国有財産特殊整理資金特別会計法及び国の庁舎等の使用調整等に関する特別措置法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第六号
公布年月日: 昭和44年3月31日
法令の形式: 法律
国有財産特殊整理資金特別会計法及び国の庁舎等の使用調整等に関する特別措置法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和四十四年三月三十一日
内閣総理大臣 佐藤栄作
法律第六号
国有財産特殊整理資金特別会計法及び国の庁舎等の使用調整等に関する特別措置法の一部を改正する法律
(国有財産特殊整理資金特別会計法の一部改正)
第一条 国有財産特殊整理資金特別会計法(昭和三十二年法律第百十六号)の一部を次のように改正する。
題名を次のように改める。
特定国有財産整備特別会計法
第一条を次のように改める。
(設置)
第一条 国の庁舎等の使用調整等に関する特別措置法(昭和三十二年法律第百十五号)第五条に規定する特定国有財産整備計画の実施による特定の国有財産の取得及び処分に関する経理を明確にするため、特別会計を設置し、一般会計と区分して経理する。
第二条中「大蔵大臣」の下に「、運輸大臣及び建設大臣(以下「所管大臣」という。)」を加え、同条に次の一項を加える。
2 この会計の管理に関する事務は、政令で定めるところにより、会計全体の計算整理に関するものについては大蔵大臣が、その他のものについては、所掌事務の区分に応じ、所管大臣の全部又は一部が行なうものとする。
第三条を次のように改める。
(歳入及び歳出)
第三条 この会計においては、特定国有財産整備計画の実施により処分(他の会計に対し有償で行なう所管換、所属替その他の所属の移動を含む。以下同じ。)をすべき国有財産その他この会計に所属する資産の処分による収入金、法令の規定による負担金で特定国有財産整備計画の実施に伴い徴収するもの、一般会計からの繰入金、借入金、第十三条第三項ただし書の規定による一時借入金の借換えによる収入金及び附属雑収入をもつてその歳入とし、特定国有財産整備計画の実施により取得すべき庁舎その他の施設の用に供する国有財産の取得に要する費用、借入金の償還金及び利子、同項ただし書の規定により借り換えた一時借入金の償還金、一時借入金の利子、事務取扱費並びにその他の諸費をもつてその歳出とする。
2 前項に規定する一般会計からの繰入金は、予算で定めるところにより、繰り入れるものとする。
第四条及び第五条を削る。
第六条の見出しを「(歳入歳出予定計算書等の作成及び送付)」に改め、同条中「大蔵大臣」を「所管大臣」に改め、「歳入歳出予定計算書」の下に「、繰越明許費要求書及び国庫債務負担行為要求書(以下「歳入歳出予定計算書等」という。)」を、「作成し」の下に「、大蔵大臣に送付し」を加え、同条を第四条とし、第七条を第五条とする。
第八条第二項各号を次のように改める。
一 歳入歳出予定計算書等
二 国庫債務負担行為で翌年度以後にわたるものについての前年度末までの支出額及び支出額の見込み、当該年度以後の支出予定額並びに数会計年度にわたる事業に伴うものについてはその全体の計画及びその進捗状況等に関する調書
第八条を第六条とし、同条の次に次の一条を加える。
(剰余金の繰入れ)
第七条 この会計において、毎会計年度の歳入歳出の決算上剰余金を生じたときは、これを翌年度の歳入に繰り入れるものとする。
第九条及び第十条を削る。
第十一条の見出し中「作成」の下に「及び送付」を加え、同条中「大蔵大臣」を「所管大臣」に改め、「作成し」の下に「、大蔵大臣に送付し」を加え、同条を第八条とする。
第十二条第二項第二号を次のように改める。
二 債務に関する計算書
第十二条を第九条とし、同条の次に次の三条を加える。
(余裕金の預託)
第十条 この会計において、支払上現金に余裕があるときは、これを資金運用部に預託することができる。
(借入金)
第十一条 この会計において、特定国有財産整備計画による特定の国有財産の取得に要する費用を支弁するため必要があり、かつ、当該特定の国有財産の取得に伴い不用となる国有財産の処分による収入金をもつて償還することができる見込みがあるときは、政令で定めるところにより、当該収入金の収入見込額の範囲内で、この会計の負担において、借入金をすることができる。
2 前項の規定による借入金の限度額については、予算をもつて、国会の議決を経なければならない。
(借入限度の繰越し)
第十二条 この会計において、借入金の借入れについて国会の議決を経た金額のうち、当該年度において借入れをしなかつた金額があるときは、当該金額を限度として、かつ、歳出予算の繰越額の財源として必要な金額の範囲内で、翌年度において、前条第一項の規定による借入金をすることができる。
