イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法
法令番号: 法律第百三十七号
公布年月日: 平成15年8月1日
法令の形式: 法律
イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法をここに公布する。
御名御璽
平成十五年八月一日
内閣総理大臣 小泉純一郎
法律第百三十七号
イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法
目次
第一章
総則(第一条―第三条)
第二章
対応措置等(第四条―第十七条)
第三章
雑則(第十八条―第二十一条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、イラク特別事態(国際連合安全保障理事会決議第六百七十八号、第六百八十七号及び第千四百四十一号並びにこれらに関連する同理事会決議に基づき国際連合加盟国によりイラクに対して行われた武力行使並びにこれに引き続く事態をいう。以下同じ。)を受けて、国家の速やかな再建を図るためにイラクにおいて行われている国民生活の安定と向上、民主的な手段による統治組織の設立等に向けたイラクの国民による自主的な努力を支援し、及び促進しようとする国際社会の取組に関し、我が国がこれに主体的かつ積極的に寄与するため、国際連合安全保障理事会決議第千四百八十三号を踏まえ、人道復興支援活動及び安全確保支援活動を行うこととし、もってイラクの国家の再建を通じて我が国を含む国際社会の平和及び安全の確保に資することを目的とする。
(基本原則)
第二条 政府は、この法律に基づく人道復興支援活動又は安全確保支援活動(以下「対応措置」という。)を適切かつ迅速に実施することにより、前条に規定する国際社会の取組に我が国として主体的かつ積極的に寄与し、もってイラクの国家の再建を通じて我が国を含む国際社会の平和及び安全の確保に努めるものとする。
2 対応措置の実施は、武力による威嚇又は武力の行使に当たるものであってはならない。
3 対応措置については、我が国領域及び現に戦闘行為(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為をいう。以下同じ。)が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる次に掲げる地域において実施するものとする。
一 外国の領域(当該対応措置が行われることについて当該外国の同意がある場合に限る。ただし、イラクにあっては、国際連合安全保障理事会決議第千四百八十三号その他の政令で定める国際連合の総会又は安全保障理事会の決議に従ってイラクにおいて施政を行う機関の同意によることができる。)
二 公海(海洋法に関する国際連合条約に規定する排他的経済水域を含む。第八条第五項及び第十四条第一項において同じ。)及びその上空
4 内閣総理大臣は、対応措置の実施に当たり、第四条第一項に規定する基本計画に基づいて、内閣を代表して行政各部を指揮監督する。
5 関係行政機関の長は、前条の目的を達成するため、対応措置の実施に関し、内閣総理大臣及び防衛庁長官に協力するものとする。
(定義等)
第三条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 人道復興支援活動 イラクの国民に対して医療その他の人道上の支援を行い若しくはイラクの復興を支援することを国際連合加盟国に対して要請する国際連合安全保障理事会決議第千四百八十三号又はこれに関連する政令で定める国際連合の総会若しくは安全保障理事会の決議に基づき、人道的精神に基づいてイラク特別事態によって被害を受け若しくは受けるおそれがあるイラクの住民その他の者(以下「被災民」という。)を救援し若しくはイラク特別事態によって生じた被害を復旧するため、又はイラクの復興を支援するために我が国が実施する措置をいう。
二 安全確保支援活動 イラクの国内における安全及び安定を回復するために貢献することを国際連合加盟国に対して要請する国際連合安全保障理事会決議第千四百八十三号又はこれに関連する政令で定める国際連合の総会若しくは安全保障理事会の決議に基づき、国際連合加盟国が行うイラクの国内における安全及び安定を回復する活動を支援するために我が国が実施する措置をいう。
三 関係行政機関 次に掲げる機関で政令で定めるものをいう。
イ 内閣府並びに内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第四十九条第一項及び第二項に規定する機関並びに国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項に規定する機関
ロ 内閣府設置法第四十条及び第五十六条並びに国家行政組織法第八条の三に規定する特別の機関
四 人道復興関係国際機関 国際連合難民高等弁務官事務所その他国際連合の総会若しくは安全保障理事会によって設立された機関若しくは国際連合の専門機関又は我が国が締結した条約その他の国際約束により設立された国際機関であって人道復興支援活動に関するものとして政令で定める国際機関をいう。
