戶數割ハ一戶ヲ構ヘサルモ獨立ノ生計ヲ營ム者ニ之ヲ賦課スルコトヲ得
第三條 資力ハ戶數割納稅義務者ノ所得額及住家坪數ニ依リ之ヲ算定ス但シ所得額及住家坪數ノミニ依ルヲ適當ナラスト認ムル場合ニ於テハ納稅義務者ノ資產ノ狀況ヲ斟酌シテ之ヲ算定スルコトヲ得
第四條 戶數割總額ハ豫算ノ屬スル年度ノ前前年度ニ於テ市町村住民(法人ヲ除ク)ノ賦課ヲ受ケタル直接國稅及直接府縣稅ノ稅額竝前年度始ニ於ケル戶數割納稅義務者ノ數ヲ標準トシ市町村ニ之ヲ配當ス但シ戶數割納稅義務者ノ數ヲ標準トスル配當額ハ戶數割總額ノ十分ノ五ヲ超ユルコトヲ得ス
特別ノ事情アルトキハ府縣知事ハ府縣會ノ議決ヲ經內務大臣及大藏大臣ノ許可ヲ得テ前項ノ規定ニ拘ラス別ニ標準ヲ設クルコトヲ得
第五條 前條ノ規定ニ依リ市町村ニ配當セラレタル戶數割ノ總額中住家坪數ニ依リ資力ヲ算定シテ課スヘキモノハ其ノ總額ノ十分ノ一ヲ、納稅義務者ノ資產ノ狀況ヲ斟酌シテ資力ヲ算定シ課スヘキモノハ其ノ總額ノ十分ノ二ヲ超ユルコトヲ得ス
第六條 納稅義務者ト生計ヲ共ニスル同居者ノ所得ハ之ヲ其ノ納稅義務者ノ所得ト看做ス但シ其ノ納稅義務者ヨリ受クル所得ハ此ノ限ニ在ラス
第七條 同一人ニ對シ數府縣ニ於テ戶數割ヲ賦課スル場合ニ於テハ各其ノ府縣ニ於ケル所得ヲ以テ其ノ者ノ資力算定ノ標準タル所得トス其ノ所得ニシテ分別シ難キモノアルトキハ關係府縣ニ平分ス
戶數割ヲ納ムル府縣以外ノ地ニ於ケル所得ハ納稅義務者ノ資力算定ニ付住所地府縣ニ於ケル所得ト看做ス
前二項ノ規定ハ府縣內ノ市町村間ニ於ケル所得ノ計算方法ニ付之ヲ準用ス
前三項ニ規定スル所得計算ニ付府縣內關係市町村異議アル場合ニ於テ其ノ郡內ニ止マルモノハ郡長、其ノ郡市又ハ數郡市ニ涉ルモノハ府縣知事之ヲ定メ關係府縣知事異議アルトキハ內務大臣之ヲ定ム
島司ヲ置ク地ニ於テハ前項中郡長ニ關スル規定ハ島司ニ、郡ニ關スル規定ハ島廳管轄區域ニ關シ之ヲ適用ス
第八條 二人以上ノ納稅義務者カ同一住家ヲ使用スル場合ニ於テハ各使用者ニ專屬スル部分ノ住家坪數ヲ以テ資力算定ノ標準タル住家坪數トス其ノ共同シテ住家又ハ其ノ一部分ヲ使用スル場合ニ於テハ其ノ住家坪數ハ之ヲ平分ス
住家坪數ニ依ル資力算定ニ付テハ建物ノ構造、用途及敷地ノ地位ニ依リ等差ヲ設クルコトヲ得
第十條 前二條ニ定ムルモノヲ除クノ外住家坪數ノ計算方法ニ付テハ府縣ノ賦課規則ノ定ムル所ニ依ル
第十一條 戶數割ノ賦課期日後納稅義務ノ發生シタル者ニ對シテハ發生ノ翌月ヨリ月割ヲ以テ賦課ス但シ一ノ府縣ニ於テ納稅義務消滅シ他ノ府縣ニ於テ納稅義務發生シタル場合ニ於テハ納稅義務ノ發生シタル府縣ハ他ノ府縣ノ賦課セサル部分ニ付テノミ賦課ス
賦課期日後新ニ納稅義務ノ發生シタル者ニ對スル賦課額ハ第二條、第三條及第五條ノ規定ニ依リ定リタル他ノ納稅者ノ賦課額ニ比準シテ之ヲ定ム
戶數割ノ賦課期日後納稅義務ノ消滅シタル者ニ對シテハ其ノ消滅シタル月迄月割ヲ以テ賦課ス但シ旣ニ徵稅令書ヲ發シタル場合ニ於テハ其ノ賦課額ハ之ヲ變更セス
第十二條 府縣ハ特別ノ事情アル者ニ對シ戶數割ヲ課セサルコトヲ得
第十三條 市町村長ハ其ノ市町村住民ニ非サル者(法人ヲ除ク)ノ當該市町村內ニ於テ生スル其ノ年度分所得竝當該市町村ニ於テ賦課ヲ受ケタル前年度ノ直接國稅及直接府縣稅ノ稅額ヲ每年五月末日迄ニ其ノ住所地市町村長ニ通報スヘシ但シ所得ニ付テハ其ノ住所地市町村ニ於テ戶數割ノ賦課ナキトキハ此ノ限ニ在ラス
第十四條 左ノ制限ヲ超エ戶數割又ハ戶數割附加稅ヲ賦課セムトスルトキハ內務大臣及大藏大臣ノ許可ヲ受クヘシ
一 戶數割總額カ當該年度ニ於ケル府縣稅豫算總額ノ百分ノ三十ヲ超ユルトキ
二 戶數割附加稅總額カ市區ニ在リテハ當該年度ニ於ケル市區稅豫算總額ノ百分ノ五十、町村ニ在リテハ當該年度ニ於ケル町村稅豫算總額ノ百分ノ八十ヲ超ユルトキ
第十五條 前條ノ規定ノ適用ニ付テハ府縣稅家屋稅又ハ家屋稅附加稅若ハ市町村稅家屋稅ハ之ヲ戶數割又ハ戶數割附加稅ト看做ス
第十六條 所得ニ依ル資力算定方法、直接稅ノ種類其ノ他本令施行上必要ナル事項ハ內務大臣及大藏大臣之ヲ定ム