朕軍人恩給法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十三年六月二十日
內閣總理大臣　伯爵　山縣有朋
陸軍大臣　伯爵　大山巖
海軍大臣　子爵　樺山資紀
法律第四十五號
軍人恩給法
第一章　總則
第一條　陸海軍軍人ニシテ現役ヲ離レタル者ハ此法律ノ規定スル所ニ依リ恩給ヲ受クルノ權利ヲ有ス
第二條　陸海軍軍人恩給ハ左ノ六種トス
一　退職恩給
二　免除恩給
三　增加恩給
四　賑恤金
五　給助金
六　扶助料
第三條　退職恩給、免除恩給、增加恩給及寡婦ノ扶助料ハ終身、孤兒ノ扶助料ハ年齡滿二十歲ニ至ルマテ賑恤金、給助金ハ一時限リ之ヲ給ス
第二章　退職恩給、免除恩給、增加恩給
第四條　退職恩給ハ准士官以上左ニ揭クル事項ノ一ニ當ルトキ之ヲ給ス
一　現役十一年以上ニシテ定限ノ年齡ニ達シ又ハ定限ノ年齡ニ達セサルモ傷痍ヲ受ケ若クハ疾病ニ罹リ服役ニ堪ヘス退職シタルトキ
二　戰鬪及戰時平時ニ抅ハラス公務ノ爲メ傷痍ヲ受ケ一肢以上ノ用ヲ失ヒ若クハ之ニ準スヘキ者ニシテ退職シタルトキ
三　戰地ニ於テ流行病ニ罹リ又ハ戰時平時ニ抅ハラス公務ノ爲メ健康ニ有害ナル感動ヲ受クルヲ顧ミルコト能ハスシテ勤務ニ從事シ爲メニ一肢以上ノ用ヲ失ヒ若クハ之ニ準スヘキ者ニシテ退職シタルトキ
四　現役十一年以上ニシテ未タ定限ノ年齡ニ達セスト雖休職、停職滿期若クハ諭旨ニ依テ退職シタルトキ
第五條　免除恩給ハ下士以下左ニ揭クル事項ノ一ニ當ルトキ之ヲ給ス
一　現役十一年以上ニシテ定限ノ年齡ニ達シ又ハ定限ノ年齡ニ達セサルモ服役滿期トナリ或ハ傷痍ヲ受ケ若クハ疾病ニ罹リ服役ニ堪ヘス免官若クハ現役ヲ免除シタルトキ
二　第四條第二又ハ第三ニ由リ免官若クハ現役ヲ免除シタルトキ
第六條　退職恩給、免除恩給年額ハ軍人恩給ヲ受クヘキ事故ノ生シタルトキノ現官階ト其服役年數トニ從ヒ第一號表若クハ第二號表ニ依テ之ヲ給ス但現役四十年以上ノ者ニ給スヘキ恩給ハ四十年ノ額又十一年未滿ノ者ニ給スヘキ恩給ハ十一年ノ額トス
第七條　軍人現役十一年以上ニシテ文官ニ任シタル者又ハ文官ヲ兼任スル者十五年未滿ニシテ退官退職スルトキハ軍人ノ服役年數ニ對スル恩給ヲ給ス其十五年以上ニシテ退官退職スルトキハ文武官ヲ比較シ恩給年額ノ多キ方ヲ給ス
第八條　退職恩給、免除恩給ヲ受ケタル後再ヒ現役ニ就キ滿一年以上服役シタル者退職又ハ免官若クハ現役ヲ免除シタルトキハ左ノ區別ニ依リ恩給ヲ給ス
一　再ヒ現役ヲ離ルヽトキノ現官階當初恩給ヲ受ケタルトキノ官階ト同等ナラサルトキハ前役年數ニ再役年數ヲ通算シ再役ノ官階ニ對スル恩給ト既得ノ恩給トヲ比較シ其多キ方ヲ給ス
二　前後ノ官階同等ナルトキハ再役ノ年數ニ依リ恩給ヲ增加ス但前役十一年未滿ニシテ恩給ヲ受ケタル者ニ在テハ前後通算シテ十二年以上ニ至ラサレハ增加セス
第九條　增加恩給ハ戰鬪及戰時平時ニ抅ハラス公務ノ爲メ傷痍ヲ受ケ若クハ疾病ニ罹リ左ニ揭クル事項ノ一ニ當ル者ニ退職恩給、免除恩給ノ外特ニ給スルモノトス
一　兩眼ヲ盲シ若クハ二肢以上ヲ亡シタルトキ
二　前項ニ準スヘキ傷痍ヲ受ケ若クハ疾病ニ罹リタルトキ
三　一肢ヲ亡シ若クハ二肢ノ用ヲ失ヒタルトキ
四　前項ニ準スヘキ傷痍ヲ受ケ若クハ疾病ニ罹リタルトキ
五　一眼ヲ盲シ若クハ一肢ノ用ヲ失ヒタルトキ
六　前項ニ準スヘキ傷痍ヲ受ケ若クハ疾病ニ罹リタルトキ
第十條　增加恩給ノ年額ハ軍人之ヲ受クヘキ事故ノ生シタルトキノ現官階ニ從ヒ第三號表ニ依リ之ヲ給ス
第十一條　戰鬪及戰時平時ニ抅ハラス公務ノ爲メ傷痍ヲ受ケ若クハ疾病ニ罹リ恩給ヲ受ケ又ハ之ヲ受ケスシテ現役ヲ離レタル後重症ニ趨キタル者左ノ期限內ニ檢査ヲ願出ルトキハ策定ノ上相當ノ恩給ヲ給ス
一　一眼ヲ盲シ若クハ一肢ノ用ヲ失フニ至リタル者若クハ之ニ準スヘキ者ハ現役ヲ離レタル日ヨリ二個年
二　一肢ヲ亡シ若クハ二肢ノ用ヲ失ヒ若クハ兩眼ヲ盲シ若クハ二肢以上ヲ亡スルニ至リタル者若クハ之ニ準スヘキ者ハ現役ヲ離レタル日ヨリ三個年
第十二條　傷痍疾病ニ起因シ恩給ヲ請求スル者ハ左ノ書類ニ依リ證明スヘシ
一　傷痍疾病ノ原因ハ現認證書又ハ之ヲ證スル公文ノ寫若クハ口供書
二　傷痍疾病輕重ノ度ハ陸海軍醫官ノ證書若クハ陸海軍醫官ノ査覈ヲ經タル醫師ノ證書
第十三條　退職恩給、免除恩給、增加恩給ノ支給ハ現役ヲ離レタル日ノ翌日ヨリ始マリ死亡ノ月ヲ以テ終ルモノトス
第三章　賑恤金、給助金
第十四條　賑恤金ハ下士以下左ニ揭クル事項ノ一ニ當リ第九條第六ヨリ輕症ニシテ免除恩給ヲ受ケサル者ニ之ヲ給ス
一　戰鬪及戰地公務ノ爲メ傷痍ヲ受ケ若クハ第四條第三ニ原由スル疾病ニ罹リ現役ヲ離レタルトキ
二　戰時平時公務ノ爲メ傷痍ヲ受ケ若クハ第四條第三ニ原由スル疾病ニ罹リ現役ヲ離レタルトキ
第十五條　賑恤金ハ之ヲ受クヘキ事故ノ生シタルトキノ現官階ニ應シ前條第一ニ當ル者ハ第三號表第五項ノ一個年分ヨリ少カラス十個年分ヨリ多カラス前條第二ニ當ル者ハ同表第六項ノ一個年分ヨリ少カラス十個年分ヨリ多カラサル金額トス
第十六條　給助金ハ下士以上現役中死歿シ若クハ現役四年以上十一年未滿ニシテ現役ヲ離レ退職恩給、免除恩給ヲ受ケサル者ニ之ヲ給ス其額ハ第四號表ニ依ル
第四章　服役年
第十七條　服役年ノ始期終期ハ左ノ各項ニ依ル
第一　退職恩給、免除恩給ニ係ル服役年ノ始期
一　下士以上ハ初任ノ日陸軍兵卒ヨリ出身ノ下士以上ハ入營ノ日海軍卒ヨリ出身ノ下士以上ハ五等卒トナリタル日但第二十四條第六ニ當リタル者ハ其兵卒トナリタル日
二　陸軍兵卒ハ入營ノ日海軍卒ハ五等卒トナリタル日但第二十四條第七ニ當リタル者ハ其刑期滿限ノ翌日
三　北海道ニ移住ノ際定規ノ給助ヲ受ケタル屯田兵下士卒ヨリ出身ノ士官以上ハ其士官ニ任シタル日
四　陸軍軍人及海軍准士官以上ニシテ明治四年八月以前ヨリ勤仕ノ者ハ同月一日
五　海軍下士以下ニシテ明治二年五月一日以前ヨリ勤仕ノ者ハ同月一日
第二　給助金ニ係ル服役年ノ始期
一　下士以上初任ノ日
第三　服役年ノ終期
一　現役ヲ離レタルノ日
第十八條　左ニ揭クル日數ハ服役年ニ通算ス
一　前條ニ揭クル服役年ノ始期ヨリ終期ニ至ルマテノ日數
二　豫備後備ニ在ル者戰時若クハ事變ニ際シ召集シタルトキハ其召集中ノ日數
三　海軍軍人轉シテ陸軍軍人トナリタルトキハ海軍服務ノ日數陸軍軍人轉シテ海軍軍人トナリタルトキハ陸軍服務ノ日數
四　文官ヨリ轉シテ陸海軍軍人トナリタル者ニ在テハ恩給ヲ受クヘキ最下限ノ期ニ至ルマテハ文官服務中ノ日數四分ノ三
