朕職員健康保險法施行令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十四年十二月二十二日
內閣總理大臣 阿部信行
大藏大臣 靑木一男
厚生大臣 秋田淸
勅令第八百五十八號
職員健康保險法施行令
第一章 總則
第一條 職員健康保險法第二條第一項ノ俸給、給料又ハ賃金ニ準ズベキモノノ範圍ハ常時又ハ定期ニ受クル給與其ノ他ノ利益トス但シ左ニ揭グルモノヲ除ク
一 三月ヲ超ユル期間每ニ支給スル賞與又ハ手當
二 通勤手當又ハ外勤手當
三 住居ニ關スル利益又ハ住宅料ニシテ俸給、給料又ハ賃金ノ額ノ決定ニ影響ナキモノ
四 其ノ他厚生大臣ノ指定スルモノ
第二條 俸給、給料又ハ賃金ニ準ズベキモノノ全部又ハ一部ガ金錢以外ノ給與其ノ他ノ利益ナル場合ニ於テハ其ノ價額ハ地方長官(東京府ニ在リテハ警視總監以下之ニ同ジ)ノ定ムル標準價格ニ依リ之ヲ算定ス
前項ノ標準價格ハ其ノ地方ノ時價ニ依リ之ヲ定ム
職員健康保險組合ハ第一項ノ規定ニ拘ラズ規約ヲ以テ別段ノ定ヲ爲スコトヲ得
第三條 職員健康保險法第三條第一項ノ標準報酬ハ被保險者ノ報酬月額ニ基キ左ノ區別ニ依リ之ヲ定ム
【表】
第四條 標準報酬ハ每年六月一日ノ現在ニ依リ之ヲ定メ八月一日ヨリ翌年七月三十一日迄其ノ效力ヲ有ス但シ被保險者ノ資格ヲ取得シタル際ニ於ケル標準報酬ハ其ノ資格ヲ取得シタル日ノ現在ニ依リ之ヲ定メ其ノ日ヨリ其ノ年七月三十一日(六月二日ヨリ十二月三十一日迄ノ間ニ被保險者ノ資格ヲ取得シタル者ニ付テハ翌年七月三十一日)迄其ノ效力ヲ有ス
被保險者ノ報酬ガ其ノ增減アリタルニ因リ從前ノ報酬月額ニ基キ定メラレタル標準報酬ニ該當セザルニ至リタル場合ニ於テハ其ノ報酬ニ增減アリタル月ノ翌月(報酬ニ增減アリタル日ガ月ノ初日ナルトキハ其ノ月)ヨリ其ノ標準報酬ヲ變更ス
職員健康保險法第二十七條ノ規定ニ依ル被保險者ニ付テハ第一項ノ規定ニ拘ラズ引續キ從前ノ標準報酬ニ依ル
職員健康保險組合ハ第一項ノ規定ニ拘ラズ標準報酬ノ決定ニ關シ規約ヲ以テ別段ノ定ヲ爲スコトヲ得
第五條 第三條ニ規定スル被保險者ノ報酬月額ハ左ノ各號ノ規定ニ依リ之ヲ算定ス
一 年ニ依リ報酬ヲ定ムル場合ニ於テハ標準報酬決定ノ日ノ現在ニ於ケル年額ノ十二分ノ一
二 月ニ依リ報酬ヲ定ムル場合ニ於テハ標準報酬決定ノ日ノ現在ニ於ケル月額
三 日ニ依リ報酬ヲ定ムル場合ニ於テハ標準報酬決定ノ日ノ現在ニ於ケル日額ノ三十倍
四 前三號ノ規定ニ依リ算定シ難キモノニ付テハ標準報酬決定ノ日前一年間ニ於テ受ケタル報酬ノ額ノ十二分ノ一但シ現ニ使用セラルル事業ニ於テ報酬ヲ受ケタル期間一年ニ滿タザルトキハ其ノ受ケタル報酬ノ額ヲ其ノ期間ノ日數ヲ以テ除シテ得タル額ノ三十倍
五 前各號ノ二以上ニ該當スル報酬ヲ受クル場合ニ於テハ其ノ各ニ付前各號ノ規定ニ依リ算定シタル額ノ合算額
六 同時ニ二以上ノ事業所ニ於テ報酬ヲ受クル場合ニ於テハ各事業所ニ付前各號ノ規定ニ依リ算定シタル額ノ合算額
被保險者ノ報酬月額ガ前項ノ規定ニ依リ算定シ難キトキ又ハ前項ノ規定ニ依リテ算定シタル額ガ著シク不當ナルトキハ前項ノ規定ニ拘ラズ保險者ニ於テ適當ノ方法ニ依リ之ヲ算定スベシ
保險者ガ職員健康保險組合ナル場合ニ於テハ前項ノ算定方法ハ規約ヲ以テ之ヲ定ムベシ
第六條 職員健康保險法第十二條第一項ノ規定ニ依リ保險料其ノ他同法ノ規定ニ依ル徵收金納付ノ督促ヲ爲サントスルトキハ保險者ハ納付義務者ニ對シ督促狀ヲ發スベシ
督促狀ヲ發シタルトキハ督促手數料トシテ二十錢ヲ徵收ス
第七條 前條ノ規定ニ依リ督促ヲ爲シタル場合ニ於テハ徵收金額百圓ニ付一日三錢ノ割合ヲ以テ納期限ノ翌日ヨリ徵收金完納又ハ財產差押ノ日ノ前日迄ノ日數ニ依リ計算シタル延滯金ヲ徵收ス但シ左ノ各號ノ一ニ該當スル場合又ハ滯納ニ付酌量スベキ情狀アリト認ムル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
一 納入ノ吿知書一通ノ徵收金額五圓未滿ナルトキ
二 納期ヲ繰上ゲ徵收ヲ爲ストキ
三 納付義務者ノ住所及居所ガ帝國內ニ在ラザル爲又ハ其ノ住所及居所共ニ不明ナル爲公示送達ノ方法ニ依リ納入ノ吿知又ハ督促ヲ爲シタルトキ
督促狀ニ指定シタル期限迄ニ徵收金及督促手數料ヲ完納シタルトキハ延滯金ヲ徵收セズ
第二章 被保險者
第八條 職員健康保險法第十八條第一項第一號乃至第五號ニ揭グル事業ノ範圍ハ左ノ如シ
一 物ノ販賣ニ關スル事業ハ物品販賣業、不動產販賣業其ノ他之ニ類スル事業トシ料理店業及飮食店業ハ之ヲ含マザルモノトス
二 金融又ハ保險ニ關スル事業ハ銀行業、信託業、無盡業、質屋業、融資業、保險業其ノ他之ニ類スル事業トス
三 物ノ保管又ハ賃貸ニ關スル事業ハ倉庫業、貸家貸室業、物品貸付業其ノ他之ニ類スル事業トシ貸席業及貸座敷業ハ之ヲ含マザルモノトス
四 媒介周旋ニ關スル事業ハ仲立業、問屋業、代理業、取引所業、有價證券業、有價證券引受業、周旋業其ノ他之ニ類スル事業トス
五 集金、案內又ハ廣吿ニ關スル事業ハ集金業、旅行案內業、廣吿業其ノ他之ニ類スル事業トス
同法同條同項第六號ノ規定ニ依リ電氣供給ノ事業ヲ指定ス
第九條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ職員健康保險法第十八條第三項第四號、第二十條第二項又ハ第二十二條第二項ノ規定ニ依リ被保險者タラザルモノトス
一 臨時ニ使用セラルル者ニシテ左ニ揭グルモノ但シ(イ)ニ該當スル者所定ノ期間ヲ超エテ引續キ使用セラルルニ至リタルトキ又ハ(ロ)若ハ(ハ)ニ該當スル者一月ヲ超エテ引續キ使用セラルルニ至リタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
(イ) 二月以內ノ期間ヲ定メテ使用セラルル者
(ロ) 使用期間ノ定ナク勞務供給契約ニ基キ又ハ試ニ使用セラルル者
(ハ) 日日雇入レラルル者
二 事業所ノ所在地ノ一定セザル事業ニ使用セラルル者
三 左ニ揭グル事業ニ使用セラルル者ニシテ主トシテ現場ニ於ケル作業ニ從事スルモノ
(イ) 貨物又ハ旅客ノ運送ニ關スル事業
(ロ) 土木工事又ハ工作物ノ建設、保存、修理若ハ破壞ニ關スル事業
(ハ) 農產物、林產物若ハ水產物ノ栽培、採取、採捕、處理若ハ養殖、園藝、養蠶又ハ養畜ニ關スル事業
(ニ) 燒却、淸掃又ハ屠殺ニ關スル事業
四 前三號ニ揭グル者ノ外厚生大臣ノ定ムル者
第十條 職員健康保險法第二十一條第一項第三號ノ規定ニ依ル事業ハ同法第十八條第一項第一號乃至第六號ニ揭グル事業及厚生大臣ノ指定スル事業以外ノ一切ノ事業トス
第十一條 職員健康保險法第二十五條ノ規定ニ依リ被保險者ノ資格ヲ喪失シタル者ニシテ喪失ノ日前二月以上引續キ被保險者タリシモノハ其ノ資格ヲ喪失シタル日(繼續シテ保險給付ヲ受クル者ニ在リテハ其ノ給付ヲ受ケザルニ至リタル日)ヨリ十日以內ニ職員健康保險法第二十七條ノ規定ニ依ル被保險者タラントスル申請ヲ爲ストキハ繼續シテ被保險者ト爲ルコトヲ得但シ健康保險又ハ船員保險ノ被保險者タル者ハ此ノ限ニ在ラズ
前項ニ規定スル期限ヲ經過シタル申請ト雖モ保險者ニ於テ正當ノ事由アリト認ムルトキハ之ヲ受理スルコトヲ得
第十二條 職員健康保險法第二十八條第一項ニ規定スル事由ハ左ノ如シ
一 保險料ヲ納付セズシテ保險料ノ納付期日後十日ヲ經過シタルトキ
二 職員健康保險法第十八條、第二十條又ハ第二十二條ノ規定ニ依ル被保險者ト爲リタルトキ
三 健康保險又ハ船員保險ノ被保險者ト爲リタルトキ
第三章 職員健康保險組合
第一節 設立
第十三條 事業主ハ職員健康保險組合ヲ設立スル爲職員健康保險法第三十四條ノ同意ヲ求ムル場合ニ於テハ左ニ揭グル事項ヲ記載シタル書面ヲ同條ノ被保險者(職員健康保險法第三十五條ノ場合ニ在リテハ被保險者ト爲ルベキ者)全部ニ送付スベシ
一 組合員タルベキ者ノ範圍
二 組合ノ組織ノ槪要
三 保險料ノ槪要
四 保險給付ノ槪要
五 其ノ他事業計畫ノ槪要
第十四條 規約ニハ左ニ揭グル事項ヲ規定スベシ
一 組合ノ名稱
二 事務所ノ所在地
三 組合ノ設立アル事業所ノ名稱及所在地
四 公示ノ方法
五 其ノ他組合ニ關シ重要ナル事項
第十五條 組合ハ其ノ名稱中ニ職員健康保險組合ナル文字ヲ用フベシ
職員健康保險組合ニ非ザルモノハ其ノ名稱中ニ職員健康保險組合ナル文字ヲ用フルコトヲ得ズ
第十六條 組合設立ノ際ニ於テ定ムベキ保險料率及初年度ノ收入支出ノ豫算ハ事業主之ヲ定メ厚生大臣ノ認可ヲ受クベシ
第十七條 組合設立ノ認可ヲ爲シタルトキハ厚生大臣ハ左ニ揭グル事項ヲ吿示スベシ
一 組合ノ名稱
二 事務所ノ所在地
三 組合ノ設立アル事業所ノ名稱及所在地
四 認可ノ年月日
前項各號ノ事項ニ關スル規約ノ變更ヲ認可シタルトキハ厚生大臣ハ其ノ事項ヲ吿示スベシ
第十八條 組合設立ノ認可アリタルトキハ事業主ハ遲滯ナク規約ヲ公示スベシ
第十九條 組合設立ノ認可アリタルトキハ事業主ハ遲滯ナク組合會ヲ招集シ組合設立ノ經過、保險料率及初年度ノ收入支出ノ豫算其ノ他重要ナル事項ヲ報吿スベシ
