テロリストによる爆弾使用の防止に関する国際条約の締結に伴う関係法律の整備に関する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十三年十一月十六日
内閣総理大臣 小泉純一郎
法律第百二十一号
テロリストによる爆弾使用の防止に関する国際条約の締結に伴う関係法律の整備に関する法律
(爆発物取締罰則の一部改正)
第一条 爆発物取締罰則(明治十七年太政官布告第三十二号)の一部を次のように改正する。
第十条を次のように改める。
第十条 第一条乃至第三条ノ罪ハ刑法(明治四十年法律第四十五号)第四条の二ノ例ニ従フ
(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部改正)
第二条 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)の一部を次のように改正する。
第七十六条の二第一項中「特定核燃料物質」を「核燃料物質」に改め、同条第二項中「前項」を「前二項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 核燃料物質によつて汚染された物をみだりに取り扱うことにより、その放射線を発散させて、人の生命、身体又は財産に危険を生じさせた者も、前項と同様とする。
(放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部改正)
第三条 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(昭和三十二年法律第百六十七号)の一部を次のように改正する。
第五十一条第一項中「又は身体」を「、身体又は財産」に、「生ぜしめた」を「生じさせた」に改め、同条第三項中「前二項」を「前三項」に、「あたる」を「当たる」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。
3 第一項の罪の未遂は、罰する。
第五十一条の次に次の一条を加える。
第五十一条の二 前条第一項から第三項までの罪は、刑法第四条の二の例に従う。
(火炎びんの使用等の処罰に関する法律の一部改正)
第四条 火炎びんの使用等の処罰に関する法律(昭和四十七年法律第十七号)の一部を次のように改正する。
第三条の次に次の一条を加える。
(国外犯)
第四条 第二条の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第四条の二の例に従う。
(細菌兵器(生物兵器)及び毒素兵器の開発、生産及び貯蔵の禁止並びに廃棄に関する条約の実施に関する法律の一部改正)
第五条 細菌兵器(生物兵器)及び毒素兵器の開発、生産及び貯蔵の禁止並びに廃棄に関する条約の実施に関する法律(昭和五十七年法律第六十一号)の一部を次のように改正する。
題名を次のように改める。
細菌兵器(生物兵器)及び毒素兵器の開発、生産及び貯蔵の禁止並びに廃棄に関する条約等の実施に関する法律
第一条中「(以下「条約」という。)を実施するために必要な事項を定める」を「(以下「生物兵器禁止条約」という。)及びテロリストによる爆弾使用の防止に関する国際条約の適確な実施を確保するため、生物兵器及び毒素兵器の製造、所持、譲渡し及び譲受けを禁止するとともに、生物剤及び毒素を発散させる行為を規制する等の措置を講ずる」に改める。
第三条第二項及び第六条中「条約」を「生物兵器禁止条約」に改める。
第十一条中「前二条」を「第九条の罪を犯し、又は第十条若しくは前条」に改め、同条を第十三条とする。
第十条を第十二条とする。
第九条の前の見出しを削り、同条第三項中「未遂罪」を「罪の未遂」に改め、同条を第十条とし、同条の次に次の一条を加える。
第十一条 第九条の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第四条の二の例に従う。
第八条の次に次の見出し及び一条を加える。
(罰則)
第九条 生物兵器又は毒素兵器を使用して、当該生物兵器又は当該毒素兵器に充てんされた生物剤又は毒素を発散させた者は、無期若しくは二年以上の懲役又は千万円以下の罰金に処する。
2 生物剤又は毒素をみだりに発散させて人の生命、身体又は財産に危険を生じさせた者は、十年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。
3 前二項の罪の未遂は、罰する。
(化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律の一部改正)
第六条 化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律(平成七年法律第六十五号)の一部を次のように改正する。
第一条中「(以下「条約」という。)」を「(以下「化学兵器禁止条約」という。)及びテロリストによる爆弾使用の防止に関する国際条約」に改める。
第二条第一項、第六項及び第八項、第六条第一号から第三号まで、第十一条第一項第一号から第三号まで、第十九条第二項、第三十条第一項から第三項まで、第三十一条第一項並びに第三十二条第二項中「条約」を「化学兵器禁止条約」に改める。
第三十八条第二項中「前項」を「前二項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 毒性物質又はこれと同等の毒性を有する物質をみだりに発散させて人の生命、身体又は財産に危険を生じさせた者は、十年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。
第四十二条を次のように改める。
第四十二条 第三十八条第一項及び第三項(同条第一項に係る部分に限る。)の罪は刑法(明治四十年法律第四十五号)第三条及び第四条の二の例に、第三十八条第二項及び第三項(同条第二項に係る部分に限る。)の罪は同法第四条の二の例に、前三条の罪は同法第三条の例に従う。
(サリン等による人身被害の防止に関する法律の一部改正)
第七条 サリン等による人身被害の防止に関する法律(平成七年法律第七十八号)の一部を次のように改正する。
