朕社會保險審査會規程ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十六年六月二十日
內閣總理大臣 公爵 近衞文麿
厚生大臣 金光庸夫
勅令第七百十五號
社會保險審査會規程
第一章 組織
第一條 社會保險審査會ハ厚生大臣ノ監督ニ屬シ健康保險法第八十條及第八十二條、勞働者災害扶助責任保險法第九條、國民健康保險法第四十八條、職員健康保險法第八十一條及第八十三條、船員保險法第六十三條及第六十五條ノ審査竝ニ國民健康保險法第四十九條ノ意見ノ答申及同法第五十條ノ斡旋ヲ爲ス
第二條 社會保險審査會ハ地方社會保險審査會及中央社會保險審査會トス
第三條 地方社會保險審査會ハ道府縣每ニ之ヲ置キ道府縣ノ名ヲ冠ス
地方社會保險審査會ノ管轄區域ハ道府縣ノ區域トス但シ船員保險ニ關スル管轄區域ニ付テハ厚生大臣別段ノ定ヲ爲スコトヲ得
中央社會保險審査會ハ厚生省ニ之ヲ置ク
第四條 社會保險審査會ハ會長及委員ヲ以テ之ヲ組織ス
第五條 地方社會保險審査會ノ會長ハ地方長官(東京府ニ在リテハ警視總監以下同ジ)ヲ以テ、中央社會保險審査會ノ會長ハ保險院長官ヲ以テ之ニ充ツ
第六條 地方社會保險審査會ノ委員ハ左ニ揭グル者ヲ以テ之ニ充ツ
一 關係各廳高等官及學識經驗アル者 三人乃至五人
二 健康保險若ハ職員健康保險ノ被保險者ヲ使用スル事業主又ハ船員保險ノ被保險者ヲ雇傭スル船舶所有者 四人乃至六人
三 國民健康保險組合若ハ國民健康保險組合ノ事業ヲ行フ法人又ハ國民健康保險組合聯合會ノ役員 二人
四 健康保險、國民健康保險若ハ職員健康保險ノ被保險者又ハ船員保險ノ被保險者側ヲ代表シ得ル者 六人乃至八人
五 醫師、齒科醫師及藥劑師 各二人
斡旋ノ場合ニ於テハ前項各號ニ揭グル者ノ外事件ノ種類ガ醫師、齒科醫師又ハ藥劑師ニ關係セザルモノナルトキハ事件ノ種類ニ應ジ關係アル者ノ中ヨリ其ノ都度臨時委員二人ヲ置ク
第一項第二號ニ於テ事業主又ハ船舶所有者トアルハ事業主又ハ船舶所有者ガ國ナル場合ニ於テハ關係官吏トシ公共團體ナル場合ニ於テハ關係官公吏、其ノ他ノ法人ナル場合ニ於テハ業務ヲ執行スル社員若ハ役員又ハ支配人トス
第一項第一號、第二號及第四號ノ規定ニ依ル委員ノ定數ハ各地方社會保險審査會每ニ厚生大臣之ヲ定ム
第七條 中央社會保險審査會ノ委員ハ左ニ揭グル者ヲ以テ之ニ充ツ
一 關係各廳高等官及學識經驗アル者 十二人
二 健康保險若ハ職員健康保險ノ被保險者ヲ使用スル事業主、船員保險ノ被保險者ヲ雇傭スル船舶所有者又ハ勞働者災害扶助責任保險ニ於ケル事業主側ヲ代表シ得ル者 十二人
三 健康保險若ハ職員健康保險ノ被保險者、船員保險ノ被保險者側ヲ代表シ得ル者又ハ勞働者災害扶助責任保險ニ於ケル勞働者側ヲ代表シ得ル者 十二人
前條第三項ノ規定ハ前項第二號ノ事業主又ハ船舶所有者ニ之ヲ準用ス
第八條 社會保險審査會ノ委員ハ他ノ社會保險審査會ノ委員ヲ兼ヌルコトヲ得ズ
第九條 地方社會保險審査會ノ委員及臨時委員ハ厚生大臣之ヲ命ジ中央社會保險審査會ノ委員ハ厚生大臣ノ奏請ニ依リ內閣ニ於テ之ヲ命ズ
第十條 委員ノ任期ハ官吏トシテ委員タル者ヲ除クノ外三年トス但シ特別ノ事由アル場合ニ於テハ任期中之ヲ解任スルコトヲ妨ゲズ
