(地域)
第三条 この章の規定による農村滞在型余暇活動に資するための機能の整備を促進するための措置は、次の各号に掲げる要件に該当する地域について講じられるものとする。
一 農用地等が当該地域内の土地の相当部分を占め、かつ、良好に保全されていること。
二 当該地域において農用地その他の農業資源と周囲の環境とが一体となって良好な農村の景観を形成していると認められること。
三 当該地域の自然的経済的社会的諸条件からみて、当該地域を含む農村地域の振興を図るため、農村滞在型余暇活動に資するための機能の整備を促進することが相当であると認められること。
四 当該地域が農業振興地域の整備に関する法律第六条第一項の規定により指定された農業振興地域内にあること。
(基本方針)
第四条 都道府県知事は、前条各号に掲げる要件に該当する地域についての農村滞在型余暇活動に資するための機能の整備に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を定めるものとする。
2 基本方針においては、次に掲げる事項について、次条第一項の市町村計画の指針となるべきものを定めるものとする。
一 農村滞在型余暇活動に資するための機能の整備に関する基本的な事項
二 農村滞在型余暇活動に資するための機能の整備を促進するために必要な措置を講ずべき地区(以下「整備地区」という。)の設定に関する事項
三 整備地区における農用地その他の農業資源の保健機能の増進を図るための農用地等その他の土地の利用に関する事項
四 整備地区における農作業体験施設等の整備に関する事項
3 都道府県知事は、基本方針においては、前項各号に掲げる事項のほか、整備地区における農村滞在型余暇活動に資するための機能の整備と併せて行うことが必要と認められる山村・漁村滞在型余暇活動に資するための機能の整備に関して農林水産省令で定める事項を併せて定めることができる。
4 都道府県知事は、基本方針を定めようとするときは、あらかじめ、農林水産大臣に協議しなければならない。
5 都道府県知事は、基本方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
6 都道府県知事は、情勢の推移により必要が生じたときは、基本方針を変更するものとする。
7 第四項及び第五項の規定は、前項の規定による基本方針の変更について準用する。
(市町村計画)
第五条 市町村は、基本方針に基づき、当該市町村内の地域であって第三条各号に掲げる要件に該当すると認められるものについて、農村滞在型余暇活動に資するための機能の整備に関する計画(以下「市町村計画」という。)を作成することができる。
2 市町村計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
二 整備地区における農村滞在型余暇活動に資するための機能の整備に関する方針
三 整備地区における農用地その他の農業資源の保健機能の増進を図るための農用地等その他の土地の利用に関する事項
四 整備地区における農作業体験施設等の整備に関する事項
3 市町村は、整備地区における農村滞在型余暇活動に資するための機能の整備と併せて山村・漁村滞在型余暇活動に資するための機能の整備を図ることが必要と認められる場合には、市町村計画において、前項各号に掲げる事項のほか、山村・漁村滞在型余暇活動に資するための機能の整備に関して農林水産省令で定める事項を併せて定めることができる。
4 市町村は、市町村計画を作成しようとするときは、都道府県知事の承認を受けなければならない。
5 市町村は、市町村計画を作成したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
6 前二項の規定は、市町村計画の変更について準用する。
(協定)
第六条 市町村計画に定められた整備地区内にある土地(公共施設の用に供する土地を除く。)について所有権、地上権、永小作権、質権、賃借権、使用貸借による権利又はその他の使用及び収益を目的とする権利を有する者(国及び地方公共団体を除く。以下「土地所有者等」という。)は、農用地その他の農業資源の保健機能の増進を図るため、当該土地の利用に関する協定(以下「協定」という。)を締結し、当該協定が適当である旨の市町村長の認定を受けることができる。
2 協定においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 協定の対象となる土地の区域(以下「協定区域」という。)
二 農用地その他の農業資源の保健機能の増進を図るための農用地等その他の土地の利用に関する事項
3 協定区域は、次の各号に掲げる要件に該当するものでなければならない。
二 農用地等が当該協定区域内の土地の大部分を占めていること。
