得
第二條 生活扶助ハ金錢又ハ物品ノ給與ニ依リ之ヲ行フ
一家ニ於テ救護ヲ受クル者二人以上アルトキハ前項ノ規定ニ依ル費用ハ之ヲ減額スルコトヲ得
第三條 醫療及生業扶助ノ爲支出スル費用ノ限度ハ地方長官內務大臣ノ認可ヲ受ケ之ヲ定ム
救護ヲ受クル者死亡シタル場合ニ於テ埋葬ヲ行フ者ナキトキハ救護ヲ行ヒタル地方長官ニ於テ埋葬ヲ行フベシ
第六條 災害ニ因リ必要アル場合ニ於テハ地方長官ハ一家總額三十圓ヲ限リ生活扶助ノ爲金錢若ハ物品ヲ臨時給與シ又ハ之ヲ併セ給與スルコトヲ得
第七條 生活扶助ノ爲給與スル金錢又ハ物品ハ三月分以內ヲ限リ之ヲ前渡スルコトヲ得
救護ノ廢止、停止又ハ變更ノ場合ニ於テ被救護者已ムヲ得ザル事由ニ因リ前渡シタル金錢又ハ物品ヲ費消シ又ハ喪失シ且返還ノ資力ナキトキハ之ヲ返還セシメザルコトヲ得
救護ノ廢止、停止又ハ變更ノ場合ニ於テ前渡シタル金錢又ハ物品中返還セシムベキモノニ付テハ之ニ相當スル額ヲ後ニ給與スベキモノヨリ減ズルコトヲ得
第八條 特別ノ必要アル場合ニ於テハ地方長官ハ公共團體、公益法人其ノ他適當ト認ムル者ニ委囑シテ救護ヲ行ハシムルコトヲ得
第九條 救護ノ廢止若ハ停止又ハ救護ノ程度若ハ方法ノ變更ハ地方長官之ヲ行フ
第十條 特別ノ必要アル場合ニ於テハ地方長官ハ內務大臣ノ認可ヲ受ケ第二條第二項、第四條、第五條第一項及第六條ノ規定ニ依ル金額ヲ增加スルコトヲ得
第十一條 救護ヲ拒マレタル者又ハ救護ヲ廢止若ハ停止セラレタル者ハ六十日以內ニ內務大臣ニ對シ更ニ審查ヲ出願スルコトヲ得
內務大臣ハ審查ノ上必要ト認ムルトキハ地方長官ヲシテ救護ヲ爲サシメ又ハ救護ノ廢止若ハ停止ノ處分ヲ取消サシムルコトヲ得
第十二條 朝鮮、臺灣、樺太又ハ關東州ニ在リテハ本令中內務大臣ノ職務ハ朝鮮總督、臺灣總督、樺太廳長官又ハ關東長官、地方長官ノ職務ハ朝鮮總督府道知事、臺灣總督府州知事若ハ廳長、樺太廳支廳長又ハ關東廳民政署長之ヲ行フ