第二條 卽時終身年金ニ在リテハ年金契約ノ效力發生シタル日ヨリ年金受取人ノ死亡ニ至ル迄年金ノ支拂ヲ爲スモノトス
卽時終身年金ニ在リテハ郵便年金法第十四條第一項ノ返還金ヲ支拂ハザルコトヲ約スルコトヲ得
第三條 据置終身年金ニ在リテハ年金受取人ガ年金支拂開始年齡ニ達シタル日ヨリ其ノ死亡ニ至ル迄年金ノ支拂ヲ爲スモノトス
前項ノ年金支拂開始年齡ハ五十歲、五十五歲、六十歲又ハ六十五歲トス
第四條 保證期間附卽時終身年金ニ在リテハ年金契約ノ效力發生シタル日ヨリ年金受取人ノ死亡ニ至ル迄年金ノ支拂ヲ爲スノ外一定ノ保證期間內ニ年金受取人死亡シタルトキハ其ノ殘存期間遺族ニ繼續シテ年金ノ支拂ヲ爲スモノトス
前項ノ保證期間ハ年金契約ノ效力發生シタル日ヨリ十五年、二十年又ハ三十年トス
第五條 保證期間附据置終身年金ニ在リテハ年金受取人ガ年金支拂開始年齡ニ達シタル日ヨリ其ノ死亡ニ至ル迄年金ノ支拂ヲ爲スノ外一定ノ保證期間內ニ年金受取人死亡シタルトキハ其ノ殘存期間遺族ニ繼續シテ年金ノ支拂ヲ爲スモノトス
前項ノ年金支拂開始年齡ハ五十歲、五十五歲、六十歲又ハ六十五歲トス
第一項ノ保證期間ハ年金受取人ガ前項ノ年金支拂開始年齡ニ達シタル日ヨリ二十年トス
第六條 定期年金ニ在リテハ年金受取人ガ年金支拂開始年齡ニ達シタル日ヨリ一定ノ期間年金受取人ノ生存中年金ノ支拂ヲ爲スモノトス
前項ノ年金支拂開始年齡ハ十二歲、十五歲、十七歲又ハ二十歲トス
第一項ノ期間ハ年金受取人ガ前項ノ年金支拂開始年齡ニ達シタル日ヨリ五年又ハ十年トス
第七條 郵便年金法第二條第二項ノ遺族ハ年金受取人ノ配偶者、子、父、母、孫、祖父、祖母及兄弟姉妹ニシテ年金受取人ノ死亡當時ヨリ引續キ之ト同一戶籍內ニ在ル者竝ニ年金受取人ノ戶主トス
年金繼續受取人タルベキ者ノ順位ハ前項ニ揭グル順位ニ依リ同一順位者間ニ在リテハ其ノ順位ハ左ノ各號ノ規定ニ依ル
一 年金受取人ノ家督相續人又ハ戶主ハ之ヲ他ノ者ヨリ先ニス
三 子又ハ孫ニ付テハ男又ハ女ノ間ニ在リテハ嫡出子ヲ先ニシ嫡出子、庶子及私生子ノ間ニ在リテハ嫡出子及庶子ハ女ト雖モ之ヲ私生子ヨリ先ニス
四 前二號ニ揭グル事項ニ付相同ジ者ノ間ニ在リテハ年長者ヲ先ニス
年金受取人ハ年金支拂開始期ニ達シタル後ニ於テ前項ノ規定ニ依ル年金繼續受取人タルベキ者ノ順位ヲ變更シ之ヲ政府ニ通知スルコトヲ得
前項ノ通知アリタルトキハ年金繼續受取人タルベキ者ノ順位ハ第二項ノ規定ニ拘ラズ其ノ變更セラレタル順位トス
第八條 新ニ年金受取人タルコトヲ得ル者ノ年齡ハ左ノ區別ニ依ル
三 保證期間ヲ十五年又ハ二十年トスル保證期間附卽時終身年金 四十歲以上七十五歲以下
