大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律
法令番号: 法律第百九号
公布年月日: 昭和48年10月1日
法令の形式: 法律
大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和四十八年十月一日
内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 三木武夫
法律第百九号
大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律
目次
第一章
総則(第一条・第二条)
第二章
大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整(第三条―第十四条)
第三章
雑則(第十五条―第十七条)
第四章
罰則(第十八条―第二十一条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、消費者の利益の保護に配慮しつつ、大規模小売店舗における小売業の事業活動を調整することにより、その周辺の中小小売業の事業活動の機会を適正に確保し、小売業の正常な発達を図り、もつて国民経済の健全な進展に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律で「店舗面積」とは、小売業(飲食店業を除くものとし、物品加工修理業を含む。以下同じ。)を営むための店舗の用に供される床面積をいう。
2 この法律で「大規模小売店舗」とは、次条第二項又は第三項の公示に係る建物をいう。
第二章 大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整
(大規模小売店舗に関する公示等)
第三条 一の建物であつて、その建物内の店舗面積の合計が千五百平方メートル(都の特別区及び地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市の区域内においては、三千平方メートル。以下「基準面積」という。)以上であるものの新設(建物の床面積を変更し、又は既存の建物の全部若しくは一部の用途を変更することにより当該建物となる場合を含む。以下同じ。)をする者(小売業を営むための店舗以外の用に供し又は供させるためその建物の一部の新設をする者があるときはその者を除くものとし、小売業を営むための店舗の用に供し又は供させるためその建物の一部を設置している者があるときはその者を含む。以下同じ。)は、その建物の見やすい場所に通商産業省令で定めるところにより表示を掲げるとともに、通商産業省令で定める事項を通商産業大臣に届け出なければならない。ただし、当該新設をする者が二人以上である場合においては、これらの者の全部が、又はその一部が共同して当該表示を掲げるとともに、当該届出を行なうことができる。
2 通商産業大臣は、前項の規定による届出(同項の規定により一の建物について二以上の届出がある場合には、その最初の届出)があつたときは、通商産業省令で定めるところにより、その届出に係る建物における小売業の事業活動について調整が行なわれることがある旨の公示をしなければならない。
3 通商産業大臣は、第一項に規定する建物について同項の規定による届出がない場合において、必要があると認めるときは、その建物につき前二項の規定の例により表示及び公示をすることができる。
4 第一項に規定する建物の床面積を変更し、又はその建物の全部若しくは一部の用途を変更することによりその建物内の店舗面積を基準面積未満とする者は、同項又は前項の表示を除去するとともに、その旨を通商産業大臣に届け出なければならない。
5 通商産業大臣は、前項の規定による届出があつたときは、通商産業省令で定めるところにより、その届出に係る建物に係る第二項又は第三項の公示がその効力を失う旨の公示をしなければならない。
6 通商産業大臣は、その店舗面積が基準面積未満となつた大規模小売店舗について第四項の規定による届出がない場合において、必要があると認めるときは、その大規模小売店舗につき前項の規定の例により公示をすることができる。
7 第一項に規定する建物の新設をする者は、第二項又は第三項の公示があつた後でなければ、その建物の全部又は一部を、基準面積をこえて小売業を営むための店舗の用に供し、又は供させてはならない。
8 第一項の規定の適用については、屋根、柱又は壁を共通にする建物(当該建物が公共の用に供される道路その他の施設によつて二以上の部分に隔てられているときは、その隔てられたそれぞれの部分)及び通路によつて接続され、機能が一体となつている二以上の建物は、これを一の建物とし、その建物に附属建物があるときは、これをあわせたものをもつて一の建物とする。
(大規模小売店舗における小売業の営業開始等の制限)
第四条 大規模小売店舗においては、その大規模小売店舗について前条第二項又は第三項の公示がされた日から六月を経過した後でなければ、何人も、新たに小売業を営んではならない。
2 前条第二項又は第三項の公示がされた際当該大規模小売店舗において小売業を営んでいる者は、その公示の日から六月を経過した後でなければ、当該大規模小売店舗における店舗面積を増加してはならない。
(大規模小売店舗における小売業者の届出)
第五条 大規模小売店舗において小売業を営もうとする者は、大規模小売店舗ごとに、その営業の開始の日(以下「開店日」という。)の四月前までに、次の事項を通商産業大臣に届け出なければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては代表者の氏名
二 大規模小売店舗の所在地
三 開店日
四 店舗面積
2 第三条第二項又は第三項の公示がされた際当該大規模小売店舗において小売業を営んでいる者は、その公示の日から二月以内に、前項第一号、第二号及び第四号の事項を通商産業大臣に届け出なければならない。
3 前二項の規定による届出には、通商産業省令で定める事項を記載した書類を添附しなければならない。
(開店日の繰上げ等の届出)
