軍事救護法施行令
法令番号: 勅令第二百六號
公布年月日: 大正6年10月30日
法令の形式: 勅令
朕軍事救護法施行令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正六年十月二十九日
內閣總理大臣 伯爵 寺內正毅
內務大臣 男爵 後藤新平
勅令第二百六號
軍事救護法施行令
第一條 救護ハ救護ヲ受ケムトスル者ノ出願ニ因リ住所地地方長官ニ於テ其ノ許否ヲ決定ス
住所地地方長官前項ノ規定ニ依リ救護ヲ許可スル場合ニ於テハ其ノ程度及方法ヲ決定ス
第二條 現品給與又ハ現金給與ノ額ハ一人一日十五錢以內トス現品給與及現金給與ヲ併セ行フトキ其ノ合算額ニ付亦同シ
一家ニ於テ給與ヲ受クル者數人アルトキハ前項ノ規定ニ依ル金額ハ一家總額一日六十錢ヲ超ユルコトヲ得ス
特別ノ必要アル場合ニ於テハ地方長官ハ內務大臣ノ許可ヲ受ケ第一項又ハ前項ノ規定ニ依ル金額ヲ增加スルコトヲ得
第三條 災害ニ因リ必要アル場合ニ於テハ地方長官ハ一家總額三十圓ヲ限リ臨時現品給與若ハ現金給與ヲ行ヒ又ハ之ヲ併セ行フコトヲ得
第四條 現品給與又ハ現金給與ヲ行フ場合ニ於テハ三月分ヲ限リ前渡スルコトヲ得
救護ノ廢止若ハ停止又ハ救護ノ程度減少ノ場合ニ於テ前渡シタル金品ハ之ヲ返還セシメサルコトヲ得其ノ返還セシムヘキモノニ付テハ之ニ相當スル額ヲ後ニ給與スヘキモノヨリ減額スルコトヲ妨ケス
第五條 特別ノ必要アル場合ニ於テハ地方長官ハ內務大臣ノ許可ヲ受ケ公共團體、公益法人其ノ他適當ト認ムル者ニ委囑シテ救護ヲ行フコトヲ得
第六條 救護ノ廢止若ハ停止又ハ救護ノ程度若ハ方法ノ變更ハ住所地地方長官之ヲ行フ
第七條 第一條第一項ノ規定ニ依リ救護ノ許可ヲ拒マレタル者又ハ前條ノ規定ニ依リ救護ヲ廢止若ハ停止セラレタル者ハ六十日內ニ內務大臣ニ對シ更ニ審査ヲ出願スルコトヲ得
內務大臣ハ審査ノ上必要ト認ムルトキハ地方長官ヲシテ救護ノ許可ヲ爲サシメ又ハ救護ノ廢止若ハ停止ノ處分ヲ取消サシムルコトヲ得
第八條 朝鮮臺灣樺太又ハ關東州ニ在リテハ本令中內務大臣ノ職務ハ朝鮮總督臺灣總督樺太廳長官又ハ關東都督、地方長官ノ職務ハ朝鮮總督府道長官臺灣總督府廳長樺太廳支廳長又ハ關東都督府民政署長之ヲ行フ
附 則
本令ハ軍事救護法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
下士兵卒家族救助令ハ之ヲ廢止ス
朕軍事救護法施行令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正六年十月二十九日
内閣総理大臣 伯爵 寺内正毅
内務大臣 男爵 後藤新平
勅令第二百六号
軍事救護法施行令
第一条 救護ハ救護ヲ受ケムトスル者ノ出願ニ因リ住所地地方長官ニ於テ其ノ許否ヲ決定ス
住所地地方長官前項ノ規定ニ依リ救護ヲ許可スル場合ニ於テハ其ノ程度及方法ヲ決定ス
第二条 現品給与又ハ現金給与ノ額ハ一人一日十五銭以内トス現品給与及現金給与ヲ併セ行フトキ其ノ合算額ニ付亦同シ
一家ニ於テ給与ヲ受クル者数人アルトキハ前項ノ規定ニ依ル金額ハ一家総額一日六十銭ヲ超ユルコトヲ得ス
特別ノ必要アル場合ニ於テハ地方長官ハ内務大臣ノ許可ヲ受ケ第一項又ハ前項ノ規定ニ依ル金額ヲ増加スルコトヲ得
第三条 災害ニ因リ必要アル場合ニ於テハ地方長官ハ一家総額三十円ヲ限リ臨時現品給与若ハ現金給与ヲ行ヒ又ハ之ヲ併セ行フコトヲ得
第四条 現品給与又ハ現金給与ヲ行フ場合ニ於テハ三月分ヲ限リ前渡スルコトヲ得
救護ノ廃止若ハ停止又ハ救護ノ程度減少ノ場合ニ於テ前渡シタル金品ハ之ヲ返還セシメサルコトヲ得其ノ返還セシムヘキモノニ付テハ之ニ相当スル額ヲ後ニ給与スヘキモノヨリ減額スルコトヲ妨ケス
第五条 特別ノ必要アル場合ニ於テハ地方長官ハ内務大臣ノ許可ヲ受ケ公共団体、公益法人其ノ他適当ト認ムル者ニ委嘱シテ救護ヲ行フコトヲ得
第六条 救護ノ廃止若ハ停止又ハ救護ノ程度若ハ方法ノ変更ハ住所地地方長官之ヲ行フ
第七条 第一条第一項ノ規定ニ依リ救護ノ許可ヲ拒マレタル者又ハ前条ノ規定ニ依リ救護ヲ廃止若ハ停止セラレタル者ハ六十日内ニ内務大臣ニ対シ更ニ審査ヲ出願スルコトヲ得
内務大臣ハ審査ノ上必要ト認ムルトキハ地方長官ヲシテ救護ノ許可ヲ為サシメ又ハ救護ノ廃止若ハ停止ノ処分ヲ取消サシムルコトヲ得
第八条 朝鮮台湾樺太又ハ関東州ニ在リテハ本令中内務大臣ノ職務ハ朝鮮総督台湾総督樺太庁長官又ハ関東都督、地方長官ノ職務ハ朝鮮総督府道長官台湾総督府庁長樺太庁支庁長又ハ関東都督府民政署長之ヲ行フ
附 則
本令ハ軍事救護法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
下士兵卒家族救助令ハ之ヲ廃止ス