細菌兵器(生物兵器)及び毒素兵器の開発、生産及び貯蔵の禁止並びに廃棄に関する条約の実施に関する法律
法令番号: 法律第六十一号
公布年月日: 昭和57年6月8日
法令の形式: 法律
細菌兵器(生物兵器)及び毒素兵器の開発、生産及び貯蔵の禁止並びに廃棄に関する条約の実施に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和五十七年六月八日
内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 中曾根康弘
法律第六十一号
細菌兵器(生物兵器)及び毒素兵器の開発、生産及び貯蔵の禁止並びに廃棄に関する条約の実施に関する法律
(目的)
第一条 この法律は、細菌兵器(生物兵器)及び毒素兵器の開発、生産及び貯蔵の禁止並びに廃棄に関する条約(以下「条約」という。)を実施するために必要な事項を定めることを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「生物剤」とは、微生物であつて、人、動物若しくは植物の生体内で増殖する場合にこれらを発病させ、死亡させ、若しくは枯死させるもの又は毒素を産生するものをいう。
2 この法律において「毒素」とは、生物によつて産生される物質であつて、人、動物又は植物の生体内に入つた場合にこれらを発病させ、死亡させ、又は枯死させるものをいい、人工的に合成された物質で、その構造式がいずれかの毒素の構造式と同一であるものを含むものとする。
3 この法律において「生物兵器」とは、武力の行使の手段として使用される物で、生物剤又は生物剤を保有しかつ媒介する生物を充てんしたものをいう。
4 この法律において「毒素兵器」とは、武力の行使の手段として使用される物で、毒素を充てんしたものをいう。
(生物剤又は毒素の開発等の基本原則等)
第三条 生物剤又は毒素の開発、生産、貯蔵、取得又は保有(第五条において「開発等」という。)が認められるのは、防疫の目的、身体防護の目的その他の平和的目的をもつてする場合に限るものとする。
2 外務大臣及び主務大臣は、条約及びこの法律の要旨の周知を図るため、適当な措置をとるものとする。
(禁止行為)
第四条 何人も、生物兵器又は毒素兵器を製造してはならない。
2 何人も、生物兵器又は毒素兵器を所持し、譲り渡し、又は譲り受けてはならない。
(報告徴収)
第五条 主務大臣は、防疫の目的、身体防護の目的その他の平和的目的以外の目的をもつてする生物剤又は毒素の開発等を防止するため必要な限度において、業として生物剤又は毒素を取り扱う者に対し、その業務に関して必要な報告を求めることができる。
2 前項の場合において必要な事項は、政令で定める。
(外務大臣の協力要請)
第六条 外務大臣は、条約を実施するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、資料又は情報の提供その他必要な協力を求めることができる。
(主務大臣)
第七条 この法律における主務大臣は、政令で定める。
(国等に対する適用除外)
第八条 第五条の規定は、国及び地方公共団体に適用しない。
(罰則)
第九条 第四条第一項の規定に違反した者は、一年以上の有期懲役又は五百万円以下の罰金に処する。
2 第四条第二項の規定に違反した者は、十年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
3 第一項の未遂罪は、罰する。
第十条 第五条第一項の規定による報告をせず、又は虚為の報告をした者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第十一条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
附 則
この法律は、条約が日本国について効力を生ずる日から施行する。
内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 中曾根康弘
法務大臣 坂田道太
外務大臣臨時代理 国務大臣 宮澤喜一
文部大臣 小川平二
厚生大臣 森下元晴
農林水産大臣 田澤吉郎
通商産業大臣臨時代理 国務大臣 小坂徳三郎
細菌兵器(生物兵器)及び毒素兵器の開発、生産及び貯蔵の禁止並びに廃棄に関する条約の実施に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和五十七年六月八日
内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 中曽根康弘
法律第六十一号
細菌兵器(生物兵器)及び毒素兵器の開発、生産及び貯蔵の禁止並びに廃棄に関する条約の実施に関する法律
(目的)
第一条 この法律は、細菌兵器(生物兵器)及び毒素兵器の開発、生産及び貯蔵の禁止並びに廃棄に関する条約(以下「条約」という。)を実施するために必要な事項を定めることを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「生物剤」とは、微生物であつて、人、動物若しくは植物の生体内で増殖する場合にこれらを発病させ、死亡させ、若しくは枯死させるもの又は毒素を産生するものをいう。
2 この法律において「毒素」とは、生物によつて産生される物質であつて、人、動物又は植物の生体内に入つた場合にこれらを発病させ、死亡させ、又は枯死させるものをいい、人工的に合成された物質で、その構造式がいずれかの毒素の構造式と同一であるものを含むものとする。
3 この法律において「生物兵器」とは、武力の行使の手段として使用される物で、生物剤又は生物剤を保有しかつ媒介する生物を充てんしたものをいう。
4 この法律において「毒素兵器」とは、武力の行使の手段として使用される物で、毒素を充てんしたものをいう。
(生物剤又は毒素の開発等の基本原則等)
第三条 生物剤又は毒素の開発、生産、貯蔵、取得又は保有(第五条において「開発等」という。)が認められるのは、防疫の目的、身体防護の目的その他の平和的目的をもつてする場合に限るものとする。
2 外務大臣及び主務大臣は、条約及びこの法律の要旨の周知を図るため、適当な措置をとるものとする。
(禁止行為)
第四条 何人も、生物兵器又は毒素兵器を製造してはならない。
2 何人も、生物兵器又は毒素兵器を所持し、譲り渡し、又は譲り受けてはならない。
(報告徴収)
第五条 主務大臣は、防疫の目的、身体防護の目的その他の平和的目的以外の目的をもつてする生物剤又は毒素の開発等を防止するため必要な限度において、業として生物剤又は毒素を取り扱う者に対し、その業務に関して必要な報告を求めることができる。
2 前項の場合において必要な事項は、政令で定める。
(外務大臣の協力要請)
第六条 外務大臣は、条約を実施するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、資料又は情報の提供その他必要な協力を求めることができる。
(主務大臣)
第七条 この法律における主務大臣は、政令で定める。
(国等に対する適用除外)
第八条 第五条の規定は、国及び地方公共団体に適用しない。
(罰則)
第九条 第四条第一項の規定に違反した者は、一年以上の有期懲役又は五百万円以下の罰金に処する。
2 第四条第二項の規定に違反した者は、十年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
3 第一項の未遂罪は、罰する。
第十条 第五条第一項の規定による報告をせず、又は虚為の報告をした者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第十一条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
附 則
この法律は、条約が日本国について効力を生ずる日から施行する。
内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 中曽根康弘
法務大臣 坂田道太
外務大臣臨時代理 国務大臣 宮沢喜一
文部大臣 小川平二
厚生大臣 森下元晴
農林水産大臣 田沢吉郎
通商産業大臣臨時代理 国務大臣 小坂徳三郎