第六条 前条第一項の規定による届出をした者は、その届出に係る開店日の繰上げをしようとするときは、繰上げ後の開店日の四月前までに、その旨を通商産業大臣に届け出なければならない。
2 前条第一項又は第二項の規定による届出をした者は、その届出に係る店舗面積の増加をしようとするときは、店舗面積を増加する日の四月前までに、その旨を通商産業大臣に届け出なければならない。ただし、通商産業省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
3 前条第三項の規定は、前二項の規定による届出に準用する。
(変更勧告)
第七条 通商産業大臣は、第五条第一項又は前条第一項若しくは第二項の規定による届出があつた場合において、その届出に係る大規模小売店舗の周辺の人口の規模及びその推移、中小小売業の近代化の見通し、他の大規模小売店舗の配置及び当該他の大規模小売店舗における小売業の現状等の事情を考慮して、その届出に係る事項が実施されることによりその届出に係る大規模小売店舗における小売業の事業活動がその周辺の中小小売業の事業活動に相当程度の影響を及ぼすおそれがあるかどうかを審査し、そのおそれがあると認めるときは、大規模小売店舗審議会の意見をきいて、その届出を受理した日から三月以内に限り、その届出をした者に対し、その届出に係る開店日を繰り下げ、又は店舗面積を減少すべきことを勧告することができる。
2 大規模小売店舗審議会は、前項の規定により意見をきかれた場合において、その意見を定めようとするときは、その大規模小売店舗の所在地がその地区内にある商工会議所又は商工会の意見及び消費者又はその団体、小売業者又はその団体その他のもので通商産業省令で定めるところにより申出をしたものの意見をきかなければならない。
(変更命令)
第八条 通商産業大臣は、前条第一項の規定による勧告を受けた者がその勧告に従わない場合において、同項に規定する事態が生じ、中小小売業の利益が著しく害されるおそれがあると認めるときは、大規模小売店舗審議会の意見をきいて、その届出を受理した日から四月以内に限り、その勧告を受けた者に対し、その勧告に係る開店日を繰り下げ、又は店舗面積を減少すべきことを命ずることができる。
2 前条第二項の規定は、前項の規定により大規模小売店舗審議会が意見をきかれた場合に準用する。
(閉店時刻及び休業日数)
第九条 大規模小売店舗において小売業を営もうとする者は、大規模小売店舗ごとに、開店日までに、その閉店時刻を通商産業大臣に届け出なければならない。ただし、その閉店時刻が通商産業省令で定める時刻以前であるときは、この限りでない。
2 大規模小売店舗において小売業を営もうとする者は、大規模小売店舗ごとに、開店日までに、その休業日数を通商産業大臣に届け出なければならない。ただし、その休業日数が通商産業省令で定める日数以上であるときは、この限りではない。
3 大規模小売店舗において小売業を営んでいる者は、その閉店時刻の繰り下げ又は休業日数の減少をしようとするときは、あらかじめ、その旨を通商産業大臣に届け出なければならない。ただし、繰下げ後の閉店時刻が第一項の通商産業省令で定める時刻以前であるとき、若しくは減少後の休業日数がか前項の通商産業省令で定める日数以上であるとき、又は閉店時刻の繰下げ若しくは休業日数の減少が通商産業省令で定める軽微なものであるときは、その限りではない。
4 第七条の規定は前三項の規定による届出に、前条の規定は前三項の規定による届出に係る勧告に、それぞれ準用する。この場合において、第七条第一項及び前条第一項中「開店日を繰り下げ、又は店舗面積を減少すべきこと」とあるのは、「閉店時刻を繰り上げ、又は休業日数を増加すべきこと」と読み替えるものとする。
(改善勧告)
第十条 通商産業大臣は、大規模小売店舗における小売業者の顧客の送迎その他の営業に関する行為がその大規模小売店舗における小売業の事業活動を通じてその周辺の中小小売業の事業活動に影響を及ぼすおそれがある場合において、その中小小売業の維持育成を図るため特に必要があると認めるときは、その営業に関する行為を行なつている小売業者に対し、その営業に関する行為をしないように勧告することができる。
2 通商産業大臣は、前項の規定による勧告をしたときは、その旨を公表しなければならない。
(消費者に対する配慮等)
第十一条 通商産業大臣は、第七条第一項(第九条第四項において準用する場合を含む。)、第八条第一項(第九条第四項において準用する場合を含む。)又は前条第一項に規定する措置の運用に当たつては、消費者の利益の保護について配慮し、あわせて、大規模小売店舗における中小小売業の近代化その他の小売業の事業活動の円滑な遂行に支障を及ぼすことのないよう配慮しなければならない。
(氏名等の変更の届出)
第十二条 第五条第一項又は第二項の規定による届出をした者は、第六条第一項又は第二項の規定による届出を要する場合を除き、その届出に係る第五条第一項各号に掲げる事項の変更をしたときは、遅滞なく、その旨を通商産業大臣に届け出なければならない。ただし、通商産業省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
2 第九条第一項又は第二項の規定による届出をした者は、その届出に係る閉店時刻の繰上げ又は休業日数の増加をしたときは、遅滞なく、その旨を通商産業大臣に届け出なければならない。ただし、通商産業省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
(承継)
第十三条 第五条第一項若しくは第二項又は第九条第一項から第三項までの規定による届出をした者について相続又は合併があつたときは、相続人又は合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人は、その届出をした者の地位を承継する。
2 前項の規定により第五条第一項若しくは第二項又は第九条第一項から第三項までの規定による届出をした者の地位を承継した者は、その承継があつた日から一月以内に、その旨を通商産業大臣に届け出なければならない。
(営業の停止)