臨時委員ハ當該事件ニ關スル斡旋終了シタルトキハ退任ス
第十一條 會長ハ會務ヲ總理シ會議ノ議長ト爲ル
會長事故アルトキハ地方社會保險審査會ニ在リテハ其ノ審査會ノ所在地ヲ管轄スル地方長官ノ、中央社會保險審査會ニ在リテハ厚生大臣ノ指名スル委員其ノ職務ヲ代理ス
第十二條 審査ノ場合ニ於テハ第六條第一項第五號ノ委員ハ議事ニ參與スルコトヲ得ズ
第十三條 意見答申ノ場合ニ於テハ左ニ揭グル委員ハ議事ニ參與スルコトヲ得ズ
一 第六條第一項第二號及第四號ノ委員
二 第六條第一項第五號ノ委員中醫師タル委員、齒科醫師タル委員及藥劑師タル委員各一人
第十四條 斡旋ノ場合ニ於テハ左ニ揭グル委員ハ議事ニ參與スルコトヲ得ズ
一 第六條第一項第二號及第四號ノ委員
二 第六條第一項第五號ノ委員中事件ノ種類ニ應ジ關係アル醫師タル委員、齒科醫師タル委員又ハ藥劑師タル委員二人ヲ除キ其ノ他ノ委員
第六條第二項ノ規定ニ依リ臨時委員ヲ置キタルトキハ同條第一項第五號ノ委員ハ斡旋ノ議事ニ參與スルコトヲ得ズ
第十五條 第六條第一項第五號ノ委員ニシテ前二條ノ規定ニ依リ議事ニ參與スルコトヲ得ザルモノハ會長其ノ都度之ヲ定ム
第十六條 社會保險審査會ニ幹事ヲ置ク
地方社會保險審査會ノ幹事ハ其ノ審査會ノ所在地ヲ管轄スル廳府縣ノ官吏又ハ待遇官吏中ヨリ厚生大臣之ヲ命ジ中央社會保險審査會ノ幹事ハ厚生大臣ノ奏請ニ依リ厚生部內ノ高等官中ヨリ內閣ニ於テ之ヲ命ズ
幹事ハ會長ノ指揮ヲ承ケ庶務ヲ整理ス
第十七條 社會保險審査會ニ書記ヲ置ク
地方社會保險審査會ノ書記ハ其ノ審査會ノ所在地ヲ管轄スル廳府縣ノ官吏又ハ待遇官吏中ヨリ地方長官之ヲ命ジ中央社會保險審査會ノ書記ハ厚生部內ノ判任官中ヨリ厚生大臣之ヲ命ズ
書記ハ會長及幹事ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ從事ス
第二章 審査ノ手續
第十八條 保險給付(船員保險法ニ依ル保險給付ヲ除ク)ニ關スル決定ニ不服アル者ハ地方社會保險審査會ニ審査ヲ請求スル場合ニ於テハ其ノ保險給付ニ關スル決定ヲ爲シタル地方長官ノ管轄區域又ハ健康保險組合、職員健康保險組合、國民健康保險組合若ハ國民健康保險組合ノ事業ヲ行フ法人ノ事務所ノ所在地ヲ管轄スル社會保險審査會ニ之ヲ爲スベシ
船員保險法ニ依ル保險給付ニ關スル決定ニ不服アル者ハ地方社會保險審査會ニ審査ノ請求ヲ爲ス場合ニ於テハ其ノ保險給付ニ關スル申請又ハ請求ヲ地方長官ガ受取リタルモノニ付テハ其ノ地方長官ノ管轄區域ヲ管轄スル地方社會保險審査會ニ、其ノ保險給付ニ關スル申請又ハ請求ヲ地方長官以外ノモノガ受取リタルモノニ付テハ厚生大臣ノ指定スル地方社會保險審査會ニ之ヲ爲スベシ
第十九條 地方社會保險審査會ニ於ケル審査ハ第六條第一項第一號乃至第四號ノ規定ニ依ル委員定數ノ半數以上出席シ且第六條第一項第一號、第二號及第四號ノ委員各二人以上(國民健康保險ニ關スル審査ニ在リテハ第六條第一項第一號及第四號ノ委員各二人以上及同條同項第三號ノ委員一人以上)出席スルニ非ザレバ之ヲ爲スコトヲ得ズ但シ同一ノ事件ニ付招集再囘ニ及ブ場合ハ此ノ限ニ在ラズ
