国の庁舎等の使用調整等に関する特別措置法
法令番号: 法律第115号
公布年月日: 昭和32年5月20日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

行政財産である国の庁舎等の中には、適正かつ効率的に使用されていないものや、市街地に平面的に散在して都市発展を阻害しているものが少なくない。そこで、庁舎等の使用調整を行い、特定の建築物を耐火構造の高層建築物に立体化したり、位置を移転したりすることで、不用となる庁舎等を住宅敷地等に活用し、公務の能率向上と公衆の利便増進を図ることを目的として本法案を提出するものである。

参照した発言:
第26回国会 衆議院 大蔵委員会 第8号

審議経過

第26回国会

衆議院
(昭和32年3月5日)
参議院
(昭和32年3月5日)
(昭和32年3月7日)
衆議院
(昭和32年4月9日)
(昭和32年4月9日)
参議院
(昭和32年4月12日)
(昭和32年4月18日)
(昭和32年4月19日)
(昭和32年5月14日)
(昭和32年5月15日)
衆議院
(昭和32年5月19日)
参議院
(昭和32年5月19日)
国の庁舎等の使用調整等に関する特別措置法をここに公布する。
御名御璽
昭和三十二年五月二十日
内閣総理大臣 岸信介
法律第百十五号
国の庁舎等の使用調整等に関する特別措置法
(目的)
第一条 この法律は、庁舎等の使用調整及び特定の庁舎等の整備を計画的に実施して適正かつ効率的な使用を図り、公務の能率の向上と公衆の利便の増進に資することを目的とする。
(用語の定義)
第二条 この法律において「行政財産」、「所管換」、「各省各庁の長」、「所属替」又は「各省各庁」とは、それぞれ国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第三条第二項、第四条第二項若しくは第三項又は第三十二条第一項に規定する行政財産、所管換、各省各庁の長、所属替又は各省各庁をいう。
2 この法律において「庁舎等」とは、行政財産のうち国の事務若しくは事業又は企業の用に供し、又は供するものと決定した庁舎その他の建物及びこれに附帯する工作物その他の施設(以下「附帯施設」という。)並びにこれらの敷地(敷地となるべき土地を含む。以下同じ。)をいう。
3 この法律において「使用調整」とは、庁舎等を適正かつ効率的に使用するため、所管換、所属替、用途の変更その他の方法により、その使用につき必要な調整をすることをいう。
4 この法律において「特定庁舎等」とは、庁舎等のうち特別会計に属するもの以外のもの(国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第八条に規定する機関の事務又は事業の用に供し、又は供するものと決定したものにあつては、政令で定める機関に係るものに限る。)をいう。
(庁舎等使用現況及び見込報告書)
第三条 各省各庁の長は、その所管に属する庁舎等について、政令で定めるところにより、毎会計年度末現在における使用の現況及び見込に関する報告書(以下「庁舎等使用現況及び見込報告書」という。)を作成し、翌年度五月三十一日までに、これを大蔵大臣に送付しなければならない。
2 各省各庁の長は、庁舎等使用現況及び見込報告書の内容を変更する必要があると認めるときは、そのつど、その変更に係る事項を記載した書面を大蔵大臣に送付しなければならない。
(庁舎等使用調整計画)
第四条 大蔵大臣は、前条の規定により庁舎等使用現況及び見込報告書の送付を受けた場合において、必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、当該報告書に基き、庁舎等の使用調整に関する計画(以下「庁舎等使用調整計画」という。)を定め、遅滞なく、これを関係の各省各庁の長に通知しなければならない。
2 大蔵大臣は、庁舎等使用現況及び見込報告書の内容の変更その他の事情により庁舎等使用調整計画を変更する必要があると認めるときは、そのつど、当該計画を変更して、その変更に係る計画を関係の各省各庁の長に通知しなければならない。
3 大蔵大臣は、前二項の規定により庁舎等使用調整計画を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、庁舎等調整審議会にはかり、その意見をきかなければならない。
4 大蔵大臣は、前三項の規定により定め、又は変更した庁舎等使用調整計画に基いて庁舎等の使用調整を行うため、関係の各省各庁の長に対し、庁舎等の所管換、所属替、用途の変更その他必要な措置を求めることができる。この場合において、使用調整を行うことにより不用となるべき庁舎等があるときは、大蔵大臣は、当該庁舎等の用途を廃止すべきことを、あわせて求めることができる。
(特定庁舎等特殊整備計画等)
第五条 大蔵大臣は、特定庁舎等について、前条に規定する使用調整を行うほか、さらにその使用の効率化及び配置の適正化を図るため、政令で定めるところにより、次に掲げる計画をとりまとめた特定庁舎等特殊整備計画の案を定め、閣議の決定を求めるものとする。
一 特定庁舎等とする目的で政令で定める耐火構造の高層な建物若しくはその附帯施設又はこれらの敷地を取得し、これに伴つて不用となる特定庁舎等を処分する計画
