(指定等)
第十一条 内閣総理大臣は、特定放射光施設の共用の促進を図ることを目的として設立された民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定による法人であって、次条に規定する業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、全国を通じて一に限り、放射光利用研究促進機構(以下「機構」という。)として指定することができる。
2 内閣総理大臣は、前項の規定による指定をしたときは、機構の名称、住所及び事務所の所在地を公示しなければならない。
3 機構は、その名称、住所又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
4 内閣総理大臣は、前項の規定による届出があったときは、当該届出に係る事項を公示しなければならない。
(業務)
第十二条 機構は、次に掲げる業務を行うものとする。
二 施設利用研究の実施に関し、情報の提供、相談その他の援助を行うこと。
三 施設利用研究に関する内外の動向の調査及び分析並びに啓発活動を行うこと。
四 施設利用研究の促進に資する試験研究を行うこと。
五 施設利用研究の促進のため、海外から研究者を招へいすること。
六 日本原子力研究所又は理化学研究所の委託を受けて、共用施設の維持管理及び運転を行うこと。
七 前各号に掲げるもののほか、特定放射光施設の共用の促進を図るために必要な業務を行うこと。
(機構による供用業務の実施)
第十三条 第十一条第一項の規定による指定がされたときは、日本原子力研究所は第五条に規定する業務(共用施設の建設、維持管理及び運転並びにこれらに附帯するものを除く。)の全部又は一部を、理化学研究所は第八条に規定する業務(共用施設の建設、維持管理及び運転並びにこれらに附帯するものを除く。)の全部又は一部を、供用業務として機構に行わせるものとする。
(準用)
第十四条 第六条の規定は、機構が供用業務を行う場合について準用する。この場合において、同条第一項中「日本原子力研究所」とあるのは「機構」と、「前条に規定する業務」とあるのは「供用業務」と読み替えるものとする。
(諮問委員会)
2 諮問委員会は、機構の代表者の諮問に応じ、供用業務の実施計画の作成その他供用業務の実施に関する重要事項を審議し、及びこれに関し必要と認める意見を機構の代表者に述べることができる。
3 諮問委員会の委員は、施設利用研究に関し学識経験を有する者のうちから、内閣総理大臣の認可を受けて、機構の代表者が任命する。
(業務規程の認可)
第十六条 機構は、供用業務を行い、又は第十二条第二号に掲げる業務(以下「支援業務」という。)を行うときは、これらの業務の開始前に、当該業務の実施に関する規程(以下「業務規程」という。)を作成し、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 内閣総理大臣は、前項の認可をした業務規程が供用業務又は支援業務の適正かつ確実な実施上不適当となったと認めるときは、その業務規程を変更すべきことを命ずることができる。
3 業務規程に記載すべき事項は、総理府令で定める。
(事業計画等)
第十七条 機構は、毎事業年度、総理府令で定めるところにより、事業計画書及び収支予算書を作成し、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 機構は、総理府令で定めるところにより、毎事業年度終了後、事業報告書、貸借対照表、収支決算書及び財産目録を作成し、内閣総理大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
(区分経理)
第十八条 機構は、供用業務又は支援業務を行う場合には、これらの業務に係る経理とその他の経理とを区分して整理しなければならない。
(交付金)
第十九条 国は、予算の範囲内において、機構に対し、供用業務及び支援業務に要する費用の全部又は一部に相当する金額を交付することができる。
(総理府令への委任)
第二十条 この章に定めるもののほか、機構が供用業務又は支援業務を行う場合における機構の財務及び会計に関し必要な事項は、総理府令で定める。
(役員の選任及び解任)
第二十一条 機構の役員の選任及び解任は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 内閣総理大臣は、機構の役員がこの章の規定若しくは当該規程に基づく命令若しくは処分に違反したとき、第十六条第一項の認可を受けた業務規程に違反する行為をしたとき、又は供用業務若しくは支援業務に関し著しく不適当な行為をしたときは、機構に対して、その役員を解任すべきことを命ずることができる。
(役員及び職員の公務員たる性質)
第二十二条 供用業務に従事する機構の役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
(報告及び検査)
第二十三条 内閣総理大臣は、この法律の施行に必要な限度において、機構に対し、その業務に関し報告をさせ、又はその職員に、機構の事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
3 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(監督命令)
第二十四条 内閣総理大臣は、この章の規定を施行するために必要な限度において、機構に対し、第十二条に規定する業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(指定の取消し等)
第二十五条 内閣総理大臣は、機構が次の各号のいずれかに該当するときは、第十一条第一項の規定による指定を取り消し、又は期間を定めて第十二条に規定する業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
二 この章の規定又は当該規定に基づく命令若しくは処分に違反したとき。
三 第十六条第一項の認可を受けた業務規程によらないで供用業務又は支援業務を行ったときその他第十二条に規定する業務を適正かつ確実に実施することができないと認められるとき。
2 内閣総理大臣は、前項の規定により指定を取り消し、又は第十二条に規定する業務の全部若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を公示しなければならない。