中央社會保險審査會ノ審査ハ委員定數ノ半數以上出席シ且第七條第一項各號ノ委員各二人以上出席スルニ非ザレバ之ヲ爲スコトヲ得ズ但シ同一ノ事件ニ付招集再囘ニ及ブ場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第二十條 審査ハ出席委員ノ過半數ヲ以テ之ヲ決ス可否同數ナルトキハ議長ノ決スル所ニ依ル
第二十一條 審査ハ文書ニ就キ之ヲ爲ス但シ必要アリト認ムルトキハ口頭審問ヲ爲スコトヲ妨ゲズ
前項但書ノ規定ニ依リ口頭審問ヲ爲ス爲出頭ヲ命ゼラレタル場合ニ於テ已ムコトヲ得ザル事故ノ爲出頭スルコトヲ得ザルトキハ當事者ハ其ノ法定代理人、親族又ハ同居者ヲシテ代リテ出頭セシムルコトヲ得
口頭審問ノ爲出頭シタル當事者及之ニ代リテ出頭シタル者ニ對シテハ命令ノ定ムル所ニ依リ旅費ヲ給スルコトヲ得
第二十二條 審査ノ請求アリタル場合ニ於テ其ノ事件ガ審査ノ請求ヲ爲スベカラザルモノナルトキ又ハ審査ノ請求ガ適法ノ手續ニ違反シタルモノナルトキハ社會保險審査會ハ決定ヲ以テ之ヲ却下スベシ
審査ノ請求アリタル場合ニ於テ其ノ事件ガ管轄違ナルトキハ會長之ヲ所轄社會保險審査會ニ移送スベシ
審査ノ請求ニシテ手續ノ方式ニ欠缺アルモノハ會長之ヲ補正セシムベシ
第二十三條 審査ハ之ヲ公開セズ但シ口頭審問ハ之ヲ公開ス
口頭審問ヲ爲ス場合ニ於テ議長必要アリト認ムルトキハ前項但書ノ規定ニ拘ラズ傍聽ヲ制限又ハ禁止スルコトヲ得
第二十四條 關係アル官吏又ハ待遇官吏ハ社會保險審査會ノ請求ニ依リ又ハ其ノ承認ヲ受ケ會議ニ出席シ意見ヲ述ブルコトヲ得
第二十五條 社會保險審査會ハ審査ノ爲必要アリト認ムルトキハ利害關係人又ハ參考人ニ對シ出席說明ヲ求メ又ハ參考書類ノ提示ヲ求ムルコトヲ得
第二十一條第三項ノ規定ハ前項ノ規定ニ依リ審査會ニ出席シタル利害關係人又ハ參考人ニ之ヲ準用ス
第二十六條 事件ノ一部ガ審査ノ決定ヲ爲スニ熟スルトキハ其ノ部分ニ付先ヅ決定ヲ爲スコトヲ得
第二十七條 審査ノ決定ハ理由ヲ附シ文書ヲ以テ之ヲ爲スベシ
第二十八條 審査請求人ガ審査ノ決定前ニ死亡シタルトキハ其ノ承繼人ニ於テ審査請求手續ヲ受繼グモノトス
第二十九條 本章ニ規定スルモノノ外審査ニ關シ必要ナル事項ハ厚生大臣之ヲ定ム
第三章 意見答申ノ手續
第三十條 意見答申ハ國民健康保險組合又ハ國民健康保險組合ノ事業ヲ行フ法人ノ事務所ノ所在地ヲ管轄スル地方社會保險審査會ニ於テ之ヲ爲ス
第三十一條 意見答申ノ議事ハ第六條第一項第一號ノ委員二人以上及同條同項第三號ノ委員一人以上竝ニ同條同項第五號ノ委員中醫師タル委員、齒科醫師タル委員及藥劑師タル委員各一人出席スルニ非ザレバ之ヲ爲スコトヲ得ズ但シ同一ノ事件ニ付招集再囘ニ及ブ場合ハ此ノ限ニ在ラズ
意見答申ノ議事ハ前項ノ規定ニ拘ラズ時宜ニ依リ出席ニ代ヘ文章ヲ以テ各委員ノ意見ヲ徵シ之ヲ爲スコトヲ得
第三十二條 第二十條、第二十三條第一項本文、第二十四條及第二十九條ノ規定ハ意見答申ノ手續ニ之ヲ準用ス
第四章 斡旋ノ手續
第三十三條 斡旋ハ紛爭ノ當事者タル國民健康保險組合若ハ國民健康保險組合ノ事業ヲ行フ法人又ハ國民健康保險組合聯合會ノ事務所ノ所在地ヲ管轄スル地方社會保險審査會ニ於テ之ヲ爲ス