第二十條 組合設立後理事就職ニ至ル迄ハ事業主理事ノ職務ヲ行フ
第二節 會議
第二十一條 組合ニ組合會ヲ置ク
組合會ハ組合會議員ヲ以テ之ヲ組織ス
第二十二條 議員ノ定數ハ十二人以上ノ偶數トシ其ノ半數ハ事業主ニ於テ事業主又ハ其ノ代理人及其ノ事業所ニ使用セラルル者ノ中ニ就キ之ヲ選定シ他ノ半數ハ被保險者タル組合員ニ於テ之ヲ互選ス
第二十三條 議員就職シタルトキハ理事ハ遲滯ナク其ノ旨ヲ公示スベシ議員退職又ハ死亡シタルトキ亦同ジ
第二十四條 議員ノ選擧ハ無記名投票ニ依リ之ヲ行フ
投票ハ一人一票ニ限ル
第二十五條 選擧人タル組合員ハ議員ノ選擧又ハ當選ノ效力ニ關シ異議アルトキハ第二十三條ノ公示ノ日ヨリ七日以內ニ之ヲ理事ニ申立ツルコトヲ得
前項ノ申立アリタルトキハ理事ハ二十日以內ニ之ヲ組合會ノ決定ニ付シ其ノ決定アリタルトキハ遲滯ナク之ヲ公示スベシ
前項ノ決定ニ不服アル者ハ決定アリタル日ヨリ三十日以內ニ監督官廳ニ訴願スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ職員健康保險組合ヲ訴願法ノ規定ニ依ル行政廳ト看做ス
議員ハ第二項ノ決定又ハ前項ノ訴願ノ裁決アル迄ハ會議ニ列席シ議事ニ參與スルノ權ヲ失ハズ
第二十六條 本令ニ規定スルモノノ外議員ノ定數、資格、任期、選定及選擧ニ關スル事項ハ規約ノ定ムル所ニ依ル
第二十七條 組合會ノ議決スベキ事項ハ左ノ如シ
一 收入支出ノ豫算
二 事業報吿及決算
三 收入支出豫算ヲ以テ定ムルモノノ外新ナル義務ノ負擔又ハ權利ノ抛棄
四 準備金ノ管理方法
五 準備金其ノ他重要ナル財產ノ處分
六 組合債
七 規約ノ變更
八 保險料率
九 訴願訴訟ノ提起及和解
十 其ノ他重要ナル事項
第二十八條 組合會ハ組合ノ事務ニ關スル書類ヲ檢閱シ、理事ノ報吿ヲ請求シ又ハ事務ノ管理、決議ノ執行及出納ヲ檢査スルコトヲ得
組合會ハ議員中ヨリ委員ヲ選擧シ前項ノ組合會ノ權限ニ屬スル事項ヲ行ハシムルコトヲ得
第二十九條 組合會ハ理事之ヲ招集ス
議員定數ノ三分ノ一以上ヨリ會議ノ目的タル事項ヲ示シテ組合會招集ノ請求ヲ爲シタルトキハ理事ハ七日以內ニ之ヲ招集スベシ
組合會ノ招集ハ會議ノ目的タル事項ヲ示シ急施ヲ要スル場合ヲ除クノ外開會ノ日ヨリ少クトモ三日前ニ之ヲ爲スベシ
前二項ノ期間ニ付テハ規約ヲ以テ別段ノ定ヲ爲スコトヲ得
組合會開會中急施ヲ要スル事項アルトキハ理事ハ直ニ之ヲ其ノ會議ニ付スルコトヲ得
組合會ハ理事之ヲ開閉ス
第三十條 組合會ノ議長ハ理事長ヲ以テ之ニ充ツ
理事長故障アルトキハ其ノ代理者議長ノ職務ヲ行フ
決算ノ認定ニ關スル會議ノ議長ハ前二項ノ規定ニ拘ラズ理事以外ノ出席議員中ヨリ互選セラレタル者ヲ以テ之ニ充ツ
議長ハ會議ヲ總理シ議場ノ秩序ヲ保持ス
第三十一條 組合會ハ議員定數ノ半數以上出席スルニ非ザレバ會議ヲ開クコトヲ得ズ但シ第三十四條ノ除斥ノ爲半數ニ滿タザルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第三十二條 組合會ノ議事ハ出席議員ノ過半數ヲ以テ之ヲ決ス可否同數ナルトキハ議長ノ決スル所ニ依ル
第三十三條 規約變更ノ議事ハ議員定數ノ四分ノ三以上ノ多數ヲ以テ之ヲ決ス
第三十四條 議長及議員ハ其ノ一身上ニ關スル事項ニ付テハ其ノ議事ニ參與スルコトヲ得ズ但シ組合會ノ同意ヲ得タルトキハ會議ニ出席シ發言スルコトヲ得
第三十五條 議員ハ自ラ會議ニ出席シ表決ヲ爲スベシ但シ病氣其ノ他已ムヲ得ザル事由ニ因リ會議ニ出席スルコト能ハザル議員ハ規約ノ定ムル所ニ依リ豫メ書面ヲ以テ出席議員ニ委任シテ表決ヲ爲スコトヲ妨ゲズ此ノ場合ニ於テハ之ヲ會議ニ出席シタルモノト看做ス
第三十六條 組合員ハ規約ニ定ムル特別ノ場合ヲ除クノ外組合會ノ會議ヲ傍聽スルコトヲ得
第三十七條 議員ハ其ノ職務ノ爲要スル旅費ノ支給ヲ組合ヨリ受クルコトヲ得
被保險者タル議員ハ其ノ職務ヲ行フニ因リ平常ノ業務ニ對スル報酬ヲ受クルコトヲ得ザル場合ニ於テハ其ノ補償ヲ組合ヨリ受クルコトヲ得
第一項ノ旅費及前項ノ補償ノ額及支給方法ハ規約ノ定ムル所ニ依ル
第三節 役員
第三十八條 組合ニ理事ヲ置ク
理事ノ定數ハ四人以上ノ偶數トシ其ノ半數ハ事業主ノ選定シタル議員ニ於テ、他ノ半數ハ被保險者タル組合員ノ互選シタル議員ニ於テ之ヲ互選ス
理事ノ中一人ヲ理事長トシ事業主ノ選定シタル議員タル理事中ニ就キ理事之ヲ選擧ス
第三十九條 理事長ハ組合ヲ代表ス
理事長故障アルトキハ規約ノ定ムル所ニ依リ他ノ理事其ノ職務ヲ代理ス
第四十條 組合ノ事務ハ規約ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外理事ノ過半數ヲ以テ之ヲ決ス可否同數ナルトキハ理事長ノ決スル所ニ依ル
第四十一條 組合會成立セズ又ハ其ノ議決スベキ事項ヲ議決セザルトキハ理事ハ監督官廳ノ指揮ヲ請ヒ其ノ議決スベキ事項ヲ處置スルコトヲ得
第四十二條 組合會ニ於テ議決スベキ事項ニ關シ臨時急施ヲ要スル場合ニ於テ組合會成立セザルトキ又ハ之ヲ招集スルノ暇ナキトキハ理事ハ之ヲ專決スルコトヲ得
第四十三條 前二條ノ規定ニ依リ處置ヲ爲シタルトキハ理事ハ次囘ノ會議ニ於テ之ヲ組合會ニ報吿スベシ
第四十四條 規約變更ノ認可アリタルトキハ理事ハ遲滯ナク之ヲ公示スベシ
第四十五條 理事ハ規約、財產目錄、事業報吿書、組合原簿及組合會ノ會議錄ヲ事務所ニ備フベシ
組合員ガ前項ノ書類ノ閱覽ヲ求メタルトキハ理事ハ正當ノ事由アルニ非ザレバ之ヲ拒ムコトヲ得ズ
第四十六條 第二十三條、第二十六條及第三十七條ノ規定ハ理事及理事長ニ之ヲ準用ス
第四節 財務
第四十七條 組合ノ會計年度ハ政府ノ會計年度ニ依ル
第四十八條 組合ハ每會計年度收入支出ノ豫算ヲ調製シ監督官廳ノ認可ヲ受クベシ豫算ヲ更正又ハ追加シタルトキ亦同ジ
豫算ニ定メタル各款ノ金額ハ彼此流用スルコトヲ得ズ
豫算ニ定メタル各項ノ金額ハ組合會ノ議決ヲ經テ之ヲ流用スルコトヲ得
第四十九條 組合ハ組合會ノ議決ヲ經テ繼續費ヲ設クルコトヲ得
第五十條 組合ハ豫算超過ノ支出ニ充ツル爲豫備費ヲ設クベシ
豫備費ハ規約ヲ以テ定メタル費途以外ノ費途ニ之ヲ充ツルコトヲ得ズ
第五十一條 組合ニ於テ其ノ收入金ヲ收納スルハ翌年度五月三十一日、其ノ支出金ヲ支拂フハ翌年度四月十五日限トシ其ノ出納ヲ閉鎖ス
第五十二條 組合ハ保險料率ヲ變更セントスルトキハ監督官廳ノ認可ヲ受クベシ
第五十三條 組合ハ少クトモ保險給付ニ要シタル費用ノ前三年度(旣往ノ年度三年未滿ナルトキハ旣往年度)ノ平均年額ニ相當スル額ニ達スル迄每年度ノ剩餘金中ヨリ該平均年額ノ百分ノ五以上ニ相當スル額(剩餘金ガ該平均年額ノ百分ノ五ニ達セザルトキハ其ノ全額)ヲ準備金トシテ積立ツベシ
前項ノ限度內ノ準備金ハ保險給付ニ要スル費用ニ不足ヲ生ジタルトキニ非ザレバ之ヲ使用スルコトヲ得ズ
第五十四條 準備金其ノ他財產ノ管理方法ノ要綱ハ規約ヲ以テ之ヲ定ムベシ
第五十五條 組合ハ支拂上現金ニ不足ヲ生ジタルトキハ準備金ニ屬スル現金ヲ繰替使用シ又ハ一時借入金ヲ爲スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ繰替使用シタル金額及前項ノ一時借入金ハ當該會計年度內ニ之ヲ返還スベシ
第一項ノ一時借入金ヲ爲シ得ベキ限度ハ每年度監督官廳ノ認可ヲ受クベシ
第五十六條 組合ハ組合債ヲ起シ、起債ノ方法、利息ノ定率若ハ償還ノ方法ヲ定メ又ハ之ヲ變更セントスルトキハ監督官廳ノ認可ヲ受クベシ
第五十七條 組合ハ重要ナル財產ノ處分ヲ爲サントスルトキハ監督官廳ノ認可ヲ受クベシ
第五節 分合解散
第五十八條 組合ハ合併又ハ分割ヲ爲サントスルトキハ關係アル組合ノ組合會ニ於テ議員定數ノ四分ノ三以上ノ多數ヲ以テ之ヲ議決シ厚生大臣ノ認可ヲ受クベシ
前項ノ場合ニ於テ規約ノ變更ヲ要スルトキハ前項ノ議決ト共ニ之ヲ議決スベシ
第五十九條 組合ノ分割ハ組合ノ設立アル事業所ノ一部ニ付之ヲ爲スコトヲ得ズ
第六十條 分割ヲ爲ス場合ニ於テハ分割後存續スル組合又ハ分割ニ因リテ成立スル組合ノ被保險者タル組合員ノ員數ハ常時三百人以上タルベキコトヲ要ス
第六十一條 合併ニ因リテ成立スル組合ノ規約、保險料率及初年度ノ收入支出ノ豫算ハ各組合ニ於テ選任シタル者共同シテ之ヲ定メ厚生大臣ノ認可ヲ受クベシ
第六十二條 分割ニ因リテ成立スル組合ノ規約、保險料率及初年度ノ收入支出ノ豫算ハ其ノ組合ノ組合員タルベキ事業主之ヲ定メ厚生大臣ノ認可ヲ受クベシ
第六十三條 合併後存續スル組合又ハ合併ニ因リテ成立シタル組合ハ合併ニ因リテ消滅シタル組合ノ權利義務ヲ承繼ス
分割ニ因リテ成立シタル組合ハ分割ニ因リテ消滅シタル組合又ハ分割後存續スル組合ノ權利義務ノ一部ヲ承繼ス
前項ノ規定ニ依リ承繼スル權利義務ノ限度ハ分割ノ議決ト共ニ之ヲ議決シ厚生大臣ノ認可ヲ受クベシ
第六十四條 組合ノ合併又ハ分割ノ認可ヲ爲シタルトキハ厚生大臣ハ合併又ハ分割ニ因リテ成立又ハ消滅シタル組合及合併又ハ分割後存續スル組合ニ付左ニ揭グル事項ヲ吿示スベシ
