農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律
法令番号: 法律第46号
公布年月日: 平成6年6月29日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

戦後の経済発展により、自然環境の破壊や人間関係の希薄化が進む一方、農山漁村では過疎化や農林漁業の停滞による活力低下が問題となっている。近年、都市住民の間で農山漁村での滞在型余暇活動への関心が高まっているが、受け入れ側の体制が未整備である。この状況に対応するため、都道府県知事による基本方針の策定、市町村による計画作成、農林漁業体験民宿業の登録制度の実施等により、農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備を促進し、国民生活にゆとりを持たせるとともに、農山漁村の活性化を図ることを目的とする。

参照した発言:
第129回国会 参議院 本会議 第24号

審議経過

第129回国会

参議院
(平成6年6月22日)
(平成6年6月22日)
衆議院
(平成6年6月23日)
(平成6年6月23日)
農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律をここに公布する。
御名御璽
平成六年六月二十九日
内閣総理大臣 羽田孜
法律第四十六号
農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律
目次
第一章
総則(第一条・第二条)
第二章
農村滞在型余暇活動に資するための機能の整備を促進するための措置等(第三条―第十五条)
第三章
農林漁業体験民宿業の健全な発達を図るための措置(第十六条―第二十九条)
第四章
雑則(第三十条・第三十一条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、農村滞在型余暇活動に資するための機能の整備を促進するための措置等を講ずるとともに、農林漁業体験民宿業について登録制度を実施すること等を通じてその健全な発達を図ることにより、主として都市の住民が余暇を利用して農山漁村に滞在しつつ行う農林漁業の体験その他農林漁業に対する理解を深めるための活動のための基盤の整備を促進し、もってゆとりのある国民生活の確保と農山漁村地域の振興に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「農村滞在型余暇活動」とは、主として都市の住民が余暇を利用して農村に滞在しつつ行う農作業の体験その他農業に対する理解を深めるための活動をいう。
2 この法律において「山村・漁村滞在型余暇活動」とは、主として都市の住民が余暇を利用して山村又は漁村に滞在しつつ行う森林施業又は漁ろうの体験その他林業又は漁業に対する理解を深めるための活動をいう。
3 この法律において「農用地等」とは、農業振興地域の整備に関する法律(昭和四十四年法律第五十八号)第三条第一号から第三号までに掲げる土地をいう。
4 この法律において「農作業体験施設等」とは、農作業の体験施設その他農村滞在型余暇活動のために利用されることを目的とする施設であって農林水産省令で定めるものをいう。
5 この法律において「農林漁業体験民宿業」とは、施設を設けて人を宿泊させ、農林水産省令で定める農村滞在型余暇活動又は山村・漁村滞在型余暇活動に必要な役務を提供する営業であって、農林漁業者又はその組織する団体が行うものをいう。
第二章 農村滞在型余暇活動に資するための機能の整備を促進するための措置等
(地域)
第三条 この章の規定による農村滞在型余暇活動に資するための機能の整備を促進するための措置は、次の各号に掲げる要件に該当する地域について講じられるものとする。
一 農用地等が当該地域内の土地の相当部分を占め、かつ、良好に保全されていること。
二 当該地域において農用地その他の農業資源と周囲の環境とが一体となって良好な農村の景観を形成していると認められること。
三 当該地域の自然的経済的社会的諸条件からみて、当該地域を含む農村地域の振興を図るため、農村滞在型余暇活動に資するための機能の整備を促進することが相当であると認められること。
四 当該地域が農業振興地域の整備に関する法律第六条第一項の規定により指定された農業振興地域内にあること。
(基本方針)
第四条 都道府県知事は、前条各号に掲げる要件に該当する地域についての農村滞在型余暇活動に資するための機能の整備に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を定めるものとする。