第十四条 通商産業大臣は、大規模小売店舗における小売業者が第四条、第五条第一項、第六条第一項若しくは第二項若しくは第九条第一項から第三項までの規定に違反し、又は第八条第一項(第九条第四項において準用する場合を含む。)の規定による命令に違反したときは、その小売業者に対し、一年以内の期間を定めてその小売業の営業の全部又は一部を停止すべきことを命ずることができる。
2 通商産業大臣は、第三条第一項に規定する建物で同条第二項または第三項の公示がされていないものにおける小売業者が、その建物が明らかに同条第一項に規定する建物に該当することを知つていると認められる場合において、その者の事業活動がその周辺の中小小売業の事業活動に著しい影響を及ぼしていると認めるときは、その小売業者に対し、一年以内の期間を定めてその小売業の営業の全部又は一部を停止すべきことを命ずることができる。
第三章 雑則
(商工会議所等への通知)
第十五条 通商産業大臣は、第五条第一項、第六条第一項若しくは第二項又は第九条第一項から第三項までの規定による届出があつたときは、その届出に係る開店日、店舗面積その他その大規模小売店舗における小売業の事業活動に対応してその周辺の中小小売業の近代化を行なうに際し参考となる事項で通商産業省令で定めるものを、その大規模小売店舗の所在地がその地区内にある商工会議所又は商工会に通知するものとする。
(報告及び立入検査)
第十六条 通商産業大臣は、この法律の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、第三条第一項に規定する建物を設置する者若しくは大規模小売店舗における小売業者に対し報告をさせ、又はその職員に、これらの者の事務所若しくは店舗に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により職員が立入検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(異議申立ての手続における聴聞)
第十七条 通商産業大臣は、第八条第一項(第九条第四項において準用する場合を含む。)又は第十四条の規定による命令についての異議申立てがあつたときは、異議申立人に対し、相当な期間をおいて予告をした上、公開による聴聞を行なわなければならない。
2 前項の予告においては、期日、場所及び事案の内容を示さなければならない。
3 聴聞に際しては、異議申立人及び利害関係人に対し、当該事案について証拠を提示し、意見を述べる機会を与えなければならない。
第四章 罰則
第十八条 第八条第一項(第九条第四項において準用する場合を含む。)又は第十四条の規定による命令に違反した者は、三百万円以下の罰金に処する。
第十九条 次の各号の一に該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第三条第七項又は第四条の規定に違反した者
二 第五条第一項若しくは第二項、第六条第一項若しくは第二項又は第九条第一項から第三項までの規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
第二十条 次の各号の一に該当する者は、五万円以下の罰金に処する。
一 第十二条又は第十三条第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二 第十六条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
第二十一条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前三条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の刑を科する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
(百貨店法の廃止)
第二条 百貨店法(昭和三十一年法律第百十六号)は、廃止する。
(経過措置)
第三条 この法律の施行の際前条の規定による廃止前の百貨店法(以下「旧法」という。)第三条又は第六条第一項の許可の申請をしている者の当該申請に関する旧法第三条、第五条、第六条、第二十条、第二十一条及び第二十四条の規定に係る事項については、なお従前の例による。この場合において、旧法第五条第二項及び第三項中「百貨店審議会」とあるのは、「大規模小売店舗審議会」とする。
第四条 この法律の施行の際第三条第一項に規定する建物を設置している者(小売業を営むための店舗以外の用に供し又は供させるためその建物の一部を設置している者を除く。以下同じ。)は、この法律の施行の日から起算して一月以内に、その建物の見やすい場所に通商産業省令で定めるところにより同項の表示を掲げるとともに、通商産業省令で定める事項を通商産業大臣に届け出なければならない。ただし、当該建物を設置している者が二人以上である場合においては、これらの者の全部が、又はその一部が共同して当該表示を掲げるとともに、当該届出を行なうことができる。
2 前項の規定による届出は、第三条第二項及び第三項の規定の適用については、同条第一項の規定による届出とみなす。
3 この法律の施行の際第三条第一項に規定する建物を設置している者は、同条第二項又は第三項の公示があつた後でなければ、その建物の全部又は一部を、この法律の施行の際供し又は供させている店舗面積をこえて小売業を営むための店舗の用に供し、又は供させてはならない。
第五条 第四条の規定は、この法律の施行の日から起算して六月間は、適用しない。
第六条 この法律の施行後第三条第一項に規定する建物において小売業を営もうとする者であつて、その店舗につき、この法律の施行の際旧法第三条若しくは第六条第一項の許可を受けているもの又は附則第三条の規定により従前の例によることとされる旧法第三条若しくは第六条第一項の許可を受けたものについては、第五条第一項の規定は、適用しない。
2 前項に規定する者は、第六条第一項若しくは第二項、第十二条第一項又は第十三条の規定の適用については、当該店舗につき第五条第一項の規定による届出をしたものとみなす。
3 この法律の施行の際第三条第一項に規定する建物において小売業を営んでいる者であつて、その店舗につきこの法律の施行の際旧法第三条又は第六条第一項の許可を受けているものについては、第五条第二項の規定は、適用しない。
