学校教育法等の一部を改正する法律
法令番号: 法律第49号
公布年月日: 平成16年5月21日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

児童生徒の食生活の乱れに対応するため、学校での食に関する指導の充実が重要となっており、栄養の専門性を持つ教育職員の設置が必要となっている。また、医療技術の高度化や医薬分業の進展に伴い、医薬品の安全使用や薬害防止への社会的要請が高まる中、薬剤師には医療の担い手としての積極的な役割が求められている。そのため、臨床に係る実践的能力を持つ薬剤師養成を目的とした大学における薬学教育の改善充実が必要である。これらの観点から、栄養教諭制度の創設及び大学における薬学教育の修業年限の延長を図るものである。

参照した発言:
第159回国会 衆議院 文部科学委員会 第11号

審議経過

第159回国会

衆議院
(平成16年4月14日)
(平成16年4月16日)
(平成16年4月20日)
(平成16年4月21日)
(平成16年4月23日)
(平成16年4月27日)
(平成16年4月27日)
参議院
(平成16年4月27日)
(平成16年5月11日)
(平成16年5月13日)
(平成16年5月14日)
学校教育法等の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十六年五月二十一日
内閣総理大臣 小泉純一郎
法律第四十九号
学校教育法等の一部を改正する法律
(学校教育法の一部改正)
第一条 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)の一部を次のように改正する。
第二十八条第二項中「ほか、」の下に「栄養教諭その他」を加え、同条第七項の次に次の一項を加える。
栄養教諭は、児童の栄養の指導及び管理をつかさどる。
第五十一条中「第十一項まで」を「第十二項まで」に改める。
第五十一条の八第二項中「ほか」の下に「、栄養教諭」を加える。
第五十一条の九第一項中「第十一項まで」を「第十二項まで」に改める。
第五十五条第二項中「、歯学」を「を履修する課程、歯学を履修する課程、薬学を履修する課程のうち臨床に係る実践的な能力を培うことを主たる目的とするもの」に改める。
第七十条及び第七十条の十中「第二十八条第八項」を「第二十八条第九項」に改める。
第八十二条中「及び第九項から第十一項まで」を「、第八項及び第十項から第十二項まで」に改める。
(市町村立学校職員給与負担法の一部改正)
第二条 市町村立学校職員給与負担法(昭和二十三年法律第百三十五号)の一部を次のように改正する。
第一条中「養護教諭」の下に「、栄養教諭」を、「規定する職員」の下に「のうち栄養教諭以外の者」を加える。
附則第三項中「規定する職員」の下に「のうち栄養教諭以外の者」を加える。
(教育公務員特例法の一部改正)
第三条 教育公務員特例法(昭和二十四年法律第一号)の一部を次のように改正する。
第二条第二項中「養護助教諭」の下に「、栄養教諭」を加える。
第二十六条第一項各号列記以外の部分中「養護教諭」の下に「、栄養教諭」を加え、同項第一号中「養護教諭の専修免許状」の下に「、栄養教諭にあつては同法に規定する栄養教諭の専修免許状」を加え、同項第二号中「又は養護教諭の一種免許状」を「、養護教諭の一種免許状又は栄養教諭の一種免許状」に改め、「別表第六」の下に「、別表第六の二」を加え、同項第三号中「別表第六」の下に「、別表第六の二」を加え、同条第二項中「養護教諭」の下に「、栄養教諭」を加える。
第二十七条第一項及び第二十八条中「養護教諭」の下に「、栄養教諭」を加える。
(教育職員免許法の一部改正)
第四条 教育職員免許法(昭和二十四年法律第百四十七号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項中「養護助教諭」の下に「、栄養教諭」を加える。
第三条第三項及び第四項中「及び養護助教諭」を「、養護助教諭及び栄養教諭」に改める。
第四条第二項中「及び養護教諭の免許状」を「、養護教諭の免許状及び栄養教諭の免許状」に改める。
第五条第一項中「若しくは第二」を「、第二若しくは第二の二」に改める。
第六条第二項中「第六」の下に「、第六の二」を加える。
附則第四項中「第六条第二項別表第三」及び「同項別表第三」を「別表第三」に、「同項別表第五」を「別表第五」に改める。
附則第五項中「第六条第二項別表第三」を「別表第三」に改める。
附則第九項の表備考第一号中「第五条第一項別表第一備考第一号」を「別表第一備考第一号」に、「第六条第二項別表第三備考第六号」を「別表第三備考第六号」に改める。
附則第十一項中「第五条第一項別表第一」を「別表第一」に改める。
附則第十三項中「第六条第二項別表第六」を「別表第六」に改める。
附則に次の一項を加える。
18 次の表の第二欄に掲げる基礎資格を有する者(学校給食法(昭和二十九年法律第百六十号)第五条の三に規定する職員のうち栄養教諭以外の者に限る。)に対して教育職員検定により次の表の第一欄に掲げる栄養教諭の一種免許状又は二種免許状を授与する場合における学力及び実務の検定は、当分の間、第六条第二項の規定にかかわらず、次の表の第三欄及び第四欄の定めるところによる。
第一欄
第二欄
第三欄
第四欄
所要資格      受けようとする免許状の種類
基礎資格
第二欄に規定する基礎資格を取得した後、学校給食法第五条の三に規定する職員として良好な成績で勤務した旨の実務証明責任者の証明を有することを必要とする最低在職年数
第二欄に規定する基礎資格を取得した後、大学において修得することを必要とする最低単位数
栄養教諭
一種免許状
栄養士法(昭和二十二年法律第二百四十五号)第二条第三項の規定により管理栄養士の免許を受けていること又は同法第五条の三第四号の規定により指定された管理栄養士養成施設の課程を修了し、同法第二条第一項の規定により栄養士の免許を受けていること。
一〇
二種免許状
栄養士法第二条第一項の規定により栄養士の免許を受けていること。
備考
