農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律の一部を改正する法律
法令番号: 法律第七十四号
公布年月日: 平成17年6月29日
法令の形式: 法律
農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十七年六月二十九日
内閣総理大臣 小泉純一郎
法律第七十四号
農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律の一部を改正する法律
農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律(平成六年法律第四十六号)の一部を次のように改正する。
目次中「第二十九条」を「第三十八条」に、「第四章 雑則(第三十条─第三十二条)」を
第四章
雑則(第三十九条・第四十条)
第五章
罰則(第四十一条─第四十四条)
に改める。
第二条第五項中「山村・漁村滞在型余暇活動」の下に「(以下「農山漁村滞在型余暇活動」という。)」を加え、「であって、農林漁業者又はその組織する団体が行うもの」を削る。
第十六条から第二十三条までを次のように改める。
(農林漁業体験民宿業者の登録)
第十六条 農林漁業体験民宿業を営む者(以下「農林漁業体験民宿業者」という。)は、農林漁業体験民宿業に係る営業方法に関し農林水産省令で定める基準に従って営業を行おうとするときは、農林水産省令で定めるところにより、第十八条から第二十条までの規定により農林水産大臣の登録を受けた者(以下「登録実施機関」という。)が行う登録を受けることができる。
2 前項の農林水産省令で定める基準は、次に掲げる事項について、農林漁業体験民宿業の健全な発達を図るために必要なものとして定めるものとする。
一 農山漁村滞在型余暇活動に必要な役務の内容に関する事項
二 利用者の生命又は身体について損害が生じた場合における当該損害をてん補する措置に関する事項
三 地域の農林漁業者との調整に関する事項
(標識の掲示)
第十七条 前条第一項の農林漁業体験民宿業者の登録を受けた者は、農林漁業体験民宿業に係る宿泊施設ごとに、その見やすい場所に、農林水産省令で定める様式の標識を掲示するものとする。
2 前条第一項の農林漁業体験民宿業者の登録を受けていない者は、前項の標識又はこれに類似する標識を掲げてはならない。
(登録実施機関の登録)
第十八条 第十六条第一項に規定する農林水産大臣の登録(以下「登録実施機関の登録」という。)は、同項の規定による農林漁業体験民宿業者の登録の実施に関する事務(以下「登録実施事務」という。)を行おうとする者の申請により行う。
(欠格条項)
第十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、登録実施機関の登録を受けることができない。
一 この法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
二 第二十九条の規定により登録実施機関の登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
三 法人であって、その業務を行う役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの
(登録実施機関の登録の基準)
第二十条 農林水産大臣は、第十八条の規定により登録実施機関の登録を申請した者(以下この項において「登録申請者」という。)が次に掲げる要件のすべてに適合しているときは、その登録実施機関の登録をしなければならない。この場合において、登録実施機関の登録に関して必要な手続は、農林水産省令で定める。
一 次のいずれかに該当する者が登録実施事務を実施し、その人数が登録実施事務を行う事務所ごとに二名以上であること。
イ 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に基づく大学(短期大学を除く。)又は旧大学令(大正七年勅令第三百八十八号)に基づく大学を卒業した者であって、農山漁村滞在型余暇活動の運営に関する企画若しくは援助又は農林漁業体験民宿業者の登録に関する業務に通算して一年以上従事した経験を有するもの
ロ 学校教育法に基づく短期大学若しくは高等専門学校又は旧専門学校令(明治三十六年勅令第六十一号)に基づく専門学校を卒業した者であって、農山漁村滞在型余暇活動の運営に関する企画若しくは援助又は農林漁業体験民宿業者の登録に関する業務に通算して二年以上従事した経験を有するもの
ハ イ及びロに掲げる者と同等以上の知識及び経験を有する者
ニ 農山漁村滞在型余暇活動の運営に関する企画若しくは援助又は農林漁業体験民宿業者の登録に関する業務に通算して三年以上従事した経験を有する者
二 登録申請者が、農林漁業体験民宿業者に支配されているものとして次のいずれかに該当するものでないこと。
イ 登録申請者が株式会社又は有限会社である場合にあっては、農林漁業体験民宿業者がその親会社(商法(明治三十二年法律第四十八号)第二百十一条ノ二第一項の親会社をいう。)であること。
ロ 登録申請者の役員に占める農林漁業体験民宿業者の役員又は職員(過去二年間に当該農林漁業体験民宿業者の役員又は職員であった者を含む。)の割合が二分の一を超えていること。
ハ 登録申請者(法人にあっては、その代表権を有する役員)が、農林漁業体験民宿業者の役員又は職員(過去二年間に当該農林漁業体験民宿業者の役員又は職員であった者を含む。)であること。