第七条の次に次の一条を加える。
第八条 第五条第一項及び第二項の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第四条の二の例に従う。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、テロリストによる爆弾使用の防止に関する国際条約が日本国について効力を生ずる日から施行する。
(経過措置)
第二条 改正後の爆発物取締罰則第十条の規定、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律第五十一条の二の規定、火炎びんの使用等の処罰に関する法律第四条の規定、細菌兵器(生物兵器)及び毒素兵器の開発、生産及び貯蔵の禁止並びに廃棄に関する条約等の実施に関する法律第十一条の規定、化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律第四十二条(刑法(明治四十年法律第四十五号)第四条の二に係る部分に限る。)の規定及びサリン等による人身被害の防止に関する法律第八条の規定は、この法律の施行の日以後に日本国について効力を生ずる条約により日本国外において犯したときであっても罰すべきものとされる罪に限り適用する。
2 改正後の核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第七十六条の二(特定核燃料物質に係る部分を除く。)に係る同法第七十六条の四の規定についても、前項と同様とする。
(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律の一部改正)
第三条 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律(平成九年法律第八十号)の一部を次のように改正する。
附則に次の一項を加える。
3 この法律の施行の日がテロリストによる爆弾使用の防止に関する国際条約の締結に伴う関係法律の整備に関する法律(平成十三年法律第百二十一号)の施行の日前である場合には、同法附則第二条第二項中「第七十六条の四」とあるのは、「第七十六条の五」とする。
(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部改正)
第四条 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号)の一部を次のように改正する。
別表中第四十六号を次のように改める。
四十六 細菌兵器(生物兵器)及び毒素兵器の開発、生産及び貯蔵の禁止並びに廃棄に関する条約等の実施に関する法律(昭和五十七年法律第六十一号)第九条(生物兵器等の使用等)又は第十条(生物兵器等の製造等)の罪
内閣総理大臣 小泉純一郎
法務大臣 森山眞弓
外務大臣 田中眞紀子
文部科学大臣 遠山敦子
厚生労働大臣 坂口力
農林水産大臣 武部勤
経済産業大臣 平沼赳夫
国土交通大臣 林寛子
テロリストによる爆弾使用の防止に関する国際条約の締結に伴う関係法律の整備に関する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十三年十一月十六日
内閣総理大臣 小泉純一郎
法律第百二十一号
テロリストによる爆弾使用の防止に関する国際条約の締結に伴う関係法律の整備に関する法律
(爆発物取締罰則の一部改正)
第一条 爆発物取締罰則(明治十七年太政官布告第三十二号)の一部を次のように改正する。
第十条を次のように改める。
第十条 第一条乃至第三条ノ罪ハ刑法(明治四十年法律第四十五号)第四条の二ノ例ニ従フ
(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部改正)
第二条 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)の一部を次のように改正する。
第七十六条の二第一項中「特定核燃料物質」を「核燃料物質」に改め、同条第二項中「前項」を「前二項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 核燃料物質によつて汚染された物をみだりに取り扱うことにより、その放射線を発散させて、人の生命、身体又は財産に危険を生じさせた者も、前項と同様とする。
(放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部改正)
第三条 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(昭和三十二年法律第百六十七号)の一部を次のように改正する。
第五十一条第一項中「又は身体」を「、身体又は財産」に、「生ぜしめた」を「生じさせた」に改め、同条第三項中「前二項」を「前三項」に、「あたる」を「当たる」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。
3 第一項の罪の未遂は、罰する。
第五十一条の次に次の一条を加える。
第五十一条の二 前条第一項から第三項までの罪は、刑法第四条の二の例に従う。
(火炎びんの使用等の処罰に関する法律の一部改正)
第四条 火炎びんの使用等の処罰に関する法律(昭和四十七年法律第十七号)の一部を次のように改正する。
第三条の次に次の一条を加える。
(国外犯)
第四条 第二条の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第四条の二の例に従う。
(細菌兵器(生物兵器)及び毒素兵器の開発、生産及び貯蔵の禁止並びに廃棄に関する条約の実施に関する法律の一部改正)
第五条 細菌兵器(生物兵器)及び毒素兵器の開発、生産及び貯蔵の禁止並びに廃棄に関する条約の実施に関する法律(昭和五十七年法律第六十一号)の一部を次のように改正する。
題名を次のように改める。
細菌兵器(生物兵器)及び毒素兵器の開発、生産及び貯蔵の禁止並びに廃棄に関する条約等の実施に関する法律