2 人道復興支援活動として実施される業務は、次に掲げるもの(これらの業務にそれぞれ附帯する業務を含む。)とする。
一 医療
二 被災民の帰還の援助、被災民に対する食糧、衣料、医薬品その他の生活関連物資の配布又は被災民の収容施設の設置
三 被災民の生活若しくはイラクの復興を支援する上で必要な施設若しくは設備の復旧若しくは整備又はイラク特別事態によって汚染その他の被害を受けた自然環境の復旧
四 行政事務に関する助言又は指導
五 前各号に掲げるもののほか、人道的精神に基づいて被災民を救援し若しくはイラク特別事態によって生じた被害を復旧するため、又はイラクの復興を支援するために我が国が実施する輸送、保管(備蓄を含む。)、通信、建設、修理若しくは整備、補給又は消毒
3 安全確保支援活動として実施される業務は、国際連合加盟国が行うイラクの国内における安全及び安定を回復する活動を支援するために我が国が実施する医療、輸送、保管(備蓄を含む。)、通信、建設、修理若しくは整備、補給又は消毒(これらの業務にそれぞれ附帯する業務を含む。)とする。
第二章 対応措置等
(基本計画)
第四条 内閣総理大臣は、対応措置のいずれかを実施することが必要であると認めるときは、当該対応措置を実施すること及び当該対応措置に関する基本計画(以下「基本計画」という。)の案につき閣議の決定を求めなければならない。
2 基本計画に定める事項は、次のとおりとする。
一 対応措置に関する基本方針
二 対応措置を実施する場合における次に掲げる事項
イ 当該対応措置に係る基本的事項
ロ 当該対応措置の種類及び内容
ハ 当該対応措置を実施する区域の範囲及び当該区域の指定に関する事項
ニ 当該対応措置を自衛隊が外国の領域で実施する場合には、当該対応措置を外国の領域で実施する自衛隊の部隊等(自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第八条に規定する部隊等をいう。以下同じ。)の規模及び構成並びに装備並びに派遣期間
ホ 国際連合、人道復興関係国際機関又は国際連合加盟国(第十八条において「国際連合等」という。)に無償又は時価よりも低い対価で譲渡するために関係行政機関がその事務又は事業の用に供し又は供していた物品以外の物品を調達する場合には、その実施に係る重要事項
ヘ その他当該対応措置の実施に関する重要事項
三 対応措置の実施のための関係行政機関の連絡調整に関する事項
3 第一項の規定は、基本計画の変更について準用する。
4 対応措置を外国の領域で実施する場合には、当該外国(イラクにあっては、第二条第三項第一号の政令で定める国際連合の総会又は安全保障理事会の決議に従ってイラクにおいて施政を行う機関を含む。)及び人道復興関係国際機関その他の関係機関と協議して、実施する区域の範囲を定めるものとする。
(国会への報告)
第五条 内閣総理大臣は、次に掲げる事項を、遅滞なく、国会に報告しなければならない。
一 基本計画の決定又は変更があったときは、その内容
二 基本計画に定める対応措置が終了したときは、その結果
(国会の承認)
第六条 内閣総理大臣は、基本計画に定められた自衛隊の部隊等が実施する対応措置については、当該対応措置を開始した日(防衛庁長官が第八条第二項の規定により当該対応措置の実施を自衛隊の部隊等に命じた日をいう。)から二十日以内に国会に付議して、当該対応措置の実施につき国会の承認を求めなければならない。ただし、国会が閉会中の場合又は衆議院が解散されている場合には、その後最初に召集される国会において、速やかに、その承認を求めなければならない。
2 政府は、前項の場合において不承認の議決があったときは、速やかに、当該対応措置を終了させなければならない。
(本府による対応措置の実施)
第七条 内閣総理大臣又はその委任を受けた者は、基本計画に従い、対応措置として実施される業務としての物品の提供(次条第一項に規定する物品の提供を除く。)を行うものとする。
2 内閣総理大臣は、基本計画に従い、対応措置として実施される業務としての役務の提供(次条第二項に規定する役務の提供を除く。)を行うものとする。この場合において、内閣総理大臣は、イラク復興支援職員(一般職に属する国家公務員のうち対応措置に従事する内閣府本府(以下「本府」という。)の職員をいう。以下同じ。)にその実施を命ずるものとする。
3 前二項に定めるもののほか、本府による対応措置の実施に関し必要な事項は、政令で定める。
(自衛隊による対応措置の実施)
第八条 内閣総理大臣又はその委任を受けた者は、基本計画に従い、対応措置として実施される業務としての物品の提供(自衛隊に属する物品の提供に限る。)を行うものとする。
2 防衛庁長官は、基本計画に従い、対応措置として実施される業務としての役務の提供(自衛隊による役務の提供に限る。)について実施要項を定め、これについて内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の部隊等にその実施を命ずるものとする。
3 防衛庁長官は、前項の実施要項において、対応措置を実施する区域(以下この条において「実施区域」という。)を指定するものとする。
4 防衛庁長官は、実施区域の全部又は一部がこの法律又は基本計画に定められた要件を満たさないものとなった場合には、速やかに、その指定を変更し、又はそこで実施されている活動の中断を命じなければならない。