五　現役ノ者陸軍見習士官、海軍候補生若クハ陸海軍諸生徒トナリ再ヒ現役ニ就キタルトキハ前後ノ日數
六　現役ヲ離レタル後再ヒ現役ニ就キタルトキハ前後ノ日數
七　陸軍見習士官、海軍候補生、陸海軍諸生徒、海軍水雷夫及北海道移住ノ際定規ノ給助ヲ受ケタル屯田兵下士卒ニシテ從軍シタルトキハ其日數
第十九條　左ニ揭クル日數ハ服役年ヨリ除算ス
一　刑期中及逃走中ノ日數
二　陸軍見習士官、海軍候補生、陸海軍諸生徒中ノ日數但從軍中ノ日數ハ此限ニアラス
三　文官奉職中ノ日數ニシテ官吏恩給法ニ依リ除算スヘキ月數
四　年齡十七歲未滿ノ日數
第五章　從軍年
第二十條　從軍年ハ現役外ノ年月ト爲シ之ヲ其服役年數ニ加算スルモノトス
第二十一條　從軍年ノ加算ハ左ノ各項ニ依ルヘシ
一　外國戰ニ當リ出征軍ニ編入セラレ內國港灣ヲ出發シタルトキハ二個年
二　內國戰ニ當リ出征軍ニ編入セラレ戰地ニ臨ミタルトキハ一個年
三　臨戰合圍地境內ニ於テ服役シタルトキ外國ニ在テハ二個年內國ニ在テハ一個年
四　日本國外ノ鎭戌ニ在リタルトキハ一個年
五　出征事件ニ關シ功績アル者及一時ノ出兵ヲ出征軍ト見做シ從軍年ニ加算スヘキ場合ハ勅裁ニ依ル
第二十二條　海軍軍人ノ外國航海ハ從軍年ニ準シ內國港灣出發ノ日ヨリ一航海ヲ半個年ニ加算ス其航海十二個月ニ超エルトキハ更ニ半個年ヲ加算ス但第二十一條ニ當ルトキハ本條ヲ適用セス
第二十三條　從軍年ノ加算ハ十二個月間數囘ノ戰役ニ從ヒ若クハ航海ヲ爲スト雖モ重複シテ之ヲ算セス但其一年以上ニ亘リ十二個月ニ餘ル所ノ分數ハ更ニ一役若クハ一航海ト爲ス
第六章　恩給ヲ受クヘキ資格及權利ノ消滅停止
第二十四條　軍人左ニ揭クル事項ノ一ニ當ルトキハ退職恩給、免除恩給、增加恩給、賑恤金、給助金ヲ受クヘキ資格消滅ス
一　重罪ノ刑ニ處セラレタルトキ
二　日本臣民タルノ分限ヲ失ヒタルトキ
三　將校及相當官准士官ニ於テハ陸海軍刑法剝官ヲ附加スル禁錮ノ刑ニ處セラレ若クハ普通刑法其他ノ罰則ニ依リ禁錮ノ刑ニ處セラレ官職ヲ失ヒタルトキ
四　將校及相當官ニ於テハ陸海軍將校分限令第二條第一項第六項ニ依リ免官トナリタルトキ
五　准士官以下願ニ依リ免官若クハ現役ヲ免除シタルトキ
六　陸海軍下士陸軍上等兵看護手樂手補ニ於テハ陸海軍刑法普通刑法其他ノ罰則ニ依リ禁錮ノ刑ニ處セラレ官職ヲ失ヒ若クハ陸軍懲罰令若クハ憲兵條例第三十五條ニ依リ官職ヲ免セラレタルトキ
七　諸卒ニ於テハ普通刑法其他ノ罰則ニ依リ禁錮ノ刑ニ處セラレ若クハ陸海軍刑法ニ依リ將校ニ對シテ剝官ヲ附加スヘキ禁錮ノ刑ニ處セラレタルトキ
第二十五條　退職恩給、免除恩給、增加恩給ヲ受クル者重罪ノ刑ニ處セラレ若クハ日本臣民タルノ分限ヲ失ヒタルトキハ恩給ヲ剝奪ス
左ニ揭クル事項ノ一ニ當ルトキハ其間之ヲ停止ス
一　再ヒ現役ニ就キ若クハ文官判任以上ニ任シ政府ヨリ俸給ヲ受クルトキ
但商業ヲ營ムコトヲ得ヘキ官職ニ在ルトキハ此限ニアラス
二　公權ヲ停止セラレタルトキ
增加恩給ハ公權ヲ停止セラレタル場合ニアラサレハ停止セサルモノトス
第二十六條　恩給ハ之ヲ受クヘキ事由ノ生シタル後三個年內ニ請求セサレハ其權利ヲ抛棄シタルモノトス
第七章　扶助料
第二十七條　軍人左ニ揭クル事項ノ一ニ當ルトキハ其寡婦ハ扶助料ヲ受クルノ權利アルモノトス
一　第四條第二第三ニ當リ死歿シタルトキ
二　第四條第一第四第五條第一ニ當リ恩給ヲ受ケ又ハ之ヲ受クヘキ權利ヲ有シテ死歿シタルトキ
第二十八條　寡婦扶助料ノ年額ハ當該軍人ノ官階ト死歿ノ因由トニ依リ前條第一ニ當ルトキハ第五號表ニ依リ第二ニ當ルトキハ第六號表ニ依テ之ヲ給ス
第二十九條　扶助料ヲ受クル者左ニ揭クル事項ノ一ニ當ルトキハ其權利消滅ス
一　重罪ノ刑ニ處セラレタルトキ
二　日本臣民タルノ分限ヲ失ヒタルトキ
三　扶助料ヲ受クヘキ權利ノ生シタル日ヨリ三個年內ニ請求セサルトキ
四　死歿若クハ戶籍ヲ去リ若クハ婚嫁シタルトキ
第三十條　扶助料ヲ受クル者公權ヲ停止セラレタルトキハ其間扶助料ヲ停止ス
第三十一條　寡婦ナキトキ又ハ扶助料ヲ受クル寡婦死歿シ若クハ權利消滅シタルトキハ其扶助料ヲ孤兒ニ給ス
扶助料ヲ受クル者公權停止中ハ其轉給ヲ受クヘキ者ニ之ヲ給ス
第三十二條　孤兒扶助料ハ數子アルトキハ家名繼襲者ニ給シ非戶主軍人ノ孤兒ニ在テハ長子ニ給ス其繼襲者及長子死歿シ若クハ權利消滅シ若クハ支給期限ノ滿ツルトキハ順次年少者ニ及フモノトス但家名繼襲者ヲ除クノ外男子ヲ先ニシ女子ヲ後ニス
第三十三條　扶助料ヲ受クヘキ寡婦及孤兒ナク若クハ扶助料ヲ受ケタル寡婦及孤兒戶籍ヲ去リ若クハ死歿シ若クハ權利消滅シタルトキ父母又ハ祖父母アルトキハ寡婦ニ相當スル扶助料ノ全額ヲ其父母又ハ祖父母ニ終身給スルコトヲ得
其扶助料ハ先ツ父ニ給シ其父存在セサルトキ若クハ權利消滅シタルトキハ母ニ給ス母ヨリ祖父ニ祖父ヨリ祖母ニ轉給スルハ順次此例ニ依ル
第三十四條　扶助料ヲ受クヘキ寡婦孤兒又ハ父母祖父母ナクシテ死歿シタル軍人ノ戶籍內ニアル二十歲未滿又ハ癈疾若クハ不具ニシテ產業ヲ營ムコト能ハサル兄弟姊妹アリテ之ヲ給養スル者ナキトキハ寡婦ニ相當スル扶助料一個年分ヨリ少カラス五個年分ヨリ多カラサル金額ヲ人員ニ抅ハラス一時限リ其兄弟姊妹ニ給スルコトヲ得
第三十五條　第二十七條乃至第三十四條ヲ適用スヘキ軍人ノ寡婦父母祖父母及兄弟姊妹ハ其軍人現役中陸海軍兵籍簿ニ登記シタル者ニ限ル
第三十六條　此法律ニ於テ孤兒トハ年齡二十歲未滿ノ男女子ニシテ未タ結婚セサル者ヲ云フ但養男女子ハ家名繼襲者ニ限ル
第三十七條　扶助料ハ之ヲ受クヘキ事由ノ生シタル月ノ翌月ヨリ之ヲ給ス
雜則
第三十八條　陸軍軍人及海軍准士官以上ニシテ明治四年八月以前ヨリ勤仕ノ者退職若クハ免官スルトキハ同年七月以前ノ勤仕ニ對シテハ同年同月ノ現官等ニ相當スル月俸ノ半額ヲ以テ奉職年數ノ一個年ニ當テ其年數ニ應スル金額ヲ一時支給ス
海軍下士以下ニシテ明治二年五月以前ヨリ勤仕ノ者ハ同年四月以前ノ勤仕ニ對シテハ同年同月ノ現官等ニ相當スル月俸ノ半額ヲ以テ奉職年數ノ一個年ニ當テ其年數ニ應スル金額ヲ一時支給ス
第三十九條　豫備後備ニ在ル者平時召集中職務ノ爲メ死歿シ又ハ傷痍ヲ受ケ若クハ疾病ニ罹リ服役ニ堪ヘサルトキハ此法律ノ規定スル所ニ依リ恩給ヲ受クルノ權利ヲ有ス
屯田兵下士卒ニシテ定規ノ給助ヲ受クル者平時軍隊勤務ノ爲メ死歿シ又ハ傷痍ヲ受ケ若クハ疾病ニ罹リ服役ニ堪ヘサルトキ亦同シ