四 保證期間ヲ三十年トスル保證期間附卽時終身年金 二十歲以上四十歲未滿
保證期間ヲ三十年トスル保證期間附卽時終身年金ニ在リテハ新ニ年金受取人タルコトヲ得ル者ハ寡婦又ハ厚生大臣ノ定ムル癈疾者トス
第九條 年金契約ヲ爲シタル後年金受取人ノ年齡ニ付錯誤アルコトヲ發見シタル場合ニ於テ郵便年金法第五條ノ掛金拂込ノ日ノ年齡ガ當該年金ニ付前條第一項各號ニ規定スル範圍內ナルトキハ當初ヨリ其ノ年齡ニ基キテ年金契約ヲ爲シタルモノト看做シ年金額ヲ更正ス其ノ年齡ガ當該年金ニ付前條第一項各號ニ規定スル最低ノ年齡ニ達セザルトキハ其ノ最低ノ年齡ニ達シタル日ニ於テ年金契約ノ效力發生シタルモノト看做シ年金額ヲ更正ス
前項ノ規定ニ依リ年金額ヲ更正スル場合ニ於テ其ノ金額ガ郵便年金法第三條ニ規定スル制限ヲ超ユルトキハ當初ヨリ最高ノ年金額ニ基キテ年金契約ヲ爲シタルモノト看做ス
第十條 掛金ノ算定ニ關シテハ年金受取人ノ年齡ハ出生ノ月ヨリ年金契約申込ノ月迄月ヲ以テ計算シ一年未滿ノ端數ヲ生ジタルトキハ其ノ端數ガ七月以上ナルトキハ之ヲ一年ニ切上ゲ六月以下ナルトキハ之ヲ切捨ツ
第三條、第五條及第六條ノ年金支拂開始年齡ハ年金受取人ガ年金契約申込ノ日ニ於テ前項ノ規定ニ依リ算出シタル年齡ニ達シタルモノト看做シ之ヲ計算ス
掛金一時拂ニ在リテハ年金契約ノ申込ト同時ニ掛金ノ全額ヲ拂込ムベキモノトス
掛金分割拂ニ在リテハ厚生大臣ノ定ムル所ニ依リ年掛、半年掛、三月掛又ハ月掛ノ區別ニ從ヒ一定ノ掛金ヲ拂込ムモノトシ其ノ第一囘分ハ年金契約ノ申込ト同時ニ之ヲ拂込ムベキモノトス
掛金隨時拂ニ在リテハ年金支拂ノ事由發生スル迄隨時ニ掛金ノ拂込ヲ爲シ年金ノ額ヲ增加スルコトヲ得ルモノトシ其ノ第一囘分ハ年金契約ノ申込ト同時ニ之ヲ拂込ムベキモノトス
第十二條 掛金隨時拂ニ依ル第二囘以後ノ掛金ノ算定ニ關シテハ年金受取人ノ年齡ハ第十條第一項ノ規定ニ依リ算出シタル年齡ニ契約申込ノ月ノ翌月ヨリ掛金拂込ノ月迄ノ經過月數ヲ加ヘ之ヲ計算ス
前項ノ場合ニ於テ一年未滿ノ端數ヲ生ジタルトキハ其ノ計算ニ付テハ厚生大臣ノ定ムル所ニ依ル
第十三條 掛金ハ左ノ基礎ニ依リ計算ス
一 卽時終身年金及据置終身年金ニ在リテハ明治四十五年內閣統計局ノ發表シタル第二表ノ死亡率ヨリ男子ハ男子死亡率ノ二割ヲ、女子ハ女子死亡率ノ三割ヲ減ジテ作成シタル死亡生殘表
保證期間附卽時終身年金及保證期間附据置終身年金ニ在リテハ昭和十一年內閣統計局ノ發表シタル第五囘生命表ノ死亡率ヨリ男子ハ男子死亡率ノ二割ヲ、女子ハ女子死亡率ノ三割ヲ減ジテ作成シタル死亡生殘表
定期年金ニ在リテハ昭和十一年內閣統計局ノ發表シタル第五囘生命表ノ男子死亡率ヨリ其ノ二割ヲ減ジテ作成シタル死亡生殘表