第三十四條 斡旋ノ議事ハ第六條第一項第一號ノ委員二人以上及同條同項第三號ノ委員一人以上竝ニ同條同項第五號ノ委員中事件ノ種類ニ應ジ關係アル委員(第十四條第二項ノ規定ニ依リ第六條第一項第五號ノ委員議事ニ參與スルコトヲ得ザル場合ニ於テハ同條第二項ノ臨時委員)一人以上出席スルニ非ザレバ之ヲ爲スコトヲ得ズ但シ同一ノ事件ニ付招集再囘ニ及ブ場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第三十五條 當事者ハ地方社會保險審査會ノ請求ニ依リ又ハ其ノ承認ヲ受ケ會議ニ出席シ意見ヲ述ベ又ハ參考書類ヲ提示スルコトヲ得
第三十六條 地方社會保險審査會斡旋ヲ終了シタルトキハ其ノ顚末ノ要旨ヲ公表スベシ但シ紛爭ノ解決シタル場合ニ於テ當事者ノ一方又ハ雙方ガ豫メ反對ノ意思ヲ表示シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第三十七條 第二十條、第二十二條、第二十三條第一項本文、第二十四條、第二十五條及第二十九條ノ規定ハ斡旋ノ手續ニ之ヲ準用ス
附 則
本令ハ昭和十六年七月一日ヨリ之ヲ施行ス
勞働者災害扶助責任保險審査會規程及國民健康保險委員會規程ハ之ヲ廢止ス
健康保險法施行令中左ノ通改正ス
第八條ノ二 健康保險法第八十一條ノ規定ニ依ル訴願ニ關シテハ健康保險組合ヲ訴願法ノ規定ニ依ル行政廳ト看做ス
第六章ヲ削ル
職員健康保險法施行令中左ノ通改正ス
第六章ヲ削ル
朕社会保険審査会規程ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十六年六月二十日
内閣総理大臣 公爵 近衛文麿
厚生大臣 金光庸夫
勅令第七百十五号
社会保険審査会規程
第一章 組織
第一条 社会保険審査会ハ厚生大臣ノ監督ニ属シ健康保険法第八十条及第八十二条、労働者災害扶助責任保険法第九条、国民健康保険法第四十八条、職員健康保険法第八十一条及第八十三条、船員保険法第六十三条及第六十五条ノ審査並ニ国民健康保険法第四十九条ノ意見ノ答申及同法第五十条ノ斡旋ヲ為ス
第二条 社会保険審査会ハ地方社会保険審査会及中央社会保険審査会トス
第三条 地方社会保険審査会ハ道府県毎ニ之ヲ置キ道府県ノ名ヲ冠ス
地方社会保険審査会ノ管轄区域ハ道府県ノ区域トス但シ船員保険ニ関スル管轄区域ニ付テハ厚生大臣別段ノ定ヲ為スコトヲ得
中央社会保険審査会ハ厚生省ニ之ヲ置ク
第四条 社会保険審査会ハ会長及委員ヲ以テ之ヲ組織ス
第五条 地方社会保険審査会ノ会長ハ地方長官(東京府ニ在リテハ警視総監以下同ジ)ヲ以テ、中央社会保険審査会ノ会長ハ保険院長官ヲ以テ之ニ充ツ
第六条 地方社会保険審査会ノ委員ハ左ニ掲グル者ヲ以テ之ニ充ツ
一 関係各庁高等官及学識経験アル者 三人乃至五人
二 健康保険若ハ職員健康保険ノ被保険者ヲ使用スル事業主又ハ船員保険ノ被保険者ヲ雇傭スル船舶所有者 四人乃至六人
三 国民健康保険組合若ハ国民健康保険組合ノ事業ヲ行フ法人又ハ国民健康保険組合連合会ノ役員 二人