2 基本方針においては、次に掲げる事項について、次条第一項の市町村計画の指針となるべきものを定めるものとする。
一 農村滞在型余暇活動に資するための機能の整備に関する基本的な事項
二 農村滞在型余暇活動に資するための機能の整備を促進するために必要な措置を講ずべき地区(以下「整備地区」という。)の設定に関する事項
三 整備地区における農用地その他の農業資源の保健機能の増進を図るための農用地等その他の土地の利用に関する事項
四 整備地区における農作業体験施設等の整備に関する事項
五 その他必要な事項
3 都道府県知事は、基本方針においては、前項各号に掲げる事項のほか、整備地区における農村滞在型余暇活動に資するための機能の整備と併せて行うことが必要と認められる山村・漁村滞在型余暇活動に資するための機能の整備に関して農林水産省令で定める事項を併せて定めることができる。
4 都道府県知事は、基本方針を定めようとするときは、あらかじめ、農林水産大臣に協議しなければならない。
5 都道府県知事は、基本方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
6 都道府県知事は、情勢の推移により必要が生じたときは、基本方針を変更するものとする。
7 第四項及び第五項の規定は、前項の規定による基本方針の変更について準用する。
(市町村計画)
第五条 市町村は、基本方針に基づき、当該市町村内の地域であって第三条各号に掲げる要件に該当すると認められるものについて、農村滞在型余暇活動に資するための機能の整備に関する計画(以下「市町村計画」という。)を作成することができる。
2 市町村計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 整備地区の区域
二 整備地区における農村滞在型余暇活動に資するための機能の整備に関する方針
三 整備地区における農用地その他の農業資源の保健機能の増進を図るための農用地等その他の土地の利用に関する事項
四 整備地区における農作業体験施設等の整備に関する事項
五 その他必要な事項
3 市町村は、整備地区における農村滞在型余暇活動に資するための機能の整備と併せて山村・漁村滞在型余暇活動に資するための機能の整備を図ることが必要と認められる場合には、市町村計画において、前項各号に掲げる事項のほか、山村・漁村滞在型余暇活動に資するための機能の整備に関して農林水産省令で定める事項を併せて定めることができる。
4 市町村は、市町村計画を作成しようとするときは、都道府県知事の承認を受けなければならない。
5 市町村は、市町村計画を作成したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
6 前二項の規定は、市町村計画の変更について準用する。
(協定)
第六条 市町村計画に定められた整備地区内にある土地(公共施設の用に供する土地を除く。)について所有権、地上権、永小作権、質権、賃借権、使用貸借による権利又はその他の使用及び収益を目的とする権利を有する者(国及び地方公共団体を除く。以下「土地所有者等」という。)は、農用地その他の農業資源の保健機能の増進を図るため、当該土地の利用に関する協定(以下「協定」という。)を締結し、当該協定が適当である旨の市町村長の認定を受けることができる。
2 協定においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 協定の対象となる土地の区域(以下「協定区域」という。)
二 農用地その他の農業資源の保健機能の増進を図るための農用地等その他の土地の利用に関する事項
三 協定に違反した場合の措置
四 協定の有効期間
五 その他必要な事項
3 協定区域は、次の各号に掲げる要件に該当するものでなければならない。
一 相当規模の一団の土地の区域であること。
二 農用地等が当該協定区域内の土地の大部分を占めていること。
4 協定においては、第二項各号に掲げる事項のほか、市町村計画に定められた整備地区内にある土地のうち、協定区域に隣接した土地であって、協定区域の一部とすることにより当該協定の目的の達成に資するものとして協定区域の土地となることを当該協定区域内の土地に係る土地所有者等が希望するもの(第十条において「協定区域隣接地」という。)を定めることができる。
5 協定については、協定区域内の土地に係る土地所有者等の全員の合意がなければならない。