二 掛金一時拂ナルトキハ市場ニ於ケル公債ノ時價ニ準ジ厚生大臣ノ定ムル豫定利率
掛金隨時拂ナルトキハ各掛金拂込ノ當時ニ於ケル掛金一時拂ノ豫定利率
年金受取人ノ爲ニ積立ツベキ金額ハ前項ノ基礎ニ依リ純保險料式ヲ以テ之ヲ計算ス
第十四條 同一事業主ニ使用セラルル者ニ付又ハ同一事業主ニ使用セラルル者ノ中厚生大臣ノ定ムル勤務ノ場所、勤務ノ種類、勤務者ノ種別等ノ標準ニ依リ區分セラルル者ニ付其ノ七割以上ニシテ十人以上ノ者ヲ各左ノ各號ニ該當スル年金契約ノ年金受取人ト爲シ厚生大臣ノ定ムル所ニ依リ其ノ掛金ヲ一括シテ拂込ム場合ニ於テハ掛金ノ一割以下ノ割引ヲ爲スコトヲ得
同一ノ官署、公署又ハ學校ニ勤務スル者ハ前項ノ規定ノ適用ニ付テハ之ヲ同一事業主ニ使用セラルル者ト看做ス
第十五條 年金ハ年金支拂ノ事由發生シタル日ヨリ三月每ニ各其ノ經過シタル期間分ヲ支拂フ
前項ノ期間ノ中途ニ於テ年金受取人死亡シタルトキハ其ノ期間ニ付テハ月割ヲ以テ計算シ死亡ノ日ヲ含ム月割分迄ヲ支拂フ
保證期間附卽時終身年金又ハ保證期間附据置終身年金ノ保證期間內ニ年金受取人死亡シ又ハ其ノ殘存期間內ニ年金繼續受取人死亡シ若ハ其ノ資格ヲ喪失シタル場合ニ於テハ前項ノ規定ニ拘ラズ第一項ノ規定ニ依リ計算シタル期間分ノ年金ヲ第七條ノ規定ニ依リ新ニ年金繼續受取人ト爲リタル者ニ支拂フ
第十六條 郵便年金法第十四條第一項ノ返還金ハ返還金ヲ支拂ハザルコトヲ約シタル卽時終身年金、保證期間附卽時終身年金及年金支拂開始期ニ達シタル保證期間附据置終身年金ヲ除クノ外左ノ區別ニ依リ之ヲ支拂フ
一 年金受取人死亡シタル場合
卽時終身年金、据置終身年金及定期年金ニ在リテハ死亡ノ日迄ノ拂込掛金(拂込ムベキモノヲ含ム)ノ額但シ支拂ヒタル年金(支拂フベキモノヲ含ム)アルトキハ其ノ金額ヲ差引キタル殘額
保證期間附据置終身年金ニ在リテハ死亡ノ日迄ノ拂込掛金(狒込ムベキモノヲ含ム)ノ額ニ之ニ對スル複利計算ニ依ル年二分ノ利息ヲ加ヘタル額
二 年金契約解除セラレタル場合
据置終身年金及定期年金ニ在リテハ契約解除ノ日迄ノ拂込掛金(拂込ムベキモノヲ含ム)ノ額ノ百分ノ九十以上ニシテ厚生大臣ノ定ムル額
保證期間附据置終身年金ニ在リテハ契約解除ノ日迄ノ拂込掛金(拂込ムベキモノヲ含ム)ノ額ニ之ニ對スル複利計算ニ依ル年二分ノ利息ヲ加ヘタル額ノ百分ノ九十以上ニシテ厚生大臣ノ定ムル額
三 年金契約變更セラレタル場合
据置終身年金及定期年金ニ在リテハ契約變更ノ日迄ノ拂込掛金(拂込ムベキモノヲ含ム)ノ額ヨリ變更後ノ契約ニ付當初ヨリ變更ノ日迄ニ拂込ムベカリシ掛金ノ額ヲ差引キタル殘額ノ百分ノ九十以上ニシテ厚生大臣ノ定ムル額