四 健康保険、国民健康保険若ハ職員健康保険ノ被保険者又ハ船員保険ノ被保険者側ヲ代表シ得ル者 六人乃至八人
五 医師、歯科医師及薬剤師 各二人
斡旋ノ場合ニ於テハ前項各号ニ掲グル者ノ外事件ノ種類ガ医師、歯科医師又ハ薬剤師ニ関係セザルモノナルトキハ事件ノ種類ニ応ジ関係アル者ノ中ヨリ其ノ都度臨時委員二人ヲ置ク
第一項第二号ニ於テ事業主又ハ船舶所有者トアルハ事業主又ハ船舶所有者ガ国ナル場合ニ於テハ関係官吏トシ公共団体ナル場合ニ於テハ関係官公吏、其ノ他ノ法人ナル場合ニ於テハ業務ヲ執行スル社員若ハ役員又ハ支配人トス
第一項第一号、第二号及第四号ノ規定ニ依ル委員ノ定数ハ各地方社会保険審査会毎ニ厚生大臣之ヲ定ム
第七条 中央社会保険審査会ノ委員ハ左ニ掲グル者ヲ以テ之ニ充ツ
一 関係各庁高等官及学識経験アル者 十二人
二 健康保険若ハ職員健康保険ノ被保険者ヲ使用スル事業主、船員保険ノ被保険者ヲ雇傭スル船舶所有者又ハ労働者災害扶助責任保険ニ於ケル事業主側ヲ代表シ得ル者 十二人
三 健康保険若ハ職員健康保険ノ被保険者、船員保険ノ被保険者側ヲ代表シ得ル者又ハ労働者災害扶助責任保険ニ於ケル労働者側ヲ代表シ得ル者 十二人
前条第三項ノ規定ハ前項第二号ノ事業主又ハ船舶所有者ニ之ヲ準用ス
第八条 社会保険審査会ノ委員ハ他ノ社会保険審査会ノ委員ヲ兼ヌルコトヲ得ズ
第九条 地方社会保険審査会ノ委員及臨時委員ハ厚生大臣之ヲ命ジ中央社会保険審査会ノ委員ハ厚生大臣ノ奏請ニ依リ内閣ニ於テ之ヲ命ズ
第十条 委員ノ任期ハ官吏トシテ委員タル者ヲ除クノ外三年トス但シ特別ノ事由アル場合ニ於テハ任期中之ヲ解任スルコトヲ妨ゲズ
臨時委員ハ当該事件ニ関スル斡旋終了シタルトキハ退任ス
第十一条 会長ハ会務ヲ総理シ会議ノ議長ト為ル
会長事故アルトキハ地方社会保険審査会ニ在リテハ其ノ審査会ノ所在地ヲ管轄スル地方長官ノ、中央社会保険審査会ニ在リテハ厚生大臣ノ指名スル委員其ノ職務ヲ代理ス
第十二条 審査ノ場合ニ於テハ第六条第一項第五号ノ委員ハ議事ニ参与スルコトヲ得ズ
第十三条 意見答申ノ場合ニ於テハ左ニ掲グル委員ハ議事ニ参与スルコトヲ得ズ
一 第六条第一項第二号及第四号ノ委員
二 第六条第一項第五号ノ委員中医師タル委員、歯科医師タル委員及薬剤師タル委員各一人
第十四条 斡旋ノ場合ニ於テハ左ニ掲グル委員ハ議事ニ参与スルコトヲ得ズ
一 第六条第一項第二号及第四号ノ委員
二 第六条第一項第五号ノ委員中事件ノ種類ニ応ジ関係アル医師タル委員、歯科医師タル委員又ハ薬剤師タル委員二人ヲ除キ其ノ他ノ委員
第六条第二項ノ規定ニ依リ臨時委員ヲ置キタルトキハ同条第一項第五号ノ委員ハ斡旋ノ議事ニ参与スルコトヲ得ズ
第十五条 第六条第一項第五号ノ委員ニシテ前二条ノ規定ニ依リ議事ニ参与スルコトヲ得ザルモノハ会長其ノ都度之ヲ定ム
第十六条 社会保険審査会ニ幹事ヲ置ク
地方社会保険審査会ノ幹事ハ其ノ審査会ノ所在地ヲ管轄スル庁府県ノ官吏又ハ待遇官吏中ヨリ厚生大臣之ヲ命ジ中央社会保険審査会ノ幹事ハ厚生大臣ノ奏請ニ依リ厚生部内ノ高等官中ヨリ内閣ニ於テ之ヲ命ズ
幹事ハ会長ノ指揮ヲ承ケ庶務ヲ整理ス
第十七条 社会保険審査会ニ書記ヲ置ク