第四十條　陸軍見習士官、海軍候補生、陸海軍諸生徒定規ノ給助ヲ受クル屯田兵下士卒及海軍水雷夫ハ第四條第二第三ニ因リ死歿シ又ハ傷痍ヲ受ケ若クハ疾病ニ罹リ服役ニ堪ヘサル者ニ限リ恩給ヲ受クルノ權利ヲ有ス
第四十一條　恩給ノ支給ハ陸海軍大臣ノ證明ニ依リ恩給局ノ審査ヲ經テ內閣總理大臣之ヲ裁定ス
行政上ノ處分ニ由リ恩給ニ關スル權利ヲ障害セラレタリトスル者ハ六個月以內ニ恩給局ニ具申シテ裁決ヲ請フコトヲ得其裁決ニ服セサル者ハ一個年以內ニ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得但左ノ事件ニ關シテハ恩給局ノ裁決ハ終審確定ノモノトス
一　傷痍疾病ノ原因及其輕重
二　職務ニ堪ユルト否ラサルト
第四十二條　恩給ハ賣買讓與質入書入スルコトヲ得ス又負債ノ抵償トシテ差押フルコトヲ得ス
第四十三條　明治八年達海軍退隱令明治九年達陸軍武官恩給令明治十六年達陸軍恩給令海軍恩給令ニ依リ恩給又ハ退隱料及扶助料ヲ受クル者ハ總テ該令ニ依ルヘシ但明治九年達陸軍武官恩給令ニ依リ受ケタル傷痍恩給ヲ除クノ外其權利消滅及停止ハ此法律ニ依ル
明治七年佐賀及臺灣ノ役明治九年熊本及山口ノ役明治十年鹿兒島ノ役ニ從軍シタル者竝ニ明治十五年同十七年朝鮮國京城變亂ノ際該國ニ駐在若クハ派遣シタル者ノ從軍年計算ハ總テ從前ノ命令ニ依ル
第四十四條　此法律施行前ニ現役ヲ離レタル者ノ恩給ハ明治十六年達陸軍恩給令海軍恩給令ニ依ルヘシ但此法律施行ノ月ヨリ三個年內ニ請求セサレハ之ヲ受クヘキ權利ヲ抛棄シタルモノトス
第四十五條　此法律ハ明治二十三年七月一日ヨリ施行ス
第一號　退職恩給表
將官及相當官
佐尉官及相當官
准士官
官等
年數
親任官
勅任官
奏任官
判任官
一等
二等
一等
二等
三等
四等
五等
六等
一等
十一年
千五百圓
千二百圓
千五十圓
七百五十圓
六百圓
四百五十圓
三百圓
二百二十五圓
百八十圓
百五十圓
十二年
千五百二十五圓
千二百二十圓
千六十八圓
七百六十三圓
六百十圓
四百五十八圓
三百五圓
二百二十九圓
百八十三圓
百五十三圓
十三年
千五百五十圓
千二百四十圓
千八十五圓
七百七十五圓
六百二十圓
四百六十五圓
三百十圓
二百三十三圓
百八十六圓
百五十五圓
十四年
千五百七十五圓
千二百六十圓
千百三圓
七百八十八圓
六百三十圓
四百七十三圓
三百十五圓
二百三十七圓
百八十九圓
百五十八圓
十五年
千六百圓
千二百八十圓
千百二十圓
八百圓
六百四十圓
四百八十圓
三百二十圓
二百四十圓
百九十二圓
百六十圓
十六年
千六百二十五圓
千三百圓
千百三十八圓
八百十三圓
六百五十圓
四百八十八圓
三百二十五圓
二百四十四圓
百九十五圓
百六十三圓
十七年
千六百五十圓
千三百二十圓
千百五十五圓
八百二十五圓
六百六十圓
四百九十五圓
三百三十圓
二百四十八圓
百九十八圓
百六十五圓
十八年
千六百七十五圓
千三百四十圓
千百七十三圓
八百三十八圓
六百七十圓
五百三圓
三百三十五圓
二百五十二圓
二百一圓
百六十八圓
十九年
千七百圓
千三百六十圓
千百九十圓
八百五十圓
六百八十圓
五百十圓
三百四十圓
二百五十五圓
二百四圓
百七十圓
二十年
千七百二十五圓
千三百八十圓
千二百八圓
八百六十三圓
六百九十圓
五百十八圓
三百四十五圓
二百五十九圓
二百七圓
百七十三圓
二十一年
千七百五十圓
千四百圓
千二百二十五圓
八百七十五圓
七百圓
五百二十五圓
三百五十圓
二百六十三圓
二百十圓
百七十五圓
二十二年
千七百七十五圓
千四百二十圓
千二百四十三圓
八百八十八圓
七百十圓
五百三十三圓
三百五十五圓
二百六十七圓
二百十三圓
百七十八圓
二十三年
千八百圓
千四百四十圓
千二百六十圓
九百圓
七百二十圓
五百四十圓
三百六十圓
二百七十圓
二百十六圓
百八十圓
二十四年
千八百二十五圓
千四百六十圓
千二百七十八圓
九百十三圓
七百三十圓
五百四十八圓
三百六十五圓
二百七十四圓
二百十九圓
百八十三圓
二十五年
千八百五十圓
千四百八十圓
千二百九十五圓
九百二十五圓
七百四十圓
五百五十五圓
三百七十圓
二百七十八圓
二百二十二圓
百八十五圓
二十六年
千八百七十五圓
千五百圓
千三百十三圓
九百三十八圓
七百五十圓
五百六十三圓
三百七十五圓
二百八十二圓
二百二十五圓
百八十八圓
二十七年
千九百圓
千五百二十圓
千三百三十圓
九百五十圓
七百六十圓
五百七十圓
三百八十圓
二百八十五圓
二百二十八圓
百九十圓
二十八年
千九百二十五圓
千五百四十圓
千三百四十八圓
九百六十三圓
七百七十圓
五百七十八圓
三百八十五圓
二百八十九圓
二百三十二圓
百九十三圓
二十九年
千九百五十圓
千五百六十圓
千三百六十五圓
九百七十五圓
七百八十圓
五百八十五圓
三百九十圓
二百九十三圓
二百三十四圓
百九十五圓
三十年
千九百七十五圓
千五百八十圓
千三百八十三圓
九百八十八圓
七百九十圓
五百九十三圓
三百九十五圓
二百九十七圓
二百三十七圓
百九十八圓
三十一年
二千圓
千六百圓
千四百圓
千圓
八百圓
六百圓
四百圓
三百圓
二百四十圓
二百圓
三十二年
二千二十五圓
千六百二十圓
千四百十八圓
千十三圓
八百十圓
六百八圓
四百五圓
三百四圓
二百四十三圓
二百三圓
三十三年ー
二千五十圓
千六百四十圓
千四百三十五圓
千二十五圓
八百二十圓
六百十五圓
四百十圓
三百八圓
二百四十六圓
二百五圓
三十四年
二千七十五圓
千六百六十圓
千四百五十三圓
千三十八圓
八百三十圓
六百二十三圓
四百十五圓
三百十二圓
二百四十九圓
二百八圓
三十五年
二千百圓
千六百八十圓
千四百七十圓
千五十圓
八百四十圓
六百三十圓
四百二十圓
三百十五圓
二百五十二圓
二百十圓
三十六年
二千百二十五圓
千七百圓
千四百八十八圓
千六十三圓
八百五十圓
六百三十八圓
四百二十五圓
三百十九圓
二百五十五圓
二百十三圓
三十七年
二千百五十圓
千七百二十圓
千五百五圓
千七十五圓
八百六十圓
六百四十五圓
四百三十圓
三百二十三圓
二百五十八圓
二百十五圓
三十八年
二千百七十五圓
千七百四十圓
千五百二十三圓
千八十八圓
八百七十圓
六百五十三圓
四百三十五圓
三百二十七圓
二百六十一圓
二百十八圓
三十九年
二千二百圓
千七百六十圓
千五百四十圓
千百圓
八百八十圓
六百六十圓
四百四十圓
三百三十圓
二百六十四圓