保證期間附据置終身年金ニ在リテハ契約變更ノ日迄ノ拂込掛金(拂込ムベキモノヲ含ム)ノ額ニ之ニ對スル複利計算ニ依ル年二分ノ利息ヲ加ヘタル額ヨリ變更後ノ契約ニ付當初ヨリ變更ノ日迄ニ拂込ムベカリシ掛金ノ額ニ複利計算ニ依ル年二分ノ利息ヲ加ヘタル額ヲ差引キタル殘額ノ百分ノ九十以上ニシテ厚生大臣ノ定ムル額
前項ノ規定ノ適用ニ付テハ拂込掛金(拂込ムベキモノヲ含ム)ガ半年掛、三月掛又ハ月掛ニ依リ拂込マレタルモノナルトキハ之ヲ各當該年金契約ニ對スル年掛掛金ノ二分ノ一、四分ノ一又ハ十二分ノ一宛拂込マレタルモノト看做ス
第一項ニ規定スルモノヲ除クノ外同項ノ利息ノ計算ニ關シ必要ナル事項ハ厚生大臣之ヲ定ム
厚生大臣ノ定ムル所ニ依リ年金契約ノ效力發生後一定ノ期間ヲ經過セザル契約ニ付テハ第一項ノ返還金ヲ支拂ハザルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ未ダ拂込ヲ爲サザル掛金ハ之ヲ拂込ムコトヲ要セズ
第十七條 郵便年金法第十七條第一項ノ規定ニ依リ支拂フベキ特別返還金ノ額ハ左ノ區別ニ依ル
一 卽時終身年金(返還金ヲ支拂ハザルコトヲ約シタル卽時終身年金ヲ除ク)、据置終身年金、定期年金及年金支拂開始期ニ達セザル保證期間附据置終身年金ニ在リテハ年金受取人ノ爲ニ積立テタル金額ヨリ前條第一項第一號ノ規定ニ依ル返還金ノ額ヲ差引キタル殘額ノ百分ノ九十
二 返還金ヲ支拂ハザルコトヲ約シタル卽時終身年金ニ在リテハ年金受取人ノ爲ニ積立テタル金額ノ百分ノ八十
三 保證期間附卽時終身年金及年金支拂開始期ニ達シタル保證期間附据置終身年金ニ在リテハ年金受取人ノ爲ニ積立テタル金額ヨリ保證期間ノ內未ダ經過セザル部分ニ對シ支拂フベキ年金ニ付旣ニ拂込ミタル掛金ノ計算ノ基礎ト爲リタル豫定利率ヲ以テ算出シタル現價ヲ差引キタル殘額ノ百分ノ九十
第十八條 郵便年金法第十七條第一項ノ期間ハ負傷又ハ發病後三年トス
郵便年金法第十七條第一項ノ戰鬪ニ準ズベキ公務ハ戰地又ハ事變地ニ於ケル敵對行動ニ關聯スル公務及戰地外又ハ事變地外ニ於ケル生命ノ危險ヲ感ズベキ事情ノ下ニ在ル戰務トス
郵便年金法第十七條第一項ノ遺族ハ年金受取人ノ配偶者、子、父、母、孫、祖父、祖母及兄弟姉妹ニシテ年金受取人ノ死亡當時之ト同一戶籍內ニ在ル者竝ニ年金受取人ノ戶主トス
第七條第二項ノ規定ハ特別返還金受取人タルベキ者ノ順位ニ之ヲ準用ス
第十九條 郵便年金ノ契約上ノ權利義務ニ關スル事項ニ付テハ保險院簡易保險局長之ヲ專行ス
前項ノ事項ニ關スル民事訴訟ニ付テハ保險院簡易保險局長又ハ其ノ指定シタル保險院簡易保險局ノ官吏國ヲ代表ス