4 前項に規定する者は、第六条第二項、第十二条第一項又は第十三条の規定の適用については、当該店舗につき第五条第二項の規定による届出をしたものとみなす。
5 この法律の施行の際第三条第一項に規定する建物において小売業を営んでいる者であつて、その店舗につき、この法律の施行の際旧法第六条第一項の許可を受けているもの又は附則第三条の規定により従前の例によることとされる旧法第六条第一項の許可を受けたものについては、第六条第二項の規定は、適用しない。
第七条 この法律の施行の日から起算して四月を経過する日までに大規模小売店舗において小売業を営もうとする者(旧法第二条に規定する百貨店業を営もうとする者を除く。)に関する第五条第一項の規定の適用については、同項中「その営業の開始の日(以下「開店日」という。)の四月前までに」とあるのは、「あらかじめ」とする。
第八条 この法律の施行の日から起算して四月を経過する日までに大規模小売店舗において小売業を営む者(旧法第二条に規定する百貨店業を営む者を除く。)に関する第六条第一項又は第二項の規定の適用については、同条第一項中「繰上げ後の開店日の四月前までに」とあり、同条第二項中「店舗面積を増加する日の四月前までに」とあるのは、「あらかじめ」とする。
第九条 附則第七条の規定により同条に規定する者に適用することとされる第五条第一項の規定又は前条の規定により同条に規定する者に適用することとされる第六条第一項若しくは第二項の規定による届出については、第七条第一項の規定は、適用しない。
第十条 この法律の施行の際第三条第一項に規定する建物において小売業を営んでいる者は、当該建物ごとに、閉店時刻の繰下げにつき第九条第三項の規定による届出をした場合を除き、この法律の施行の日から起算して一年以内に、その閉店時刻を通商産業大臣に届け出なければならない。ただし、その閉店時刻が同条第一項の通商産業省令で定める時刻以前であるときは、この限りでない。
2 この法律の施行の際第三条第一項に規定する建物において小売業を営んでいる者は、当該建物ごとに、休業日数の減少につき第九条第三項の規定による届出をした場合を除き、この法律の施行の日から起算して一年以内に、その休業日数を通商産業大臣に届け出なければならない。ただし、その休業日数が同条第二項の通商産業省令で定める日数以上であるときは、この限りでない。
3 前二項の規定による届出は、第十二条第二項及び第十三条の規定の適用については、第九条第一項又は第二項の規定による届出とみなす。
4 第九条第四項及び第十五条の規定は、第一項又は第二項の規定による届出があつた場合について準用する。
5 第十一条の規定は、前項において準用する第九条第四項において準用する第七条第一項又は第八条第一項に規定する措置の運用について準用する。
6 第十四条第一項の規定は、第一項又は第二項に規定する小売業を営んでいる者が第一項若しくは第二項の現定に違反し、又は第四項において準用する第九条第四項において準用する第八条第一項の規定による命令に違反した場合について準用する。
7 第十七条の規定は、第四項において準用する第九条第四項において準用する第八条第一項又は前項において準用する第十四条の規定による命令についての異議申立てがあつた場合について準用する。
第十一条 前条第四項において準用する第九条第四項において準用する第八条第一項又は前条第六項において準用する第十四条第一項の規定による命令に違反した者は、三百万円以下の罰金に処する。
2 次の各号の一に該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一 附則第四条第三項の規定に違反した者
二 前条第一項又は第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
3 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本項の刑を科する。
第十二条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(小売商業調整特別措置法の一部改正)
第十三条 小売商業調整特別措置法(昭和三十四年法律第百五十五号)の一部を次のように改正する。
第十七条中「百貨店法(昭和三十一年法律第百十六号)第六条第一項に規定する百貨店業者と」を「大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律(昭和四十八年法律第百九号)第二条第二項に規定する大規模小売店舗において小売業を営む者とその周辺の」に改める。
(割賦販売法の一部改正)
第十四条 割賦販売法(昭和三十六年法律第百五十九号)の一部を次のように改正する。
第十五条第三項中「百貨店業者(百貨店法(昭和三十一年法律第百十六号)第三条の許可を受けた者をいう。)」を「大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律(昭和四十八年法律第百九号)第二条第二項に規定する大規模小売店舗において小売業を営む者」に改める。
(登録免許税法の一部改正)
第十五条 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。
別表第一中第三十二号を次のように改める。
三十二 削除
(通商産業省設置法の一部改正)
第十六条 通商産業省設置法(昭和二十七年法律第二百七十五号)の一部を次のように改正する。
第四条第一項第三十号を次のように改める。
三十 大規模小売店舗における小売業に関し必要な命令をすること。
第九条第八号中「百貨店業」の下に「その他大規模小売店舗における小売業」を加える。
第二十五条第一項の表中百貨店審議会の項を次のように改める。
大規模小売店舗審議会
百貨店業その他大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する重要事項を調査審議すること。
法務大臣 田中伊三次
大蔵大臣臨時代理 国務大臣 小坂善太郎
通商産業大臣 中曾根康弘