二百二十圓
四十年
二千二百二十五圓
千七百八十圓
千五百五十八圓
千百十三圓
八百九十圓
六百六十八圓
四百四十五圓
三百三十四圓
二百六十七圓
二百二十三圓
第二號　免除恩給表
官等
下士
卒
判任官
海軍一等卒
海軍二等卒
陸軍卒
海軍三等卒
海軍四等卒
海軍五等卒
年數
二等
三等
四等
十一年
六十圓
五十四圓
四十八圓
四十四圓
四十圓
三十六圓
三十二圓
二十八圓
十二年
六十二圓
五十六圓
五十圓
四十五圓
四十一圓
三十七圓
三十三圓
二十九圓
十三年
六十四圓
五十八圓
五十二圓
四十七圓
四十二圓
三十八圓
三十四圓
三十圓
十四年
六十六圓
六十圓
五十四圓
四十九圓
四十四圓
三十九圓
三十五圓
三十一圓
十五年
六十九圓
六十二圓
五十六圓
五十一圓
四十六圓
四十一圓
三十六圓
三十二圓
十六年
七十二圓
六十五圓
五十八圓
五十三圓
四十八圓
四十三圓
三十八圓
三十三圓
十七年
七十五圓
六十八圓
六十圓
五十五圓
五十圓
四十五圓
四十圓
三十五圓
十八年
七十七圓
七十圓
六十二圓
五十六圓
五十二圓
四十六圓
四十一圓
三十六圓
十九年
七十九圓
七十二圓
六十四圓
五十八圓
五十四圓
四十七圓
四十二圓
三十五圓
二十年
八十一圓
七十四圓
六十六圓
六十圓
五十五圓
四十八圓
四十三圓
三十八圓
二十一年
八十四圓
七十六圓
六十八圓
六十二圓
五十六圓
五十圓
四十四圓
三十九圓
二十二年
八十七圓
七十八圓
七十圓
六十四圓
五十八圓
五十二圓
四十六圓
四十圓
二十三年
九十圓
八十一圓
七十二圓
六十六圓
六十圓
五十四圓
四十八圓
四十二圓
二十四年
九十二圓
八十三圓
七十四圓
六十七圓
六十一圓
五十五圓
四十九圓
四十三圓
二十五年
九十四圓
八十五圓
七十六圓
六十九圓
六十二圓
五十六圓
五十圓
四十四圓
二十六年
九十六圓
八十七圓
七十八圓
七十一圓
六十四圓
五十七圓
五十一圓
四十五圓
二十七年
九十九圓
八十九圓
八十圓
七十三圓
六十六圓
五十九圓
五十二圓
四十六圓
二十八年
百二圓
九十二圓
八十二圓
七十五圓
六十八圓
六十一圓
五十四圓
四十七圓
二十九年
百五圓
九十五圓
八十四圓
七十七圓
七十圓
六十三圓
五十六圓
四十九圓
三十年
百七圓
九十七圓
八十六圓
七十八圓
七十一圓
六十四圓
五十七圓
五十圓
三十一年
百九圓
九十九圓
八十八圓
八十圓
七十二圓
六十五圓
五十八圓
五十一圓
三十二年
百十一圓
百一圓
九十圓
八十二圓
七十四圓
六十六圓
五十九圓
五十二圓
三十三年
百十四圓
百三圓
九十二圓
八十四圓
七十六圓
六十八圓
六十圓
五十三圓
三十四年
百十七圓
百五圓
九十四圓
八十六圓
七十八圓
七十圓
六十二圓
五十四圓
三十五年
百二十圓
百八圓
九十六圓
八十八圓
八十圓
七十二圓
六十四圓
五十六圓
三十六年
百二十二圓
百十圓
九十八圓
八十九圓
八十一圓
七十三圓
六十五圓
五十七圓
三十七年
百二十四圓
百十二圓
百圓
九十一圓
八十二圓
七十四圓
六十六圓
五十八圓
三十八年
百二十六圓
百十四圓
百二圓
九十三圓
八十四圓
七十五圓
六十七圓
五十九圓
三十九年
百二十九圓
百十六圓
百四圓
九十五圓
八十六圓
七十七圓
六十八圓
六十圓
四十年
百三十二圓
百十九圓
百六圓
九十七圓
八十八圓
七十九圓
七十圓
六十一圓
第三號　負傷增加恩給表
將官及相當官
佐尉官及相當官
准士官
下士卒
官等
項目
親任官
勅任官
奏任官
判任官
海軍一等卒
海軍二等卒
陸軍卒
海軍四等卒
海軍五等卒
一等
二等
一等
二等
三等
四等
五等
六等
一等
二等
三等
四等
海軍三等卒
一項
千五十圓
八百四十圓
七百三十五圓
五百二十五圓
四百二十圓
三百十五圓
二百十圓
百五十八圓
百二十六圓
百五圓
五十三圓
四十八圓
四十二圓
三十九圓
三十五圓
三十二圓
二十八圓
二十五圓
二項
九百圓
七百二十圓
六百三十圓
四百五十圓
三百六十圓
二百七十圓
百八十圓
百三十五圓
百八圓
九十圓
四十五圓
四十一圓
三十六圓
三十二圓
三十圓
二十七圓
二十四圓
二十一圓
三項
七百五十圓
六百圓
五百二十五圓
三百七十五圓
三百圓
二百二十五圓
百五十圓
百十三圓
九十圓
七十五圓
三十八圓
三十四圓
三十圓
二十八圓
二十五圓
二十三圓
二十圓
十八圓
四項
六百圓
四百八十圓
四百二十圓
三百圓
二百四十圓
百八十圓
百二十圓
九十圓
七十三圓
六十圓
三十圓
二十七圓
二十四圓
二十二圓
二十圓
十八圓
十六圓
十四圓
五項
四百五十圓
三百六十圓
三百十五圓
二百二十五圓
百八十圓
百三十五圓
九十圓
六十八圓
五十四圓
四十五圓
二十三圓
二十一圓
十八圓
十七圓
十五圓
十四圓
十二圓
十一圓
六項
三百圓
二百四十圓
二百十圓
百五十圓
百二十圓
九十圓
六十圓
四十五圓
三十六圓
三十圓
十五圓
十四圓
十二圓
十一圓
十圓
九圓
八圓
七圓
第四號　給助金表
將官及相當官
佐尉官及相當官
准士官
下士
親任官
勅任官
奏任官
判任官
一等
二等
一等
二等
三等
四等
五等
六等
一等
二等
三等
四等
千五百圓
千二百圓
千五十圓
七百五十圓
六百圓
四百五十圓
三百圓
二百二十五圓
百八十圓
百五十圓
六十圓
五十四圓
四十八圓
第五號　戰鬪及公務ノ爲メ死歿シタル者ノ寡婦孤兒扶助料
將官及相當官
佐尉官及相當官
准士官及下士
海軍一等卒
海軍二等卒
陸軍卒
海軍四等卒
海軍五等卒
親任官
勅任官
奏任官
判任官
海軍三等卒
一等
二等
一等
二等
三等
四等
五等
六等
一等
二等
三等
四等
千圓
八百圓
七百圓
五百圓
四百圓
三百圓
二百圓
百五十圓
百二十圓
百圓
五十圓
四十六圓
四十圓
三十八圓
三十四圓
三十圓
二十八圓
二十四圓
第六號　寡婦孤兒扶助料
將官及相當官
佐尉官及相當官
准士官及下士
海軍一等卒
海軍二等卒
陸軍卒
海軍四等卒
海軍五等卒
親任官
勅任官
奏任官
判任官
海軍三等卒
一等
二等
一等
二等
三等
四等
五等
六等
一等
二等
三等
四等
五百圓
四百圓
三百五十圓
二百五十圓
二百圓
百五十圓
百圓
七十五圓
六十圓
五十圓
二十五圓
二十三圓
二十圓
十九圓
十七圓
十五圓
十四圓
十二圓