第十三条を削り、第十四条を第十七条とし、同条の前に次の四条を加える。
(一時借入金等)
第十三条 この会計において、支払上現金に不足があるときは、この会計の負担において、一時借入金をし、又は国庫余裕金を繰り替えて使用することができる。
2 前項の規定による一時借入金及び繰替金の限度額については、予算をもつて、国会の議決を経なければならない。
3 第一項の規定による一時借入金及び繰替金は、当該年度の歳入をもつて償還しなければならない。ただし、歳入不足のため償還することができないときは、その償還することができない金額を限り、一時借入金の借換えをすることができる。
4 前項ただし書の規定により借り換えた一時借入金は、その借換えをした日から一年内に償還しなければならない。
(借入金及び一時借入金の借入れ及び償還の事務)
第十四条 第十一条第一項の規定による借入金及び前条の規定による一時借入金の借入れ及び償還に関する事務は、大蔵大臣が行なう。
(国償整理基金特別会計への繰入れ)
第十五条 第十一条第一項の規定による借入金の償還金及び利子、第十三条第一項の規定による一時借入金の利子並びに同条第三項ただし書の規定により借り換えた一時借入金の償還金及び利子の支出に必要な金額は、毎会計年度、国債整理基金特別会計に繰り入れなければならない。
(一般会計との間における所管換等)
第十六条 特定国有財産整備計画の実施により処分をすべき国有財産で一般会計に所属するものは、政令で定めるところにより、この会計に所管換又は所属替をするものとする。
2 この会計において、特定国有財産整備計画の実施により取得した国有財産のうち庁舎その他の施設の用に供すべきものは、各省各庁の長(国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第四条第二項に規定する各省各庁の長をいう。)の所管に属する国有財産とするため、政令で定めるところにより、一般会計に所管換又は所属替をするものとする。
3 次の各号に掲げる場合には、この会計と一般会計との間において無償として整理するものとする。
一 前二項の規定により所管換又は所属替をする場合
二 第一項の規定によりこの会計に所管換又は所属替をした国有財産をその処分が行なわれるまで引き続き一般会計において使用させる場合
三 特定国有財産整備計画を実施するため必要がある場合において、一般会計に所属する国有財産をこの会計において使用させるとき。
四 特定国有財産整備計画の変更その他当該計画の実施に関し政令で定める事情が生じた場合において、この会計又は一般会計に所属する国有財産につき、政令で定めるところにより、それぞれ一般会計又はこの会計に所管換若しくは所属替をし、又は使用をさせるとき。
4 一般会計とこの会計との間において所管換をする場合には、国有財産法第十二条の規定は、適用しない。
(国の庁舎等の使用調整等に関する特別措置法の一部改正)
第二条 国の庁舎等の使用調整等に関する特別措置法の一部を次のように改正する。
第一条中「特定の庁舎等」を「庁舎等その他の施設の用に供する特定の国有財産」に改め、「実施して」の下に「、国有財産の」を加え、「使用を図り、公務の能率の向上と公衆の利便の増進」を「活用を図り、公共の利益の増進と公務の能率の向上」に改める。
第二条第一項中「「行政財産」」を「「国有財産」、「行政財産」、「公共用財産」」に、「第三条第二項」を「第二条第一項、第三条第二項」に、「行政財産、」を「国有財産、行政財産、公共用財産、」に改め、同条第二項中「これに附帯する工作物その他の施設(以下「附帯施設」という。)」を「その附帯施設」に改め、同条第四項を削る。
第五条及び第六条を次のように改める。
(特定国有財産整備計画)
第五条 大蔵大臣は、庁舎等その他の施設の用に供する国有財産(特定国有財産整備特別会計以外の特別会計に所属するもの、公共用財産その他政令で定める国有財産を除く。)について、その使用の効率化及び配置の適正化を図るため、次に掲げる取得及び処分をすることが適当であると認めるときは、政令で定めるところにより、関係の各省各庁の長の意見をきいて、当該取得及び処分の基本的事項に関する計画(以下「特定国有財産整備計画」という。)を定めるものとする。
一 庁舎等とする目的をもつて政令で定める耐火構造の高層な建物若しくはその附帯施設又はこれらの敷地を取得し、これに伴つて不用となる庁舎等の処分(国の内部において有償で行なう所管換及び所属替を含む。以下同じ。)をするための当該国有財産の取得及び処分
