会社利益配当及資金融通令
法令番号: 勅令第百七十九號
公布年月日: 昭和14年4月1日
法令の形式: 勅令
朕會社利益配當及資金融通令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十四年三月三十一日
內閣總理大臣 男爵 平沼騏一郞
海軍大臣 米內光政
遞信大臣 鹽野季彥
陸軍大臣 板垣征四郞
商工大臣兼拓務大臣 八田嘉明
鐵道大臣 前田米藏
大藏大臣 石渡莊太郞
農林大臣 櫻內幸雄
勅令第百七十九號
會社利益配當及資金融通令
第一條 國家總動員法第十一條ノ規定ニ依ル會社ノ利益金ノ處分、償却其ノ他經理ニ關スル命令及銀行ニ對スル資金ノ運用ニ關スル命令ニ付テハ本令ノ定ムル所ニ依ル
第二條 資本金(出資總額、株金總額、出資總額及株金總額ノ合計額又ハ基金總額ヲ謂フ以下同ジ)二十萬圓以上ノ會社ハ主務大臣ノ許可ヲ受クルニ非ザレバ基準配當率ヲ超ユル率ニ依リ每事業年度ノ利益配當(基金利息又ハ基金配當ヲ含ム以下同ジ)ヲ爲スコトヲ得ズ但シ左ノ各號ノ一ニ該當スル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
一 基準配當率ニ年百分ノ一(一年ヲ一事業年度トスルモノニ在リテハ年百分ノ二)以下ヲ加ヘタル率ニ依ルトキ但シ配當率ハ年百分ノ十ヲ超ユルコトヲ得ズ
二 年百分ノ六以下ノ率ニ依ルトキ
第三條 本令ニ於テ基準配當率トハ左ノ各號ニ規定スル率ヲ謂フ
一 昭和十三年十一月三十日以前一年以內ニ利益配當ヲ決定シタル會社ニ在リテハ第三號又ハ第四號ニ該當スル場合ヲ除キ同日以前ニ最終ニ決定シタル利益配當ノ年率但シ當該利益配當ニ際シ普通ノ配當ノ外記念配當、特別配當其ノ他名稱ノ有無ヲ問ハズ特別ノ配當ヲ爲シタル會社ニ在リテハ其ノ申請ニ依リ主務大臣ガ臨時ニ配當ヲ增加シタルモノト認定シタル部分ヲ除ク
二 昭和十三年十一月三十日以前一年以內ニ利益配當ヲ決定シタルコトナキ會社ニ在リテハ第三號又ハ第四號ニ該當スル場合ヲ除キ年百分ノ六
三 合併ニ因リ設立セラレタル會社又ハ合併後存續スル會社ニシテ昭和十三年十一月三十日以前一年以內ニ合併後ノ利益配當ヲ決定シタルコトナキモノ(合併ガ昭和十二年十一月三十日以前ニ爲サレタル會社ヲ除ク)ニ在リテハ會社ノ申請ニ依リ主務大臣ガ合併前ノ各會社ノ利益配當ノ實情ニ基キ認定シタル率
四 資本金二十萬圓未滿タリシ會社(資本金二十萬圓以上ノ會社本令施行後資本減少ニ因リ資本金二十萬圓未滿ト爲リタルモノヲ含ム)ニシテ本令施行後ノ資本增加ニ因リ資本金二十萬圓以上ト爲リタルモノニ在リテハ會社ノ申請ニ依リ主務大臣ガ從前ノ利益配當ノ實情ニ基キ認定シタル率
會社ガ前條ノ規定ニ基キ基準配當率ヲ超ユル率ニ依リ利益配當ヲ爲シタルトキハ其ノ率ガ年百分ノ十以下ナル限リ其ノ率ヲ以テ爾後ノ基準配當率トス但シ主務大臣ガ前條ノ規定ニ基キ許可ヲ爲スニ際シ基準配當率ニ算入セザル旨ヲ定メタル部分ヲ除ク
會社ガ基準配當率ニ滿タザル率ニ依リ利益配當ヲ爲シタルトキト雖モ其ノ會社ノ基準配當率ハ之ヲ變更セズ