5 対応措置のうち公海若しくはその上空又は外国の領域における活動の実施を命ぜられた自衛隊の部隊等の長又はその指定する者は、当該活動を実施している場所の近傍において、戦闘行為が行われるに至った場合又は付近の状況等に照らして戦闘行為が行われることが予測される場合には、当該活動の実施を一時休止し又は避難するなどして当該戦闘行為による危険を回避しつつ、前項の規定による措置を待つものとする。
6 自衛隊の部隊等が対応措置として実施する業務には、次に掲げるものを含まないものとする。
一 武器(弾薬を含む。第十八条において同じ。)の提供
二 戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機に対する給油及び整備
7 自衛隊の部隊等は、外国の領域において対応措置を実施するに当たり、外務大臣の指定する在外公館と密接に連絡を保つものとする。
8 外務大臣の指定する在外公館長は、外務大臣の命を受け、自衛隊による対応措置の実施のため必要な協力を行うものとする。
9 第二項の規定は、同項の実施要項の変更(第四項の規定により実施区域を縮小する変更を除く。)について準用する。
(配慮事項)
第九条 内閣総理大臣及び防衛庁長官は、対応措置の実施に当たっては、その円滑かつ効果的な推進に努めるとともに、イラク復興支援職員及び自衛隊の部隊等の安全の確保に配慮しなければならない。
(イラク復興支援職員の採用)
第十条 内閣総理大臣は、対応措置に従事させるため、当該対応措置に従事することを志望する者のうちから、選考により、任期を定めてイラク復興支援職員を採用することができる。
2 内閣総理大臣は、前項の規定による採用に当たり、関係行政機関若しくは地方公共団体又は民間の団体の協力を得て、広く人材の確保に努めるものとする。
(行政機関の職員の定員に関する法律の特例)
第十一条 行政機関の職員の定員に関する法律(昭和四十四年法律第三十三号)第一条及び第二条の規定にかかわらず、前条第一項の規定により採用されるイラク復興支援職員の定員は、政令で定めるところにより、同法第一条第一項及び第二条の定員に含まないものとする。
(関係行政機関の職員の派遣)
第十二条 内閣総理大臣は、関係行政機関の長に対し、基本計画に従い、対応措置を実施するため必要な技術、能力等を有する職員(国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第二条第三項各号に掲げる者を除く。)を本府に派遣するよう要請することができる。
2 関係行政機関の長は、前項の規定による要請があったときは、その所掌事務に支障を生じない限度において、同項の職員に該当する職員を期間を定めて本府に派遣するものとする。
3 前項の規定により派遣された職員は、従前の官職を保有したまま、同項の期間を任期としてイラク復興支援職員に任用されるものとする。
4 前項の規定により従前の官職を保有したままイラク復興支援職員に任用される者は、内閣総理大臣の指揮監督の下に対応措置に従事する。
(国家公務員法の適用除外)
第十三条 第十条第一項の規定により採用されるイラク復興支援職員については、イラク復興支援職員になる前に、国家公務員法第百三条第一項に規定する営利企業(以下この条において「営利企業」という。)を営むことを目的とする団体の役員、顧問若しくは評議員(以下この条において「役員等」という。)の職に就き、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員等の職に就き、若しくは事業に従事し、若しくは事務を行っていた場合においても、同項及び同法第百四条の規定は、適用しない。
(イラク人道復興支援等手当)
第十四条 我が国以外の領域(公海を含む。)において対応措置に従事する者には、対応措置が行われる地域の勤務環境及び対応措置の特質にかんがみ、イラク人道復興支援等手当を支給することができる。
2 前項のイラク人道復興支援等手当に関し必要な事項は、政令で定める。
3 内閣総理大臣は、前項の政令の制定又は改廃に際しては、人事院の意見を聴かなければならない。
(国家公務員災害補償法等の読替え)
第十五条 イラク人道復興支援等手当が支給される者に係る国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一号)第四条第二項及び防衛庁の職員の給与等に関する法律(昭和二十七年法律第二百六十六号)第二十七条第二項ただし書の規定の適用については、これらの規定中「及び国際平和協力手当」とあるのは、「、国際平和協力手当及びイラク人道復興支援等手当」とする。
(関係行政機関の協力)
第十六条 内閣総理大臣及び防衛庁長官は、対応措置を実施するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、その所管に属する物品の管理換えその他の協力を要請することができる。
2 関係行政機関の長は、前項の規定による要請があったときは、その所掌事務に支障を生じない限度において、同項の協力を行うものとする。
(武器の使用)