2 登録実施機関の登録は、登録実施機関登録簿に次に掲げる事項を記載してするものとする。
一 登録実施機関の登録の年月日及び登録番号
二 登録実施機関の登録を受けた者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
三 登録実施機関の登録を受けた者が登録実施事務を行う事務所の所在地
(登録実施機関の登録の更新)
第二十一条 登録実施機関の登録は、三年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。
2 前三条の規定は、前項の登録実施機関の登録の更新について準用する。
(登録実施の義務)
第二十二条 登録実施機関は、登録実施事務を行うことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、登録実施事務を行わなければならない。
2 登録実施機関は、公正に、かつ、農林水産省令で定める基準に適合する方法により登録実施事務を行わなければならない。
(事務所の変更の届出)
第二十三条 登録実施機関は、登録実施事務を行う事務所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、その旨を農林水産大臣に届け出なければならない。
第三十二条を削り、第三十一条を第四十条とし、第三十条を第三十九条とする。
第三章中第二十九条を第三十八条とする。
第二十八条中「第二十条第一項(第二十六条において準用する場合を含む。)の規定による指定の取消し」を「第二十九条又は第三十五条の規定による処分」に改め、同条を第三十七条とする。
第二十七条第一項中「全国協会」を「登録実施機関」に改め、同条を第三十六条とする。
第二十六条を削り、第二十五条を第三十三条とし、同条の次に次の二条を加える。
(農林漁業体験民宿業団体に対する改善命令)
第三十四条 都道府県知事は、前条各号に掲げる業務の運営に関し改善が必要であると認めるときは、農林漁業体験民宿業団体に対し、その改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(農林漁業体験民宿業団体の指定の取消し)
第三十五条 都道府県知事は、農林漁業体験民宿業団体が次の各号のいずれかに該当するときは、その指定を取り消すことができる。
一 第三十三条各号に掲げる業務を適正かつ確実に行うことができないと認められるとき。
二 前条の規定による命令に違反したとき。
三 不正の手段により農林漁業体験民宿業団体の指定を受けたとき。
第二十四条を第三十二条とし、第二十三条の次に次の八条を加える。
(登録実施事務規程)
第二十四条 登録実施機関は、登録実施事務に関する規程(次項において「登録実施事務規程」という。)を定め、登録実施事務の開始前に、農林水産大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 登録実施事務規程には、登録実施事務の実施方法、登録実施事務に関する料金その他の農林水産省令で定める事項を定めておかなければならない。
(登録実施事務の休廃止)
第二十五条 登録実施機関は、登録実施事務の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、農林水産省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を農林水産大臣に届け出なければならない。
(財務諸表等の備付け及び閲覧等)
第二十六条 登録実施機関は、毎事業年度経過後三月以内に、その事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びに営業報告書又は事業報告書(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この条において同じ。)の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。以下「財務諸表等」という。)を作成し、五年間事務所に備えて置かなければならない。
2 農林漁業体験民宿業者その他の利害関係人は、登録実施機関の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号の請求をするには、登録実施機関の定めた費用を支払わなければならない。
一 財務諸表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
二 前号の書面の謄本又は抄本の請求
三 財務諸表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を農林水産省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって農林水産省令で定めるものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求
(適合命令)
第二十七条 農林水産大臣は、登録実施機関が第二十条第一項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、その登録実施機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(登録実施機関に対する改善命令)
第二十八条 農林水産大臣は、登録実施機関が第二十二条の規定に違反していると認めるときは、その登録実施機関に対し、登録実施事務を行うべきこと又は農林漁業体験民宿業者の登録の方法その他の業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(登録実施機関の登録の取消し等)
