衆議院議員選挙区画定審議会設置法
法令番号: 法律第3号
公布年月日: 平成6年2月4日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定等に関し、調査審議等を行うため、総理府に衆議院議員選挙区画定審議会を設置するものである。審議会は選挙区の改定に関して調査審議し、必要に応じて改定案を作成して内閣総理大臣に勧告する。改定案作成にあたっては、選挙区間の人口格差が2倍以上にならないよう均衡を図り、行政区画や地勢、交通等の事情を総合的に考慮して合理的に行う。また、各都道府県への定数配当は、まず1議席ずつ配分した後、残りの定数を人口比例で配当する。審議会委員は7人で、国会議員以外から両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命し、任期は5年とする。

参照した発言:
第128回国会 衆議院 本会議 第4号

審議経過

第128回国会

衆議院
(平成5年10月13日)
(平成5年10月14日)
(平成5年11月18日)
参議院
(平成5年11月26日)
(平成6年1月21日)
両院
衆議院
(平成6年1月29日)
参議院
(平成6年1月29日)
両院
衆議院議員選挙区画定審議会設置法をここに公布する。
御名御璽
平成六年二月四日
内閣総理大臣 細川護煕
法律第三号
衆議院議員選挙区画定審議会設置法
(設置)
第一条 総理府に、衆議院議員選挙区画定審議会(以下「審議会」という。)を置く。
(所掌事務)
第二条 審議会は、衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定に関し、調査審議し、必要があると認めるときは、その改定案を作成して内閣総理大臣に勧告するものとする。
(改定案の作成の基準)
第三条 前条の規定による改定案の作成は、各選挙区の人口の均衡を図り、各選挙区の人口(官報で公示された最近の国勢調査又はこれに準ずる全国的な人口調査の結果による人口をいう。以下同じ。)のうち、その最も多いものを最も少ないもので除して得た数が二以上とならないようにすることを基本とし、行政区画、地勢、交通等の事情を総合的に考慮して合理的に行わなければならない。
2 前項の改定案の作成に当たっては、各都道府県の区域内の衆議院小選挙区選出議員の選挙区の数は、一に、公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)第四条第一項に規定する衆議院小選挙区選出議員の定数に相当する数から都道府県の数を控除した数を人口に比例して各都道府県に配当した数を加えた数とする。
(勧告の期限等)
第四条 第二条の規定による勧告は、国勢調査(統計法(昭和二十二年法律第十八号)第四条第二項本文の規定により十年ごとに行われる国勢調査に限る。)の結果による人口が最初に官報で公示された日から一年以内に行うものとする。
2 前項の規定にかかわらず、審議会は、各選挙区の人口の著しい不均衡その他特別の事情があると認めるときは、第二条の規定による勧告を行うことができる。
(勧告の尊重)
第五条 内閣総理大臣は、審議会から第二条の規定による勧告を受けたときは、これを尊重しなければならない。
2 内閣総理大臣は、審議会から第二条の規定による勧告を受けたときは、これを国会に報告するものとする。
(組織)
第六条 審議会は、委員七人をもって組織する。
2 委員は、国会議員以外の者であって、識見が高く、かつ、衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定に関し公正な判断をすることができるもののうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。
3 委員の任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、前項の規定にかかわらず、同項に定める資格を有する者のうちから、委員を任命することができる。
4 前項の場合においては、任命後最初の国会で両議院の事後の承認を得なければならない。この場合において、両議院の事後の承認を得られないときは、内閣総理大臣は、直ちにその委員を罷免しなければならない。
5 委員の任期は、五年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
6 内閣総理大臣は、委員が心身の故障のため職務の執行ができないと認める場合又は委員に職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認める場合においては、両議院の同意を得て、これを罷免することができる。
7 委員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。
8 委員は、非常勤とする。
(会長)
第七条 審議会に、会長を置き、委員の互選によりこれを定める。
2 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。
3 会長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。
(資料提出その他の協力)
第八条 審議会は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、行政機関及び地方公共団体の長に対して、資料の提出、意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができる。
(政令への委任)
第九条 この法律に定めるもののほか、審議会の組織及び運営その他この法律を実施するため必要な事項は、政令で定める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、別に法律で定める日から施行する。
(所掌事務等の特例)
第二条 審議会は、第二条に規定する事務をつかさどるほか、公職選挙法の一部を改正する法律(平成六年法律第二号)による改正後の公職選挙法の規定の施行の準備のため衆議院小選挙区選出議員の選挙区の画定に関し、調査審議し、その画定案を作成して内閣総理大臣に勧告するものとする。
2 前項の規定による勧告は、委員が任命された日から六月以内に行うものとする。
3 第三条の規定は第一項の規定による画定案の作成について、第五条の規定は同項の規定による勧告があった場合について準用する。
(特別職の職員の給与に関する法律の一部改正)
第三条 特別職の職員の給与に関する法律(昭和二十四年法律第二百五十二号)の一部を次のように改正する。
第一条第十九号の七の次に次の一号を加える。
十九の八 衆議院議員選挙区画定審議会委員
(選挙制度審議会設置法の一部改正)
第四条 選挙制度審議会設置法(昭和三十六年法律第百十九号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項中「次の各号に」を「次に」に改め、同項第二号中「事項」の下に「(衆議院議員選挙区画定審議会の所掌に属するものを除く。)」を加える。
内閣総理大臣 細川護煕
自治大臣 佐藤観樹