第十七条 対応措置の実施を命ぜられた自衛隊の部隊等の自衛官は、自己又は自己と共に現場に所在する他の自衛隊員(自衛隊法第二条第五項に規定する隊員をいう。)、イラク復興支援職員若しくはその職務を行うに伴い自己の管理の下に入った者の生命又は身体を防衛するためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で、第四条第二項第二号ニの規定により基本計画に定める装備である武器を使用することができる。
2 前項の規定による武器の使用は、当該現場に上官が在るときは、その命令によらなければならない。ただし、生命又は身体に対する侵害又は危難が切迫し、その命令を受けるいとまがないときは、この限りでない。
3 第一項の場合において、当該現場に在る上官は、統制を欠いた武器の使用によりかえって生命若しくは身体に対する危険又は事態の混乱を招くこととなることを未然に防止し、当該武器の使用が同項及び次項の規定に従いその目的の範囲内において適正に行われることを確保する見地から必要な命令をするものとする。
4 第一項の規定による武器の使用に際しては、刑法(明治四十年法律第四十五号)第三十六条又は第三十七条の規定に該当する場合を除いては、人に危害を与えてはならない。
第三章 雑則
(物品の譲渡及び無償貸付け)
第十八条 内閣総理大臣又はその委任を受けた者は、本府又は自衛隊に属する物品(武器を除く。)につき、国際連合等からその活動の用に供するため当該物品の譲渡又は無償貸付けを求める旨の申出があった場合において、当該活動の円滑な実施に必要であると認めるときは、その所掌事務に支障を生じない限度において、当該申出に係る物品を当該国際連合等に対し無償若しくは時価よりも低い対価で譲渡し、又は無償で貸し付けることができる。
(民間の協力等)
第十九条 内閣総理大臣及び防衛庁長官は、前章の規定による措置によっては対応措置を十分に実施することができないと認めるときは、関係行政機関の長の協力を得て、物品の譲渡若しくは貸付け又は役務の提供について国以外の者に協力を求めることができる。
2 政府は、前項の規定により協力を求められた国以外の者に対し適正な対価を支払うとともに、その者が当該協力により損失を受けた場合には、その損失に関し、必要な財政上の措置を講ずるものとする。
(その他の措置)
第二十条 政府は、前章の規定による措置を実施するほか、イラク特別事態を受けて、国家の速やかな再建を図るためにイラクにおいて行われている国民生活の安定と向上、民主的な手段による統治組織の設立等に向けたイラクの国民による自主的な努力を支援し、及び促進するよう努めるものとする。
(政令への委任)
第二十一条 この法律に特別の定めがあるもののほか、この法律の実施のための手続その他この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。
(この法律の失効等)
第二条 この法律は、施行の日から起算して四年を経過した日に、その効力を失う。ただし、その日より前に、対応措置を実施する必要がないと認められるに至ったときは、速やかに廃止するものとする。
第三条 前条の規定にかかわらず、施行の日から起算して四年を経過する日以後においても対応措置を実施する必要があると認められるに至ったときは、別に法律で定めるところにより、同日から起算して四年以内の期間を定めて、その効力を延長することができる。
第四条 前条の規定は、同条(この条において準用する場合を含む。)の規定により効力を延長した後その定めた期間を経過しようとする場合について準用する。
(自衛隊法の一部改正)
第五条 自衛隊法の一部を次のように改正する。
附則中第三十三項を第三十五項とし、第十九項から第三十二項までを二項ずつ繰り下げ、第十八項の次に次の二項を加える。
19 内閣総理大臣又はその委任を受けた者は、イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法(平成十五年法律第百三十七号)がその効力を有する間、同法の定めるところにより、自衛隊の任務遂行に支障を生じない限度において、対応措置としての物品の提供を実施することができる。
20 長官は、イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法がその効力を有する間、同法の定めるところにより、自衛隊の任務遂行に支障を生じない限度において、部隊等に対応措置としての役務の提供を行わせることができる。
(内閣府設置法の一部改正)
第六条 内閣府設置法の一部を次のように改正する。
附則第二条第四項中「前三項」を「前各項」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項の次に次の一項を加える。
4 内閣府は、第三条第二項の任務を達成するため、第四条第三項各号及び前三項に掲げる事務のほか、イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法(平成十五年法律第百三十七号)がその効力を有する間、同法第二条第一項に規定する対応措置(自衛隊が実施するものを除く。)の実施に関する事務をつかさどる。
内閣総理大臣 小泉純一郎
総務大臣 片山虎之助
法務大臣 森山眞弓
外務大臣 川口順子
財務大臣 塩川正十郎
文部科学大臣 遠山敦子
厚生労働大臣 坂口力