一 別表第一備考第一号及び別表第三備考第六号の規定は、この表の場合について準用する。
二 この表の規定により栄養教諭の免許状を受けようとする者が、この法律の規定により教諭又は養護教諭の普通免許状を有するときは、第三欄に定める最低在職年数に満たない在職期間(一年未満の期間を含む。)があるときも、当該在職年数を満たすものとみなし、第四欄中「一〇」とあり、及び「八」とあるのは、「二」と読み替えるものとする。
別表第一備考第二号中「別表第二」の下に「及び別表第二の二」を加え、同表備考第二号の三中「ものとする」の下に「(別表第二の二の場合においても同様とする。)」を加え、同表備考第四号及び第五号中「別表第二」の下に「及び別表第二の二」を加え、同表備考第七号中「ものとする」の下に「(別表第二の二の場合においても同様とする。)」を加える。
別表第二の次に次の一表を加える。
別表第二の二(第五条関係)
第一欄
第二欄
第三欄
所要資格    免許状の種類
基礎資格
大学において修得することを必要とする最低単位数
栄養に係る教育に関する科目
教職に関する科目
栄養に係る教育又は教職に関する科目
栄養教諭
専修免許状
修士の学位を有すること及び栄養士法第二条第三項の規定により管理栄養士の免許を受けていること。
一八
二四
一種免許状
学士の学位を有すること、かつ、栄養士法第二条第三項の規定により管理栄養士の免許を受けていること又は同法第五条の三第四号の規定により指定された管理栄養士養成施設の課程を修了し、同法第二条第一項の規定により栄養士の免許を受けていること。
一八
二種免許状
学校教育法第六十九条の二第七項に定める準学士の称号を有すること及び栄養士法第二条第一項の規定により栄養士の免許を受けていること。
一二
備考
一 第二欄の「学士の学位を有すること」には、文部科学大臣がこれと同等以上の資格を有すると認めた場合を含むものとする。
二 第三欄の「大学」には、文部科学大臣の指定する教員養成機関を含むものとする。
別表第三備考第一号、第二号及び第四号から第六号までの規定中「別表第六」の下に「、別表第六の二」を加え、同表備考第七号中「別表第六」の下に「及び別表第六の二」を加える。
別表第六の次に次の一表を加える。
別表第六の二(第六条関係)
第一欄
第二欄
第三欄
第四欄
所要資格  受けようとする免許状の種類
有することを必要とする栄養教諭の免許状の種類
第二欄に定める各免許状を取得した後、栄養教諭として良好な勤務成績で勤務した旨の実務証明責任者の証明を有することを必要とする最低在職年数
第二欄に定める各免許状を取得した後、大学において修得することを必要とする最低単位数
栄養教諭
専修免許状
一種免許状
一五
一種免許状
二種免許状
四〇
備考 この表の規定により一種免許状を受けようとする者が、栄養士法第二条第三項の規定により管理栄養士の免許を受けている場合においては、一種免許状の項第三欄に定める最低在職年数に満たない在職期間(一年未満の期間を含む。)があるときも、当該在職年数を満たすものとみなし、同項第四欄中「四〇」とあるのは、「八」と読み替えるものとする。
(学校給食法の一部改正)
第五条 学校給食法(昭和二十九年法律第百六十号)の一部を次のように改正する。
第五条の三の見出しを「(学校給食栄養管理者)」に改め、同条中「職員は、」の下に「教育職員免許法(昭和二十四年法律第百四十七号)第四条第二項に規定する栄養教諭の免許状を有する者又は」を加え、「又は経験」を「若しくは経験」に改める。
(女子教職員の出産に際しての補助教職員の確保に関する法律の一部改正)
第六条 女子教職員の出産に際しての補助教職員の確保に関する法律(昭和三十年法律第百二十五号)の一部を次のように改正する。
第二条第二項中「養護教諭」の下に「、栄養教諭」を加え、「栄養士法(昭和二十二年法律第二百四十五号)第二条第一項の規定による栄養士の免許を有する者で学校給食の実施に必要な知識又は経験を有し、かつ、学校給食の栄養に関する専門的事項をつかさどるもの」を「学校給食法(昭和二十九年法律第百六十号)第五条の三に規定する職員のうち栄養教諭以外の者」に改める。
第三条第三項中「(昭和二十九年法律第百六十号)」を削る。
(地方教育行政の組織及び運営に関する法律及び公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部改正)
第七条 次に掲げる法律の規定中「養護教諭」の下に「、栄養教諭」を加える。
一 地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和三十一年法律第百六十二号)第四十七条の二第一項
二 公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(昭和四十六年法律第七十七号)第二条第二項
(公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部改正)
第八条 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律(昭和三十三年法律第百十六号)の一部を次のように改正する。
第二条第三項中「養護教諭」の下に「、栄養教諭」を、「規定する職員」の下に「のうち栄養教諭以外の者」を加える。
第八条の二中「学校栄養職員」を「栄養教諭及び学校栄養職員(以下「栄養教諭等」という。)」に改める。
第十三条の二中「学校栄養職員」を「栄養教諭等」に改める。
第十五条中「寄宿舎指導員、学校栄養職員」を「栄養教諭等、寄宿舎指導員」に改め、同条第二号中「学校栄養職員」を「栄養教諭等」に改める。
第十七条第一項中「養護教諭」の下に「、栄養教諭」を加える。
附 則
この法律は、平成十七年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第一条中学校教育法第五十五条第二項の改正規定 平成十八年四月一日
二 第四条の規定 平成十六年七月一日
財務大臣 谷垣禎一
文部科学大臣 河村建夫
内閣総理大臣 小泉純一郎