地方社会保険審査会ノ書記ハ其ノ審査会ノ所在地ヲ管轄スル庁府県ノ官吏又ハ待遇官吏中ヨリ地方長官之ヲ命ジ中央社会保険審査会ノ書記ハ厚生部内ノ判任官中ヨリ厚生大臣之ヲ命ズ
書記ハ会長及幹事ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ従事ス
第二章 審査ノ手続
第十八条 保険給付(船員保険法ニ依ル保険給付ヲ除ク)ニ関スル決定ニ不服アル者ハ地方社会保険審査会ニ審査ヲ請求スル場合ニ於テハ其ノ保険給付ニ関スル決定ヲ為シタル地方長官ノ管轄区域又ハ健康保険組合、職員健康保険組合、国民健康保険組合若ハ国民健康保険組合ノ事業ヲ行フ法人ノ事務所ノ所在地ヲ管轄スル社会保険審査会ニ之ヲ為スベシ
船員保険法ニ依ル保険給付ニ関スル決定ニ不服アル者ハ地方社会保険審査会ニ審査ノ請求ヲ為ス場合ニ於テハ其ノ保険給付ニ関スル申請又ハ請求ヲ地方長官ガ受取リタルモノニ付テハ其ノ地方長官ノ管轄区域ヲ管轄スル地方社会保険審査会ニ、其ノ保険給付ニ関スル申請又ハ請求ヲ地方長官以外ノモノガ受取リタルモノニ付テハ厚生大臣ノ指定スル地方社会保険審査会ニ之ヲ為スベシ
第十九条 地方社会保険審査会ニ於ケル審査ハ第六条第一項第一号乃至第四号ノ規定ニ依ル委員定数ノ半数以上出席シ且第六条第一項第一号、第二号及第四号ノ委員各二人以上(国民健康保険ニ関スル審査ニ在リテハ第六条第一項第一号及第四号ノ委員各二人以上及同条同項第三号ノ委員一人以上)出席スルニ非ザレバ之ヲ為スコトヲ得ズ但シ同一ノ事件ニ付招集再回ニ及ブ場合ハ此ノ限ニ在ラズ
中央社会保険審査会ノ審査ハ委員定数ノ半数以上出席シ且第七条第一項各号ノ委員各二人以上出席スルニ非ザレバ之ヲ為スコトヲ得ズ但シ同一ノ事件ニ付招集再回ニ及ブ場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第二十条 審査ハ出席委員ノ過半数ヲ以テ之ヲ決ス可否同数ナルトキハ議長ノ決スル所ニ依ル
第二十一条 審査ハ文書ニ就キ之ヲ為ス但シ必要アリト認ムルトキハ口頭審問ヲ為スコトヲ妨ゲズ
前項但書ノ規定ニ依リ口頭審問ヲ為ス為出頭ヲ命ゼラレタル場合ニ於テ已ムコトヲ得ザル事故ノ為出頭スルコトヲ得ザルトキハ当事者ハ其ノ法定代理人、親族又ハ同居者ヲシテ代リテ出頭セシムルコトヲ得
口頭審問ノ為出頭シタル当事者及之ニ代リテ出頭シタル者ニ対シテハ命令ノ定ムル所ニ依リ旅費ヲ給スルコトヲ得
第二十二条 審査ノ請求アリタル場合ニ於テ其ノ事件ガ審査ノ請求ヲ為スベカラザルモノナルトキ又ハ審査ノ請求ガ適法ノ手続ニ違反シタルモノナルトキハ社会保険審査会ハ決定ヲ以テ之ヲ却下スベシ
審査ノ請求アリタル場合ニ於テ其ノ事件ガ管轄違ナルトキハ会長之ヲ所轄社会保険審査会ニ移送スベシ
審査ノ請求ニシテ手続ノ方式ニ欠欠アルモノハ会長之ヲ補正セシムベシ
第二十三条 審査ハ之ヲ公開セズ但シ口頭審問ハ之ヲ公開ス
口頭審問ヲ為ス場合ニ於テ議長必要アリト認ムルトキハ前項但書ノ規定ニ拘ラズ傍聴ヲ制限又ハ禁止スルコトヲ得
第二十四条 関係アル官吏又ハ待遇官吏ハ社会保険審査会ノ請求ニ依リ又ハ其ノ承認ヲ受ケ会議ニ出席シ意見ヲ述ブルコトヲ得