6 協定の内容は、法令に基づき策定された国又は地方公共団体の計画に適合するものでなければならない。
7 協定の有効期間は、十年を超えてはならない。
(協定の認定等)
第七条 市町村長は、前条第一項の認定の申請が次の各号のすべてに該当すると認めるときは、同項の認定をするものとする。
一 申請の手続又は協定の内容が法令に違反するものでないこと。
二 協定の内容が土地の利用を不当に制限するものでないことその他妥当なものであること。
三 協定の内容が市町村計画の達成に資すると認められるものであること。
2 市町村長は、前条第一項の認定をしたときは、農林水産省令で定めるところにより、その旨を公告し、かつ、当該協定の写しを当該市町村の事務所に備えて公衆の縦覧に供するとともに、協定区域である旨を当該区域内に明示しなければならない。
(協定の変更)
第八条 第六条第一項の認定を受けた協定に係る土地所有者等は、協定において定めた事項について変更(農林水産省令で定める軽微な変更を除く。)をしようとする場合においては、全員の合意をもってその旨を定め、市町村長の認定を受けなければならない。
2 前条の規定は、前項の認定について準用する。
(協定の認定の取消し)
第九条 市町村長は、次に掲げる場合には、第六条第一項又は前条第一項の認定を取り消すことができる。
一 協定の内容が第六条第六項の規定に違反するもの又は第七条第一項各号に掲げる要件に該当しないものと認められるに至った場合
二 協定区域において当該協定の定めるところに従い農用地その他の農業資源の保健機能の増進が図られていないと認められるに至った場合
2 市町村長は、前項の規定による認定の取消しを行ったときは、その旨を、当該協定に係る土地所有者等に通知するとともに、公告しなければならない。
(協定成立後の協定への参加)
第十条 第七条第二項(第八条第二項において準用する場合を含む。)の規定による認定の公告のあった後いつでも、協定区域内の土地に係る土地所有者等となった者又は協定区域隣接地の区域内の土地に係る土地所有者等は、市町村長に対して書面でその意思を表示することによって、協定に参加することができる。この場合において、協定区域隣接地の区域内の土地に係る土地所有者等で当該意思を表示したものに係る土地の区域は、その意思の表示のあった時以後、協定区域の一部となるものとする。
2 第七条第二項の規定は、前項の規定により協定区域隣接地の区域内の土地が協定区域内の土地となった場合について準用する。
(農用地区域設定の特例)
第十一条 第六条第一項又は第八条第一項の認定を受けた協定に係る協定区域内の一団の農用地等(農業振興地域の整備に関する法律第三条第四号に掲げる土地を含む。以下この条において同じ。)の所有者は、市町村に対し、農林水産省令で定めるところにより、当該農用地等につき所有権以外の第六条第一項に規定する権利、先取特権又は抵当権を有する者の全員の同意を得て、当該農用地等の区域を農業振興地域の整備に関する法律第八条第二項第一号の農用地区域(次項において「農用地区域」という。)として定めるべきことを要請することができる。
2 前項の要請に基づき、市町村が同項の要請に係る農用地等の区域の全部又は一部を農用地区域として定める場合には、農業振興地域の整備に関する法律第十一条の規定は、適用しない。
(農作業体験施設等の整備に関する計画の認定)
第十二条 市町村計画を作成した市町村は、農業者の組織する団体から、農林水産省令で定めるところにより、その作成した整備地区における農作業体験施設等の整備に関する計画が適当である旨の認定の申請があった場合において、その計画が市町村計画に適合したものであると認めるときは、その計画が適当である旨の認定をするものとする。
(資金の確保)
第十三条 国及び地方公共団体は、前条の認定を受けた団体又はその構成員が当該認定に係る計画に従って農作業体験施設等を整備するのに必要な資金の確保又は融通のあっせんに努めるものとする。
(国等の援助)
第十四条 国及び地方公共団体は、市町村計画の達成に資するため、市町村計画の実施に必要な事業を行う者等に対する助言、指導その他の援助の実施に努めるものとする。
(農業生産の基盤の整備及び開発等の推進に当たっての配慮)
第十五条 国及び地方公共団体は、整備地区において農業生産の基盤の整備及び開発、農業構造の改善を図ることを目的とする主として農業従事者の良好な生活環境を確保するための施設の整備等を推進するに当たっては、市町村計画の達成に資するよう配慮するものとする。
第三章 農林漁業体験民宿業の健全な発達を図るための措置