一 組合ノ名稱
二 事務所ノ所在地
三 組合ノ設立アル事業所ノ名稱及所在地
四 認可ノ年月日
第六十五條 第十八條乃至第二十條ノ規定ハ合併又ハ分割ニ因リテ成立シタル組合ニ之ヲ準用ス
合併又ハ分割ノ際其ノ合併又ハ分割シタル組合ノ理事タリシ者ガ合併又ハ分割ニ因リテ成立シタル組合ノ組合員タル場合ニ於テハ前項ノ規定ニ依リ事業主ノ行フベキ職務ハ其ノ理事タリシ者之ヲ行フ
第六十六條 組合ハ解散ヲ爲サントスルトキハ組合會ニ於テ議員定數ノ四分ノ三以上ノ多數ヲ以テ之ヲ議決シ厚生大臣ノ認可ヲ受クベシ
第六十七條 組合ハ被保險者タル組合員ナキニ至ルモ其ノ欠缺ガ一時的ナル場合ニ於テハ解散スルコトナシ
第六十八條 組合解散シタルトキハ厚生大臣ハ第六十四條ノ例ニ依リ之ヲ吿示スベシ
第六十九條 組合ノ設立アル事業所ヲ增減セントスルトキハ編入又ハ削除セラルベキ事業所ノ事業主ノ全部及其ノ事業所ニ使用セラルル被保險者ノ二分ノ一以上ノ同意アルコトヲ要ス
編入又ハ削除セラルベキ事業所二以上アル場合ニ於テハ前項ノ被保險者ノ同意ハ各事業所ニ付之ヲ得ルコトヲ要ス
前二項ノ規定ニ於テ被保險者トアルハ職員健康保險法第十九條第一項又ハ第二十一條第一項ノ規定ニ依ル認可ノ申請ト同時ニ事業所編入ニ關スル規約變更ノ認可ノ申請ヲ爲ス場合ニ在リテハ被保險者ト爲ルベキ者トス
第七十條 事業所ノ削除ヲ爲ス場合ニ於テハ削除後ニ於テモ組合ノ被保險者タル組合員ノ員數ハ常時三百人以上タルベキコトヲ要ス
第七十一條 組合ハ第六十九條ノ同意ヲ求メントスルトキハ事業所ノ編入ノ場合ニ在リテハ第十三條各號ニ揭グル事項ヲ記載シタル書面ヲ、事業所ノ削除ノ場合ニ在リテハ削除ノ理由ヲ記載シタル書面ヲ編入又ハ削除ニ因リ組合員タル資格ヲ取得又ハ喪失スベキ者ノ全部ニ送付スベシ
第六節 監督
第七十二條 厚生大臣ハ組合會ノ解散ヲ命ズルコトヲ得
組合會解散ノ場合ニ於テハ一月以內ニ議員ノ選定及選擧ヲ爲スベシ
第七十三條 職員健康保險法第四十三條ノ規定ニ依リ解職セラレタル者ハ二年間組合ノ役員タルコトヲ得ズ
第七十四條 第二十五條第三項、第四十一條、第四十八條第一項、第五十二條、第五十五條第三項、第五十六條及第五十七條ニ於テ監督官廳トアルハ保險院長官トス
第四章 保險給付
第七十五條 職員健康保險法第四十七條第一項ノ療養費ヲ支給スベキ療養ノ範圍ハ左ノ如シ
一 診察
二 藥劑又ハ治療材料ノ支給
三 處置、手術其ノ他ノ治療
四 診療所收容
五 看護
六 移送
前項第三號ノ療養ハ緊急ノ場合其ノ他保險者ガ必要アリト認ムル場合ヲ除クノ外之ニ要スル費用一囘二十圓以下ノモノニ限ル
第一項第四號乃至第六號ノ療養ハ保險者ガ必要アリト認ムルモノニ限ル
第七十六條 療養費ノ額ハ療養ニ要スル費用ノ十分ノ六乃至十分ノ八ノ範圍內ニ於テ厚生大臣ノ定ムル割合ヲ標準トシテ算定シタル額トス
前項ノ療養ニ要スル費用ハ厚生大臣ノ定ムル所ニ依リ之ヲ算定ス
特別ノ事由アル場合ニ於テハ職員健康保險組合ハ前項ノ規定ニ拘ラズ規約ヲ以テ別段ノ定ヲ爲スコトヲ得
第七十七條 被保險者ガ保險者ノ指定シタル醫師、齒科醫師又ハ藥劑師ニ就キ療養ヲ受ケタル場合ニ於テハ保險者ハ其ノ被保險者ガ當該醫師、齒科醫師又ハ藥劑師ニ對シ支拂フベキ療養ニ要シタル費用ニ付療養費トシテ被保險者ニ對シ支給スベキ額ノ限度ニ於テ被保險者ニ代リ當該醫師、齒科醫師又ハ藥劑師ニ對シ之ヲ支拂フコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ醫師、齒科醫師又ハ藥劑師ニ對シ費用ヲ支拂ヒタル場合ニ於テハ其ノ限度ニ於テ被保險者ニ對シ療養費ヲ支給シタルモノト看做ス
被保險者ガ保險者ノ指定シタル醫師、齒科醫師又ハ藥劑師以外ノ者ニ就キ療養ヲ受ケタル場合ニ於ケル療養費ノ支給方法ハ厚生大臣之ヲ定ム
第七十八條 保險者ガ診療所ヲ有スルトキ其ノ他保險者ニ於テ必要アリト認ムルトキハ職員健康保險法第四十七條第三項ノ規定ニ依リ療養費ノ支給ニ代ヘテ療養ノ給付ヲ爲スコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ保險者ガ職員健康保險組合ナルトキハ規約ヲ以テ之ヲ定ムベシ
第七十九條 職員健康保險法第四十七條第三項ノ規定ニ依リ徵收スル一部負擔金ノ額ハ療養ノ給付ニ要スル費用ノ十分ノ二乃至十分ノ四ノ範圍內ニ於テ厚生大臣ノ定ムル割合ヲ標準トシテ算定シタル額トス
第八十條 診療所ニ收容セラレタル被保險者ニ對シ支給スベキ傷病手當金ハ專ラ其ノ者ニ依リ生計ヲ維持スル者ナキ場合ニ於テハ標準報酬日額ノ百分ノ二十ニ相當スル金額トス
第八十一條 職員健康保險組合ハ職員健康保險法第四十九條第三項ノ規定ニ依リ傷病手當金ノ支給ノ待期ヲ短縮シ又ハ廢スル場合ニ於テハ規約ヲ以テ之ヲ定ムベシ
第八十二條 出產手當金ハ被保險者ガ分娩ノ日前二十八日、分娩ノ日以後四十二日以內ニ於テ勞務ニ服セザリシ期間之ヲ支給ス
分娩ノ日ガ其ノ豫定日ヨリ後レタルトキハ保險者ハ前項ノ分娩ノ日前ノ期間ヲ七日以內延長スルコトヲ得
第八十三條 產院ニ收容シ又ハ助產ノ手當ヲ爲シタル被保險者ニ對シ支給スベキ分娩費ノ額ハ十圓トス
第八十條ノ規定ハ產院ニ收容シタル被保險者ニ對シ支給スル出產手當金ニ之ヲ準用ス
第八十四條 分娩ニ關スル保險給付ハ分娩前一年以內ニ於テ百八十日以上被保險者タリシ者ニ非ザレバ之ヲ爲サズ
職員健康保險法第二十條ノ規定ニ依ル被保險者ニシテ同法第十九條ノ認可アリタル際健康保險ノ被保險者タリシモノニ關シテハ前項ノ期間ノ計算ニ付健康保險ノ被保險者タリシ期間ヲ合算ス
第八十五條 職員健康保險法第五十六條ノ規定ニ依ル保險給付ハ被保險者ノ資格喪失ノ日前六月以上引續キ被保險者タリシ者ニ非ザレバ之ヲ爲サズ
前條第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第八十六條 職員健康保險法第五十八條ノ規定ニ依ル期間ハ之ヲ六月トス
第八十七條 職員健康保險法第五十六條乃至第五十八條ノ規定ニ該當スル被保險者タリシ者ガ健康保險又ハ船員保險ノ被保險者ト爲リタル場合ニ於テ健康保險法、船員保險法又ハ船員法ニ於テ職員健康保險法ノ規定ニ依ル保險給付ト同種ノ給付ヲ爲ストキハ職員健康保險法ノ規定ニ依ル保險給付ハ之ヲ爲サズ
第八十八條 保險者ハ職員健康保險法第六十條ノ規定ニ依リ哺育上ノ手當、哺育手當金ノ支給其ノ他厚生大臣ノ定ムル給付ヲ爲スコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル給付ニ關シ必要ナル事項ハ厚生大臣之ヲ定ム
第八十九條 疾病ニ罹リ、負傷シ又ハ分娩シタル場合ニ於テ繼續シテ報酬ノ全部又ハ一部ヲ受クルコトヲ得ベキ者ニ對シテハ之ヲ受クルコトヲ得ベキ期間傷病手當金又ハ出產手當金ヲ支給セズ但シ其ノ受クルコトヲ得ベキ報酬ノ額ガ傷病手當金又ハ出產手當金ノ額ヨリ小ナルトキハ其ノ差額ヲ支給ス
第九十條 前條ニ揭グル者ガ其ノ受クルコトヲ得ベカリシ報酬ノ全部又ハ一部ニ付其ノ全額ヲ受クルコト能ハザリシトキハ傷病手當金又ハ出產手當金ノ全額、其ノ一部ヲ受クルコト能ハザリシ場合ニ於テ受ケタル額ガ傷病手當金又ハ出產手當金ノ額ヨリ小ナルトキハ其ノ額ト傷病手當金又ハ出產手當金トノ差額ヲ支給ス但シ前條但書ノ規定ニ依リ傷病手當金又ハ出產手當金ノ一部ヲ受ケタルトキハ其ノ額ヲ支給額ヨリ控除ス
第九十一條 第八十三條第二項ノ規定ハ職員健康保險法第六十五條第二項ニ揭グル者ニ對シ支給スベキ出產手當金ニ之ヲ準用ス
第九十二條 詐欺其ノ他不正ノ行爲ニ依リ保險給付ヲ受ケ又ハ受ケントシタル者ニ對シテハ保險者ハ六月以內ノ期間ヲ定メ其ノ者ニ支給スベキ傷病手當金又ハ出產手當金ノ全部又ハ一部ヲ支給セザル旨ノ決定ヲ爲スコトヲ得但シ詐欺其ノ他不正ノ行爲アリタル日ヨリ一年ヲ經過シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ決定ハ保險者ニ於テ其ノ事實ヲ知リタルトキ遲滯ナク之ヲ爲シ本人ニ通知スベシ
第五章 費用ノ負擔
第九十三條 職員健康保險組合ニ對スル國庫負擔金ハ厚生大臣ガ大藏大臣ト協議シテ定ムル金額ニ其ノ組合ノ被保險者ノ員數ヲ乘ジテ得タル額トス
前項ノ被保險者ノ員數ハ其ノ年度內ノ各月末ニ於ケル被保險者ノ總數ノ平均數トス
第九十四條 職員健康保險組合ニ對シ交付スル國庫負擔金ニ付テハ槪算拂ヲ爲スコトヲ得
前項ノ槪算拂ニ關シ必要ナル事項ハ厚生大臣大藏大臣ト協議シテ之ヲ定ムベシ
第九十五條 保險料額ハ每月ニ付各被保險者ノ標準報酬月額ニ保險料率ヲ乘ジテ得タル額トス但シ被保險者ノ資格ヲ取得シタル日ガ十六日以後ナル場合又ハ被保險者ノ資格ヲ喪失シタル日ガ二日以後十六日以前ナル場合ニ於テハ其ノ月分ノ保險料額ハ之ヲ半額トス
被保險者ノ資格ヲ取得シタル月ニ於テ其ノ資格ヲ喪失シタル場合ニ於テハ前項ノ規定ニ拘ラズ其ノ間ニ於ケル保險料額ハ被保險者タリシ日數ガ十六日以上ナルトキハ其ノ月分ノ保險料額ノ全額、十五日以內ナルトキハ其ノ半額トス
