第一條 政府は、開拓地において耕作の業務を営む者その他命令で定める耕作の業務を営む者(以下開拓者という。)又はその組織する法人に対し、毎年度予算の範囲内において、左の資金を貸し付けることができる。
一 農具、肥料、家畜その他開拓者の営む耕作の業務に必要な資材又は施設を取得し、又は設置するのに必要な資金
二 開拓者の住宅を取得し、又は建設するのに必要な資金
第二條 前條の規定による貸付金(以下貸付金という。)の償還は、償還期間二十年(据置期間を含む。)以内、年利三分六厘五毛の均等年賦償還の方法によるものとする。但し、左の場合には、政府は、何時でも貸付金の全部又は一部につき一時償還を請求することができる。
二 貸付金の償還をすべき者が年賦金の支拂を怠つたとき。
三 前條の規定による貸付を受けた者(その者が法人であるときは、その法人を組織する者を含む。)が貸付金をその貸付の目的以外の目的に供したとき。
四 前條の規定による貸付を受けた者(その者が法人であるときは、その法人を組織する者)がその営む耕作の業務を怠り、又は廃止したとき。
第三條 前條の規定による年賦金の支拂時期における米穀の價格が第一條の規定による貸付をした時における米穀の價格に比較して下落し、又は高騰した年においては、政府は、命令の定めるところにより、その年に支拂うべき年賦金額のうち元金に相当する部分を米穀の價格の変動に應ずるように減額し、又は増額する。
前項の規定による年賦金の減額又は増額は、貸付金の償還の完了するまでの間におけるその後の年の年賦金の額に変更を及ぼすことはない。但し、年賦金の一部の支拂によつて貸付金の償還の完了する年において、その年の年賦金の額に変更のあることを妨げない。
第一項の規定による年賦金の減額又は減額及び増額があつた場合において、償還期間中の各年の年賦金のうち元金に相当する部分の合計額が貸付金の額に達しなくなつたときは、その不足額に相当する貸付金の償還の義務は、これを免除する。
第一項の規定による年賦金の増額があつたときは、政府は、命令の定めるところにより、その増額分に対する利子に相当する金額を年賦金額から控除しなければならない。
第一項の米穀の價格は、食糧管理法第三條の規定による買入の價格による。
第四條 貸付金の一部につき第二條の規定による一時償還があつた場合には、前條第二項及び第四項の規定を準用する。
第五條 災害その他これに準ずべき事由によつて開拓者の耕作の業務による收益が著しく減少したときは、政府は、年賦金の支拂を猶予することができる。
第六條 政府は、第二條第一項第二号乃至第四号の規定による一時償還の請求、第三條第一項の規定による年賦金の減額若しくは増額又は前條の規定による支拂の猶予をするには、開拓委員会の意見を聽かなければならない。