内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 三木武夫
大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和四十八年十月一日
内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 三木武夫
法律第百九号
大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律
目次
第一章
総則(第一条・第二条)
第二章
大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整(第三条―第十四条)
第三章
雑則(第十五条―第十七条)
第四章
罰則(第十八条―第二十一条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、消費者の利益の保護に配慮しつつ、大規模小売店舗における小売業の事業活動を調整することにより、その周辺の中小小売業の事業活動の機会を適正に確保し、小売業の正常な発達を図り、もつて国民経済の健全な進展に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律で「店舗面積」とは、小売業(飲食店業を除くものとし、物品加工修理業を含む。以下同じ。)を営むための店舗の用に供される床面積をいう。
2 この法律で「大規模小売店舗」とは、次条第二項又は第三項の公示に係る建物をいう。
第二章 大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整
(大規模小売店舗に関する公示等)
第三条 一の建物であつて、その建物内の店舗面積の合計が千五百平方メートル(都の特別区及び地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市の区域内においては、三千平方メートル。以下「基準面積」という。)以上であるものの新設(建物の床面積を変更し、又は既存の建物の全部若しくは一部の用途を変更することにより当該建物となる場合を含む。以下同じ。)をする者(小売業を営むための店舗以外の用に供し又は供させるためその建物の一部の新設をする者があるときはその者を除くものとし、小売業を営むための店舗の用に供し又は供させるためその建物の一部を設置している者があるときはその者を含む。以下同じ。)は、その建物の見やすい場所に通商産業省令で定めるところにより表示を掲げるとともに、通商産業省令で定める事項を通商産業大臣に届け出なければならない。ただし、当該新設をする者が二人以上である場合においては、これらの者の全部が、又はその一部が共同して当該表示を掲げるとともに、当該届出を行なうことができる。
2 通商産業大臣は、前項の規定による届出(同項の規定により一の建物について二以上の届出がある場合には、その最初の届出)があつたときは、通商産業省令で定めるところにより、その届出に係る建物における小売業の事業活動について調整が行なわれることがある旨の公示をしなければならない。
3 通商産業大臣は、第一項に規定する建物について同項の規定による届出がない場合において、必要があると認めるときは、その建物につき前二項の規定の例により表示及び公示をすることができる。
4 第一項に規定する建物の床面積を変更し、又はその建物の全部若しくは一部の用途を変更することによりその建物内の店舗面積を基準面積未満とする者は、同項又は前項の表示を除去するとともに、その旨を通商産業大臣に届け出なければならない。
5 通商産業大臣は、前項の規定による届出があつたときは、通商産業省令で定めるところにより、その届出に係る建物に係る第二項又は第三項の公示がその効力を失う旨の公示をしなければならない。
6 通商産業大臣は、その店舗面積が基準面積未満となつた大規模小売店舗について第四項の規定による届出がない場合において、必要があると認めるときは、その大規模小売店舗につき前項の規定の例により公示をすることができる。
7 第一項に規定する建物の新設をする者は、第二項又は第三項の公示があつた後でなければ、その建物の全部又は一部を、基準面積をこえて小売業を営むための店舗の用に供し、又は供させてはならない。
8 第一項の規定の適用については、屋根、柱又は壁を共通にする建物(当該建物が公共の用に供される道路その他の施設によつて二以上の部分に隔てられているときは、その隔てられたそれぞれの部分)及び通路によつて接続され、機能が一体となつている二以上の建物は、これを一の建物とし、その建物に附属建物があるときは、これをあわせたものをもつて一の建物とする。
(大規模小売店舗における小売業の営業開始等の制限)
第四条 大規模小売店舗においては、その大規模小売店舗について前条第二項又は第三項の公示がされた日から六月を経過した後でなければ、何人も、新たに小売業を営んではならない。
2 前条第二項又は第三項の公示がされた際当該大規模小売店舗において小売業を営んでいる者は、その公示の日から六月を経過した後でなければ、当該大規模小売店舗における店舗面積を増加してはならない。
(大規模小売店舗における小売業者の届出)
第五条 大規模小売店舗において小売業を営もうとする者は、大規模小売店舗ごとに、その営業の開始の日(以下「開店日」という。)の四月前までに、次の事項を通商産業大臣に届け出なければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては代表者の氏名
二 大規模小売店舗の所在地
三 開店日
四 店舗面積
2 第三条第二項又は第三項の公示がされた際当該大規模小売店舗において小売業を営んでいる者は、その公示の日から二月以内に、前項第一号、第二号及び第四号の事項を通商産業大臣に届け出なければならない。
3 前二項の規定による届出には、通商産業省令で定める事項を記載した書類を添附しなければならない。
(開店日の繰上げ等の届出)
第六条 前条第一項の規定による届出をした者は、その届出に係る開店日の繰上げをしようとするときは、繰上げ後の開店日の四月前までに、その旨を通商産業大臣に届け出なければならない。