二 特定庁舎等で、公営住宅(公営住宅法(昭和二十六年法律第百九十三号)第二条第二号に規定する公営住宅をいう。)その他の住宅又はその敷地の用に供することが適当であると認められる場所にあるものを、主としてこれらの用に供するために処分し、これに伴つて必要となる特定庁舎等とする目的で建物若しくはその附帯施設又はこれらの敷地を取得する計画
2 大蔵大臣は、前項の規定により決定された特定庁舎等特殊整備計画が実情に沿わないことが明らかになつた場合その他特別の事情がある場合には、当該計画を、閣議の決定を経て変更することができる。
3 前条第三項の規定は、前二項の規定により大蔵大臣が特定庁舎等特殊整備計画につき閣議の決定を求めようとする場合について準用する。
4 大蔵大臣は、特定庁舎等特殊整備計画の案を定めたときは、遅滞なく、これを建設大臣に通知しなければならない。
5 建設大臣は、特定庁舎等特殊整備計画の案の通知を受けたときは、当該計画により建築し、又は建設すべき建物又はその附帯施設につき、その位置、規模及び構造その他政令で定める事項に関する計画の案を定め、前項の特定庁舎等特殊整備計画の案にあわせて閣議の決定を求めるものとする。
6 前二項の規定は、第二項の規定により大蔵大臣が特定庁舎等特殊整備計画を変更する場合について準用する。
(特定庁舎等の処分による収入の使途)
第六条 特定庁舎等特殊整備計画の実施により処分された特定庁舎等に係る収入は、当該計画により取得すべき特定庁舎等の取得に要する経費の財源に充てなければならない。
(庁舎等調整審議会)
第七条 大蔵大臣の諮問に応じて、この法律の施行に関する重要事項を調査審議するため、大蔵省に庁舎等調整審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、委員三十人以内で組織する。
3 委員は、各省各庁の職員及び学識経験のある者のうちから、大蔵大臣が任命する。
4 審議会に会長を置き、委員の互選によつて定める。ただし、各省各庁の職員は、会長となることができない。
5 委員は、非常勤とする。
6 学識経験のある者のうちから任命された委員の任期は、二年とする。ただし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
7 前項の委員は、再任されることができる。
8 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第三条の規定は、昭和三十一年度分の庁舎等使用現況及び見込報告書から適用する。
2 大蔵省設置法(昭和二十四年法律第百四十四号)の一部を次のように改正する。
第十七条第一項の表中旧軍港市国有財産処理審議会の項の次に次のように加える。
庁舎等調整審議会
大蔵大臣の諮問に応じて、国の庁舎等の使用調整等に関する特別措置法(昭和三十二年法律第百十五号)の施行に関する重要事項を調査審議すること。
3 建設省設置法(昭和二十三年法律第百十三号)の一部を次のように改正する。
第三条第二十七号を次のように改める。
二十七 国の庁舎等の使用調整等に関する特別措置法(昭和三十二年法律第百十五号)の施行に関する事務(同法第五条第五項(同条第六項において準用する場合を含む。)の規定に係るものに限る。)を行うこと。
第四条第七項中「関するもの」の下に「並びに同条第二十七号に規定する事務」を加える。
大蔵大臣 池田勇人
建設大臣 南條徳男
内閣総理大臣 岸信介
国の庁舎等の使用調整等に関する特別措置法をここに公布する。
御名御璽
昭和三十二年五月二十日
内閣総理大臣 岸信介
法律第百十五号
国の庁舎等の使用調整等に関する特別措置法
(目的)
第一条 この法律は、庁舎等の使用調整及び特定の庁舎等の整備を計画的に実施して適正かつ効率的な使用を図り、公務の能率の向上と公衆の利便の増進に資することを目的とする。
(用語の定義)
第二条 この法律において「行政財産」、「所管換」、「各省各庁の長」、「所属替」又は「各省各庁」とは、それぞれ国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第三条第二項、第四条第二項若しくは第三項又は第三十二条第一項に規定する行政財産、所管換、各省各庁の長、所属替又は各省各庁をいう。
2 この法律において「庁舎等」とは、行政財産のうち国の事務若しくは事業又は企業の用に供し、又は供するものと決定した庁舎その他の建物及びこれに附帯する工作物その他の施設(以下「附帯施設」という。)並びにこれらの敷地(敷地となるべき土地を含む。以下同じ。)をいう。
3 この法律において「使用調整」とは、庁舎等を適正かつ効率的に使用するため、所管換、所属替、用途の変更その他の方法により、その使用につき必要な調整をすることをいう。
4 この法律において「特定庁舎等」とは、庁舎等のうち特別会計に属するもの以外のもの(国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第八条に規定する機関の事務又は事業の用に供し、又は供するものと決定したものにあつては、政令で定める機関に係るものに限る。)をいう。
(庁舎等使用現況及び見込報告書)
第三条 各省各庁の長は、その所管に属する庁舎等について、政令で定めるところにより、毎会計年度末現在における使用の現況及び見込に関する報告書(以下「庁舎等使用現況及び見込報告書」という。)を作成し、翌年度五月三十一日までに、これを大蔵大臣に送付しなければならない。