第九十六條 職員健康保險法第二十七條ノ規定ニ依ル被保險者ニ關スル保險料ハ其ノ被保險者ト爲リタル日ガ十七日以後ナルトキハ其ノ翌月ヨリ、十六日以前ナルトキハ其ノ月ヨリ之ヲ算定ス
前項ノ場合ニ於テ每月ノ保險料ノ算定方法ハ前條ノ例ニ依ル但シ前項後段ノ場合ニ於テ被保險者ト爲リタル日ガ二日以後十六日以前ナルトキハ其ノ月分ノ保險料額ハ保險料月額ノ半額トス
第九十七條 保險料率ハ保險者之ヲ定ム
保險料率ハ各被保險者ニ付同一ナルコトヲ要ス
第九十八條 標準報酬ノ等級ガ第一級ニ該當スル被保險者ニ關スル保險料ニ付テハ事業主ノ負擔額ハ標準報酬ノ等級ガ第二級ニ該當スル被保險者ニ關スル保險料ニ付事業主ノ負擔スベキ額ト同額トス但シ其ノ額ガ保險料ノ全額ヲ超過スル場合ニ於テハ事業主ノ負擔額ハ保險料ノ全額トス
第九十九條 被保險者ガ職員健康保險法第六十五條第一項各號ノ一ニ該當スル場合ニ於テ其ノ日ガ其ノ屬スル月ノ全日數ニ亙ル場合ニ於テハ其ノ月分ノ保險料額ノ全額ヲ、其ノ屬スル月ノ全日數ニ亙ラザルモ十五日以上ナル場合ニ於テハ其ノ月分ノ保險料額ノ半額ヲ徵收セズ
第百條 事業主ハ被保險者ニ對シ金錢ヲ以テ報酬ヲ支拂フ場合ニ於テハ被保險者ノ負擔スベキ前月分ノ保險料ヲ報酬ヨリ控除スルコトヲ得
事業主ハ被保險者ガ其ノ事業ニ使用セラレザルニ至リタルトキニ限リ前項ノ規定ニ拘ラズ報酬支拂ノ際ニ於テ被保險者ノ負擔スベキ前月分及其ノ月分ノ保險料ヲ控除スルコトヲ得
第百一條 事業主ハ保險料ノ控除ニ關スル計算書ヲ作製シ被保險者ノ請求ニ應ジテ閱覽セシムベシ
第百二條 每月ノ保險料ハ翌月末日迄ニ之ヲ納付スベシ
保險者ハ保險料ノ納入ノ吿知ヲ爲シタル後ニ於テ吿知シタル保險料額ガ當該納付義務者ノ納付スベキ保險料額ヲ超過スルコトヲ知リタルトキハ其ノ超過部分ニ對スル納入ノ吿知ハ其ノ吿知ヲ爲シタル後六月以內ノ期日ニ於テ納付セラルベキ保險料ニ對シ納期ヲ繰上ゲ之ヲ爲シタルモノト看做スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ納期ヲ繰上ゲ納入ノ吿知ヲ爲シタルモノト看做シタルトキハ保險者ハ其ノ旨ヲ當該納付義務者ニ通知スベシ
第百三條 職員健康保險組合ハ第百條又ハ前條ノ規定ニ拘ラズ規約ヲ以テ別段ノ定ヲ爲スコトヲ得
第百四條 保險料納付義務者ガ左ノ各號ノ一ニ該當スルトキハ納期前ト雖モ保險料ハ總テ之ヲ徵收スルコトヲ得
一 國稅、府縣稅其ノ他ノ公課ノ滯納ニ因リ滯納處分ヲ受クルトキ
二 被保險者ノ使用セラルル事業所ヲ廢止シタルトキ
三 强制執行ヲ受クルトキ
四 破產ノ宣吿ヲ受ケタルトキ
五 競賣ノ開始アリタルトキ
六 法人ガ解散ヲ爲シタルトキ
第六章 職員健康保險審査會
第一節 組織
第百五條 職員健康保險審査會ハ厚生大臣ノ監督ニ屬シ職員健康保險法第八十一條及第八十三條ノ審査ヲ爲ス
第百六條 職員健康保險審査會ハ第一次職員健康保險審査會及第二次職員健康保險審査會トス
第一次職員健康保險審査會ノ管轄區域ハ道府縣ノ區域トシ第二次職員健康保險審査會ノ管轄區域ハ全國ノ區域トス
職員健康保險審査會ノ名稱及位置ハ厚生大臣之ヲ定ム
第百七條 職員健康保險審査會ハ會長及委員ヲ以テ之ヲ組織ス
第百八條 第一次職員健康保險審査會ノ會長ハ地方長官ヲ以テ、第二次職員健康保險審査會ノ會長ハ保險院長官ヲ以テ之ニ充ツ
第百九條 第一次職員健康保險審査會ノ委員ハ左ニ揭グル者ヲ以テ之ニ充ツ
一 官吏、公吏又ハ學識經驗アル者 二人又ハ三人
二 被保險者ヲ使用スル事業主 二人又ハ三人
三 被保險者 二人又ハ三人
第二次職員健康保險審査會ノ委員ハ左ニ揭グル者ヲ以テ之ニ充ツ
一 官吏、公吏又ハ學識經驗アル者 五人
二 被保險者ヲ使用スル事業主 五人
三 被保險者 五人
第一項第一號ノ規定ニ依ル委員中一人ハ地方長官トシ同項ノ委員ハ同項各號ニ該當スル者各同數タルコトヲ要ス
第一項及第二項ニ於テ被保險者ヲ使用スル事業主トアルハ事業主ガ法人ナル場合ニ於テハ業務ヲ執行スル社員若ハ役員又ハ支配人トス
第百十條 廳府縣(東京府ヲ除ク以下之ニ同ジ)ノ官吏ニシテ主トシテ職員健康保險ノ事務ニ從事スル者ハ職員健康保險審査會ノ委員タルコトヲ得ズ
職員健康保險審査會ノ委員ハ他ノ職員健康保險審査會ノ委員ヲ兼ヌルコトヲ得ズ
第百十一條 第一次職員健康保險審査會ノ委員ハ地方長官タル委員ヲ除クノ外厚生大臣之ヲ命ジ第二次職員健康保險審査會ノ委員ハ厚生大臣ノ奏請ニ依リ內閣ニ於テ之ヲ命ズ
第百十二條 委員ノ任期ハ官吏又ハ公吏トシテ委員タルモノヲ除クノ外三年トス但シ特別ノ事由アル場合ニ於テハ任期中之ヲ解任スルコトヲ妨ゲズ
第百十三條 會長ハ會務ヲ總理シ會議ノ議長ト爲ル
會長事故アルトキハ第一次職員健康保險審査會ニ在リテハ地方長官ノ、第二次職員健康保險審査會ニ在リテハ厚生大臣ノ指名シタル委員其ノ職務ヲ代理ス
第百十四條 職員健康保險審査會ニ幹事ヲ置ク
第一次職員健康保險審査會ノ幹事ハ其ノ審査會ノ所在地ヲ管轄スル廳府縣ノ官吏中ヨリ厚生大臣之ヲ命ジ第二次職員健康保險審査會ノ幹事ハ厚生大臣ノ奏請ニ依リ厚生部內ノ高等官中ヨリ內閣ニ於テ之ヲ命ズ
幹事ハ會長ノ指揮ヲ承ケ庶務ヲ整理ス
第百十五條 職員健康保險審査會ニ書記ヲ置ク
第一次職員健康保險審査會ノ書記ハ其ノ審査會ノ所在地ヲ管轄スル廳府縣ノ判任官中ヨリ地方長官之ヲ命ジ第二次職員健康保險審査會ノ書記ハ保險院ノ判任官中ヨリ厚生大臣之ヲ命ズ
書記ハ會長及幹事ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ從事ス
第二節 審査ノ手續
第百十六條 保險給付ニ關スル決定ニ不服アル者ハ第一次職員健康保險審査會ニ審査ヲ請求スル場合ニ於テハ其ノ保險給付ニ關スル決定ヲ爲シタル地方長官又ハ職員健康保險組合ノ管轄區域又ハ事務所ノ所在地ヲ管轄スル職員健康保險審査會ニ之ヲ爲スベシ
第百十七條 審査ハ委員定數ノ半數以上出席シ且第百九條第一項又ハ第二項各號ノ委員各一人以上出席スルニ非ザレバ之ヲ爲スコトヲ得ズ但シ同一ノ事件ニ付招集再囘ニ及ブ場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第百十八條 審査ハ出席委員ノ過半數ヲ以テ之ヲ決ス可否同數ナルトキハ議長ノ決スル所ニ依ル
第百十九條 審査ハ文書ニ就キ之ヲ爲ス但シ必要アリト認ムルトキハ口頭審問ヲ爲スコトヲ妨ゲズ
前項但書ノ規定ニ依リ口頭審問ヲ爲ス爲出頭ヲ命ゼラレタル場合ニ於テ已ムコトヲ得ザル事故ノ爲出頭スルコトヲ得ザルトキハ當事者ハ其ノ法定代理人、親族又ハ同居者ヲシテ代リテ出頭セシムルコトヲ得
口頭審問ノ爲出頭シタル當事者及之ニ代リテ出頭シタル者ニ對シテハ命令ノ定ムル所ニ依リ旅費ヲ給スルコトヲ得
第百二十條 審査ノ請求アリタル場合ニ於テ其ノ事件ガ審査ノ請求ヲ爲スベカラザルモノナルトキ又ハ審査ノ請求ガ適法ノ手續ニ違反シタルモノナルトキハ職員健康保險審査會ハ決定ヲ以テ之ヲ却下スベシ
審査ノ請求アリタル場合ニ於テ其ノ事件ガ管轄違ナルトキハ之ヲ所轄職員健康保險審査會ニ移送スベシ
審査ノ請求ニシテ手續ノ方式ニ欠缺アルモノハ職員健康保險審査會之ヲ補正セシムベシ
第百二十一條 審査ハ之ヲ公開セズ但シ口頭審問ハ之ヲ公開ス
口頭審問ヲ爲ス場合ニ於テ議長必要アリト認ムルトキハ前項但書ノ規定ニ拘ラズ傍聽ヲ制限又ハ禁止スルコトヲ得
第百二十二條 關係官吏ハ職員健康保險審査會ノ請求ニ依リ又ハ其ノ承認ヲ受ケ會議ニ出席シ意見ヲ述ブルコトヲ得
第百二十三條 事件ノ一部ガ審査ノ決定ヲ爲スニ熟スルトキハ其ノ部分ニ付先ヅ決定ヲ爲スコトヲ得
第百二十四條 審査ノ決定ハ理由ヲ附シ文書ヲ以テ之ヲ爲スベシ
第百二十五條 審査請求人ガ審査ノ決定前ニ死亡シタルトキハ其ノ承繼人ニ於テ審査請求手續ヲ受繼グモノトス
第百二十六條 本節ニ規定スルモノノ外審査ニ關シ必要ナル事項ハ厚生大臣之ヲ定ム
附 則
本令ハ昭和十四年十二月二十六日ヨリ之ヲ施行ス但シ保險給付及費用ノ負擔ニ關スル規定ハ職員健康保險法中保險給付及費用ノ負擔ニ關スル規定施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
昭和十五年四月一日ニ於テ現ニ被保險者ノ資格ヲ有スル者ニ對スル標準報酬ハ第四條第一項但書ノ規定ニ拘ラズ昭和十五年四月一日ノ現在ニ依リ之ヲ定ム但シ其ノ者ガ昭和十五年四月二日以後ニ於テ被保險者ノ資格ヲ喪失シタル後更ニ被保險者ノ資格ヲ取得シタル場合ニ於テハ此ノ限ニ在ラズ
昭和十五年六月一日迄ニ被保險者ノ資格ヲ取得シタル者ニ對シ定メタル標準報酬ハ第四條第一項ノ規定ニ拘ラズ其ノ定メタル日ヨリ昭和十六年七月三十一日迄其ノ效力ヲ有ス但シ其ノ者ガ昭和十五年六月二日以後ニ於テ被保險者ノ資格ヲ喪失シタル後更ニ被保險者ノ資格ヲ取得シタル場合ニ於テハ此ノ限ニ在ラズ