2 前条第一項又は第二項の規定による届出をした者は、その届出に係る店舗面積の増加をしようとするときは、店舗面積を増加する日の四月前までに、その旨を通商産業大臣に届け出なければならない。ただし、通商産業省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
3 前条第三項の規定は、前二項の規定による届出に準用する。
(変更勧告)
第七条 通商産業大臣は、第五条第一項又は前条第一項若しくは第二項の規定による届出があつた場合において、その届出に係る大規模小売店舗の周辺の人口の規模及びその推移、中小小売業の近代化の見通し、他の大規模小売店舗の配置及び当該他の大規模小売店舗における小売業の現状等の事情を考慮して、その届出に係る事項が実施されることによりその届出に係る大規模小売店舗における小売業の事業活動がその周辺の中小小売業の事業活動に相当程度の影響を及ぼすおそれがあるかどうかを審査し、そのおそれがあると認めるときは、大規模小売店舗審議会の意見をきいて、その届出を受理した日から三月以内に限り、その届出をした者に対し、その届出に係る開店日を繰り下げ、又は店舗面積を減少すべきことを勧告することができる。
2 大規模小売店舗審議会は、前項の規定により意見をきかれた場合において、その意見を定めようとするときは、その大規模小売店舗の所在地がその地区内にある商工会議所又は商工会の意見及び消費者又はその団体、小売業者又はその団体その他のもので通商産業省令で定めるところにより申出をしたものの意見をきかなければならない。
(変更命令)
第八条 通商産業大臣は、前条第一項の規定による勧告を受けた者がその勧告に従わない場合において、同項に規定する事態が生じ、中小小売業の利益が著しく害されるおそれがあると認めるときは、大規模小売店舗審議会の意見をきいて、その届出を受理した日から四月以内に限り、その勧告を受けた者に対し、その勧告に係る開店日を繰り下げ、又は店舗面積を減少すべきことを命ずることができる。
2 前条第二項の規定は、前項の規定により大規模小売店舗審議会が意見をきかれた場合に準用する。
(閉店時刻及び休業日数)
第九条 大規模小売店舗において小売業を営もうとする者は、大規模小売店舗ごとに、開店日までに、その閉店時刻を通商産業大臣に届け出なければならない。ただし、その閉店時刻が通商産業省令で定める時刻以前であるときは、この限りでない。
2 大規模小売店舗において小売業を営もうとする者は、大規模小売店舗ごとに、開店日までに、その休業日数を通商産業大臣に届け出なければならない。ただし、その休業日数が通商産業省令で定める日数以上であるときは、この限りではない。
3 大規模小売店舗において小売業を営んでいる者は、その閉店時刻の繰り下げ又は休業日数の減少をしようとするときは、あらかじめ、その旨を通商産業大臣に届け出なければならない。ただし、繰下げ後の閉店時刻が第一項の通商産業省令で定める時刻以前であるとき、若しくは減少後の休業日数がか前項の通商産業省令で定める日数以上であるとき、又は閉店時刻の繰下げ若しくは休業日数の減少が通商産業省令で定める軽微なものであるときは、その限りではない。
4 第七条の規定は前三項の規定による届出に、前条の規定は前三項の規定による届出に係る勧告に、それぞれ準用する。この場合において、第七条第一項及び前条第一項中「開店日を繰り下げ、又は店舗面積を減少すべきこと」とあるのは、「閉店時刻を繰り上げ、又は休業日数を増加すべきこと」と読み替えるものとする。
(改善勧告)
第十条 通商産業大臣は、大規模小売店舗における小売業者の顧客の送迎その他の営業に関する行為がその大規模小売店舗における小売業の事業活動を通じてその周辺の中小小売業の事業活動に影響を及ぼすおそれがある場合において、その中小小売業の維持育成を図るため特に必要があると認めるときは、その営業に関する行為を行なつている小売業者に対し、その営業に関する行為をしないように勧告することができる。
2 通商産業大臣は、前項の規定による勧告をしたときは、その旨を公表しなければならない。
(消費者に対する配慮等)
第十一条 通商産業大臣は、第七条第一項(第九条第四項において準用する場合を含む。)、第八条第一項(第九条第四項において準用する場合を含む。)又は前条第一項に規定する措置の運用に当たつては、消費者の利益の保護について配慮し、あわせて、大規模小売店舗における中小小売業の近代化その他の小売業の事業活動の円滑な遂行に支障を及ぼすことのないよう配慮しなければならない。
(氏名等の変更の届出)
第十二条 第五条第一項又は第二項の規定による届出をした者は、第六条第一項又は第二項の規定による届出を要する場合を除き、その届出に係る第五条第一項各号に掲げる事項の変更をしたときは、遅滞なく、その旨を通商産業大臣に届け出なければならない。ただし、通商産業省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
2 第九条第一項又は第二項の規定による届出をした者は、その届出に係る閉店時刻の繰上げ又は休業日数の増加をしたときは、遅滞なく、その旨を通商産業大臣に届け出なければならない。ただし、通商産業省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
(承継)
第十三条 第五条第一項若しくは第二項又は第九条第一項から第三項までの規定による届出をした者について相続又は合併があつたときは、相続人又は合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人は、その届出をした者の地位を承継する。
2 前項の規定により第五条第一項若しくは第二項又は第九条第一項から第三項までの規定による届出をした者の地位を承継した者は、その承継があつた日から一月以内に、その旨を通商産業大臣に届け出なければならない。
(営業の停止)
第十四条 通商産業大臣は、大規模小売店舗における小売業者が第四条、第五条第一項、第六条第一項若しくは第二項若しくは第九条第一項から第三項までの規定に違反し、又は第八条第一項(第九条第四項において準用する場合を含む。)の規定による命令に違反したときは、その小売業者に対し、一年以内の期間を定めてその小売業の営業の全部又は一部を停止すべきことを命ずることができる。