第四條 主務大臣ハ資本金二十萬圓以上ニシテ其ノ基準配當率ガ年百分ノ十以上ナル會社ガ資本增加ニ因リ現在ノ資本金ノ倍額ヲ超ユル資本金ノ會社ト爲ル場合ニ於テ必要アリト認ムルトキハ前條ノ規定ニ拘ラズ其ノ資本增加後ノ基準配當率ヲ指定スルコトヲ得
第五條 第二條第一號ノ規定ハ基準配當率ガ第三條第一項第二號ノ規定ニ依リ定メラルル會社ノ本令施行後ニ於ケル最初ノ利益配當ニ關シテハ之ヲ適用セズ
主務大臣ハ第三條第一項第三號若ハ第四號又ハ前條ノ規定ニ依リ會社ノ基準配當率ノ認定又ハ指定ヲ爲スニ際シ當該認定又ハ指定後ノ最初ノ利益配當ニ關シ第二條第一號ノ規定ヲ適用セザル旨ヲ定ムルコトヲ得
第六條 第二條、第三條又ハ第四條ノ規定ニ依ル許可、認定又ハ指定ニシテ事案ノ重要ナルモノニ付テハ利益配當審査委員會ノ議ヲ經ベシ
利益配當審査委員會ニ關スル規程ハ別ニ之ヲ定ム
第七條 會社ハ其ノ經營ヲ堅實ナラシムル爲經理ニ關シ左ノ各號ニ揭グル事項ノ遵守ヲ旨トスベシ
一 經費支出ヲ適正ナラシムルコト
二 利益配當ニ關スル制限其ノ他ノ事由ニ因リ會社ノ經理上生ズベキ餘裕ハ之ヲ必要ナル資產ノ償却又ハ積立金ノ積立ニ充ツルコト
主務大臣ハ必要アリト認ムルトキハ會社ニ對シ前項各號ノ事項ニ關シ勸吿ヲ發シ又ハ利益配當審査委員會ノ議ヲ經テ必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
第八條 主務大臣ハ會社ノ資產負債及損益ノ內容、利益金ノ處分其ノ他經理ニ關シ國家總動員法第三十一條ノ規定ニ依リ報吿ヲ徵シ又ハ當該官吏ヲシテ必要ナル場所ニ臨檢シ業務ノ狀況若ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ檢査セシムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ當該官吏ヲシテ臨檢檢査セシムル場合ニ於テハ其ノ身分ヲ示ス證票ヲ携帶セシムベシ
第九條 本令ニ於テ主務大臣トアルハ左ノ各號ニ該當スル場合ニ於テ各其ノ定ムル所ニ依ルノ外總テ大藏大臣トス
一 特別ノ法令ニ依リ設立セラレタル會社ニ在リテハ當該會社ヲ監督スル所管大臣
二 取引所法、瓦斯事業法、保險業法、自動車製造事業法、工作機械製造事業法、製鐵事業法、石油業法、人造石油製造事業法、大正十五年勅令第九號又ハ產金法第三條ノ適用ヲ受クル事業ノミヲ營ム會社ニ在リテハ商工大臣
三 電氣事業法又ハ航空機製造事業法ノ適用ヲ受クル事業ノミヲ營ム會社ニ在リテハ遞信大臣
四 地方鐵道法、軌道法又ハ自動車交通事業法ノ適用ヲ受クル事業ノミヲ營ム會社ニ在リテハ鐵道大臣
五 會社ノ營ム事業ノ一部ニ付第二號、第三號又ハ第四號ニ揭グル法令ノ適用ヲ受クル會社ニ在リテハ當該所管大臣及大藏大臣
大藏大臣ハ第二條、第三條、第四條又ハ第七條ノ規定ニ依ル許可、認定、指定、勸吿又ハ命令ヲ爲サントスルトキハ關係各大臣ニ協議スベシ
大藏大臣以外ノ主務大臣ハ第二條、第三條、第四條又ハ第七條ノ規定ニ依ル許可、認定、指定、勸吿又ハ命令ヲ爲サントスルトキハ大藏大臣及關係各大臣ニ協議スベシ
第十條 第二條乃至第五條、第八條及前條ノ規定ノ施行ニ關シ必要ナル事項ハ閣令ヲ以テ之ヲ定ム
