第一條 相續開始地ノ稅務署ヲ以テ相續稅ノ所轄稅務署トス
相續開始地カ相續稅法施行地ニ在ラサルトキハ同法施行地ニ在ル相續財產所在地ノ稅務署ヲ以テ所轄稅務署トス相繼財產カ二箇以上ノ稅務署管內ニ在ルトキハ其ノ主タル財產ノ所在地ノ稅務署ヲ以テ所轄稅務署トス
第二條 相續開始シタルトキハ相續人、遺言執行者又ハ相續財產管理人ハ相續稅法第十一條第一項ニ定メタル期間內ニ左ニ揭クル事項ヲ記載シタル書面ニ相續財產目錄及相續財產ノ價格中ヨリ控除セラルヘキ金額ノ明細書ヲ添附シ之ヲ所轄稅務署ニ提出スヘシ但シ相續人二人以上ナル場合ニ於テ其ノ一人ヨリ本條ニ依ル書類ヲ提出シタルトキハ他ノ相續人ハ之ヲ提出スルコトヲ要セス
五 被相續人カ相續開始前一年內ニ相續稅法施行地ニ在ル財產ニ付贈與ヲ爲シタルトキハ其ノ財產ノ價額及受贈者ノ住所氏名
前項ノ書類ヲ提出スル場合ニ於テ相續人確定セサルトキハ前項第六號及第七號ノ代リニ相續人ノ確定セサル理由ヲ記載スヘシ
前項ノ場合ニ於テ相續人確定シタルトキハ相續人、遺言執行者又ハ相續財產管理人ハ第一項第六號及第七號ニ揭クル事項ヲ記載シタル書面ヲ所轄稅務署ニ提出スヘシ
相續稅法第二十三條ニ依リ遺產相續ノ開始ト看做サルヘキ場合ニ於テハ第一項第一號乃至第三號第六號及第七號ノ事項ヲ記載シタル書面ヲ提出スルヲ以テ足ル
第三條 稅務署長ハ相續財產ノ價額ヲ評定シテ課稅價格ヲ決定シ之ヲ相續人、遺言執行者又ハ相續財產管理人ニ通知スヘシ
相續人、遺言執行者又ハ相續財產管理人ハ前項ノ決定ニ對シ其ノ說明ヲ求ムルコトヲ得
第四條 課稅價格ノ決定ニ對シ異議アル者再審査ヲ求メムトスルトキハ其ノ理由ヲ詳記シ相續稅法第十四條ニ定メタル期間內ニ所轄稅務署長ニ申出ツヘシ
第五條 稅務署長再審査ノ請求ヲ受ケタルトキハ相續稅審査委員會ノ諮問ヲ經テ課稅價格ヲ決定シ之ヲ異議申立人ニ通知スヘシ
第六條 各稅務署所轄內ニ相續稅審査委員會ヲ置ク但シ稅務署所轄內ニ在ル市又ハ北海道沖繩縣ノ區ニ付テハ大藏大臣ハ特ニ審査委員會ヲ置クコトヲ得
第七條 審査委員會ハ大藏大臣ノ命シタル收稅官吏二名及直接國稅百圓以上ヲ納ムル者三名ヲ以テ之ヲ組織ス
第九條 審査委員會ハ每年最初ノ開會ノ時ニ於テ審査委員中ヨリ會長ヲ選擧スヘシ
第十條 審査委員會ノ會長出席セサルトキハ出席シタル審査委員中ノ年長者之ヲ代理スヘシ
第十一條 審査委員會ハ定員ノ過半數ニ當ル委員出席スルニ非サレハ決議スルコトヲ得ス
議事ハ出席員ノ多數ヲ以テ之ヲ決ス可否同數ナルトキハ會長ノ決スル所ニ依ル
第十二條 審査委員ハ自己又ハ自己ノ親族ノ相續ニ關スル審査ノ議事ニ與ルコトヲ得ス
第十三條 稅務署長又ハ其ノ代理官ハ審査委員會ニ出席シテ意見ヲ陳述スルコトヲ得
第十四條 相續人二人以上ナル場合ニ於テ相續稅納付前相續財產ノ分割ヲ爲スモ相續稅ハ各相續人連帶シテ之ヲ納付スルコトヲ要ス
第十五條 相續稅ノ年賦延納ヲ求メムトスル者ハ擔保ノ種類及延納期間ヲ記シ相續稅法第十七條ノ期間內ニ所轄稅務署ニ出願スヘシ
第十七條 擔保トシテ有價證券ヲ提供セムトスル者ハ之ヲ供託シ其ノ供託受領證ヲ提出スヘシ
擔保トシテ土地建物ヲ提供シタル者アルトキハ稅務署長ハ抵當權ノ登記ヲ登記所ニ囑託スヘシ
第十八條 稅務署長ニ於テ擔保物ノ價格減少シタリト認ムルトキ又ハ保證人ノ資力納稅保證ニ堪ヘサルニ至リタリト認ムルトキハ增擔保ヲ提供セシメ又ハ保證人ヲ變換セシムルコトヲ得
第十九條 年賦延納金額ハ相續稅金額ヲ延納年間ニ平分シテ之ヲ定ム
第二十條 增擔保ヲ提供スヘキ場合ニ於テ之ヲ提供セス又ハ保證人ヲ變換スヘキ場合ニ於テ之ヲ變換セサルトキハ稅務署長ハ年賦延納ノ許可ヲ取消シ稅金ヲ一時ニ徵收スヘシ年賦延納金滯納ノ場合ニ於テモ亦同シ
第二十一條 年賦延納ノ許可ヲ受ケタル者相續稅ヲ滯納シタルトキハ擔保物アルトキハ擔保物ヲ以テ其ノ稅金ニ充テ保證人アルトキハ保證人ニ通知シテ其ノ稅金ヲ納メシム
擔保物ヲ以テ稅金ニ充ツヘキ場合ニ於テハ之ヲ公賣ニ付シ相續稅及公賣ノ費用ニ充テ不足アルトキハ之ヲ追徵シ殘餘アルトキハ之ヲ還付ス
保證人ニ於テ稅金ヲ完納セサルトキハ納稅者ニ對シ滯納處分ヲ行ヒ仍稅金ニ不足アルトキハ保證人ニ對シ滯納處分ヲ行フ
第二十二條 年賦延納ノ許可ヲ受ケタル者相續稅ヲ完納シタルトキハ稅務署長ハ擔保解除ノ手續ヲ爲スヘシ
第二十三條 相續人、遺言執行者又ハ相續財產管理人相續稅法第十一條ニ依ル書類ヲ期限迄ニ提出セサルトキハ所轄稅務署長ハ期間ヲ定メテ之ヲ催吿スヘシ
前項ノ期間內ニ書類ヲ提出セサルトキハ所轄稅務署長ハ其ノ認ムル所ニ依リ課稅價格ヲ決定スヘシ