朕軍人恩給法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十三年六月二十日
内閣総理大臣　伯爵　山県有朋
陸軍大臣　伯爵　大山巌
海軍大臣　子爵　樺山資紀
法律第四十五号
軍人恩給法
第一章　総則
第一条　陸海軍軍人ニシテ現役ヲ離レタル者ハ此法律ノ規定スル所ニ依リ恩給ヲ受クルノ権利ヲ有ス
第二条　陸海軍軍人恩給ハ左ノ六種トス
一　退職恩給
二　免除恩給
三　増加恩給
四　賑恤金
五　給助金
六　扶助料
第三条　退職恩給、免除恩給、増加恩給及寡婦ノ扶助料ハ終身、孤児ノ扶助料ハ年齢満二十歳ニ至ルマテ賑恤金、給助金ハ一時限リ之ヲ給ス
第二章　退職恩給、免除恩給、増加恩給
第四条　退職恩給ハ准士官以上左ニ掲クル事項ノ一ニ当ルトキ之ヲ給ス
一　現役十一年以上ニシテ定限ノ年齢ニ達シ又ハ定限ノ年齢ニ達セサルモ傷痍ヲ受ケ若クハ疾病ニ罹リ服役ニ堪ヘス退職シタルトキ
二　戦闘及戦時平時ニ拘ハラス公務ノ為メ傷痍ヲ受ケ一肢以上ノ用ヲ失ヒ若クハ之ニ準スヘキ者ニシテ退職シタルトキ
三　戦地ニ於テ流行病ニ罹リ又ハ戦時平時ニ拘ハラス公務ノ為メ健康ニ有害ナル感動ヲ受クルヲ顧ミルコト能ハスシテ勤務ニ従事シ為メニ一肢以上ノ用ヲ失ヒ若クハ之ニ準スヘキ者ニシテ退職シタルトキ
四　現役十一年以上ニシテ未タ定限ノ年齢ニ達セスト雖休職、停職満期若クハ諭旨ニ依テ退職シタルトキ
第五条　免除恩給ハ下士以下左ニ掲クル事項ノ一ニ当ルトキ之ヲ給ス
一　現役十一年以上ニシテ定限ノ年齢ニ達シ又ハ定限ノ年齢ニ達セサルモ服役満期トナリ或ハ傷痍ヲ受ケ若クハ疾病ニ罹リ服役ニ堪ヘス免官若クハ現役ヲ免除シタルトキ
二　第四条第二又ハ第三ニ由リ免官若クハ現役ヲ免除シタルトキ
第六条　退職恩給、免除恩給年額ハ軍人恩給ヲ受クヘキ事故ノ生シタルトキノ現官階ト其服役年数トニ従ヒ第一号表若クハ第二号表ニ依テ之ヲ給ス但現役四十年以上ノ者ニ給スヘキ恩給ハ四十年ノ額又十一年未満ノ者ニ給スヘキ恩給ハ十一年ノ額トス
第七条　軍人現役十一年以上ニシテ文官ニ任シタル者又ハ文官ヲ兼任スル者十五年未満ニシテ退官退職スルトキハ軍人ノ服役年数ニ対スル恩給ヲ給ス其十五年以上ニシテ退官退職スルトキハ文武官ヲ比較シ恩給年額ノ多キ方ヲ給ス
第八条　退職恩給、免除恩給ヲ受ケタル後再ヒ現役ニ就キ満一年以上服役シタル者退職又ハ免官若クハ現役ヲ免除シタルトキハ左ノ区別ニ依リ恩給ヲ給ス
一　再ヒ現役ヲ離ルヽトキノ現官階当初恩給ヲ受ケタルトキノ官階ト同等ナラサルトキハ前役年数ニ再役年数ヲ通算シ再役ノ官階ニ対スル恩給ト既得ノ恩給トヲ比較シ其多キ方ヲ給ス
二　前後ノ官階同等ナルトキハ再役ノ年数ニ依リ恩給ヲ増加ス但前役十一年未満ニシテ恩給ヲ受ケタル者ニ在テハ前後通算シテ十二年以上ニ至ラサレハ増加セス
第九条　増加恩給ハ戦闘及戦時平時ニ拘ハラス公務ノ為メ傷痍ヲ受ケ若クハ疾病ニ罹リ左ニ掲クル事項ノ一ニ当ル者ニ退職恩給、免除恩給ノ外特ニ給スルモノトス
一　両眼ヲ盲シ若クハ二肢以上ヲ亡シタルトキ
二　前項ニ準スヘキ傷痍ヲ受ケ若クハ疾病ニ罹リタルトキ
三　一肢ヲ亡シ若クハ二肢ノ用ヲ失ヒタルトキ
四　前項ニ準スヘキ傷痍ヲ受ケ若クハ疾病ニ罹リタルトキ
五　一眼ヲ盲シ若クハ一肢ノ用ヲ失ヒタルトキ
六　前項ニ準スヘキ傷痍ヲ受ケ若クハ疾病ニ罹リタルトキ
第十条　増加恩給ノ年額ハ軍人之ヲ受クヘキ事故ノ生シタルトキノ現官階ニ従ヒ第三号表ニ依リ之ヲ給ス
第十一条　戦闘及戦時平時ニ拘ハラス公務ノ為メ傷痍ヲ受ケ若クハ疾病ニ罹リ恩給ヲ受ケ又ハ之ヲ受ケスシテ現役ヲ離レタル後重症ニ趨キタル者左ノ期限内ニ検査ヲ願出ルトキハ策定ノ上相当ノ恩給ヲ給ス
一　一眼ヲ盲シ若クハ一肢ノ用ヲ失フニ至リタル者若クハ之ニ準スヘキ者ハ現役ヲ離レタル日ヨリ二個年
二　一肢ヲ亡シ若クハ二肢ノ用ヲ失ヒ若クハ両眼ヲ盲シ若クハ二肢以上ヲ亡スルニ至リタル者若クハ之ニ準スヘキ者ハ現役ヲ離レタル日ヨリ三個年
第十二条　傷痍疾病ニ起因シ恩給ヲ請求スル者ハ左ノ書類ニ依リ証明スヘシ
一　傷痍疾病ノ原因ハ現認証書又ハ之ヲ証スル公文ノ写若クハ口供書
二　傷痍疾病軽重ノ度ハ陸海軍医官ノ証書若クハ陸海軍医官ノ査覈ヲ経タル医師ノ証書
第十三条　退職恩給、免除恩給、増加恩給ノ支給ハ現役ヲ離レタル日ノ翌日ヨリ始マリ死亡ノ月ヲ以テ終ルモノトス
第三章　賑恤金、給助金
第十四条　賑恤金ハ下士以下左ニ掲クル事項ノ一ニ当リ第九条第六ヨリ軽症ニシテ免除恩給ヲ受ケサル者ニ之ヲ給ス
一　戦闘及戦地公務ノ為メ傷痍ヲ受ケ若クハ第四条第三ニ原由スル疾病ニ罹リ現役ヲ離レタルトキ
二　戦時平時公務ノ為メ傷痍ヲ受ケ若クハ第四条第三ニ原由スル疾病ニ罹リ現役ヲ離レタルトキ
第十五条　賑恤金ハ之ヲ受クヘキ事故ノ生シタルトキノ現官階ニ応シ前条第一ニ当ル者ハ第三号表第五項ノ一個年分ヨリ少カラス十個年分ヨリ多カラス前条第二ニ当ル者ハ同表第六項ノ一個年分ヨリ少カラス十個年分ヨリ多カラサル金額トス
第十六条　給助金ハ下士以上現役中死歿シ若クハ現役四年以上十一年未満ニシテ現役ヲ離レ退職恩給、免除恩給ヲ受ケサル者ニ之ヲ給ス其額ハ第四号表ニ依ル
第四章　服役年
第十七条　服役年ノ始期終期ハ左ノ各項ニ依ル
第一　退職恩給、免除恩給ニ係ル服役年ノ始期
一　下士以上ハ初任ノ日陸軍兵卒ヨリ出身ノ下士以上ハ入営ノ日海軍卒ヨリ出身ノ下士以上ハ五等卒トナリタル日但第二十四条第六ニ当リタル者ハ其兵卒トナリタル日
二　陸軍兵卒ハ入営ノ日海軍卒ハ五等卒トナリタル日但第二十四条第七ニ当リタル者ハ其刑期満限ノ翌日
三　北海道ニ移住ノ際定規ノ給助ヲ受ケタル屯田兵下士卒ヨリ出身ノ士官以上ハ其士官ニ任シタル日
四　陸軍軍人及海軍准士官以上ニシテ明治四年八月以前ヨリ勤仕ノ者ハ同月一日
五　海軍下士以下ニシテ明治二年五月一日以前ヨリ勤仕ノ者ハ同月一日
第二　給助金ニ係ル服役年ノ始期
一　下士以上初任ノ日
第三　服役年ノ終期
一　現役ヲ離レタルノ日
第十八条　左ニ掲クル日数ハ服役年ニ通算ス
一　前条ニ掲クル服役年ノ始期ヨリ終期ニ至ルマテノ日数
二　予備後備ニ在ル者戦時若クハ事変ニ際シ召集シタルトキハ其召集中ノ日数
三　海軍軍人転シテ陸軍軍人トナリタルトキハ海軍服務ノ日数陸軍軍人転シテ海軍軍人トナリタルトキハ陸軍服務ノ日数
四　文官ヨリ転シテ陸海軍軍人トナリタル者ニ在テハ恩給ヲ受クヘキ最下限ノ期ニ至ルマテハ文官服務中ノ日数四分ノ三