第十一條 第二條乃至第五條、第七條及第八條中主務大臣トアルハ朝鮮、臺灣、樺太又ハ南洋群島ニ在リテハ各朝鮮總督、臺灣總督、樺太廳長官又ハ南洋廳長官トス但シ日本勸業銀行、北海道拓殖銀行、朝鮮銀行、臺灣銀行及朝鮮、臺灣又ハ樺太ニ營業所ヲ有シ銀行法又ハ貯蓄銀行法ノ適用ヲ受クル銀行竝ニ南洋拓殖株式會社ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
前條中閣令トアルハ朝鮮、臺灣、樺太又ハ南洋群島ニ在リテハ總督府令又ハ廳令トス
朝鮮、臺灣、樺太又ハ南洋群島ニ在リテハ利益配當審査委員會ニ關スル規定ヲ適用セズ
第十二條 大藏大臣生產力擴充資金其ノ他時局ニ緊要ナル產業資金ノ供給ヲ圓滑ナラシムル爲必要アリト認ムルトキハ日本興業銀行ニ對シ資金ノ融通又ハ有價證券ノ應募、引受若ハ買入ヲ命ズルコトヲ得
大藏大臣前項ノ規定ニ依ル命令ヲ爲サントスルトキハ資金融通審査委員會ノ議ヲ經ベシ
資金融通審査委員會ニ關スル規程ハ別ニ之ヲ定ム
第十三條 政府ハ前條第一項ノ規定ニ依ル命令ニ因リ日本興業銀行ガ損失ヲ受ケタルトキハ同行ニ對シ通常生ズベキ損失ヲ補償ス
前項ノ損失ヲ決定スル基準其ノ他損失補償ニ關シ必要ナル事項ハ大藏大臣之ヲ定ム
第十四條 前條第一項ノ規定ニ依リ政府ガ日本興業銀行ニ對シテ支拂フベキ損失補償金ハ國債證券ヲ以テ之ヲ交付スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ交付スル國債證券ノ交付價格ハ時價ヲ參酌シテ大藏大臣之ヲ定ム
附 則
本令ハ昭和十四年四月十日ヨリ之ヲ施行ス
朕会社利益配当及資金融通令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十四年三月三十一日
内閣総理大臣 男爵 平沼騏一郎
海軍大臣 米内光政
逓信大臣 塩野季彦
陸軍大臣 板垣征四郎
商工大臣兼拓務大臣 八田嘉明
鉄道大臣 前田米蔵
大蔵大臣 石渡荘太郎
農林大臣 桜内幸雄
勅令第百七十九号
会社利益配当及資金融通令
第一条 国家総動員法第十一条ノ規定ニ依ル会社ノ利益金ノ処分、償却其ノ他経理ニ関スル命令及銀行ニ対スル資金ノ運用ニ関スル命令ニ付テハ本令ノ定ムル所ニ依ル
第二条 資本金(出資総額、株金総額、出資総額及株金総額ノ合計額又ハ基金総額ヲ謂フ以下同ジ)二十万円以上ノ会社ハ主務大臣ノ許可ヲ受クルニ非ザレバ基準配当率ヲ超ユル率ニ依リ毎事業年度ノ利益配当(基金利息又ハ基金配当ヲ含ム以下同ジ)ヲ為スコトヲ得ズ但シ左ノ各号ノ一ニ該当スル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
一 基準配当率ニ年百分ノ一(一年ヲ一事業年度トスルモノニ在リテハ年百分ノ二)以下ヲ加ヘタル率ニ依ルトキ但シ配当率ハ年百分ノ十ヲ超ユルコトヲ得ズ
二 年百分ノ六以下ノ率ニ依ルトキ
第三条 本令ニ於テ基準配当率トハ左ノ各号ニ規定スル率ヲ謂フ