農林水産大臣 亀井善之
経済産業大臣 平沼赳夫
国土交通大臣 林寛子
環境大臣 鈴木俊一
イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法をここに公布する。
御名御璽
平成十五年八月一日
内閣総理大臣 小泉純一郎
法律第百三十七号
イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法
目次
第一章
総則(第一条―第三条)
第二章
対応措置等(第四条―第十七条)
第三章
雑則(第十八条―第二十一条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、イラク特別事態(国際連合安全保障理事会決議第六百七十八号、第六百八十七号及び第千四百四十一号並びにこれらに関連する同理事会決議に基づき国際連合加盟国によりイラクに対して行われた武力行使並びにこれに引き続く事態をいう。以下同じ。)を受けて、国家の速やかな再建を図るためにイラクにおいて行われている国民生活の安定と向上、民主的な手段による統治組織の設立等に向けたイラクの国民による自主的な努力を支援し、及び促進しようとする国際社会の取組に関し、我が国がこれに主体的かつ積極的に寄与するため、国際連合安全保障理事会決議第千四百八十三号を踏まえ、人道復興支援活動及び安全確保支援活動を行うこととし、もってイラクの国家の再建を通じて我が国を含む国際社会の平和及び安全の確保に資することを目的とする。
(基本原則)
第二条 政府は、この法律に基づく人道復興支援活動又は安全確保支援活動(以下「対応措置」という。)を適切かつ迅速に実施することにより、前条に規定する国際社会の取組に我が国として主体的かつ積極的に寄与し、もってイラクの国家の再建を通じて我が国を含む国際社会の平和及び安全の確保に努めるものとする。
2 対応措置の実施は、武力による威嚇又は武力の行使に当たるものであってはならない。
3 対応措置については、我が国領域及び現に戦闘行為(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為をいう。以下同じ。)が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる次に掲げる地域において実施するものとする。
一 外国の領域(当該対応措置が行われることについて当該外国の同意がある場合に限る。ただし、イラクにあっては、国際連合安全保障理事会決議第千四百八十三号その他の政令で定める国際連合の総会又は安全保障理事会の決議に従ってイラクにおいて施政を行う機関の同意によることができる。)
二 公海(海洋法に関する国際連合条約に規定する排他的経済水域を含む。第八条第五項及び第十四条第一項において同じ。)及びその上空
4 内閣総理大臣は、対応措置の実施に当たり、第四条第一項に規定する基本計画に基づいて、内閣を代表して行政各部を指揮監督する。
5 関係行政機関の長は、前条の目的を達成するため、対応措置の実施に関し、内閣総理大臣及び防衛庁長官に協力するものとする。
(定義等)
第三条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 人道復興支援活動 イラクの国民に対して医療その他の人道上の支援を行い若しくはイラクの復興を支援することを国際連合加盟国に対して要請する国際連合安全保障理事会決議第千四百八十三号又はこれに関連する政令で定める国際連合の総会若しくは安全保障理事会の決議に基づき、人道的精神に基づいてイラク特別事態によって被害を受け若しくは受けるおそれがあるイラクの住民その他の者(以下「被災民」という。)を救援し若しくはイラク特別事態によって生じた被害を復旧するため、又はイラクの復興を支援するために我が国が実施する措置をいう。
二 安全確保支援活動 イラクの国内における安全及び安定を回復するために貢献することを国際連合加盟国に対して要請する国際連合安全保障理事会決議第千四百八十三号又はこれに関連する政令で定める国際連合の総会若しくは安全保障理事会の決議に基づき、国際連合加盟国が行うイラクの国内における安全及び安定を回復する活動を支援するために我が国が実施する措置をいう。
三 関係行政機関 次に掲げる機関で政令で定めるものをいう。
イ 内閣府並びに内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第四十九条第一項及び第二項に規定する機関並びに国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項に規定する機関
ロ 内閣府設置法第四十条及び第五十六条並びに国家行政組織法第八条の三に規定する特別の機関
四 人道復興関係国際機関 国際連合難民高等弁務官事務所その他国際連合の総会若しくは安全保障理事会によって設立された機関若しくは国際連合の専門機関又は我が国が締結した条約その他の国際約束により設立された国際機関であって人道復興支援活動に関するものとして政令で定める国際機関をいう。
2 人道復興支援活動として実施される業務は、次に掲げるもの(これらの業務にそれぞれ附帯する業務を含む。)とする。
一 医療