2 各省各庁の長は、庁舎等使用現況及び見込報告書の内容を変更する必要があると認めるときは、そのつど、その変更に係る事項を記載した書面を大蔵大臣に送付しなければならない。
(庁舎等使用調整計画)
第四条 大蔵大臣は、前条の規定により庁舎等使用現況及び見込報告書の送付を受けた場合において、必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、当該報告書に基き、庁舎等の使用調整に関する計画(以下「庁舎等使用調整計画」という。)を定め、遅滞なく、これを関係の各省各庁の長に通知しなければならない。
2 大蔵大臣は、庁舎等使用現況及び見込報告書の内容の変更その他の事情により庁舎等使用調整計画を変更する必要があると認めるときは、そのつど、当該計画を変更して、その変更に係る計画を関係の各省各庁の長に通知しなければならない。
3 大蔵大臣は、前二項の規定により庁舎等使用調整計画を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、庁舎等調整審議会にはかり、その意見をきかなければならない。
4 大蔵大臣は、前三項の規定により定め、又は変更した庁舎等使用調整計画に基いて庁舎等の使用調整を行うため、関係の各省各庁の長に対し、庁舎等の所管換、所属替、用途の変更その他必要な措置を求めることができる。この場合において、使用調整を行うことにより不用となるべき庁舎等があるときは、大蔵大臣は、当該庁舎等の用途を廃止すべきことを、あわせて求めることができる。
(特定庁舎等特殊整備計画等)
第五条 大蔵大臣は、特定庁舎等について、前条に規定する使用調整を行うほか、さらにその使用の効率化及び配置の適正化を図るため、政令で定めるところにより、次に掲げる計画をとりまとめた特定庁舎等特殊整備計画の案を定め、閣議の決定を求めるものとする。
一 特定庁舎等とする目的で政令で定める耐火構造の高層な建物若しくはその附帯施設又はこれらの敷地を取得し、これに伴つて不用となる特定庁舎等を処分する計画
二 特定庁舎等で、公営住宅(公営住宅法(昭和二十六年法律第百九十三号)第二条第二号に規定する公営住宅をいう。)その他の住宅又はその敷地の用に供することが適当であると認められる場所にあるものを、主としてこれらの用に供するために処分し、これに伴つて必要となる特定庁舎等とする目的で建物若しくはその附帯施設又はこれらの敷地を取得する計画
2 大蔵大臣は、前項の規定により決定された特定庁舎等特殊整備計画が実情に沿わないことが明らかになつた場合その他特別の事情がある場合には、当該計画を、閣議の決定を経て変更することができる。
3 前条第三項の規定は、前二項の規定により大蔵大臣が特定庁舎等特殊整備計画につき閣議の決定を求めようとする場合について準用する。
4 大蔵大臣は、特定庁舎等特殊整備計画の案を定めたときは、遅滞なく、これを建設大臣に通知しなければならない。
5 建設大臣は、特定庁舎等特殊整備計画の案の通知を受けたときは、当該計画により建築し、又は建設すべき建物又はその附帯施設につき、その位置、規模及び構造その他政令で定める事項に関する計画の案を定め、前項の特定庁舎等特殊整備計画の案にあわせて閣議の決定を求めるものとする。
6 前二項の規定は、第二項の規定により大蔵大臣が特定庁舎等特殊整備計画を変更する場合について準用する。
(特定庁舎等の処分による収入の使途)
第六条 特定庁舎等特殊整備計画の実施により処分された特定庁舎等に係る収入は、当該計画により取得すべき特定庁舎等の取得に要する経費の財源に充てなければならない。
(庁舎等調整審議会)
第七条 大蔵大臣の諮問に応じて、この法律の施行に関する重要事項を調査審議するため、大蔵省に庁舎等調整審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、委員三十人以内で組織する。
3 委員は、各省各庁の職員及び学識経験のある者のうちから、大蔵大臣が任命する。
4 審議会に会長を置き、委員の互選によつて定める。ただし、各省各庁の職員は、会長となることができない。
5 委員は、非常勤とする。
6 学識経験のある者のうちから任命された委員の任期は、二年とする。ただし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
7 前項の委員は、再任されることができる。
8 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第三条の規定は、昭和三十一年度分の庁舎等使用現況及び見込報告書から適用する。
2 大蔵省設置法(昭和二十四年法律第百四十四号)の一部を次のように改正する。
第十七条第一項の表中旧軍港市国有財産処理審議会の項の次に次のように加える。
庁舎等調整審議会
大蔵大臣の諮問に応じて、国の庁舎等の使用調整等に関する特別措置法(昭和三十二年法律第百十五号)の施行に関する重要事項を調査審議すること。
3 建設省設置法(昭和二十三年法律第百十三号)の一部を次のように改正する。
第三条第二十七号を次のように改める。
二十七 国の庁舎等の使用調整等に関する特別措置法(昭和三十二年法律第百十五号)の施行に関する事務(同法第五条第五項(同条第六項において準用する場合を含む。)の規定に係るものに限る。)を行うこと。
第四条第七項中「関するもの」の下に「並びに同条第二十七号に規定する事務」を加える。
大蔵大臣 池田勇人
建設大臣 南条徳男
内閣総理大臣 岸信介