一 昭和十三年十一月三十日以前一年以内ニ利益配当ヲ決定シタル会社ニ在リテハ第三号又ハ第四号ニ該当スル場合ヲ除キ同日以前ニ最終ニ決定シタル利益配当ノ年率但シ当該利益配当ニ際シ普通ノ配当ノ外記念配当、特別配当其ノ他名称ノ有無ヲ問ハズ特別ノ配当ヲ為シタル会社ニ在リテハ其ノ申請ニ依リ主務大臣ガ臨時ニ配当ヲ増加シタルモノト認定シタル部分ヲ除ク
二 昭和十三年十一月三十日以前一年以内ニ利益配当ヲ決定シタルコトナキ会社ニ在リテハ第三号又ハ第四号ニ該当スル場合ヲ除キ年百分ノ六
三 合併ニ因リ設立セラレタル会社又ハ合併後存続スル会社ニシテ昭和十三年十一月三十日以前一年以内ニ合併後ノ利益配当ヲ決定シタルコトナキモノ(合併ガ昭和十二年十一月三十日以前ニ為サレタル会社ヲ除ク)ニ在リテハ会社ノ申請ニ依リ主務大臣ガ合併前ノ各会社ノ利益配当ノ実情ニ基キ認定シタル率
四 資本金二十万円未満タリシ会社(資本金二十万円以上ノ会社本令施行後資本減少ニ因リ資本金二十万円未満ト為リタルモノヲ含ム)ニシテ本令施行後ノ資本増加ニ因リ資本金二十万円以上ト為リタルモノニ在リテハ会社ノ申請ニ依リ主務大臣ガ従前ノ利益配当ノ実情ニ基キ認定シタル率
会社ガ前条ノ規定ニ基キ基準配当率ヲ超ユル率ニ依リ利益配当ヲ為シタルトキハ其ノ率ガ年百分ノ十以下ナル限リ其ノ率ヲ以テ爾後ノ基準配当率トス但シ主務大臣ガ前条ノ規定ニ基キ許可ヲ為スニ際シ基準配当率ニ算入セザル旨ヲ定メタル部分ヲ除ク
会社ガ基準配当率ニ満タザル率ニ依リ利益配当ヲ為シタルトキト雖モ其ノ会社ノ基準配当率ハ之ヲ変更セズ
第四条 主務大臣ハ資本金二十万円以上ニシテ其ノ基準配当率ガ年百分ノ十以上ナル会社ガ資本増加ニ因リ現在ノ資本金ノ倍額ヲ超ユル資本金ノ会社ト為ル場合ニ於テ必要アリト認ムルトキハ前条ノ規定ニ拘ラズ其ノ資本増加後ノ基準配当率ヲ指定スルコトヲ得
第五条 第二条第一号ノ規定ハ基準配当率ガ第三条第一項第二号ノ規定ニ依リ定メラルル会社ノ本令施行後ニ於ケル最初ノ利益配当ニ関シテハ之ヲ適用セズ
主務大臣ハ第三条第一項第三号若ハ第四号又ハ前条ノ規定ニ依リ会社ノ基準配当率ノ認定又ハ指定ヲ為スニ際シ当該認定又ハ指定後ノ最初ノ利益配当ニ関シ第二条第一号ノ規定ヲ適用セザル旨ヲ定ムルコトヲ得
第六条 第二条、第三条又ハ第四条ノ規定ニ依ル許可、認定又ハ指定ニシテ事案ノ重要ナルモノニ付テハ利益配当審査委員会ノ議ヲ経ベシ
利益配当審査委員会ニ関スル規程ハ別ニ之ヲ定ム
第七条 会社ハ其ノ経営ヲ堅実ナラシムル為経理ニ関シ左ノ各号ニ掲グル事項ノ遵守ヲ旨トスベシ
一 経費支出ヲ適正ナラシムルコト
二 利益配当ニ関スル制限其ノ他ノ事由ニ因リ会社ノ経理上生ズベキ余裕ハ之ヲ必要ナル資産ノ償却又ハ積立金ノ積立ニ充ツルコト
主務大臣ハ必要アリト認ムルトキハ会社ニ対シ前項各号ノ事項ニ関シ勧告ヲ発シ又ハ利益配当審査委員会ノ議ヲ経テ必要ナル命令ヲ為スコトヲ得
第八条 主務大臣ハ会社ノ資産負債及損益ノ内容、利益金ノ処分其ノ他経理ニ関シ国家総動員法第三十一条ノ規定ニ依リ報告ヲ徴シ又ハ当該官吏ヲシテ必要ナル場所ニ臨検シ業務ノ状況若ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ検査セシムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ当該官吏ヲシテ臨検検査セシムル場合ニ於テハ其ノ身分ヲ示ス証票ヲ携帯セシムベシ