(全国農林漁業体験民宿業協会の指定等)
第十六条 農林水産大臣は、利用者の利便を増進し、及び地域の農林漁業との調和を確保する見地から農林漁業体験民宿業の健全な発達を図ることを目的として設立された民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の法人であって、次条第一項各号に掲げる業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申出により、全国に一を限って、全国農林漁業体験民宿業協会(以下「全国協会」という。)として指定することができる。
2 農林水産大臣は、前項の指定をしたときは、全国協会の名称、住所及び事務所の所在地を官報で公示しなければならない。
3 全国協会は、その名称、住所又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を農林水産大臣に届け出なければならない。
4 農林水産大臣は、前項の届出があったときは、その旨を官報で公示しなければならない。
(全国協会の業務)
第十七条 全国協会は、次の各号に掲げる業務を行うものとする。
一 第二十一条第一項に規定する適正営業規程を作成すること。
二 農林漁業体験民宿業を営む者(以下「農林漁業体験民宿業者」という。)について、第二十一条第一項に規定する適正営業規程に係る登録を行うこと。
三 農林漁業体験民宿業に関する情報又は資料を収集し、及び提供すること。
四 農林漁業体験民宿業に関する調査研究を行うこと。
五 前各号の業務に附帯する業務
2 全国協会は、農林水産大臣の承認を受けて、前項第二号の業務に関し手数料を徴収することができる。
3 全国協会は、農林水産省令で定めるところにより、農林水産大臣の承認を受けて、第一項第二号の業務のうち登録の受付け、登録に必要な調査その他農林水産省令で定める業務を、営利を目的としない法人であって、第二十四条に規定する農林漁業体験民宿業団体を直接又は間接の構成員とするものに委託することができる。
(全国協会の事業計画書等)
第十八条 全国協会は、毎事業年度、農林水産省令で定めるところにより、事業計画書及び収支予算書を農林水産大臣に提出しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 全国協会は、農林水産省令で定めるところにより、毎事業年度終了後、事業報告書及び収支決算書を農林水産大臣に提出しなければならない。
(全国協会に対する改善命令)
第十九条 農林水産大臣は、第十七条第一項各号に掲げる業務の運営に関し改善が必要であると認めるときは、全国協会に対し、その改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(全国協会の指定の取消し)
第二十条 農林水産大臣は、全国協会が次の各号のいずれかに該当するときは、第十六条第一項の指定(以下この条において「指定」という。)を取り消すことができる。
一 第十七条第一項各号に掲げる業務を適正かつ確実に行うことができないと認められるとき。
二 指定に関し不正の行為があったとき。
三 この章の規定又は当該規定に基づく命令若しくは処分に違反したとき。
2 農林水産大臣は、前項の規定により指定を取り消したときは、その旨を官報で公示しなければならない。
(適正営業規程の認可)
第二十一条 全国協会は、利用者の利便を増進し、及び地域の農林漁業との調和を確保する見地から農林漁業体験民宿業の健全な発達を図るため、農林漁業体験民宿業に係る営業方法に関し少なくとも次の各号に掲げる事項を内容とする規程(以下「適正営業規程」という。)を定め、農林水産大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
一 役務の内容に関する事項
二 地域の農林漁業者との調整に関する事項
2 農林水産大臣は、前項の適正営業規程が次の各号に適合すると認められるときでなければ、これは認可してはならない。
一 利用者の利便の増進に資するものであること。
二 地域の農林漁業との調和の確保に資するものであること。
三 農林漁業体験民宿業の健全な経営が阻害されるおそれがないこと。
3 農林水産大臣は、第一項の認可をしたときは、農林水産省令で定めるところにより、その旨を官報で公示しなければならない。
(適正営業規程の変更命令)
第二十二条 農林水産大臣は、前条第一項の認可を受けた適正営業規程の内容が同条第二項各号の一に適合しなくなったと認めるときは、全国協会に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。