二 被災民の帰還の援助、被災民に対する食糧、衣料、医薬品その他の生活関連物資の配布又は被災民の収容施設の設置
三 被災民の生活若しくはイラクの復興を支援する上で必要な施設若しくは設備の復旧若しくは整備又はイラク特別事態によって汚染その他の被害を受けた自然環境の復旧
四 行政事務に関する助言又は指導
五 前各号に掲げるもののほか、人道的精神に基づいて被災民を救援し若しくはイラク特別事態によって生じた被害を復旧するため、又はイラクの復興を支援するために我が国が実施する輸送、保管(備蓄を含む。)、通信、建設、修理若しくは整備、補給又は消毒
3 安全確保支援活動として実施される業務は、国際連合加盟国が行うイラクの国内における安全及び安定を回復する活動を支援するために我が国が実施する医療、輸送、保管(備蓄を含む。)、通信、建設、修理若しくは整備、補給又は消毒(これらの業務にそれぞれ附帯する業務を含む。)とする。
第二章 対応措置等
(基本計画)
第四条 内閣総理大臣は、対応措置のいずれかを実施することが必要であると認めるときは、当該対応措置を実施すること及び当該対応措置に関する基本計画(以下「基本計画」という。)の案につき閣議の決定を求めなければならない。
2 基本計画に定める事項は、次のとおりとする。
一 対応措置に関する基本方針
二 対応措置を実施する場合における次に掲げる事項
イ 当該対応措置に係る基本的事項
ロ 当該対応措置の種類及び内容
ハ 当該対応措置を実施する区域の範囲及び当該区域の指定に関する事項
ニ 当該対応措置を自衛隊が外国の領域で実施する場合には、当該対応措置を外国の領域で実施する自衛隊の部隊等(自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第八条に規定する部隊等をいう。以下同じ。)の規模及び構成並びに装備並びに派遣期間
ホ 国際連合、人道復興関係国際機関又は国際連合加盟国(第十八条において「国際連合等」という。)に無償又は時価よりも低い対価で譲渡するために関係行政機関がその事務又は事業の用に供し又は供していた物品以外の物品を調達する場合には、その実施に係る重要事項
ヘ その他当該対応措置の実施に関する重要事項
三 対応措置の実施のための関係行政機関の連絡調整に関する事項
3 第一項の規定は、基本計画の変更について準用する。
4 対応措置を外国の領域で実施する場合には、当該外国(イラクにあっては、第二条第三項第一号の政令で定める国際連合の総会又は安全保障理事会の決議に従ってイラクにおいて施政を行う機関を含む。)及び人道復興関係国際機関その他の関係機関と協議して、実施する区域の範囲を定めるものとする。
(国会への報告)
第五条 内閣総理大臣は、次に掲げる事項を、遅滞なく、国会に報告しなければならない。
一 基本計画の決定又は変更があったときは、その内容
二 基本計画に定める対応措置が終了したときは、その結果
(国会の承認)
第六条 内閣総理大臣は、基本計画に定められた自衛隊の部隊等が実施する対応措置については、当該対応措置を開始した日(防衛庁長官が第八条第二項の規定により当該対応措置の実施を自衛隊の部隊等に命じた日をいう。)から二十日以内に国会に付議して、当該対応措置の実施につき国会の承認を求めなければならない。ただし、国会が閉会中の場合又は衆議院が解散されている場合には、その後最初に召集される国会において、速やかに、その承認を求めなければならない。
2 政府は、前項の場合において不承認の議決があったときは、速やかに、当該対応措置を終了させなければならない。
(本府による対応措置の実施)
第七条 内閣総理大臣又はその委任を受けた者は、基本計画に従い、対応措置として実施される業務としての物品の提供(次条第一項に規定する物品の提供を除く。)を行うものとする。
2 内閣総理大臣は、基本計画に従い、対応措置として実施される業務としての役務の提供(次条第二項に規定する役務の提供を除く。)を行うものとする。この場合において、内閣総理大臣は、イラク復興支援職員(一般職に属する国家公務員のうち対応措置に従事する内閣府本府(以下「本府」という。)の職員をいう。以下同じ。)にその実施を命ずるものとする。
3 前二項に定めるもののほか、本府による対応措置の実施に関し必要な事項は、政令で定める。
(自衛隊による対応措置の実施)
第八条 内閣総理大臣又はその委任を受けた者は、基本計画に従い、対応措置として実施される業務としての物品の提供(自衛隊に属する物品の提供に限る。)を行うものとする。
2 防衛庁長官は、基本計画に従い、対応措置として実施される業務としての役務の提供(自衛隊による役務の提供に限る。)について実施要項を定め、これについて内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の部隊等にその実施を命ずるものとする。
3 防衛庁長官は、前項の実施要項において、対応措置を実施する区域(以下この条において「実施区域」という。)を指定するものとする。
4 防衛庁長官は、実施区域の全部又は一部がこの法律又は基本計画に定められた要件を満たさないものとなった場合には、速やかに、その指定を変更し、又はそこで実施されている活動の中断を命じなければならない。