五　現役ノ者陸軍見習士官、海軍候補生若クハ陸海軍諸生徒トナリ再ヒ現役ニ就キタルトキハ前後ノ日数
六　現役ヲ離レタル後再ヒ現役ニ就キタルトキハ前後ノ日数
七　陸軍見習士官、海軍候補生、陸海軍諸生徒、海軍水雷夫及北海道移住ノ際定規ノ給助ヲ受ケタル屯田兵下士卒ニシテ従軍シタルトキハ其日数
第十九条　左ニ掲クル日数ハ服役年ヨリ除算ス
一　刑期中及逃走中ノ日数
二　陸軍見習士官、海軍候補生、陸海軍諸生徒中ノ日数但従軍中ノ日数ハ此限ニアラス
三　文官奉職中ノ日数ニシテ官吏恩給法ニ依リ除算スヘキ月数
四　年齢十七歳未満ノ日数
第五章　従軍年
第二十条　従軍年ハ現役外ノ年月ト為シ之ヲ其服役年数ニ加算スルモノトス
第二十一条　従軍年ノ加算ハ左ノ各項ニ依ルヘシ
一　外国戦ニ当リ出征軍ニ編入セラレ内国港湾ヲ出発シタルトキハ二個年
二　内国戦ニ当リ出征軍ニ編入セラレ戦地ニ臨ミタルトキハ一個年
三　臨戦合囲地境内ニ於テ服役シタルトキ外国ニ在テハ二個年内国ニ在テハ一個年
四　日本国外ノ鎮戌ニ在リタルトキハ一個年
五　出征事件ニ関シ功績アル者及一時ノ出兵ヲ出征軍ト見做シ従軍年ニ加算スヘキ場合ハ勅裁ニ依ル
第二十二条　海軍軍人ノ外国航海ハ従軍年ニ準シ内国港湾出発ノ日ヨリ一航海ヲ半個年ニ加算ス其航海十二個月ニ超エルトキハ更ニ半個年ヲ加算ス但第二十一条ニ当ルトキハ本条ヲ適用セス
第二十三条　従軍年ノ加算ハ十二個月間数回ノ戦役ニ従ヒ若クハ航海ヲ為スト雖モ重複シテ之ヲ算セス但其一年以上ニ亘リ十二個月ニ余ル所ノ分数ハ更ニ一役若クハ一航海ト為ス
第六章　恩給ヲ受クヘキ資格及権利ノ消滅停止
第二十四条　軍人左ニ掲クル事項ノ一ニ当ルトキハ退職恩給、免除恩給、増加恩給、賑恤金、給助金ヲ受クヘキ資格消滅ス
一　重罪ノ刑ニ処セラレタルトキ
二　日本臣民タルノ分限ヲ失ヒタルトキ
三　将校及相当官准士官ニ於テハ陸海軍刑法剥官ヲ附加スル禁錮ノ刑ニ処セラレ若クハ普通刑法其他ノ罰則ニ依リ禁錮ノ刑ニ処セラレ官職ヲ失ヒタルトキ
四　将校及相当官ニ於テハ陸海軍将校分限令第二条第一項第六項ニ依リ免官トナリタルトキ
五　准士官以下願ニ依リ免官若クハ現役ヲ免除シタルトキ
六　陸海軍下士陸軍上等兵看護手楽手補ニ於テハ陸海軍刑法普通刑法其他ノ罰則ニ依リ禁錮ノ刑ニ処セラレ官職ヲ失ヒ若クハ陸軍懲罰令若クハ憲兵条例第三十五条ニ依リ官職ヲ免セラレタルトキ
七　諸卒ニ於テハ普通刑法其他ノ罰則ニ依リ禁錮ノ刑ニ処セラレ若クハ陸海軍刑法ニ依リ将校ニ対シテ剥官ヲ附加スヘキ禁錮ノ刑ニ処セラレタルトキ
第二十五条　退職恩給、免除恩給、増加恩給ヲ受クル者重罪ノ刑ニ処セラレ若クハ日本臣民タルノ分限ヲ失ヒタルトキハ恩給ヲ剥奪ス
左ニ掲クル事項ノ一ニ当ルトキハ其間之ヲ停止ス
一　再ヒ現役ニ就キ若クハ文官判任以上ニ任シ政府ヨリ俸給ヲ受クルトキ
但商業ヲ営ムコトヲ得ヘキ官職ニ在ルトキハ此限ニアラス
二　公権ヲ停止セラレタルトキ
増加恩給ハ公権ヲ停止セラレタル場合ニアラサレハ停止セサルモノトス
第二十六条　恩給ハ之ヲ受クヘキ事由ノ生シタル後三個年内ニ請求セサレハ其権利ヲ抛棄シタルモノトス
第七章　扶助料
第二十七条　軍人左ニ掲クル事項ノ一ニ当ルトキハ其寡婦ハ扶助料ヲ受クルノ権利アルモノトス
一　第四条第二第三ニ当リ死歿シタルトキ
二　第四条第一第四第五条第一ニ当リ恩給ヲ受ケ又ハ之ヲ受クヘキ権利ヲ有シテ死歿シタルトキ
第二十八条　寡婦扶助料ノ年額ハ当該軍人ノ官階ト死歿ノ因由トニ依リ前条第一ニ当ルトキハ第五号表ニ依リ第二ニ当ルトキハ第六号表ニ依テ之ヲ給ス
第二十九条　扶助料ヲ受クル者左ニ掲クル事項ノ一ニ当ルトキハ其権利消滅ス
一　重罪ノ刑ニ処セラレタルトキ
二　日本臣民タルノ分限ヲ失ヒタルトキ
三　扶助料ヲ受クヘキ権利ノ生シタル日ヨリ三個年内ニ請求セサルトキ
四　死歿若クハ戸籍ヲ去リ若クハ婚嫁シタルトキ
第三十条　扶助料ヲ受クル者公権ヲ停止セラレタルトキハ其間扶助料ヲ停止ス
第三十一条　寡婦ナキトキ又ハ扶助料ヲ受クル寡婦死歿シ若クハ権利消滅シタルトキハ其扶助料ヲ孤児ニ給ス
扶助料ヲ受クル者公権停止中ハ其転給ヲ受クヘキ者ニ之ヲ給ス
第三十二条　孤児扶助料ハ数子アルトキハ家名継襲者ニ給シ非戸主軍人ノ孤児ニ在テハ長子ニ給ス其継襲者及長子死歿シ若クハ権利消滅シ若クハ支給期限ノ満ツルトキハ順次年少者ニ及フモノトス但家名継襲者ヲ除クノ外男子ヲ先ニシ女子ヲ後ニス
第三十三条　扶助料ヲ受クヘキ寡婦及孤児ナク若クハ扶助料ヲ受ケタル寡婦及孤児戸籍ヲ去リ若クハ死歿シ若クハ権利消滅シタルトキ父母又ハ祖父母アルトキハ寡婦ニ相当スル扶助料ノ全額ヲ其父母又ハ祖父母ニ終身給スルコトヲ得
其扶助料ハ先ツ父ニ給シ其父存在セサルトキ若クハ権利消滅シタルトキハ母ニ給ス母ヨリ祖父ニ祖父ヨリ祖母ニ転給スルハ順次此例ニ依ル
第三十四条　扶助料ヲ受クヘキ寡婦孤児又ハ父母祖父母ナクシテ死歿シタル軍人ノ戸籍内ニアル二十歳未満又ハ廃疾若クハ不具ニシテ産業ヲ営ムコト能ハサル兄弟姉妹アリテ之ヲ給養スル者ナキトキハ寡婦ニ相当スル扶助料一個年分ヨリ少カラス五個年分ヨリ多カラサル金額ヲ人員ニ拘ハラス一時限リ其兄弟姉妹ニ給スルコトヲ得
第三十五条　第二十七条乃至第三十四条ヲ適用スヘキ軍人ノ寡婦父母祖父母及兄弟姉妹ハ其軍人現役中陸海軍兵籍簿ニ登記シタル者ニ限ル
第三十六条　此法律ニ於テ孤児トハ年齢二十歳未満ノ男女子ニシテ未タ結婚セサル者ヲ云フ但養男女子ハ家名継襲者ニ限ル
第三十七条　扶助料ハ之ヲ受クヘキ事由ノ生シタル月ノ翌月ヨリ之ヲ給ス
雑則
第三十八条　陸軍軍人及海軍准士官以上ニシテ明治四年八月以前ヨリ勤仕ノ者退職若クハ免官スルトキハ同年七月以前ノ勤仕ニ対シテハ同年同月ノ現官等ニ相当スル月俸ノ半額ヲ以テ奉職年数ノ一個年ニ当テ其年数ニ応スル金額ヲ一時支給ス
海軍下士以下ニシテ明治二年五月以前ヨリ勤仕ノ者ハ同年四月以前ノ勤仕ニ対シテハ同年同月ノ現官等ニ相当スル月俸ノ半額ヲ以テ奉職年数ノ一個年ニ当テ其年数ニ応スル金額ヲ一時支給ス
第三十九条　予備後備ニ在ル者平時召集中職務ノ為メ死歿シ又ハ傷痍ヲ受ケ若クハ疾病ニ罹リ服役ニ堪ヘサルトキハ此法律ノ規定スル所ニ依リ恩給ヲ受クルノ権利ヲ有ス
屯田兵下士卒ニシテ定規ノ給助ヲ受クル者平時軍隊勤務ノ為メ死歿シ又ハ傷痍ヲ受ケ若クハ疾病ニ罹リ服役ニ堪ヘサルトキ亦同シ
