(再審査の開始)
第十一條 日本政府が検定の再審査についての連合国の要請を受理したときは、委員会は、遅滞なく、検定の再審査を開始しなければならない。
(意見の聴取等)
第十二條 委員会は、検定の再審査のため必要があると認めるときは、左の各号に掲げる事項を行うことができる。
一 参考人に対し、出頭を求めて、その意見又は報告を徴すること。
二 鑑定人に対し、出頭を求めて、鑑定をさせること。
三 検定に係る事件に関係のある書類その他の資料の所有者又は占有者に対し、当該資料の提出を求めること。
(検定の再審査)
第十三條 委員会は、国際法に従い、検定の再審査の審理を行い、検定が国際法に違反すると認めるときは検定の取消の決定をし、検定が国際法に違反しないと認めるときは検定の容認の決定をしなければならない。
(決定書)
第十四條 前條の決定は、決定書の作成によつて行う。
2 決定書には、決定の理由を記載しなければならない。
3 決定書には、委員長及び当該会議に出席した委員が署名押印しなければならない。
第十五條 委員会は、第十三條の決定をしたときは、遅滞なく、前條の決定書を告示しなければならない。
(所有権の回復)
第十六條 委員会が、検定の取消の決定をしたときは、旧捕獲審検令第二十八條の規定に基き検定によつて国の所有物となつた物件のうち当該決定に係るものの所有権は、検定があつた時にさかのぼつて、その時に当該物件を所有していた者に回復される。
(連合国財産補償法の規定の読替)
第十七條 前條の規定により所有権の回復があつた物件について戦争の結果生じた損害に対する補償についての連合国財産補償法(昭和二十六年法律第二百六十四号)の適用については、同法第十五條第一項中「その国と日本国との間の平和條約の効力発生後十八月以内」とあるのは、「捕獲審検所の検定の再審査に関する法律第十六條の規定により所有権の回復があつた物件についての戦争の結果生じた損害に対する補償については、同法第十五條の決定書の告示の日から十八月以内」と読み替える。