第一条中「(以下「条約」という。)を実施するために必要な事項を定める」を「(以下「生物兵器禁止条約」という。)及びテロリストによる爆弾使用の防止に関する国際条約の適確な実施を確保するため、生物兵器及び毒素兵器の製造、所持、譲渡し及び譲受けを禁止するとともに、生物剤及び毒素を発散させる行為を規制する等の措置を講ずる」に改める。
第三条第二項及び第六条中「条約」を「生物兵器禁止条約」に改める。
第十一条中「前二条」を「第九条の罪を犯し、又は第十条若しくは前条」に改め、同条を第十三条とする。
第十条を第十二条とする。
第九条の前の見出しを削り、同条第三項中「未遂罪」を「罪の未遂」に改め、同条を第十条とし、同条の次に次の一条を加える。
第十一条 第九条の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第四条の二の例に従う。
第八条の次に次の見出し及び一条を加える。
(罰則)
第九条 生物兵器又は毒素兵器を使用して、当該生物兵器又は当該毒素兵器に充てんされた生物剤又は毒素を発散させた者は、無期若しくは二年以上の懲役又は千万円以下の罰金に処する。
2 生物剤又は毒素をみだりに発散させて人の生命、身体又は財産に危険を生じさせた者は、十年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。
3 前二項の罪の未遂は、罰する。
(化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律の一部改正)
第六条 化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律(平成七年法律第六十五号)の一部を次のように改正する。
第一条中「(以下「条約」という。)」を「(以下「化学兵器禁止条約」という。)及びテロリストによる爆弾使用の防止に関する国際条約」に改める。
第二条第一項、第六項及び第八項、第六条第一号から第三号まで、第十一条第一項第一号から第三号まで、第十九条第二項、第三十条第一項から第三項まで、第三十一条第一項並びに第三十二条第二項中「条約」を「化学兵器禁止条約」に改める。
第三十八条第二項中「前項」を「前二項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 毒性物質又はこれと同等の毒性を有する物質をみだりに発散させて人の生命、身体又は財産に危険を生じさせた者は、十年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。
第四十二条を次のように改める。
第四十二条 第三十八条第一項及び第三項(同条第一項に係る部分に限る。)の罪は刑法(明治四十年法律第四十五号)第三条及び第四条の二の例に、第三十八条第二項及び第三項(同条第二項に係る部分に限る。)の罪は同法第四条の二の例に、前三条の罪は同法第三条の例に従う。
(サリン等による人身被害の防止に関する法律の一部改正)
第七条 サリン等による人身被害の防止に関する法律(平成七年法律第七十八号)の一部を次のように改正する。
第七条の次に次の一条を加える。
第八条 第五条第一項及び第二項の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第四条の二の例に従う。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、テロリストによる爆弾使用の防止に関する国際条約が日本国について効力を生ずる日から施行する。
(経過措置)
第二条 改正後の爆発物取締罰則第十条の規定、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律第五十一条の二の規定、火炎びんの使用等の処罰に関する法律第四条の規定、細菌兵器(生物兵器)及び毒素兵器の開発、生産及び貯蔵の禁止並びに廃棄に関する条約等の実施に関する法律第十一条の規定、化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律第四十二条(刑法(明治四十年法律第四十五号)第四条の二に係る部分に限る。)の規定及びサリン等による人身被害の防止に関する法律第八条の規定は、この法律の施行の日以後に日本国について効力を生ずる条約により日本国外において犯したときであっても罰すべきものとされる罪に限り適用する。
2 改正後の核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第七十六条の二(特定核燃料物質に係る部分を除く。)に係る同法第七十六条の四の規定についても、前項と同様とする。
(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律の一部改正)
第三条 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律(平成九年法律第八十号)の一部を次のように改正する。
附則に次の一項を加える。
3 この法律の施行の日がテロリストによる爆弾使用の防止に関する国際条約の締結に伴う関係法律の整備に関する法律(平成十三年法律第百二十一号)の施行の日前である場合には、同法附則第二条第二項中「第七十六条の四」とあるのは、「第七十六条の五」とする。
(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部改正)
第四条 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号)の一部を次のように改正する。
別表中第四十六号を次のように改める。
四十六 細菌兵器(生物兵器)及び毒素兵器の開発、生産及び貯蔵の禁止並びに廃棄に関する条約等の実施に関する法律(昭和五十七年法律第六十一号)第九条(生物兵器等の使用等)又は第十条(生物兵器等の製造等)の罪
内閣総理大臣 小泉純一郎
法務大臣 森山真弓
外務大臣 田中真紀子
文部科学大臣 遠山敦子
厚生労働大臣 坂口力
農林水産大臣 武部勤
経済産業大臣 平沼赳夫
国土交通大臣 林寛子