5 対応措置のうち公海若しくはその上空又は外国の領域における活動の実施を命ぜられた自衛隊の部隊等の長又はその指定する者は、当該活動を実施している場所の近傍において、戦闘行為が行われるに至った場合又は付近の状況等に照らして戦闘行為が行われることが予測される場合には、当該活動の実施を一時休止し又は避難するなどして当該戦闘行為による危険を回避しつつ、前項の規定による措置を待つものとする。
6 自衛隊の部隊等が対応措置として実施する業務には、次に掲げるものを含まないものとする。
一 武器(弾薬を含む。第十八条において同じ。)の提供
二 戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機に対する給油及び整備
7 自衛隊の部隊等は、外国の領域において対応措置を実施するに当たり、外務大臣の指定する在外公館と密接に連絡を保つものとする。
8 外務大臣の指定する在外公館長は、外務大臣の命を受け、自衛隊による対応措置の実施のため必要な協力を行うものとする。
9 第二項の規定は、同項の実施要項の変更(第四項の規定により実施区域を縮小する変更を除く。)について準用する。
(配慮事項)
第九条 内閣総理大臣及び防衛庁長官は、対応措置の実施に当たっては、その円滑かつ効果的な推進に努めるとともに、イラク復興支援職員及び自衛隊の部隊等の安全の確保に配慮しなければならない。
(イラク復興支援職員の採用)
第十条 内閣総理大臣は、対応措置に従事させるため、当該対応措置に従事することを志望する者のうちから、選考により、任期を定めてイラク復興支援職員を採用することができる。
2 内閣総理大臣は、前項の規定による採用に当たり、関係行政機関若しくは地方公共団体又は民間の団体の協力を得て、広く人材の確保に努めるものとする。
(行政機関の職員の定員に関する法律の特例)
第十一条 行政機関の職員の定員に関する法律(昭和四十四年法律第三十三号)第一条及び第二条の規定にかかわらず、前条第一項の規定により採用されるイラク復興支援職員の定員は、政令で定めるところにより、同法第一条第一項及び第二条の定員に含まないものとする。
(関係行政機関の職員の派遣)
第十二条 内閣総理大臣は、関係行政機関の長に対し、基本計画に従い、対応措置を実施するため必要な技術、能力等を有する職員(国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第二条第三項各号に掲げる者を除く。)を本府に派遣するよう要請することができる。
2 関係行政機関の長は、前項の規定による要請があったときは、その所掌事務に支障を生じない限度において、同項の職員に該当する職員を期間を定めて本府に派遣するものとする。
3 前項の規定により派遣された職員は、従前の官職を保有したまま、同項の期間を任期としてイラク復興支援職員に任用されるものとする。
4 前項の規定により従前の官職を保有したままイラク復興支援職員に任用される者は、内閣総理大臣の指揮監督の下に対応措置に従事する。
(国家公務員法の適用除外)
第十三条 第十条第一項の規定により採用されるイラク復興支援職員については、イラク復興支援職員になる前に、国家公務員法第百三条第一項に規定する営利企業(以下この条において「営利企業」という。)を営むことを目的とする団体の役員、顧問若しくは評議員(以下この条において「役員等」という。)の職に就き、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員等の職に就き、若しくは事業に従事し、若しくは事務を行っていた場合においても、同項及び同法第百四条の規定は、適用しない。
(イラク人道復興支援等手当)
第十四条 我が国以外の領域(公海を含む。)において対応措置に従事する者には、対応措置が行われる地域の勤務環境及び対応措置の特質にかんがみ、イラク人道復興支援等手当を支給することができる。
2 前項のイラク人道復興支援等手当に関し必要な事項は、政令で定める。
3 内閣総理大臣は、前項の政令の制定又は改廃に際しては、人事院の意見を聴かなければならない。
(国家公務員災害補償法等の読替え)
第十五条 イラク人道復興支援等手当が支給される者に係る国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一号)第四条第二項及び防衛庁の職員の給与等に関する法律(昭和二十七年法律第二百六十六号)第二十七条第二項ただし書の規定の適用については、これらの規定中「及び国際平和協力手当」とあるのは、「、国際平和協力手当及びイラク人道復興支援等手当」とする。
(関係行政機関の協力)
第十六条 内閣総理大臣及び防衛庁長官は、対応措置を実施するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、その所管に属する物品の管理換えその他の協力を要請することができる。
2 関係行政機関の長は、前項の規定による要請があったときは、その所掌事務に支障を生じない限度において、同項の協力を行うものとする。
(武器の使用)