2 通商産業大臣は、第三条第一項に規定する建物で同条第二項または第三項の公示がされていないものにおける小売業者が、その建物が明らかに同条第一項に規定する建物に該当することを知つていると認められる場合において、その者の事業活動がその周辺の中小小売業の事業活動に著しい影響を及ぼしていると認めるときは、その小売業者に対し、一年以内の期間を定めてその小売業の営業の全部又は一部を停止すべきことを命ずることができる。
第三章 雑則
(商工会議所等への通知)
第十五条 通商産業大臣は、第五条第一項、第六条第一項若しくは第二項又は第九条第一項から第三項までの規定による届出があつたときは、その届出に係る開店日、店舗面積その他その大規模小売店舗における小売業の事業活動に対応してその周辺の中小小売業の近代化を行なうに際し参考となる事項で通商産業省令で定めるものを、その大規模小売店舗の所在地がその地区内にある商工会議所又は商工会に通知するものとする。
(報告及び立入検査)
第十六条 通商産業大臣は、この法律の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、第三条第一項に規定する建物を設置する者若しくは大規模小売店舗における小売業者に対し報告をさせ、又はその職員に、これらの者の事務所若しくは店舗に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により職員が立入検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(異議申立ての手続における聴聞)
第十七条 通商産業大臣は、第八条第一項(第九条第四項において準用する場合を含む。)又は第十四条の規定による命令についての異議申立てがあつたときは、異議申立人に対し、相当な期間をおいて予告をした上、公開による聴聞を行なわなければならない。
2 前項の予告においては、期日、場所及び事案の内容を示さなければならない。
3 聴聞に際しては、異議申立人及び利害関係人に対し、当該事案について証拠を提示し、意見を述べる機会を与えなければならない。
第四章 罰則
第十八条 第八条第一項(第九条第四項において準用する場合を含む。)又は第十四条の規定による命令に違反した者は、三百万円以下の罰金に処する。
第十九条 次の各号の一に該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第三条第七項又は第四条の規定に違反した者
二 第五条第一項若しくは第二項、第六条第一項若しくは第二項又は第九条第一項から第三項までの規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
第二十条 次の各号の一に該当する者は、五万円以下の罰金に処する。
一 第十二条又は第十三条第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二 第十六条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
第二十一条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前三条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の刑を科する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
(百貨店法の廃止)
第二条 百貨店法(昭和三十一年法律第百十六号)は、廃止する。
(経過措置)
第三条 この法律の施行の際前条の規定による廃止前の百貨店法(以下「旧法」という。)第三条又は第六条第一項の許可の申請をしている者の当該申請に関する旧法第三条、第五条、第六条、第二十条、第二十一条及び第二十四条の規定に係る事項については、なお従前の例による。この場合において、旧法第五条第二項及び第三項中「百貨店審議会」とあるのは、「大規模小売店舗審議会」とする。
第四条 この法律の施行の際第三条第一項に規定する建物を設置している者(小売業を営むための店舗以外の用に供し又は供させるためその建物の一部を設置している者を除く。以下同じ。)は、この法律の施行の日から起算して一月以内に、その建物の見やすい場所に通商産業省令で定めるところにより同項の表示を掲げるとともに、通商産業省令で定める事項を通商産業大臣に届け出なければならない。ただし、当該建物を設置している者が二人以上である場合においては、これらの者の全部が、又はその一部が共同して当該表示を掲げるとともに、当該届出を行なうことができる。
2 前項の規定による届出は、第三条第二項及び第三項の規定の適用については、同条第一項の規定による届出とみなす。
3 この法律の施行の際第三条第一項に規定する建物を設置している者は、同条第二項又は第三項の公示があつた後でなければ、その建物の全部又は一部を、この法律の施行の際供し又は供させている店舗面積をこえて小売業を営むための店舗の用に供し、又は供させてはならない。
第五条 第四条の規定は、この法律の施行の日から起算して六月間は、適用しない。
第六条 この法律の施行後第三条第一項に規定する建物において小売業を営もうとする者であつて、その店舗につき、この法律の施行の際旧法第三条若しくは第六条第一項の許可を受けているもの又は附則第三条の規定により従前の例によることとされる旧法第三条若しくは第六条第一項の許可を受けたものについては、第五条第一項の規定は、適用しない。
2 前項に規定する者は、第六条第一項若しくは第二項、第十二条第一項又は第十三条の規定の適用については、当該店舗につき第五条第一項の規定による届出をしたものとみなす。
3 この法律の施行の際第三条第一項に規定する建物において小売業を営んでいる者であつて、その店舗につきこの法律の施行の際旧法第三条又は第六条第一項の許可を受けているものについては、第五条第二項の規定は、適用しない。