第九条 本令ニ於テ主務大臣トアルハ左ノ各号ニ該当スル場合ニ於テ各其ノ定ムル所ニ依ルノ外総テ大蔵大臣トス
一 特別ノ法令ニ依リ設立セラレタル会社ニ在リテハ当該会社ヲ監督スル所管大臣
二 取引所法、瓦斯事業法、保険業法、自動車製造事業法、工作機械製造事業法、製鉄事業法、石油業法、人造石油製造事業法、大正十五年勅令第九号又ハ産金法第三条ノ適用ヲ受クル事業ノミヲ営ム会社ニ在リテハ商工大臣
三 電気事業法又ハ航空機製造事業法ノ適用ヲ受クル事業ノミヲ営ム会社ニ在リテハ逓信大臣
四 地方鉄道法、軌道法又ハ自動車交通事業法ノ適用ヲ受クル事業ノミヲ営ム会社ニ在リテハ鉄道大臣
五 会社ノ営ム事業ノ一部ニ付第二号、第三号又ハ第四号ニ掲グル法令ノ適用ヲ受クル会社ニ在リテハ当該所管大臣及大蔵大臣
大蔵大臣ハ第二条、第三条、第四条又ハ第七条ノ規定ニ依ル許可、認定、指定、勧告又ハ命令ヲ為サントスルトキハ関係各大臣ニ協議スベシ
大蔵大臣以外ノ主務大臣ハ第二条、第三条、第四条又ハ第七条ノ規定ニ依ル許可、認定、指定、勧告又ハ命令ヲ為サントスルトキハ大蔵大臣及関係各大臣ニ協議スベシ
第十条 第二条乃至第五条、第八条及前条ノ規定ノ施行ニ関シ必要ナル事項ハ閣令ヲ以テ之ヲ定ム
第十一条 第二条乃至第五条、第七条及第八条中主務大臣トアルハ朝鮮、台湾、樺太又ハ南洋群島ニ在リテハ各朝鮮総督、台湾総督、樺太庁長官又ハ南洋庁長官トス但シ日本勧業銀行、北海道拓殖銀行、朝鮮銀行、台湾銀行及朝鮮、台湾又ハ樺太ニ営業所ヲ有シ銀行法又ハ貯蓄銀行法ノ適用ヲ受クル銀行並ニ南洋拓殖株式会社ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
前条中閣令トアルハ朝鮮、台湾、樺太又ハ南洋群島ニ在リテハ総督府令又ハ庁令トス
朝鮮、台湾、樺太又ハ南洋群島ニ在リテハ利益配当審査委員会ニ関スル規定ヲ適用セズ
第十二条 大蔵大臣生産力拡充資金其ノ他時局ニ緊要ナル産業資金ノ供給ヲ円滑ナラシムル為必要アリト認ムルトキハ日本興業銀行ニ対シ資金ノ融通又ハ有価証券ノ応募、引受若ハ買入ヲ命ズルコトヲ得
大蔵大臣前項ノ規定ニ依ル命令ヲ為サントスルトキハ資金融通審査委員会ノ議ヲ経ベシ
資金融通審査委員会ニ関スル規程ハ別ニ之ヲ定ム
第十三条 政府ハ前条第一項ノ規定ニ依ル命令ニ因リ日本興業銀行ガ損失ヲ受ケタルトキハ同行ニ対シ通常生ズベキ損失ヲ補償ス
前項ノ損失ヲ決定スル基準其ノ他損失補償ニ関シ必要ナル事項ハ大蔵大臣之ヲ定ム
第十四条 前条第一項ノ規定ニ依リ政府ガ日本興業銀行ニ対シテ支払フベキ損失補償金ハ国債証券ヲ以テ之ヲ交付スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ交付スル国債証券ノ交付価格ハ時価ヲ参酌シテ大蔵大臣之ヲ定ム
附 則
本令ハ昭和十四年四月十日ヨリ之ヲ施行ス