4 協定においては、第二項各号に掲げる事項のほか、市町村計画に定められた整備地区内にある土地のうち、協定区域に隣接した土地であって、協定区域の一部とすることにより当該協定の目的の達成に資するものとして協定区域の土地となることを当該協定区域内の土地に係る土地所有者等が希望するもの(第十条において「協定区域隣接地」という。)を定めることができる。
5 協定については、協定区域内の土地に係る土地所有者等の全員の合意がなければならない。
6 協定の内容は、法令に基づき策定された国又は地方公共団体の計画に適合するものでなければならない。
(協定の認定等)
第七条 市町村長は、前条第一項の認定の申請が次の各号のすべてに該当すると認めるときは、同項の認定をするものとする。
一 申請の手続又は協定の内容が法令に違反するものでないこと。
二 協定の内容が土地の利用を不当に制限するものでないことその他妥当なものであること。
三 協定の内容が市町村計画の達成に資すると認められるものであること。
2 市町村長は、前条第一項の認定をしたときは、農林水産省令で定めるところにより、その旨を公告し、かつ、当該協定の写しを当該市町村の事務所に備えて公衆の縦覧に供するとともに、協定区域である旨を当該区域内に明示しなければならない。
(協定の変更)
第八条 第六条第一項の認定を受けた協定に係る土地所有者等は、協定において定めた事項について変更(農林水産省令で定める軽微な変更を除く。)をしようとする場合においては、全員の合意をもってその旨を定め、市町村長の認定を受けなければならない。
(協定の認定の取消し)
第九条 市町村長は、次に掲げる場合には、第六条第一項又は前条第一項の認定を取り消すことができる。
一 協定の内容が第六条第六項の規定に違反するもの又は第七条第一項各号に掲げる要件に該当しないものと認められるに至った場合
二 協定区域において当該協定の定めるところに従い農用地その他の農業資源の保健機能の増進が図られていないと認められるに至った場合
2 市町村長は、前項の規定による認定の取消しを行ったときは、その旨を、当該協定に係る土地所有者等に通知するとともに、公告しなければならない。
(協定成立後の協定への参加)
第十条 第七条第二項(第八条第二項において準用する場合を含む。)の規定による認定の公告のあった後いつでも、協定区域内の土地に係る土地所有者等となった者又は協定区域隣接地の区域内の土地に係る土地所有者等は、市町村長に対して書面でその意思を表示することによって、協定に参加することができる。この場合において、協定区域隣接地の区域内の土地に係る土地所有者等で当該意思を表示したものに係る土地の区域は、その意思の表示のあった時以後、協定区域の一部となるものとする。
2 第七条第二項の規定は、前項の規定により協定区域隣接地の区域内の土地が協定区域内の土地となった場合について準用する。
(農用地区域設定の特例)
第十一条 第六条第一項又は第八条第一項の認定を受けた協定に係る協定区域内の一団の農用地等(農業振興地域の整備に関する法律第三条第四号に掲げる土地を含む。以下この条において同じ。)の所有者は、市町村に対し、農林水産省令で定めるところにより、当該農用地等につき所有権以外の第六条第一項に規定する権利、先取特権又は抵当権を有する者の全員の同意を得て、当該農用地等の区域を農業振興地域の整備に関する法律第八条第二項第一号の農用地区域(次項において「農用地区域」という。)として定めるべきことを要請することができる。
2 前項の要請に基づき、市町村が同項の要請に係る農用地等の区域の全部又は一部を農用地区域として定める場合には、農業振興地域の整備に関する法律第十一条の規定は、適用しない。
(農作業体験施設等の整備に関する計画の認定)
第十二条 市町村計画を作成した市町村は、農業者の組織する団体から、農林水産省令で定めるところにより、その作成した整備地区における農作業体験施設等の整備に関する計画が適当である旨の認定の申請があった場合において、その計画が市町村計画に適合したものであると認めるときは、その計画が適当である旨の認定をするものとする。
(資金の確保)
第十三条 国及び地方公共団体は、前条の認定を受けた団体又はその構成員が当該認定に係る計画に従って農作業体験施設等を整備するのに必要な資金の確保又は融通のあっせんに努めるものとする。
(国等の援助)
第十四条 国及び地方公共団体は、市町村計画の達成に資するため、市町村計画の実施に必要な事業を行う者等に対する助言、指導その他の援助の実施に努めるものとする。
(農業生産の基盤の整備及び開発等の推進に当たっての配慮)
第十五条 国及び地方公共団体は、整備地区において農業生産の基盤の整備及び開発、農業構造の改善を図ることを目的とする主として農業従事者の良好な生活環境を確保するための施設の整備等を推進するに当たっては、市町村計画の達成に資するよう配慮するものとする。