朕中央衞生會官制ノ改正ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十八年四月二十八日
內閣總理大臣 伯爵 伊藤博文
內務大臣 子爵 野村靖
勅令第五十七號
中央衞生會官制
第一條 中央衞生會ハ內務大臣ノ監督ニ屬シ公衆衞生獸畜衞生ニ關スル事項ニ就キ各省大臣ノ諮詢ニ應シ意見ヲ開申ス
第二條 中央衞生會ハ各省主管事務中衞生ニ關スル事項ニ就テハ其ノ主任大臣ニ建議スルコトヲ得
第三條 中央衞生會ハ衞生各般ノ事項ニ關シ警視總監北海道廳長官及府縣知事ニ尋問ヲ要シ或ハ臨時會員ヲ各地方ニ派遣シテ調査檢察ヲ要スト認ムルトキハ之ヲ內務大臣ニ具申スヘシ
第四條 中央衞生會ハ議事整理ノ爲メ規則ヲ議定シ內務大臣ノ認可ヲ受クヘシ
第五條 中央衞生會ハ會長一人委員二十人以內ヲ以テ之ヲ組織ス
會長ハ勅任トス
委員ハ宮內省侍醫局長內務省警保局長內務省衞生局長內務省高等官二人陸軍省醫務局長海軍衞生會議議長帝國大學醫科大學長及醫師藥學家若干人ヲ以テ之ニ充ツ
第六條 特別ノ事件ヲ審議スル爲ニ臨時必要ノ場合ニ於テハ前條定員ノ外臨時委員ヲ命スルコトヲ得
第七條 委員中內務省高等官醫師藥學家及臨時委員ハ內務大臣ノ奏請ニ依リ內閣ニ於テ之ヲ命ス
醫師藥學家ヨリ出テタル委員ノ任期ハ四箇年トス但滿期後再任セラルヽコトヲ得
第八條 會長ハ會務ヲ總管シ議事規則ニ依リ議事ヲ整理シ其ノ決議ヲ內務大臣及主任大臣ニ具申ス
第九條 會長事故アルトキハ內務大臣ノ指名シタル委員ヲシテ事務ヲ代理セシム
第十條 中央衞生會ニ幹事一人ヲ置ク
幹事ハ奏任トス會長ノ指揮ヲ受ケ庶務ヲ整理ス
第十一條 會長及幹事ニハ俸給ヲ給セス
會長委員及幹事ニハ一箇年五百圓以內臨時委員ニハ事件ノ輕重ニ應シ其ノ都度相當ノ手當ヲ給スルコトヲ得
第十二條 中央衞生會ニ書記ヲ置キ內務屬ヲ以テ之ニ充ツ
書記ハ上官ノ指揮ヲ受ケ議事ノ筆記及庶務ニ從事ス
第十三條 書記ニハ一箇年百圓以內ノ手當ヲ給スルコトヲ得
附 則
第十四條 從前ノ委員ハ別ニ辭令ヲ用井ス本令施行ノ日ヨリ其ノ任ヲ解カレタルモノトス
朕中央衛生会官制ノ改正ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十八年四月二十八日
内閣総理大臣 伯爵 伊藤博文
内務大臣 子爵 野村靖
勅令第五十七号
中央衛生会官制
第一条 中央衛生会ハ内務大臣ノ監督ニ属シ公衆衛生獣畜衛生ニ関スル事項ニ就キ各省大臣ノ諮詢ニ応シ意見ヲ開申ス
第二条 中央衛生会ハ各省主管事務中衛生ニ関スル事項ニ就テハ其ノ主任大臣ニ建議スルコトヲ得
第三条 中央衛生会ハ衛生各般ノ事項ニ関シ警視総監北海道庁長官及府県知事ニ尋問ヲ要シ或ハ臨時会員ヲ各地方ニ派遣シテ調査検察ヲ要スト認ムルトキハ之ヲ内務大臣ニ具申スヘシ
第四条 中央衛生会ハ議事整理ノ為メ規則ヲ議定シ内務大臣ノ認可ヲ受クヘシ
第五条 中央衛生会ハ会長一人委員二十人以内ヲ以テ之ヲ組織ス
会長ハ勅任トス
委員ハ宮内省侍医局長内務省警保局長内務省衛生局長内務省高等官二人陸軍省医務局長海軍衛生会議議長帝国大学医科大学長及医師薬学家若干人ヲ以テ之ニ充ツ
第六条 特別ノ事件ヲ審議スル為ニ臨時必要ノ場合ニ於テハ前条定員ノ外臨時委員ヲ命スルコトヲ得
第七条 委員中内務省高等官医師薬学家及臨時委員ハ内務大臣ノ奏請ニ依リ内閣ニ於テ之ヲ命ス
医師薬学家ヨリ出テタル委員ノ任期ハ四箇年トス但満期後再任セラルヽコトヲ得
第八条 会長ハ会務ヲ総管シ議事規則ニ依リ議事ヲ整理シ其ノ決議ヲ内務大臣及主任大臣ニ具申ス
第九条 会長事故アルトキハ内務大臣ノ指名シタル委員ヲシテ事務ヲ代理セシム
第十条 中央衛生会ニ幹事一人ヲ置ク
幹事ハ奏任トス会長ノ指揮ヲ受ケ庶務ヲ整理ス
第十一条 会長及幹事ニハ俸給ヲ給セス
会長委員及幹事ニハ一箇年五百円以内臨時委員ニハ事件ノ軽重ニ応シ其ノ都度相当ノ手当ヲ給スルコトヲ得
第十二条 中央衛生会ニ書記ヲ置キ内務属ヲ以テ之ニ充ツ
書記ハ上官ノ指揮ヲ受ケ議事ノ筆記及庶務ニ従事ス
第十三条 書記ニハ一箇年百円以内ノ手当ヲ給スルコトヲ得
附 則
第十四条 従前ノ委員ハ別ニ辞令ヲ用井ス本令施行ノ日ヨリ其ノ任ヲ解カレタルモノトス