4 前項に規定する者は、第六条第二項、第十二条第一項又は第十三条の規定の適用については、当該店舗につき第五条第二項の規定による届出をしたものとみなす。
5 この法律の施行の際第三条第一項に規定する建物において小売業を営んでいる者であつて、その店舗につき、この法律の施行の際旧法第六条第一項の許可を受けているもの又は附則第三条の規定により従前の例によることとされる旧法第六条第一項の許可を受けたものについては、第六条第二項の規定は、適用しない。
第七条 この法律の施行の日から起算して四月を経過する日までに大規模小売店舗において小売業を営もうとする者(旧法第二条に規定する百貨店業を営もうとする者を除く。)に関する第五条第一項の規定の適用については、同項中「その営業の開始の日(以下「開店日」という。)の四月前までに」とあるのは、「あらかじめ」とする。
第八条 この法律の施行の日から起算して四月を経過する日までに大規模小売店舗において小売業を営む者(旧法第二条に規定する百貨店業を営む者を除く。)に関する第六条第一項又は第二項の規定の適用については、同条第一項中「繰上げ後の開店日の四月前までに」とあり、同条第二項中「店舗面積を増加する日の四月前までに」とあるのは、「あらかじめ」とする。
第九条 附則第七条の規定により同条に規定する者に適用することとされる第五条第一項の規定又は前条の規定により同条に規定する者に適用することとされる第六条第一項若しくは第二項の規定による届出については、第七条第一項の規定は、適用しない。
第十条 この法律の施行の際第三条第一項に規定する建物において小売業を営んでいる者は、当該建物ごとに、閉店時刻の繰下げにつき第九条第三項の規定による届出をした場合を除き、この法律の施行の日から起算して一年以内に、その閉店時刻を通商産業大臣に届け出なければならない。ただし、その閉店時刻が同条第一項の通商産業省令で定める時刻以前であるときは、この限りでない。
2 この法律の施行の際第三条第一項に規定する建物において小売業を営んでいる者は、当該建物ごとに、休業日数の減少につき第九条第三項の規定による届出をした場合を除き、この法律の施行の日から起算して一年以内に、その休業日数を通商産業大臣に届け出なければならない。ただし、その休業日数が同条第二項の通商産業省令で定める日数以上であるときは、この限りでない。
3 前二項の規定による届出は、第十二条第二項及び第十三条の規定の適用については、第九条第一項又は第二項の規定による届出とみなす。
4 第九条第四項及び第十五条の規定は、第一項又は第二項の規定による届出があつた場合について準用する。
5 第十一条の規定は、前項において準用する第九条第四項において準用する第七条第一項又は第八条第一項に規定する措置の運用について準用する。
6 第十四条第一項の規定は、第一項又は第二項に規定する小売業を営んでいる者が第一項若しくは第二項の現定に違反し、又は第四項において準用する第九条第四項において準用する第八条第一項の規定による命令に違反した場合について準用する。
7 第十七条の規定は、第四項において準用する第九条第四項において準用する第八条第一項又は前項において準用する第十四条の規定による命令についての異議申立てがあつた場合について準用する。
第十一条 前条第四項において準用する第九条第四項において準用する第八条第一項又は前条第六項において準用する第十四条第一項の規定による命令に違反した者は、三百万円以下の罰金に処する。
2 次の各号の一に該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一 附則第四条第三項の規定に違反した者
二 前条第一項又は第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
3 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本項の刑を科する。
第十二条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(小売商業調整特別措置法の一部改正)
第十三条 小売商業調整特別措置法(昭和三十四年法律第百五十五号)の一部を次のように改正する。
第十七条中「百貨店法(昭和三十一年法律第百十六号)第六条第一項に規定する百貨店業者と」を「大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律(昭和四十八年法律第百九号)第二条第二項に規定する大規模小売店舗において小売業を営む者とその周辺の」に改める。
(割賦販売法の一部改正)
第十四条 割賦販売法(昭和三十六年法律第百五十九号)の一部を次のように改正する。
第十五条第三項中「百貨店業者(百貨店法(昭和三十一年法律第百十六号)第三条の許可を受けた者をいう。)」を「大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律(昭和四十八年法律第百九号)第二条第二項に規定する大規模小売店舗において小売業を営む者」に改める。
(登録免許税法の一部改正)
第十五条 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。
別表第一中第三十二号を次のように改める。
三十二 削除
(通商産業省設置法の一部改正)
第十六条 通商産業省設置法(昭和二十七年法律第二百七十五号)の一部を次のように改正する。
第四条第一項第三十号を次のように改める。
三十 大規模小売店舗における小売業に関し必要な命令をすること。
第九条第八号中「百貨店業」の下に「その他大規模小売店舗における小売業」を加える。
第二十五条第一項の表中百貨店審議会の項を次のように改める。
大規模小売店舗審議会
百貨店業その他大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する重要事項を調査審議すること。
法務大臣 田中伊三次
大蔵大臣臨時代理 国務大臣 小坂善太郎
通商産業大臣 中曽根康弘
内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 三木武夫