(適正営業規程に係る農林漁業体験民宿業者の登録)
第二十三条 全国協会は、農林漁業体験民宿業者から第二十一条第一項の認可を受けた適正営業規程に従って営業を行おうとする旨の申出があったときは、農林水産省令で定めるところにより、その者について登録を行うことができる。
2 前項の登録を受けた者は、農林漁業体験民宿業に係る宿泊施設ごとに、その見やすい場所に、全国協会が農林水産大臣の承認を得て定める様式の標識を掲示するものとする。
3 農林水産大臣は、前項の標識について承認を与えたときは、農林水産省令で定めるところにより、その旨を官報で公示しなければならない。
4 第一項の登録を受けていない者は、第二項の標識又はこれに類似する標識を掲げてはならない。
5 第一項の登録の取消しその他登録に関し必要な事項及び第二項の標識に関し必要な事項は、農林水産省令で定める。
(農林漁業体験民宿業団体の指定)
第二十四条 都道府県知事は、農林水産省令で定めるところにより、農林漁業体験民宿業者を直接又は間接の構成員とする営利を目的としない法人であって、次条各号に掲げる業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申出により、同条各号に掲げる業務を行う者(以下「農林漁業体験民宿業団体」という。)として指定することができる。
(農林漁業体験民宿業団体の業務)
第二十五条 農林漁業体験民宿業団体は、次の各号に掲げる業務を行うものとする。
一 農林漁業体験民宿業の適正な運営を確保するための構成員に対する指導を行うこと。
二 農林漁業体験民宿業と地域の農林漁業との調和を確保するための調整を推進すること。
三 農林漁業体験民宿業に関する利用者の苦情を処理すること。
四 前三号の業務に附帯する業務
(準用規定)
第二十六条 第十九条及び第二十条第一項の規定は、農林漁業体験民宿業団体について準用する。この場合において、第十九条中「農林水産大臣」とあるのは「都道府県知事」と、「第十七条第一項各号」とあるのは「第二十五条各号」と、第二十条第一項中「農林水産大臣」とあるのは「都道府県知事」と、「第十六条第一項」とあるのは「第二十四条」と、同項第一号中「第十七条第一項各号」とあるのは「第二十五条各号」と読み替えるものとする。
(報告及び立入検査)
第二十七条 農林水産大臣は全国協会に対して、都道府県知事は農林漁業体験民宿業団体に対して、この章の規定の施行に必要な限度において、その業務に関し報告をさせ、又はその職員にこれらの団体の事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(聴聞の方法の特例)
第二十八条 第二十条第一項(第二十六条において準用する場合を含む。)の規定による指定の取消しに係る聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。
(国の援助)
第二十九条 国が、利用者の利便を増進し、及び地域の農林漁業との調和を確保する見地から農林漁業体験民宿業の健全な発達を図るため必要な援助に努めるものとする。
第四章 雑則
(省令への委任)
第三十条 この法律に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、農林水産省令で定める。
(罰則)
第三十一条 第二十七条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、二十万円以下の罰金に処する。
2 全国協会又は農林漁業体験民宿業団体の代表者又は代理人、使用人その他の従業者が、その全国協会又は農林漁業体験民宿業団体の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その全国協会又は農林漁業体験民宿業団体に対して同項の刑を科する。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、平成七年四月一日から施行する。
(農林水産省設置法の一部改正)
2 農林水産省設置法(昭和二十四年法律第百五十三号)の一部を次のように改正する。
第四条第二十七号の五の次に次の一号を加える。
二十七の六 農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律(平成六年法律第四十六号)の施行に関すること。
農林水産大臣 加藤六月
内閣総理大臣 羽田孜