第二十九条 農林水産大臣は、登録実施機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録実施機関の登録を取り消し、又は期間を定めて登録実施事務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 第十九条第一号又は第三号に該当するに至ったとき。
二 第二十三条から第二十五条まで、第二十六条第一項又は次条の規定に違反したとき。
三 正当な理由がないのに第二十六条第二項各号の規定による請求を拒んだとき。
四 前二条の規定による命令に違反したとき。
五 不正の手段により登録実施機関の登録又はその更新を受けたとき。
(帳簿の記載等)
第三十条 登録実施機関は、農林水産省令で定めるところにより、帳簿を備え、登録実施事務に関し農林水産省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
(公示)
第三十一条 農林水産大臣は、次に掲げる場合には、その旨を官報に公示しなければならない。
一 登録実施機関の登録をしたとき。
二 第二十三条又は第二十五条の規定による届出があったとき。
三 第二十九条の規定により登録実施機関の登録を取り消し、又は登録実施事務の全部若しくは一部の停止を命じたとき。
第四章の次に次の一章を加える。
第五章 罰則
第四十一条 第二十九条の規定による登録実施事務の停止の命令に違反した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第四十二条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第十七条第二項の規定に違反して、同条第一項の標識又はこれに類似する標識を掲示した者
二 第二十五条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
三 第三十条の規定に違反して、同条に規定する事項の記載をせず、虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかった者
四 第三十六条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
第四十三条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関し前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
第四十四条 第二十六条第一項の規定に違反して財務諸表等を備えて置かず、財務諸表等に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は正当な理由がないのに同条第二項各号の規定による請求を拒んだ者は、二十万円以下の過料に処する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次条及び附則第六条の規定は、公布の日から施行する。
(施行前の準備)
第二条 この法律による改正後の農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律(以下「新法」という。)第十八条に規定する登録実施機関の登録を受けようとする者は、この法律の施行前においても、その申請を行うことができる。新法第二十四条第一項の規定による登録実施事務規程の届出についても、同様とする。
(旧法の規定による登録に関する経過措置)
第三条 この法律の施行の際現にこの法律による改正前の農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律(以下「旧法」という。)第二十三条第一項の登録を受けている者は、新法第十六条第一項の農林漁業体験民宿業者の登録を受けているものとみなす。
(全国協会の事業報告書等に関する経過措置)
第四条 この法律の施行の際現に旧法第十六条第一項の指定を受けている者が行うべきこの法律の施行の日の属する事業年度の事業報告書及び収支決算書の農林水産大臣に対する提出については、なお従前の例による。
(罰則の適用に関する経過措置)
第五条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第六条 附則第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
(登録免許税法の一部改正)
第七条 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。
別表第一第三十号の三の次に次のように加える。
三十の四 農林漁業体験民宿業者の登録又は農林漁業体験民宿業者に係る登録実施機関の登録
 (一) 農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律(平成六年法律第四十六号)第十六条第一項(農林漁業体験民宿業者の登録)の農林漁業体験民宿業者の登録
登録件数
一件につき一万五千円
 (二) 農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律第十六条第一項の登録実施機関に係る登録(更新の登録を除く。)
登録件数
一件につき九万円
財務大臣 谷垣禎一
農林水産大臣 島村宜伸
内閣総理大臣 小泉純一郎