朕職員健康保険法施行令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十四年十二月二十二日
内閣総理大臣 阿部信行
大蔵大臣 青木一男
厚生大臣 秋田清
勅令第八百五十八号
職員健康保険法施行令
第一章 総則
第一条 職員健康保険法第二条第一項ノ俸給、給料又ハ賃金ニ準ズベキモノノ範囲ハ常時又ハ定期ニ受クル給与其ノ他ノ利益トス但シ左ニ掲グルモノヲ除ク
一 三月ヲ超ユル期間毎ニ支給スル賞与又ハ手当
二 通勤手当又ハ外勤手当
三 住居ニ関スル利益又ハ住宅料ニシテ俸給、給料又ハ賃金ノ額ノ決定ニ影響ナキモノ
四 其ノ他厚生大臣ノ指定スルモノ
第二条 俸給、給料又ハ賃金ニ準ズベキモノノ全部又ハ一部ガ金銭以外ノ給与其ノ他ノ利益ナル場合ニ於テハ其ノ価額ハ地方長官(東京府ニ在リテハ警視総監以下之ニ同ジ)ノ定ムル標準価格ニ依リ之ヲ算定ス
前項ノ標準価格ハ其ノ地方ノ時価ニ依リ之ヲ定ム
職員健康保険組合ハ第一項ノ規定ニ拘ラズ規約ヲ以テ別段ノ定ヲ為スコトヲ得
第三条 職員健康保険法第三条第一項ノ標準報酬ハ被保険者ノ報酬月額ニ基キ左ノ区別ニ依リ之ヲ定ム
【表】
第四条 標準報酬ハ毎年六月一日ノ現在ニ依リ之ヲ定メ八月一日ヨリ翌年七月三十一日迄其ノ効力ヲ有ス但シ被保険者ノ資格ヲ取得シタル際ニ於ケル標準報酬ハ其ノ資格ヲ取得シタル日ノ現在ニ依リ之ヲ定メ其ノ日ヨリ其ノ年七月三十一日(六月二日ヨリ十二月三十一日迄ノ間ニ被保険者ノ資格ヲ取得シタル者ニ付テハ翌年七月三十一日)迄其ノ効力ヲ有ス
被保険者ノ報酬ガ其ノ増減アリタルニ因リ従前ノ報酬月額ニ基キ定メラレタル標準報酬ニ該当セザルニ至リタル場合ニ於テハ其ノ報酬ニ増減アリタル月ノ翌月(報酬ニ増減アリタル日ガ月ノ初日ナルトキハ其ノ月)ヨリ其ノ標準報酬ヲ変更ス
職員健康保険法第二十七条ノ規定ニ依ル被保険者ニ付テハ第一項ノ規定ニ拘ラズ引続キ従前ノ標準報酬ニ依ル
職員健康保険組合ハ第一項ノ規定ニ拘ラズ標準報酬ノ決定ニ関シ規約ヲ以テ別段ノ定ヲ為スコトヲ得
第五条 第三条ニ規定スル被保険者ノ報酬月額ハ左ノ各号ノ規定ニ依リ之ヲ算定ス
一 年ニ依リ報酬ヲ定ムル場合ニ於テハ標準報酬決定ノ日ノ現在ニ於ケル年額ノ十二分ノ一
二 月ニ依リ報酬ヲ定ムル場合ニ於テハ標準報酬決定ノ日ノ現在ニ於ケル月額
三 日ニ依リ報酬ヲ定ムル場合ニ於テハ標準報酬決定ノ日ノ現在ニ於ケル日額ノ三十倍
四 前三号ノ規定ニ依リ算定シ難キモノニ付テハ標準報酬決定ノ日前一年間ニ於テ受ケタル報酬ノ額ノ十二分ノ一但シ現ニ使用セラルル事業ニ於テ報酬ヲ受ケタル期間一年ニ満タザルトキハ其ノ受ケタル報酬ノ額ヲ其ノ期間ノ日数ヲ以テ除シテ得タル額ノ三十倍
五 前各号ノ二以上ニ該当スル報酬ヲ受クル場合ニ於テハ其ノ各ニ付前各号ノ規定ニ依リ算定シタル額ノ合算額
六 同時ニ二以上ノ事業所ニ於テ報酬ヲ受クル場合ニ於テハ各事業所ニ付前各号ノ規定ニ依リ算定シタル額ノ合算額
被保険者ノ報酬月額ガ前項ノ規定ニ依リ算定シ難キトキ又ハ前項ノ規定ニ依リテ算定シタル額ガ著シク不当ナルトキハ前項ノ規定ニ拘ラズ保険者ニ於テ適当ノ方法ニ依リ之ヲ算定スベシ
保険者ガ職員健康保険組合ナル場合ニ於テハ前項ノ算定方法ハ規約ヲ以テ之ヲ定ムベシ
第六条 職員健康保険法第十二条第一項ノ規定ニ依リ保険料其ノ他同法ノ規定ニ依ル徴収金納付ノ督促ヲ為サントスルトキハ保険者ハ納付義務者ニ対シ督促状ヲ発スベシ
督促状ヲ発シタルトキハ督促手数料トシテ二十銭ヲ徴収ス
第七条 前条ノ規定ニ依リ督促ヲ為シタル場合ニ於テハ徴収金額百円ニ付一日三銭ノ割合ヲ以テ納期限ノ翌日ヨリ徴収金完納又ハ財産差押ノ日ノ前日迄ノ日数ニ依リ計算シタル延滞金ヲ徴収ス但シ左ノ各号ノ一ニ該当スル場合又ハ滞納ニ付酌量スベキ情状アリト認ムル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
一 納入ノ告知書一通ノ徴収金額五円未満ナルトキ
二 納期ヲ繰上ゲ徴収ヲ為ストキ
三 納付義務者ノ住所及居所ガ帝国内ニ在ラザル為又ハ其ノ住所及居所共ニ不明ナル為公示送達ノ方法ニ依リ納入ノ告知又ハ督促ヲ為シタルトキ
督促状ニ指定シタル期限迄ニ徴収金及督促手数料ヲ完納シタルトキハ延滞金ヲ徴収セズ
第二章 被保険者
第八条 職員健康保険法第十八条第一項第一号乃至第五号ニ掲グル事業ノ範囲ハ左ノ如シ
一 物ノ販売ニ関スル事業ハ物品販売業、不動産販売業其ノ他之ニ類スル事業トシ料理店業及飲食店業ハ之ヲ含マザルモノトス
二 金融又ハ保険ニ関スル事業ハ銀行業、信託業、無尽業、質屋業、融資業、保険業其ノ他之ニ類スル事業トス
三 物ノ保管又ハ賃貸ニ関スル事業ハ倉庫業、貸家貸室業、物品貸付業其ノ他之ニ類スル事業トシ貸席業及貸座敷業ハ之ヲ含マザルモノトス
四 媒介周旋ニ関スル事業ハ仲立業、問屋業、代理業、取引所業、有価証券業、有価証券引受業、周旋業其ノ他之ニ類スル事業トス
五 集金、案内又ハ広告ニ関スル事業ハ集金業、旅行案内業、広告業其ノ他之ニ類スル事業トス
同法同条同項第六号ノ規定ニ依リ電気供給ノ事業ヲ指定ス
第九条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ職員健康保険法第十八条第三項第四号、第二十条第二項又ハ第二十二条第二項ノ規定ニ依リ被保険者タラザルモノトス
一 臨時ニ使用セラルル者ニシテ左ニ掲グルモノ但シ(イ)ニ該当スル者所定ノ期間ヲ超エテ引続キ使用セラルルニ至リタルトキ又ハ(ロ)若ハ(ハ)ニ該当スル者一月ヲ超エテ引続キ使用セラルルニ至リタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
(イ) 二月以内ノ期間ヲ定メテ使用セラルル者
(ロ) 使用期間ノ定ナク労務供給契約ニ基キ又ハ試ニ使用セラルル者
(ハ) 日日雇入レラルル者
二 事業所ノ所在地ノ一定セザル事業ニ使用セラルル者
三 左ニ掲グル事業ニ使用セラルル者ニシテ主トシテ現場ニ於ケル作業ニ従事スルモノ
(イ) 貨物又ハ旅客ノ運送ニ関スル事業
(ロ) 土木工事又ハ工作物ノ建設、保存、修理若ハ破壊ニ関スル事業
(ハ) 農産物、林産物若ハ水産物ノ栽培、採取、採捕、処理若ハ養殖、園芸、養蚕又ハ養畜ニ関スル事業
(ニ) 焼却、清掃又ハ屠殺ニ関スル事業
四 前三号ニ掲グル者ノ外厚生大臣ノ定ムル者
第十条 職員健康保険法第二十一条第一項第三号ノ規定ニ依ル事業ハ同法第十八条第一項第一号乃至第六号ニ掲グル事業及厚生大臣ノ指定スル事業以外ノ一切ノ事業トス
第十一条 職員健康保険法第二十五条ノ規定ニ依リ被保険者ノ資格ヲ喪失シタル者ニシテ喪失ノ日前二月以上引続キ被保険者タリシモノハ其ノ資格ヲ喪失シタル日(継続シテ保険給付ヲ受クル者ニ在リテハ其ノ給付ヲ受ケザルニ至リタル日)ヨリ十日以内ニ職員健康保険法第二十七条ノ規定ニ依ル被保険者タラントスル申請ヲ為ストキハ継続シテ被保険者ト為ルコトヲ得但シ健康保険又ハ船員保険ノ被保険者タル者ハ此ノ限ニ在ラズ
前項ニ規定スル期限ヲ経過シタル申請ト雖モ保険者ニ於テ正当ノ事由アリト認ムルトキハ之ヲ受理スルコトヲ得
第十二条 職員健康保険法第二十八条第一項ニ規定スル事由ハ左ノ如シ
一 保険料ヲ納付セズシテ保険料ノ納付期日後十日ヲ経過シタルトキ
二 職員健康保険法第十八条、第二十条又ハ第二十二条ノ規定ニ依ル被保険者ト為リタルトキ
三 健康保険又ハ船員保険ノ被保険者ト為リタルトキ
第三章 職員健康保険組合
第一節 設立
第十三条 事業主ハ職員健康保険組合ヲ設立スル為職員健康保険法第三十四条ノ同意ヲ求ムル場合ニ於テハ左ニ掲グル事項ヲ記載シタル書面ヲ同条ノ被保険者(職員健康保険法第三十五条ノ場合ニ在リテハ被保険者ト為ルベキ者)全部ニ送付スベシ
一 組合員タルベキ者ノ範囲
二 組合ノ組織ノ概要
三 保険料ノ概要
四 保険給付ノ概要
五 其ノ他事業計画ノ概要
第十四条 規約ニハ左ニ掲グル事項ヲ規定スベシ
一 組合ノ名称
二 事務所ノ所在地
三 組合ノ設立アル事業所ノ名称及所在地
四 公示ノ方法
五 其ノ他組合ニ関シ重要ナル事項
第十五条 組合ハ其ノ名称中ニ職員健康保険組合ナル文字ヲ用フベシ
職員健康保険組合ニ非ザルモノハ其ノ名称中ニ職員健康保険組合ナル文字ヲ用フルコトヲ得ズ
第十六条 組合設立ノ際ニ於テ定ムベキ保険料率及初年度ノ収入支出ノ予算ハ事業主之ヲ定メ厚生大臣ノ認可ヲ受クベシ
第十七条 組合設立ノ認可ヲ為シタルトキハ厚生大臣ハ左ニ掲グル事項ヲ告示スベシ
一 組合ノ名称
二 事務所ノ所在地
三 組合ノ設立アル事業所ノ名称及所在地
四 認可ノ年月日
前項各号ノ事項ニ関スル規約ノ変更ヲ認可シタルトキハ厚生大臣ハ其ノ事項ヲ告示スベシ
第十八条 組合設立ノ認可アリタルトキハ事業主ハ遅滞ナク規約ヲ公示スベシ
第十九条 組合設立ノ認可アリタルトキハ事業主ハ遅滞ナク組合会ヲ招集シ組合設立ノ経過、保険料率及初年度ノ収入支出ノ予算其ノ他重要ナル事項ヲ報告スベシ