第二十五条 社会保険審査会ハ審査ノ為必要アリト認ムルトキハ利害関係人又ハ参考人ニ対シ出席説明ヲ求メ又ハ参考書類ノ提示ヲ求ムルコトヲ得
第二十一条第三項ノ規定ハ前項ノ規定ニ依リ審査会ニ出席シタル利害関係人又ハ参考人ニ之ヲ準用ス
第二十六条 事件ノ一部ガ審査ノ決定ヲ為スニ熟スルトキハ其ノ部分ニ付先ヅ決定ヲ為スコトヲ得
第二十七条 審査ノ決定ハ理由ヲ附シ文書ヲ以テ之ヲ為スベシ
第二十八条 審査請求人ガ審査ノ決定前ニ死亡シタルトキハ其ノ承継人ニ於テ審査請求手続ヲ受継グモノトス
第二十九条 本章ニ規定スルモノノ外審査ニ関シ必要ナル事項ハ厚生大臣之ヲ定ム
第三章 意見答申ノ手続
第三十条 意見答申ハ国民健康保険組合又ハ国民健康保険組合ノ事業ヲ行フ法人ノ事務所ノ所在地ヲ管轄スル地方社会保険審査会ニ於テ之ヲ為ス
第三十一条 意見答申ノ議事ハ第六条第一項第一号ノ委員二人以上及同条同項第三号ノ委員一人以上並ニ同条同項第五号ノ委員中医師タル委員、歯科医師タル委員及薬剤師タル委員各一人出席スルニ非ザレバ之ヲ為スコトヲ得ズ但シ同一ノ事件ニ付招集再回ニ及ブ場合ハ此ノ限ニ在ラズ
意見答申ノ議事ハ前項ノ規定ニ拘ラズ時宜ニ依リ出席ニ代ヘ文章ヲ以テ各委員ノ意見ヲ徴シ之ヲ為スコトヲ得
第三十二条 第二十条、第二十三条第一項本文、第二十四条及第二十九条ノ規定ハ意見答申ノ手続ニ之ヲ準用ス
第四章 斡旋ノ手続
第三十三条 斡旋ハ紛争ノ当事者タル国民健康保険組合若ハ国民健康保険組合ノ事業ヲ行フ法人又ハ国民健康保険組合連合会ノ事務所ノ所在地ヲ管轄スル地方社会保険審査会ニ於テ之ヲ為ス
第三十四条 斡旋ノ議事ハ第六条第一項第一号ノ委員二人以上及同条同項第三号ノ委員一人以上並ニ同条同項第五号ノ委員中事件ノ種類ニ応ジ関係アル委員(第十四条第二項ノ規定ニ依リ第六条第一項第五号ノ委員議事ニ参与スルコトヲ得ザル場合ニ於テハ同条第二項ノ臨時委員)一人以上出席スルニ非ザレバ之ヲ為スコトヲ得ズ但シ同一ノ事件ニ付招集再回ニ及ブ場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第三十五条 当事者ハ地方社会保険審査会ノ請求ニ依リ又ハ其ノ承認ヲ受ケ会議ニ出席シ意見ヲ述ベ又ハ参考書類ヲ提示スルコトヲ得
第三十六条 地方社会保険審査会斡旋ヲ終了シタルトキハ其ノ顛末ノ要旨ヲ公表スベシ但シ紛争ノ解決シタル場合ニ於テ当事者ノ一方又ハ双方ガ予メ反対ノ意思ヲ表示シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第三十七条 第二十条、第二十二条、第二十三条第一項本文、第二十四条、第二十五条及第二十九条ノ規定ハ斡旋ノ手続ニ之ヲ準用ス
附 則
本令ハ昭和十六年七月一日ヨリ之ヲ施行ス
労働者災害扶助責任保険審査会規程及国民健康保険委員会規程ハ之ヲ廃止ス
健康保険法施行令中左ノ通改正ス
第八条ノ二 健康保険法第八十一条ノ規定ニ依ル訴願ニ関シテハ健康保険組合ヲ訴願法ノ規定ニ依ル行政庁ト看做ス
第六章ヲ削ル
職員健康保険法施行令中左ノ通改正ス
第六章ヲ削ル