第十七条 対応措置の実施を命ぜられた自衛隊の部隊等の自衛官は、自己又は自己と共に現場に所在する他の自衛隊員(自衛隊法第二条第五項に規定する隊員をいう。)、イラク復興支援職員若しくはその職務を行うに伴い自己の管理の下に入った者の生命又は身体を防衛するためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で、第四条第二項第二号ニの規定により基本計画に定める装備である武器を使用することができる。
2 前項の規定による武器の使用は、当該現場に上官が在るときは、その命令によらなければならない。ただし、生命又は身体に対する侵害又は危難が切迫し、その命令を受けるいとまがないときは、この限りでない。
3 第一項の場合において、当該現場に在る上官は、統制を欠いた武器の使用によりかえって生命若しくは身体に対する危険又は事態の混乱を招くこととなることを未然に防止し、当該武器の使用が同項及び次項の規定に従いその目的の範囲内において適正に行われることを確保する見地から必要な命令をするものとする。
4 第一項の規定による武器の使用に際しては、刑法(明治四十年法律第四十五号)第三十六条又は第三十七条の規定に該当する場合を除いては、人に危害を与えてはならない。
第三章 雑則
(物品の譲渡及び無償貸付け)
第十八条 内閣総理大臣又はその委任を受けた者は、本府又は自衛隊に属する物品(武器を除く。)につき、国際連合等からその活動の用に供するため当該物品の譲渡又は無償貸付けを求める旨の申出があった場合において、当該活動の円滑な実施に必要であると認めるときは、その所掌事務に支障を生じない限度において、当該申出に係る物品を当該国際連合等に対し無償若しくは時価よりも低い対価で譲渡し、又は無償で貸し付けることができる。
(民間の協力等)
第十九条 内閣総理大臣及び防衛庁長官は、前章の規定による措置によっては対応措置を十分に実施することができないと認めるときは、関係行政機関の長の協力を得て、物品の譲渡若しくは貸付け又は役務の提供について国以外の者に協力を求めることができる。
2 政府は、前項の規定により協力を求められた国以外の者に対し適正な対価を支払うとともに、その者が当該協力により損失を受けた場合には、その損失に関し、必要な財政上の措置を講ずるものとする。
(その他の措置)
第二十条 政府は、前章の規定による措置を実施するほか、イラク特別事態を受けて、国家の速やかな再建を図るためにイラクにおいて行われている国民生活の安定と向上、民主的な手段による統治組織の設立等に向けたイラクの国民による自主的な努力を支援し、及び促進するよう努めるものとする。
(政令への委任)
第二十一条 この法律に特別の定めがあるもののほか、この法律の実施のための手続その他この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。
(この法律の失効等)
第二条 この法律は、施行の日から起算して四年を経過した日に、その効力を失う。ただし、その日より前に、対応措置を実施する必要がないと認められるに至ったときは、速やかに廃止するものとする。
第三条 前条の規定にかかわらず、施行の日から起算して四年を経過する日以後においても対応措置を実施する必要があると認められるに至ったときは、別に法律で定めるところにより、同日から起算して四年以内の期間を定めて、その効力を延長することができる。
第四条 前条の規定は、同条(この条において準用する場合を含む。)の規定により効力を延長した後その定めた期間を経過しようとする場合について準用する。
(自衛隊法の一部改正)
第五条 自衛隊法の一部を次のように改正する。
附則中第三十三項を第三十五項とし、第十九項から第三十二項までを二項ずつ繰り下げ、第十八項の次に次の二項を加える。
19 内閣総理大臣又はその委任を受けた者は、イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法(平成十五年法律第百三十七号)がその効力を有する間、同法の定めるところにより、自衛隊の任務遂行に支障を生じない限度において、対応措置としての物品の提供を実施することができる。
20 長官は、イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法がその効力を有する間、同法の定めるところにより、自衛隊の任務遂行に支障を生じない限度において、部隊等に対応措置としての役務の提供を行わせることができる。
(内閣府設置法の一部改正)
第六条 内閣府設置法の一部を次のように改正する。
附則第二条第四項中「前三項」を「前各項」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項の次に次の一項を加える。
4 内閣府は、第三条第二項の任務を達成するため、第四条第三項各号及び前三項に掲げる事務のほか、イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法(平成十五年法律第百三十七号)がその効力を有する間、同法第二条第一項に規定する対応措置(自衛隊が実施するものを除く。)の実施に関する事務をつかさどる。
内閣総理大臣 小泉純一郎
総務大臣 片山虎之助
法務大臣 森山真弓
外務大臣 川口順子
財務大臣 塩川正十郎
文部科学大臣 遠山敦子
厚生労働大臣 坂口力
農林水産大臣 亀井善之
経済産業大臣 平沼赳夫
国土交通大臣 林寛子
環境大臣 鈴木俊一