第二十条 組合設立後理事就職ニ至ル迄ハ事業主理事ノ職務ヲ行フ
第二節 会議
第二十一条 組合ニ組合会ヲ置ク
組合会ハ組合会議員ヲ以テ之ヲ組織ス
第二十二条 議員ノ定数ハ十二人以上ノ偶数トシ其ノ半数ハ事業主ニ於テ事業主又ハ其ノ代理人及其ノ事業所ニ使用セラルル者ノ中ニ就キ之ヲ選定シ他ノ半数ハ被保険者タル組合員ニ於テ之ヲ互選ス
第二十三条 議員就職シタルトキハ理事ハ遅滞ナク其ノ旨ヲ公示スベシ議員退職又ハ死亡シタルトキ亦同ジ
第二十四条 議員ノ選挙ハ無記名投票ニ依リ之ヲ行フ
投票ハ一人一票ニ限ル
第二十五条 選挙人タル組合員ハ議員ノ選挙又ハ当選ノ効力ニ関シ異議アルトキハ第二十三条ノ公示ノ日ヨリ七日以内ニ之ヲ理事ニ申立ツルコトヲ得
前項ノ申立アリタルトキハ理事ハ二十日以内ニ之ヲ組合会ノ決定ニ付シ其ノ決定アリタルトキハ遅滞ナク之ヲ公示スベシ
前項ノ決定ニ不服アル者ハ決定アリタル日ヨリ三十日以内ニ監督官庁ニ訴願スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ職員健康保険組合ヲ訴願法ノ規定ニ依ル行政庁ト看做ス
議員ハ第二項ノ決定又ハ前項ノ訴願ノ裁決アル迄ハ会議ニ列席シ議事ニ参与スルノ権ヲ失ハズ
第二十六条 本令ニ規定スルモノノ外議員ノ定数、資格、任期、選定及選挙ニ関スル事項ハ規約ノ定ムル所ニ依ル
第二十七条 組合会ノ議決スベキ事項ハ左ノ如シ
一 収入支出ノ予算
二 事業報告及決算
三 収入支出予算ヲ以テ定ムルモノノ外新ナル義務ノ負担又ハ権利ノ抛棄
四 準備金ノ管理方法
五 準備金其ノ他重要ナル財産ノ処分
六 組合債
七 規約ノ変更
八 保険料率
九 訴願訴訟ノ提起及和解
十 其ノ他重要ナル事項
第二十八条 組合会ハ組合ノ事務ニ関スル書類ヲ検閲シ、理事ノ報告ヲ請求シ又ハ事務ノ管理、決議ノ執行及出納ヲ検査スルコトヲ得
組合会ハ議員中ヨリ委員ヲ選挙シ前項ノ組合会ノ権限ニ属スル事項ヲ行ハシムルコトヲ得
第二十九条 組合会ハ理事之ヲ招集ス
議員定数ノ三分ノ一以上ヨリ会議ノ目的タル事項ヲ示シテ組合会招集ノ請求ヲ為シタルトキハ理事ハ七日以内ニ之ヲ招集スベシ
組合会ノ招集ハ会議ノ目的タル事項ヲ示シ急施ヲ要スル場合ヲ除クノ外開会ノ日ヨリ少クトモ三日前ニ之ヲ為スベシ
前二項ノ期間ニ付テハ規約ヲ以テ別段ノ定ヲ為スコトヲ得
組合会開会中急施ヲ要スル事項アルトキハ理事ハ直ニ之ヲ其ノ会議ニ付スルコトヲ得
組合会ハ理事之ヲ開閉ス
第三十条 組合会ノ議長ハ理事長ヲ以テ之ニ充ツ
理事長故障アルトキハ其ノ代理者議長ノ職務ヲ行フ
決算ノ認定ニ関スル会議ノ議長ハ前二項ノ規定ニ拘ラズ理事以外ノ出席議員中ヨリ互選セラレタル者ヲ以テ之ニ充ツ
議長ハ会議ヲ総理シ議場ノ秩序ヲ保持ス
第三十一条 組合会ハ議員定数ノ半数以上出席スルニ非ザレバ会議ヲ開クコトヲ得ズ但シ第三十四条ノ除斥ノ為半数ニ満タザルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第三十二条 組合会ノ議事ハ出席議員ノ過半数ヲ以テ之ヲ決ス可否同数ナルトキハ議長ノ決スル所ニ依ル
第三十三条 規約変更ノ議事ハ議員定数ノ四分ノ三以上ノ多数ヲ以テ之ヲ決ス
第三十四条 議長及議員ハ其ノ一身上ニ関スル事項ニ付テハ其ノ議事ニ参与スルコトヲ得ズ但シ組合会ノ同意ヲ得タルトキハ会議ニ出席シ発言スルコトヲ得
第三十五条 議員ハ自ラ会議ニ出席シ表決ヲ為スベシ但シ病気其ノ他已ムヲ得ザル事由ニ因リ会議ニ出席スルコト能ハザル議員ハ規約ノ定ムル所ニ依リ予メ書面ヲ以テ出席議員ニ委任シテ表決ヲ為スコトヲ妨ゲズ此ノ場合ニ於テハ之ヲ会議ニ出席シタルモノト看做ス
第三十六条 組合員ハ規約ニ定ムル特別ノ場合ヲ除クノ外組合会ノ会議ヲ傍聴スルコトヲ得
第三十七条 議員ハ其ノ職務ノ為要スル旅費ノ支給ヲ組合ヨリ受クルコトヲ得
被保険者タル議員ハ其ノ職務ヲ行フニ因リ平常ノ業務ニ対スル報酬ヲ受クルコトヲ得ザル場合ニ於テハ其ノ補償ヲ組合ヨリ受クルコトヲ得
第一項ノ旅費及前項ノ補償ノ額及支給方法ハ規約ノ定ムル所ニ依ル
第三節 役員
第三十八条 組合ニ理事ヲ置ク
理事ノ定数ハ四人以上ノ偶数トシ其ノ半数ハ事業主ノ選定シタル議員ニ於テ、他ノ半数ハ被保険者タル組合員ノ互選シタル議員ニ於テ之ヲ互選ス
理事ノ中一人ヲ理事長トシ事業主ノ選定シタル議員タル理事中ニ就キ理事之ヲ選挙ス
第三十九条 理事長ハ組合ヲ代表ス
理事長故障アルトキハ規約ノ定ムル所ニ依リ他ノ理事其ノ職務ヲ代理ス
第四十条 組合ノ事務ハ規約ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外理事ノ過半数ヲ以テ之ヲ決ス可否同数ナルトキハ理事長ノ決スル所ニ依ル
第四十一条 組合会成立セズ又ハ其ノ議決スベキ事項ヲ議決セザルトキハ理事ハ監督官庁ノ指揮ヲ請ヒ其ノ議決スベキ事項ヲ処置スルコトヲ得
第四十二条 組合会ニ於テ議決スベキ事項ニ関シ臨時急施ヲ要スル場合ニ於テ組合会成立セザルトキ又ハ之ヲ招集スルノ暇ナキトキハ理事ハ之ヲ専決スルコトヲ得
第四十三条 前二条ノ規定ニ依リ処置ヲ為シタルトキハ理事ハ次回ノ会議ニ於テ之ヲ組合会ニ報告スベシ
第四十四条 規約変更ノ認可アリタルトキハ理事ハ遅滞ナク之ヲ公示スベシ
第四十五条 理事ハ規約、財産目録、事業報告書、組合原簿及組合会ノ会議録ヲ事務所ニ備フベシ
組合員ガ前項ノ書類ノ閲覧ヲ求メタルトキハ理事ハ正当ノ事由アルニ非ザレバ之ヲ拒ムコトヲ得ズ
第四十六条 第二十三条、第二十六条及第三十七条ノ規定ハ理事及理事長ニ之ヲ準用ス
第四節 財務
第四十七条 組合ノ会計年度ハ政府ノ会計年度ニ依ル
第四十八条 組合ハ毎会計年度収入支出ノ予算ヲ調製シ監督官庁ノ認可ヲ受クベシ予算ヲ更正又ハ追加シタルトキ亦同ジ
予算ニ定メタル各款ノ金額ハ彼此流用スルコトヲ得ズ
予算ニ定メタル各項ノ金額ハ組合会ノ議決ヲ経テ之ヲ流用スルコトヲ得
第四十九条 組合ハ組合会ノ議決ヲ経テ継続費ヲ設クルコトヲ得
第五十条 組合ハ予算超過ノ支出ニ充ツル為予備費ヲ設クベシ
予備費ハ規約ヲ以テ定メタル費途以外ノ費途ニ之ヲ充ツルコトヲ得ズ
第五十一条 組合ニ於テ其ノ収入金ヲ収納スルハ翌年度五月三十一日、其ノ支出金ヲ支払フハ翌年度四月十五日限トシ其ノ出納ヲ閉鎖ス
第五十二条 組合ハ保険料率ヲ変更セントスルトキハ監督官庁ノ認可ヲ受クベシ
第五十三条 組合ハ少クトモ保険給付ニ要シタル費用ノ前三年度(既往ノ年度三年未満ナルトキハ既往年度)ノ平均年額ニ相当スル額ニ達スル迄毎年度ノ剰余金中ヨリ該平均年額ノ百分ノ五以上ニ相当スル額(剰余金ガ該平均年額ノ百分ノ五ニ達セザルトキハ其ノ全額)ヲ準備金トシテ積立ツベシ
前項ノ限度内ノ準備金ハ保険給付ニ要スル費用ニ不足ヲ生ジタルトキニ非ザレバ之ヲ使用スルコトヲ得ズ
第五十四条 準備金其ノ他財産ノ管理方法ノ要綱ハ規約ヲ以テ之ヲ定ムベシ
第五十五条 組合ハ支払上現金ニ不足ヲ生ジタルトキハ準備金ニ属スル現金ヲ繰替使用シ又ハ一時借入金ヲ為スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ繰替使用シタル金額及前項ノ一時借入金ハ当該会計年度内ニ之ヲ返還スベシ
第一項ノ一時借入金ヲ為シ得ベキ限度ハ毎年度監督官庁ノ認可ヲ受クベシ
第五十六条 組合ハ組合債ヲ起シ、起債ノ方法、利息ノ定率若ハ償還ノ方法ヲ定メ又ハ之ヲ変更セントスルトキハ監督官庁ノ認可ヲ受クベシ
第五十七条 組合ハ重要ナル財産ノ処分ヲ為サントスルトキハ監督官庁ノ認可ヲ受クベシ
第五節 分合解散
第五十八条 組合ハ合併又ハ分割ヲ為サントスルトキハ関係アル組合ノ組合会ニ於テ議員定数ノ四分ノ三以上ノ多数ヲ以テ之ヲ議決シ厚生大臣ノ認可ヲ受クベシ
前項ノ場合ニ於テ規約ノ変更ヲ要スルトキハ前項ノ議決ト共ニ之ヲ議決スベシ
第五十九条 組合ノ分割ハ組合ノ設立アル事業所ノ一部ニ付之ヲ為スコトヲ得ズ
第六十条 分割ヲ為ス場合ニ於テハ分割後存続スル組合又ハ分割ニ因リテ成立スル組合ノ被保険者タル組合員ノ員数ハ常時三百人以上タルベキコトヲ要ス
第六十一条 合併ニ因リテ成立スル組合ノ規約、保険料率及初年度ノ収入支出ノ予算ハ各組合ニ於テ選任シタル者共同シテ之ヲ定メ厚生大臣ノ認可ヲ受クベシ
第六十二条 分割ニ因リテ成立スル組合ノ規約、保険料率及初年度ノ収入支出ノ予算ハ其ノ組合ノ組合員タルベキ事業主之ヲ定メ厚生大臣ノ認可ヲ受クベシ
第六十三条 合併後存続スル組合又ハ合併ニ因リテ成立シタル組合ハ合併ニ因リテ消滅シタル組合ノ権利義務ヲ承継ス
分割ニ因リテ成立シタル組合ハ分割ニ因リテ消滅シタル組合又ハ分割後存続スル組合ノ権利義務ノ一部ヲ承継ス
前項ノ規定ニ依リ承継スル権利義務ノ限度ハ分割ノ議決ト共ニ之ヲ議決シ厚生大臣ノ認可ヲ受クベシ
第六十四条 組合ノ合併又ハ分割ノ認可ヲ為シタルトキハ厚生大臣ハ合併又ハ分割ニ因リテ成立又ハ消滅シタル組合及合併又ハ分割後存続スル組合ニ付左ニ掲グル事項ヲ告示スベシ