二 庁舎等その他の施設で、市街地又はこれに隣接する地域に設置することが必ずしも必要でないと認められるものその他その位置、環境、規模又は形態等からみて他の用途に供することが適当であると認められるものの処分をし、これに代わる施設とする目的をもつて建物若しくはその附帯施設若しくは工作物又はこれらの敷地(以下この号において「建物等」という。)を取得するための当該国有財産の取得及び処分(当該取得に係る建物等とあわせて取得することを必要とする他の施設の用に供する建物等の取得及びこれに伴つて不用となる建物等の処分を含む。)
(特定国有財産整備計画に係る事業の実施)
第六条 特定国有財産整備計画による庁舎等その他の施設の用に供する国有財産の取得に関する事業として行なう建築物の営繕及びその附帯施設の建設は、官公庁施設の建設等に関する法律(昭和二十六年法律第百八十一号)第九条の二第一項の規定の適用については、同項第三号ロに掲げる特別会計に係る建築物の営繕及びその附帯施設の建設に該当しないものとする。
2 前項の国有財産の取得に関する事業のうち、空港整備法(昭和三十一年法律第八十号)の規定により運輸大臣が設置する公共用飛行場(当該飛行場とあわせて設置すべき他の施設で法令の規定により運輸大臣が設置するものを含む。)に係るもの及び官公庁施設の建設等に関する法律第九条の二の規定により建設大臣が行なうもの以外のものは、政令で定めるところにより、大蔵大臣が行なう。
附 則
1 この法律は、昭和四十四年四月一日から施行する。
2 国有財産特殊整理資金特別会計の昭和四十三年度の収入及び支出並びに同年度以前の年度の決算に関しては、なお従前の例による。
3 昭和四十三年度内に使用されなかつた国有財産特殊整理資金の残額は、同年度の国有財産特殊整理資金特別会計の歳入歳出の決算上の剰余金として、昭和四十四年度の特定国有財産整備特別会計の歳入に繰り入れるものとする。
4 昭和四十三年度における一般会計の歳出予算のうち、次に掲げる経費で財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第十四条の三第一項又は第四十二条ただし書の規定による繰越しを必要とするものは、政令で定めるところにより、特定国有財産整備特別会計に繰り越して使用することができる。
一 第二条の規定による改正前の国の庁舎等の使用調整等に関する特別措置法第五条の規定による特定庁舎等特殊整備計画により取得すべき特定庁舎等の取得に要する経費
二 国有財産である庁舎その他の施設を処分し、当該処分に係る収入金額の範囲内において当該処分の相手方から取得する当該施設に代わる施設の取得に要する経費
5 前項の規定により繰越しをしたときは、財政法第四十一条の規定により昭和四十四年度の一般会計の歳入に繰り入れるべき昭和四十三年度の同会計の歳入歳出決算上の剰余金のうち、同項第一号の経費に係る繰越額に相当する金額は、特定国有財産整備特別会計の昭和四十四年度の歳入に繰り入れるものとする。
6 附則第四項第一号の特定庁舎等特殊整備計画並びに同項第二号の施設の取得及び処分に関する政令で定める計画の実施による特定庁舎等又は施設の取得及び処分に関する事業で、この法律の施行の際まだ完了していないものに係る一般会計に所属する権利義務は、政令で定めるところにより、特定国有財産整備特別会計に帰属するものとする。
7 前項に規定する計画で当該計画の実施による特定庁舎等又は施設の取得及び処分に関する事業がこの法律の施行の際まだ完了していないものは、第二条の規定による改正後の国の庁舎等の使用調整等に関する特別措置法第五条の規定による特定国有財産整備計画とみなして、改正後の同法及び特定国有財産整備特別会計法の規定を適用する。
8 附則第四項第二号に規定する施設でこの法律の施行前にその取得に係る契約につき予算をもつて国会の議決を経たものについて、特定国有財産整備特別会計法第十六条第二項の規定により一般会計に所管換をする場合には、国有財産法第十三条第二項の規定は、適用しない。
9 大蔵省設置法(昭和二十四年法律第百四十四号)の一部を次のように改正する。
第四条第三十一号を次のように改める。
三十一 特定国有財産整備計画による特定の国有財産の取得及び処分に関すること。
第十条第二十三号を次のように改める。
二十三 特定国有財産整備計画による特定の国有財産の取得及び処分に関すること。
10 運輸省設置法(昭和二十四年法律第百五十七号)の一部を次のように改正する。
第二十八条の二第一項第十二号の次に次の一号を加え、同条第二項中「第十三号」を「第十二号の二」に改める。
十二の二 特定国有財産整備特別会計の経理を行なうこと。
11 建設省設置法(昭和二十三年法律第百十三号)の一部を次のように改正する。
第三条第二十七号を次のように改める。
二十七 特定国有財産整備特別会計の管理に関すること。
大蔵大臣 福田赳夫
運輸大臣 原田憲
建設大臣 坪川信三
内閣総理大臣 佐藤栄作