第四十条　陸軍見習士官、海軍候補生、陸海軍諸生徒定規ノ給助ヲ受クル屯田兵下士卒及海軍水雷夫ハ第四条第二第三ニ因リ死歿シ又ハ傷痍ヲ受ケ若クハ疾病ニ罹リ服役ニ堪ヘサル者ニ限リ恩給ヲ受クルノ権利ヲ有ス
第四十一条　恩給ノ支給ハ陸海軍大臣ノ証明ニ依リ恩給局ノ審査ヲ経テ内閣総理大臣之ヲ裁定ス
行政上ノ処分ニ由リ恩給ニ関スル権利ヲ障害セラレタリトスル者ハ六個月以内ニ恩給局ニ具申シテ裁決ヲ請フコトヲ得其裁決ニ服セサル者ハ一個年以内ニ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得但左ノ事件ニ関シテハ恩給局ノ裁決ハ終審確定ノモノトス
一　傷痍疾病ノ原因及其軽重
二　職務ニ堪ユルト否ラサルト
第四十二条　恩給ハ売買譲与質入書入スルコトヲ得ス又負債ノ抵償トシテ差押フルコトヲ得ス
第四十三条　明治八年達海軍退隠令明治九年達陸軍武官恩給令明治十六年達陸軍恩給令海軍恩給令ニ依リ恩給又ハ退隠料及扶助料ヲ受クル者ハ総テ該令ニ依ルヘシ但明治九年達陸軍武官恩給令ニ依リ受ケタル傷痍恩給ヲ除クノ外其権利消滅及停止ハ此法律ニ依ル
明治七年佐賀及台湾ノ役明治九年熊本及山口ノ役明治十年鹿児島ノ役ニ従軍シタル者並ニ明治十五年同十七年朝鮮国京城変乱ノ際該国ニ駐在若クハ派遣シタル者ノ従軍年計算ハ総テ従前ノ命令ニ依ル
第四十四条　此法律施行前ニ現役ヲ離レタル者ノ恩給ハ明治十六年達陸軍恩給令海軍恩給令ニ依ルヘシ但此法律施行ノ月ヨリ三個年内ニ請求セサレハ之ヲ受クヘキ権利ヲ抛棄シタルモノトス
第四十五条　此法律ハ明治二十三年七月一日ヨリ施行ス
第一号　退職恩給表
将官及相当官
佐尉官及相当官
准士官
官等
年数
親任官
勅任官
奏任官
判任官
一等
二等
一等
二等
三等
四等
五等
六等
一等
十一年
千五百円
千二百円
千五十円
七百五十円
六百円
四百五十円
三百円
二百二十五円
百八十円
百五十円
十二年
千五百二十五円
千二百二十円
千六十八円
七百六十三円
六百十円
四百五十八円
三百五円
二百二十九円
百八十三円
百五十三円
十三年
千五百五十円
千二百四十円
千八十五円
七百七十五円
六百二十円
四百六十五円
三百十円
二百三十三円
百八十六円
百五十五円
十四年
千五百七十五円
千二百六十円
千百三円
七百八十八円
六百三十円
四百七十三円
三百十五円
二百三十七円
百八十九円
百五十八円
十五年
千六百円
千二百八十円
千百二十円
八百円
六百四十円
四百八十円
三百二十円
二百四十円
百九十二円
百六十円
十六年
千六百二十五円
千三百円
千百三十八円
八百十三円
六百五十円
四百八十八円
三百二十五円
二百四十四円
百九十五円
百六十三円
十七年
千六百五十円
千三百二十円
千百五十五円
八百二十五円
六百六十円
四百九十五円
三百三十円
二百四十八円
百九十八円
百六十五円
十八年
千六百七十五円
千三百四十円
千百七十三円
八百三十八円
六百七十円
五百三円
三百三十五円
二百五十二円
二百一円
百六十八円
十九年
千七百円
千三百六十円
千百九十円
八百五十円
六百八十円
五百十円
三百四十円
二百五十五円
二百四円
百七十円
二十年
千七百二十五円
千三百八十円
千二百八円
八百六十三円
六百九十円
五百十八円
三百四十五円
二百五十九円
二百七円
百七十三円
二十一年
千七百五十円
千四百円
千二百二十五円
八百七十五円
七百円
五百二十五円
三百五十円
二百六十三円
二百十円
百七十五円
二十二年
千七百七十五円
千四百二十円
千二百四十三円
八百八十八円
七百十円
五百三十三円
三百五十五円
二百六十七円
二百十三円
百七十八円
二十三年
千八百円
千四百四十円
千二百六十円
九百円
七百二十円
五百四十円
三百六十円
二百七十円
二百十六円
百八十円
二十四年
千八百二十五円
千四百六十円
千二百七十八円
九百十三円
七百三十円
五百四十八円
三百六十五円
二百七十四円
二百十九円
百八十三円
二十五年
千八百五十円
千四百八十円
千二百九十五円
九百二十五円
七百四十円
五百五十五円
三百七十円
二百七十八円
二百二十二円
百八十五円
二十六年
千八百七十五円
千五百円
千三百十三円
九百三十八円
七百五十円
五百六十三円
三百七十五円
二百八十二円
二百二十五円
百八十八円
二十七年
千九百円
千五百二十円
千三百三十円
九百五十円
七百六十円
五百七十円
三百八十円
二百八十五円
二百二十八円
百九十円
二十八年
千九百二十五円
千五百四十円
千三百四十八円
九百六十三円
七百七十円
五百七十八円
三百八十五円
二百八十九円
二百三十二円
百九十三円
二十九年
千九百五十円
千五百六十円
千三百六十五円
九百七十五円
七百八十円
五百八十五円
三百九十円
二百九十三円
二百三十四円
百九十五円
三十年
千九百七十五円
千五百八十円
千三百八十三円
九百八十八円
七百九十円
五百九十三円
三百九十五円
二百九十七円
二百三十七円
百九十八円
三十一年
二千円
千六百円
千四百円
千円
八百円
六百円
四百円
三百円
二百四十円
二百円
三十二年
二千二十五円
千六百二十円
千四百十八円
千十三円
八百十円
六百八円
四百五円
三百四円
二百四十三円
二百三円
三十三年ー
二千五十円
千六百四十円
千四百三十五円
千二十五円
八百二十円
六百十五円
四百十円
三百八円
二百四十六円
二百五円
三十四年
二千七十五円
千六百六十円
千四百五十三円
千三十八円
八百三十円
六百二十三円
四百十五円
三百十二円
二百四十九円
二百八円
三十五年
二千百円
千六百八十円
千四百七十円
千五十円
八百四十円
六百三十円
四百二十円
三百十五円
二百五十二円
二百十円
三十六年
二千百二十五円
千七百円
千四百八十八円
千六十三円
八百五十円
六百三十八円
四百二十五円
三百十九円
二百五十五円
二百十三円
三十七年
二千百五十円
千七百二十円
千五百五円
千七十五円
八百六十円
六百四十五円
四百三十円
三百二十三円
二百五十八円
二百十五円
三十八年
二千百七十五円
千七百四十円
千五百二十三円
千八十八円
八百七十円
六百五十三円
四百三十五円
三百二十七円
二百六十一円
二百十八円
三十九年
二千二百円
千七百六十円
千五百四十円
千百円
八百八十円
六百六十円
四百四十円
三百三十円
二百六十四円