一 組合ノ名称
二 事務所ノ所在地
三 組合ノ設立アル事業所ノ名称及所在地
四 認可ノ年月日
第六十五条 第十八条乃至第二十条ノ規定ハ合併又ハ分割ニ因リテ成立シタル組合ニ之ヲ準用ス
合併又ハ分割ノ際其ノ合併又ハ分割シタル組合ノ理事タリシ者ガ合併又ハ分割ニ因リテ成立シタル組合ノ組合員タル場合ニ於テハ前項ノ規定ニ依リ事業主ノ行フベキ職務ハ其ノ理事タリシ者之ヲ行フ
第六十六条 組合ハ解散ヲ為サントスルトキハ組合会ニ於テ議員定数ノ四分ノ三以上ノ多数ヲ以テ之ヲ議決シ厚生大臣ノ認可ヲ受クベシ
第六十七条 組合ハ被保険者タル組合員ナキニ至ルモ其ノ欠欠ガ一時的ナル場合ニ於テハ解散スルコトナシ
第六十八条 組合解散シタルトキハ厚生大臣ハ第六十四条ノ例ニ依リ之ヲ告示スベシ
第六十九条 組合ノ設立アル事業所ヲ増減セントスルトキハ編入又ハ削除セラルベキ事業所ノ事業主ノ全部及其ノ事業所ニ使用セラルル被保険者ノ二分ノ一以上ノ同意アルコトヲ要ス
編入又ハ削除セラルベキ事業所二以上アル場合ニ於テハ前項ノ被保険者ノ同意ハ各事業所ニ付之ヲ得ルコトヲ要ス
前二項ノ規定ニ於テ被保険者トアルハ職員健康保険法第十九条第一項又ハ第二十一条第一項ノ規定ニ依ル認可ノ申請ト同時ニ事業所編入ニ関スル規約変更ノ認可ノ申請ヲ為ス場合ニ在リテハ被保険者ト為ルベキ者トス
第七十条 事業所ノ削除ヲ為ス場合ニ於テハ削除後ニ於テモ組合ノ被保険者タル組合員ノ員数ハ常時三百人以上タルベキコトヲ要ス
第七十一条 組合ハ第六十九条ノ同意ヲ求メントスルトキハ事業所ノ編入ノ場合ニ在リテハ第十三条各号ニ掲グル事項ヲ記載シタル書面ヲ、事業所ノ削除ノ場合ニ在リテハ削除ノ理由ヲ記載シタル書面ヲ編入又ハ削除ニ因リ組合員タル資格ヲ取得又ハ喪失スベキ者ノ全部ニ送付スベシ
第六節 監督
第七十二条 厚生大臣ハ組合会ノ解散ヲ命ズルコトヲ得
組合会解散ノ場合ニ於テハ一月以内ニ議員ノ選定及選挙ヲ為スベシ
第七十三条 職員健康保険法第四十三条ノ規定ニ依リ解職セラレタル者ハ二年間組合ノ役員タルコトヲ得ズ
第七十四条 第二十五条第三項、第四十一条、第四十八条第一項、第五十二条、第五十五条第三項、第五十六条及第五十七条ニ於テ監督官庁トアルハ保険院長官トス
第四章 保険給付
第七十五条 職員健康保険法第四十七条第一項ノ療養費ヲ支給スベキ療養ノ範囲ハ左ノ如シ
一 診察
二 薬剤又ハ治療材料ノ支給
三 処置、手術其ノ他ノ治療
四 診療所収容
五 看護
六 移送
前項第三号ノ療養ハ緊急ノ場合其ノ他保険者ガ必要アリト認ムル場合ヲ除クノ外之ニ要スル費用一回二十円以下ノモノニ限ル
第一項第四号乃至第六号ノ療養ハ保険者ガ必要アリト認ムルモノニ限ル
第七十六条 療養費ノ額ハ療養ニ要スル費用ノ十分ノ六乃至十分ノ八ノ範囲内ニ於テ厚生大臣ノ定ムル割合ヲ標準トシテ算定シタル額トス
前項ノ療養ニ要スル費用ハ厚生大臣ノ定ムル所ニ依リ之ヲ算定ス
特別ノ事由アル場合ニ於テハ職員健康保険組合ハ前項ノ規定ニ拘ラズ規約ヲ以テ別段ノ定ヲ為スコトヲ得
第七十七条 被保険者ガ保険者ノ指定シタル医師、歯科医師又ハ薬剤師ニ就キ療養ヲ受ケタル場合ニ於テハ保険者ハ其ノ被保険者ガ当該医師、歯科医師又ハ薬剤師ニ対シ支払フベキ療養ニ要シタル費用ニ付療養費トシテ被保険者ニ対シ支給スベキ額ノ限度ニ於テ被保険者ニ代リ当該医師、歯科医師又ハ薬剤師ニ対シ之ヲ支払フコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ医師、歯科医師又ハ薬剤師ニ対シ費用ヲ支払ヒタル場合ニ於テハ其ノ限度ニ於テ被保険者ニ対シ療養費ヲ支給シタルモノト看做ス
被保険者ガ保険者ノ指定シタル医師、歯科医師又ハ薬剤師以外ノ者ニ就キ療養ヲ受ケタル場合ニ於ケル療養費ノ支給方法ハ厚生大臣之ヲ定ム
第七十八条 保険者ガ診療所ヲ有スルトキ其ノ他保険者ニ於テ必要アリト認ムルトキハ職員健康保険法第四十七条第三項ノ規定ニ依リ療養費ノ支給ニ代ヘテ療養ノ給付ヲ為スコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ保険者ガ職員健康保険組合ナルトキハ規約ヲ以テ之ヲ定ムベシ
第七十九条 職員健康保険法第四十七条第三項ノ規定ニ依リ徴収スル一部負担金ノ額ハ療養ノ給付ニ要スル費用ノ十分ノ二乃至十分ノ四ノ範囲内ニ於テ厚生大臣ノ定ムル割合ヲ標準トシテ算定シタル額トス
第八十条 診療所ニ収容セラレタル被保険者ニ対シ支給スベキ傷病手当金ハ専ラ其ノ者ニ依リ生計ヲ維持スル者ナキ場合ニ於テハ標準報酬日額ノ百分ノ二十ニ相当スル金額トス
第八十一条 職員健康保険組合ハ職員健康保険法第四十九条第三項ノ規定ニ依リ傷病手当金ノ支給ノ待期ヲ短縮シ又ハ廃スル場合ニ於テハ規約ヲ以テ之ヲ定ムベシ
第八十二条 出産手当金ハ被保険者ガ分娩ノ日前二十八日、分娩ノ日以後四十二日以内ニ於テ労務ニ服セザリシ期間之ヲ支給ス
分娩ノ日ガ其ノ予定日ヨリ後レタルトキハ保険者ハ前項ノ分娩ノ日前ノ期間ヲ七日以内延長スルコトヲ得
第八十三条 産院ニ収容シ又ハ助産ノ手当ヲ為シタル被保険者ニ対シ支給スベキ分娩費ノ額ハ十円トス
第八十条ノ規定ハ産院ニ収容シタル被保険者ニ対シ支給スル出産手当金ニ之ヲ準用ス
第八十四条 分娩ニ関スル保険給付ハ分娩前一年以内ニ於テ百八十日以上被保険者タリシ者ニ非ザレバ之ヲ為サズ
職員健康保険法第二十条ノ規定ニ依ル被保険者ニシテ同法第十九条ノ認可アリタル際健康保険ノ被保険者タリシモノニ関シテハ前項ノ期間ノ計算ニ付健康保険ノ被保険者タリシ期間ヲ合算ス
第八十五条 職員健康保険法第五十六条ノ規定ニ依ル保険給付ハ被保険者ノ資格喪失ノ日前六月以上引続キ被保険者タリシ者ニ非ザレバ之ヲ為サズ
前条第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第八十六条 職員健康保険法第五十八条ノ規定ニ依ル期間ハ之ヲ六月トス
第八十七条 職員健康保険法第五十六条乃至第五十八条ノ規定ニ該当スル被保険者タリシ者ガ健康保険又ハ船員保険ノ被保険者ト為リタル場合ニ於テ健康保険法、船員保険法又ハ船員法ニ於テ職員健康保険法ノ規定ニ依ル保険給付ト同種ノ給付ヲ為ストキハ職員健康保険法ノ規定ニ依ル保険給付ハ之ヲ為サズ
第八十八条 保険者ハ職員健康保険法第六十条ノ規定ニ依リ哺育上ノ手当、哺育手当金ノ支給其ノ他厚生大臣ノ定ムル給付ヲ為スコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル給付ニ関シ必要ナル事項ハ厚生大臣之ヲ定ム
第八十九条 疾病ニ罹リ、負傷シ又ハ分娩シタル場合ニ於テ継続シテ報酬ノ全部又ハ一部ヲ受クルコトヲ得ベキ者ニ対シテハ之ヲ受クルコトヲ得ベキ期間傷病手当金又ハ出産手当金ヲ支給セズ但シ其ノ受クルコトヲ得ベキ報酬ノ額ガ傷病手当金又ハ出産手当金ノ額ヨリ小ナルトキハ其ノ差額ヲ支給ス
第九十条 前条ニ掲グル者ガ其ノ受クルコトヲ得ベカリシ報酬ノ全部又ハ一部ニ付其ノ全額ヲ受クルコト能ハザリシトキハ傷病手当金又ハ出産手当金ノ全額、其ノ一部ヲ受クルコト能ハザリシ場合ニ於テ受ケタル額ガ傷病手当金又ハ出産手当金ノ額ヨリ小ナルトキハ其ノ額ト傷病手当金又ハ出産手当金トノ差額ヲ支給ス但シ前条但書ノ規定ニ依リ傷病手当金又ハ出産手当金ノ一部ヲ受ケタルトキハ其ノ額ヲ支給額ヨリ控除ス
第九十一条 第八十三条第二項ノ規定ハ職員健康保険法第六十五条第二項ニ掲グル者ニ対シ支給スベキ出産手当金ニ之ヲ準用ス
第九十二条 詐欺其ノ他不正ノ行為ニ依リ保険給付ヲ受ケ又ハ受ケントシタル者ニ対シテハ保険者ハ六月以内ノ期間ヲ定メ其ノ者ニ支給スベキ傷病手当金又ハ出産手当金ノ全部又ハ一部ヲ支給セザル旨ノ決定ヲ為スコトヲ得但シ詐欺其ノ他不正ノ行為アリタル日ヨリ一年ヲ経過シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ決定ハ保険者ニ於テ其ノ事実ヲ知リタルトキ遅滞ナク之ヲ為シ本人ニ通知スベシ
第五章 費用ノ負担
第九十三条 職員健康保険組合ニ対スル国庫負担金ハ厚生大臣ガ大蔵大臣ト協議シテ定ムル金額ニ其ノ組合ノ被保険者ノ員数ヲ乗ジテ得タル額トス
前項ノ被保険者ノ員数ハ其ノ年度内ノ各月末ニ於ケル被保険者ノ総数ノ平均数トス
第九十四条 職員健康保険組合ニ対シ交付スル国庫負担金ニ付テハ概算払ヲ為スコトヲ得
前項ノ概算払ニ関シ必要ナル事項ハ厚生大臣大蔵大臣ト協議シテ之ヲ定ムベシ
第九十五条 保険料額ハ毎月ニ付各被保険者ノ標準報酬月額ニ保険料率ヲ乗ジテ得タル額トス但シ被保険者ノ資格ヲ取得シタル日ガ十六日以後ナル場合又ハ被保険者ノ資格ヲ喪失シタル日ガ二日以後十六日以前ナル場合ニ於テハ其ノ月分ノ保険料額ハ之ヲ半額トス
被保険者ノ資格ヲ取得シタル月ニ於テ其ノ資格ヲ喪失シタル場合ニ於テハ前項ノ規定ニ拘ラズ其ノ間ニ於ケル保険料額ハ被保険者タリシ日数ガ十六日以上ナルトキハ其ノ月分ノ保険料額ノ全額、十五日以内ナルトキハ其ノ半額トス
