朕關東都督府通信官署官制ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十一年十月三十日
內閣總理大臣 侯爵 桂太郞
外務大臣 伯爵 小村壽太郞
勅令第二百七十五號
關東都督府通信官署官制
第一條 關東都督府通信官署ハ關東都督ノ管理ニ屬シ郵便、郵便爲替、郵便貯金及電信電話ニ關スル事務ヲ掌ル
第二條 關東都督府通信官署ハ通信管理局、郵便局、電信局及郵便所トス
通信管理局ハ郵便、郵便爲替、郵便貯金及電信電話ノ事務ヲ管理シ竝電信電話ノ建築及私設電信電話ノ監督事務ヲ掌ル
郵便局及郵便所ハ郵便、郵便爲替及郵便貯金事務ノ外電信電話事務ヲ兼掌スルコトヲ得但シ特ニ指定シタル郵便所ニ於テハ郵便爲替及郵便貯金ノ事務ヲ掌ラサルコトヲ得
電信局ハ電信事務ノ外電話事務ヲ兼掌スルコトヲ得
第三條 關東都督ハ郵便局ヲ指定シ區域ヲ定メテ管理事務ノ一部ヲ分掌セシムルコトヲ得
第四條 通信管理局ハ之ヲ大連ニ置ク
郵便局、電信局及郵便所ノ名稱及位置ハ關東都督之ヲ定ム
第五條 關東都督ハ必要ナル地ニ郵便、郵便爲替、郵便貯金、電信又ハ電話ノ取扱所ヲ設クルコトヲ得
第六條 關東都督府通信官署ニ左ノ職員ヲ置ク
通信管理局長 奏任
通信事務官 專任 四人 奏任
通信事務官補 專任 七人 奏任
通信技師 專任 三人
郵便局長
電信局長
通信書記
通信技手
通信書記補
專任 三百七十九人 判任
郵便所長 判任
第七條 通信管理局長ハ關東都督ノ命ヲ承ケ局務ヲ掌理ス
第八條 通信事務官及通信事務官補ハ上官ノ命ヲ承ケ事務ヲ掌ル
第九條 通信技師ハ上官ノ命ヲ承ケ技術ヲ掌ル
第十條 郵便局長及電信局長ハ通信事務官、通信事務官補又ハ通信書記ヲ以テ之ニ充ツ上官ノ命ヲ承ケ局務ヲ掌ル
第十一條 通信書記及通信書記補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ事務ニ從事ス
第十二條 通信技手ハ上官ノ指揮ヲ承ケ技術ニ從事ス
第十三條 郵便所長ハ上官ノ命ヲ承ケ所務ヲ掌ル
附 則
本令ハ明治四十一年十一月一日ヨリ之ヲ施行ス
關東都督府郵便電信局官制ハ之ヲ廢止ス
朕関東都督府通信官署官制ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十一年十月三十日
内閣総理大臣 侯爵 桂太郎
外務大臣 伯爵 小村寿太郎
勅令第二百七十五号
関東都督府通信官署官制
第一条 関東都督府通信官署ハ関東都督ノ管理ニ属シ郵便、郵便為替、郵便貯金及電信電話ニ関スル事務ヲ掌ル
第二条 関東都督府通信官署ハ通信管理局、郵便局、電信局及郵便所トス
通信管理局ハ郵便、郵便為替、郵便貯金及電信電話ノ事務ヲ管理シ並電信電話ノ建築及私設電信電話ノ監督事務ヲ掌ル
郵便局及郵便所ハ郵便、郵便為替及郵便貯金事務ノ外電信電話事務ヲ兼掌スルコトヲ得但シ特ニ指定シタル郵便所ニ於テハ郵便為替及郵便貯金ノ事務ヲ掌ラサルコトヲ得
電信局ハ電信事務ノ外電話事務ヲ兼掌スルコトヲ得
第三条 関東都督ハ郵便局ヲ指定シ区域ヲ定メテ管理事務ノ一部ヲ分掌セシムルコトヲ得
第四条 通信管理局ハ之ヲ大連ニ置ク
郵便局、電信局及郵便所ノ名称及位置ハ関東都督之ヲ定ム
第五条 関東都督ハ必要ナル地ニ郵便、郵便為替、郵便貯金、電信又ハ電話ノ取扱所ヲ設クルコトヲ得
第六条 関東都督府通信官署ニ左ノ職員ヲ置ク
通信管理局長 奏任
通信事務官 専任 四人 奏任
通信事務官補 専任 七人 奏任
通信技師 専任 三人
郵便局長
電信局長
通信書記
通信技手
通信書記補
専任 三百七十九人 判任
郵便所長 判任
第七条 通信管理局長ハ関東都督ノ命ヲ承ケ局務ヲ掌理ス
第八条 通信事務官及通信事務官補ハ上官ノ命ヲ承ケ事務ヲ掌ル
第九条 通信技師ハ上官ノ命ヲ承ケ技術ヲ掌ル
第十条 郵便局長及電信局長ハ通信事務官、通信事務官補又ハ通信書記ヲ以テ之ニ充ツ上官ノ命ヲ承ケ局務ヲ掌ル
第十一条 通信書記及通信書記補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ事務ニ従事ス
第十二条 通信技手ハ上官ノ指揮ヲ承ケ技術ニ従事ス
第十三条 郵便所長ハ上官ノ命ヲ承ケ所務ヲ掌ル
附 則
本令ハ明治四十一年十一月一日ヨリ之ヲ施行ス
関東都督府郵便電信局官制ハ之ヲ廃止ス