二百二十円
四十年
二千二百二十五円
千七百八十円
千五百五十八円
千百十三円
八百九十円
六百六十八円
四百四十五円
三百三十四円
二百六十七円
二百二十三円
第二号　免除恩給表
官等
下士
卒
判任官
海軍一等卒
海軍二等卒
陸軍卒
海軍三等卒
海軍四等卒
海軍五等卒
年数
二等
三等
四等
十一年
六十円
五十四円
四十八円
四十四円
四十円
三十六円
三十二円
二十八円
十二年
六十二円
五十六円
五十円
四十五円
四十一円
三十七円
三十三円
二十九円
十三年
六十四円
五十八円
五十二円
四十七円
四十二円
三十八円
三十四円
三十円
十四年
六十六円
六十円
五十四円
四十九円
四十四円
三十九円
三十五円
三十一円
十五年
六十九円
六十二円
五十六円
五十一円
四十六円
四十一円
三十六円
三十二円
十六年
七十二円
六十五円
五十八円
五十三円
四十八円
四十三円
三十八円
三十三円
十七年
七十五円
六十八円
六十円
五十五円
五十円
四十五円
四十円
三十五円
十八年
七十七円
七十円
六十二円
五十六円
五十二円
四十六円
四十一円
三十六円
十九年
七十九円
七十二円
六十四円
五十八円
五十四円
四十七円
四十二円
三十五円
二十年
八十一円
七十四円
六十六円
六十円
五十五円
四十八円
四十三円
三十八円
二十一年
八十四円
七十六円
六十八円
六十二円
五十六円
五十円
四十四円
三十九円
二十二年
八十七円
七十八円
七十円
六十四円
五十八円
五十二円
四十六円
四十円
二十三年
九十円
八十一円
七十二円
六十六円
六十円
五十四円
四十八円
四十二円
二十四年
九十二円
八十三円
七十四円
六十七円
六十一円
五十五円
四十九円
四十三円
二十五年
九十四円
八十五円
七十六円
六十九円
六十二円
五十六円
五十円
四十四円
二十六年
九十六円
八十七円
七十八円
七十一円
六十四円
五十七円
五十一円
四十五円
二十七年
九十九円
八十九円
八十円
七十三円
六十六円
五十九円
五十二円
四十六円
二十八年
百二円
九十二円
八十二円
七十五円
六十八円
六十一円
五十四円
四十七円
二十九年
百五円
九十五円
八十四円
七十七円
七十円
六十三円
五十六円
四十九円
三十年
百七円
九十七円
八十六円
七十八円
七十一円
六十四円
五十七円
五十円
三十一年
百九円
九十九円
八十八円
八十円
七十二円
六十五円
五十八円
五十一円
三十二年
百十一円
百一円
九十円
八十二円
七十四円
六十六円
五十九円
五十二円
三十三年
百十四円
百三円
九十二円
八十四円
七十六円
六十八円
六十円
五十三円
三十四年
百十七円
百五円
九十四円
八十六円
七十八円
七十円
六十二円
五十四円
三十五年
百二十円
百八円
九十六円
八十八円
八十円
七十二円
六十四円
五十六円
三十六年
百二十二円
百十円
九十八円
八十九円
八十一円
七十三円
六十五円
五十七円
三十七年
百二十四円
百十二円
百円
九十一円
八十二円
七十四円
六十六円
五十八円
三十八年
百二十六円
百十四円
百二円
九十三円
八十四円
七十五円
六十七円
五十九円
三十九年
百二十九円
百十六円
百四円
九十五円
八十六円
七十七円
六十八円
六十円
四十年
百三十二円
百十九円
百六円
九十七円
八十八円
七十九円
七十円
六十一円
第三号　負傷増加恩給表
将官及相当官
佐尉官及相当官
准士官
下士卒
官等
項目
親任官
勅任官
奏任官
判任官
海軍一等卒
海軍二等卒
陸軍卒
海軍四等卒
海軍五等卒
一等
二等
一等
二等
三等
四等
五等
六等
一等
二等
三等
四等
海軍三等卒
一項
千五十円
八百四十円
七百三十五円
五百二十五円
四百二十円
三百十五円
二百十円
百五十八円
百二十六円
百五円
五十三円
四十八円
四十二円
三十九円
三十五円
三十二円
二十八円
二十五円
二項
九百円
七百二十円
六百三十円
四百五十円
三百六十円
二百七十円
百八十円
百三十五円
百八円
九十円
四十五円
四十一円
三十六円
三十二円
三十円
二十七円
二十四円
二十一円
三項
七百五十円
六百円
五百二十五円
三百七十五円
三百円
二百二十五円
百五十円
百十三円
九十円
七十五円
三十八円
三十四円
三十円
二十八円
二十五円
二十三円
二十円
十八円
四項
六百円
四百八十円
四百二十円
三百円
二百四十円
百八十円
百二十円
九十円
七十三円
六十円
三十円
二十七円
二十四円
二十二円
二十円
十八円
十六円
十四円
五項
四百五十円
三百六十円
三百十五円
二百二十五円
百八十円
百三十五円
九十円
六十八円
五十四円
四十五円
二十三円
二十一円
十八円
十七円
十五円
十四円
十二円
十一円
六項
三百円
二百四十円
二百十円
百五十円
百二十円
九十円
六十円
四十五円
三十六円
三十円
十五円
十四円
十二円
十一円
十円
九円
八円
七円
第四号　給助金表
将官及相当官
佐尉官及相当官
准士官
下士
親任官
勅任官
奏任官
判任官
一等
二等
一等
二等
三等
四等
五等
六等
一等
二等
三等
四等
千五百円
千二百円
千五十円
七百五十円
六百円
四百五十円
三百円
二百二十五円
百八十円
百五十円
六十円
五十四円
四十八円
第五号　戦闘及公務ノ為メ死歿シタル者ノ寡婦孤児扶助料
将官及相当官
佐尉官及相当官
准士官及下士
海軍一等卒
海軍二等卒
陸軍卒
海軍四等卒
海軍五等卒
親任官
勅任官
奏任官
判任官
海軍三等卒
一等
二等
一等
二等
三等
四等
五等
六等
一等
二等
三等
四等
千円
八百円
七百円
五百円
四百円
三百円
二百円
百五十円
百二十円
百円
五十円
四十六円
四十円
三十八円
三十四円
三十円
二十八円
二十四円
第六号　寡婦孤児扶助料
将官及相当官
佐尉官及相当官
准士官及下士
海軍一等卒
海軍二等卒
陸軍卒
海軍四等卒
海軍五等卒
親任官
勅任官
奏任官
判任官
海軍三等卒
一等
二等
一等
二等
三等
四等
五等
六等
一等
二等
三等
四等
五百円
四百円
三百五十円
二百五十円
二百円
百五十円
百円
七十五円
六十円
五十円
二十五円
二十三円
二十円
十九円
十七円
十五円
十四円
十二円