第九十六条 職員健康保険法第二十七条ノ規定ニ依ル被保険者ニ関スル保険料ハ其ノ被保険者ト為リタル日ガ十七日以後ナルトキハ其ノ翌月ヨリ、十六日以前ナルトキハ其ノ月ヨリ之ヲ算定ス
前項ノ場合ニ於テ毎月ノ保険料ノ算定方法ハ前条ノ例ニ依ル但シ前項後段ノ場合ニ於テ被保険者ト為リタル日ガ二日以後十六日以前ナルトキハ其ノ月分ノ保険料額ハ保険料月額ノ半額トス
第九十七条 保険料率ハ保険者之ヲ定ム
保険料率ハ各被保険者ニ付同一ナルコトヲ要ス
第九十八条 標準報酬ノ等級ガ第一級ニ該当スル被保険者ニ関スル保険料ニ付テハ事業主ノ負担額ハ標準報酬ノ等級ガ第二級ニ該当スル被保険者ニ関スル保険料ニ付事業主ノ負担スベキ額ト同額トス但シ其ノ額ガ保険料ノ全額ヲ超過スル場合ニ於テハ事業主ノ負担額ハ保険料ノ全額トス
第九十九条 被保険者ガ職員健康保険法第六十五条第一項各号ノ一ニ該当スル場合ニ於テ其ノ日ガ其ノ属スル月ノ全日数ニ亘ル場合ニ於テハ其ノ月分ノ保険料額ノ全額ヲ、其ノ属スル月ノ全日数ニ亘ラザルモ十五日以上ナル場合ニ於テハ其ノ月分ノ保険料額ノ半額ヲ徴収セズ
第百条 事業主ハ被保険者ニ対シ金銭ヲ以テ報酬ヲ支払フ場合ニ於テハ被保険者ノ負担スベキ前月分ノ保険料ヲ報酬ヨリ控除スルコトヲ得
事業主ハ被保険者ガ其ノ事業ニ使用セラレザルニ至リタルトキニ限リ前項ノ規定ニ拘ラズ報酬支払ノ際ニ於テ被保険者ノ負担スベキ前月分及其ノ月分ノ保険料ヲ控除スルコトヲ得
第百一条 事業主ハ保険料ノ控除ニ関スル計算書ヲ作製シ被保険者ノ請求ニ応ジテ閲覧セシムベシ
第百二条 毎月ノ保険料ハ翌月末日迄ニ之ヲ納付スベシ
保険者ハ保険料ノ納入ノ告知ヲ為シタル後ニ於テ告知シタル保険料額ガ当該納付義務者ノ納付スベキ保険料額ヲ超過スルコトヲ知リタルトキハ其ノ超過部分ニ対スル納入ノ告知ハ其ノ告知ヲ為シタル後六月以内ノ期日ニ於テ納付セラルベキ保険料ニ対シ納期ヲ繰上ゲ之ヲ為シタルモノト看做スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ納期ヲ繰上ゲ納入ノ告知ヲ為シタルモノト看做シタルトキハ保険者ハ其ノ旨ヲ当該納付義務者ニ通知スベシ
第百三条 職員健康保険組合ハ第百条又ハ前条ノ規定ニ拘ラズ規約ヲ以テ別段ノ定ヲ為スコトヲ得
第百四条 保険料納付義務者ガ左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ納期前ト雖モ保険料ハ総テ之ヲ徴収スルコトヲ得
一 国税、府県税其ノ他ノ公課ノ滞納ニ因リ滞納処分ヲ受クルトキ
二 被保険者ノ使用セラルル事業所ヲ廃止シタルトキ
三 強制執行ヲ受クルトキ
四 破産ノ宣告ヲ受ケタルトキ
五 競売ノ開始アリタルトキ
六 法人ガ解散ヲ為シタルトキ
第六章 職員健康保険審査会
第一節 組織
第百五条 職員健康保険審査会ハ厚生大臣ノ監督ニ属シ職員健康保険法第八十一条及第八十三条ノ審査ヲ為ス
第百六条 職員健康保険審査会ハ第一次職員健康保険審査会及第二次職員健康保険審査会トス
第一次職員健康保険審査会ノ管轄区域ハ道府県ノ区域トシ第二次職員健康保険審査会ノ管轄区域ハ全国ノ区域トス
職員健康保険審査会ノ名称及位置ハ厚生大臣之ヲ定ム
第百七条 職員健康保険審査会ハ会長及委員ヲ以テ之ヲ組織ス
第百八条 第一次職員健康保険審査会ノ会長ハ地方長官ヲ以テ、第二次職員健康保険審査会ノ会長ハ保険院長官ヲ以テ之ニ充ツ
第百九条 第一次職員健康保険審査会ノ委員ハ左ニ掲グル者ヲ以テ之ニ充ツ
一 官吏、公吏又ハ学識経験アル者 二人又ハ三人
二 被保険者ヲ使用スル事業主 二人又ハ三人
三 被保険者 二人又ハ三人
第二次職員健康保険審査会ノ委員ハ左ニ掲グル者ヲ以テ之ニ充ツ
一 官吏、公吏又ハ学識経験アル者 五人
二 被保険者ヲ使用スル事業主 五人
三 被保険者 五人
第一項第一号ノ規定ニ依ル委員中一人ハ地方長官トシ同項ノ委員ハ同項各号ニ該当スル者各同数タルコトヲ要ス
第一項及第二項ニ於テ被保険者ヲ使用スル事業主トアルハ事業主ガ法人ナル場合ニ於テハ業務ヲ執行スル社員若ハ役員又ハ支配人トス
第百十条 庁府県(東京府ヲ除ク以下之ニ同ジ)ノ官吏ニシテ主トシテ職員健康保険ノ事務ニ従事スル者ハ職員健康保険審査会ノ委員タルコトヲ得ズ
職員健康保険審査会ノ委員ハ他ノ職員健康保険審査会ノ委員ヲ兼ヌルコトヲ得ズ
第百十一条 第一次職員健康保険審査会ノ委員ハ地方長官タル委員ヲ除クノ外厚生大臣之ヲ命ジ第二次職員健康保険審査会ノ委員ハ厚生大臣ノ奏請ニ依リ内閣ニ於テ之ヲ命ズ
第百十二条 委員ノ任期ハ官吏又ハ公吏トシテ委員タルモノヲ除クノ外三年トス但シ特別ノ事由アル場合ニ於テハ任期中之ヲ解任スルコトヲ妨ゲズ
第百十三条 会長ハ会務ヲ総理シ会議ノ議長ト為ル
会長事故アルトキハ第一次職員健康保険審査会ニ在リテハ地方長官ノ、第二次職員健康保険審査会ニ在リテハ厚生大臣ノ指名シタル委員其ノ職務ヲ代理ス
第百十四条 職員健康保険審査会ニ幹事ヲ置ク
第一次職員健康保険審査会ノ幹事ハ其ノ審査会ノ所在地ヲ管轄スル庁府県ノ官吏中ヨリ厚生大臣之ヲ命ジ第二次職員健康保険審査会ノ幹事ハ厚生大臣ノ奏請ニ依リ厚生部内ノ高等官中ヨリ内閣ニ於テ之ヲ命ズ
幹事ハ会長ノ指揮ヲ承ケ庶務ヲ整理ス
第百十五条 職員健康保険審査会ニ書記ヲ置ク
第一次職員健康保険審査会ノ書記ハ其ノ審査会ノ所在地ヲ管轄スル庁府県ノ判任官中ヨリ地方長官之ヲ命ジ第二次職員健康保険審査会ノ書記ハ保険院ノ判任官中ヨリ厚生大臣之ヲ命ズ
書記ハ会長及幹事ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ従事ス
第二節 審査ノ手続
第百十六条 保険給付ニ関スル決定ニ不服アル者ハ第一次職員健康保険審査会ニ審査ヲ請求スル場合ニ於テハ其ノ保険給付ニ関スル決定ヲ為シタル地方長官又ハ職員健康保険組合ノ管轄区域又ハ事務所ノ所在地ヲ管轄スル職員健康保険審査会ニ之ヲ為スベシ
第百十七条 審査ハ委員定数ノ半数以上出席シ且第百九条第一項又ハ第二項各号ノ委員各一人以上出席スルニ非ザレバ之ヲ為スコトヲ得ズ但シ同一ノ事件ニ付招集再回ニ及ブ場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第百十八条 審査ハ出席委員ノ過半数ヲ以テ之ヲ決ス可否同数ナルトキハ議長ノ決スル所ニ依ル
第百十九条 審査ハ文書ニ就キ之ヲ為ス但シ必要アリト認ムルトキハ口頭審問ヲ為スコトヲ妨ゲズ
前項但書ノ規定ニ依リ口頭審問ヲ為ス為出頭ヲ命ゼラレタル場合ニ於テ已ムコトヲ得ザル事故ノ為出頭スルコトヲ得ザルトキハ当事者ハ其ノ法定代理人、親族又ハ同居者ヲシテ代リテ出頭セシムルコトヲ得
口頭審問ノ為出頭シタル当事者及之ニ代リテ出頭シタル者ニ対シテハ命令ノ定ムル所ニ依リ旅費ヲ給スルコトヲ得
第百二十条 審査ノ請求アリタル場合ニ於テ其ノ事件ガ審査ノ請求ヲ為スベカラザルモノナルトキ又ハ審査ノ請求ガ適法ノ手続ニ違反シタルモノナルトキハ職員健康保険審査会ハ決定ヲ以テ之ヲ却下スベシ
審査ノ請求アリタル場合ニ於テ其ノ事件ガ管轄違ナルトキハ之ヲ所轄職員健康保険審査会ニ移送スベシ
審査ノ請求ニシテ手続ノ方式ニ欠欠アルモノハ職員健康保険審査会之ヲ補正セシムベシ
第百二十一条 審査ハ之ヲ公開セズ但シ口頭審問ハ之ヲ公開ス
口頭審問ヲ為ス場合ニ於テ議長必要アリト認ムルトキハ前項但書ノ規定ニ拘ラズ傍聴ヲ制限又ハ禁止スルコトヲ得
第百二十二条 関係官吏ハ職員健康保険審査会ノ請求ニ依リ又ハ其ノ承認ヲ受ケ会議ニ出席シ意見ヲ述ブルコトヲ得
第百二十三条 事件ノ一部ガ審査ノ決定ヲ為スニ熟スルトキハ其ノ部分ニ付先ヅ決定ヲ為スコトヲ得
第百二十四条 審査ノ決定ハ理由ヲ附シ文書ヲ以テ之ヲ為スベシ
第百二十五条 審査請求人ガ審査ノ決定前ニ死亡シタルトキハ其ノ承継人ニ於テ審査請求手続ヲ受継グモノトス
第百二十六条 本節ニ規定スルモノノ外審査ニ関シ必要ナル事項ハ厚生大臣之ヲ定ム
附 則
本令ハ昭和十四年十二月二十六日ヨリ之ヲ施行ス但シ保険給付及費用ノ負担ニ関スル規定ハ職員健康保険法中保険給付及費用ノ負担ニ関スル規定施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
昭和十五年四月一日ニ於テ現ニ被保険者ノ資格ヲ有スル者ニ対スル標準報酬ハ第四条第一項但書ノ規定ニ拘ラズ昭和十五年四月一日ノ現在ニ依リ之ヲ定ム但シ其ノ者ガ昭和十五年四月二日以後ニ於テ被保険者ノ資格ヲ喪失シタル後更ニ被保険者ノ資格ヲ取得シタル場合ニ於テハ此ノ限ニ在ラズ
昭和十五年六月一日迄ニ被保険者ノ資格ヲ取得シタル者ニ対シ定メタル標準報酬ハ第四条第一項ノ規定ニ拘ラズ其ノ定メタル日ヨリ昭和十六年七月三十一日迄其ノ効力ヲ有ス但シ其ノ者ガ昭和十五年六月二日以後ニ於テ被保険者ノ資格ヲ喪失シタル後更ニ被保険者ノ資格ヲ取得シタル場合ニ於テハ此ノ限ニ在ラズ