朕地租法施行規則ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和六年四月一日
內閣總理大臣 濱口雄幸
大藏大臣 井上準之助
勅令第四十七號
地租法施行規則
第一章 總則
第一條 地租法第二條第一號及第二號ノ規定ニ依リ左ノ公共團體ヲ指定ス
一 府縣組合、市町村組合、町村組合、市町村內ノ區、北海道地方費
二 市町村學校組合、町村學校組合、學區
三 水利組合、水利組合聯合、北海道土功組合
第二條 土地ノ所有權、質權又ハ地上權ノ得喪變更ニ關スル事項ハ登記所ヨリ通知アルニ非ザレバ土地臺帳ニ之ヲ登錄セズ但シ左ノ場合ニ於テハ此ノ限ニ在ラズ
一 新ニ土地臺帳ニ登錄スベキ土地ヲ生ジタルトキ
二 未登記ノ土地ガ土地臺帳ニ登錄ヲ要セザル土地ト爲リタルトキ
三 未登記ノ土地ガ收用セラレタルトキ
第三條 土地臺帳ニ登錄セラレタル土地所有者、質權者又ハ地上權者其ノ住所ニ異動ヲ生ジタルトキ又ハ其ノ氏名若ハ名稱ヲ改メタルトキハ遲滯ナク之ヲ稅務署長ニ申吿スベシ
第四條 土地臺帳謄本ノ交付ヲ受ケントスル者ハ土地一筆ニ付十錢ノ手數料ヲ納メ稅務署長ニ之ヲ請求スベシ
前項ノ手數料ハ收入印紙ヲ以テ之ヲ納ムベシ
謄本ハ送付ニ要スル郵便切手ヲ提供シテ之ガ郵送ヲ求ムルコトヲ得
國有地又ハ御料地ノ拂下又ハ讓與ニ係ル土地ニシテ未登記ノモノニ付テハ謄本ノ交付ヲ請求スルコトヲ得ズ
土地臺帳謄本ノ書式ハ大藏大臣之ヲ定ム
第五條 北海道、鹿兒島縣大島郡及沖繩縣ニ於ケル地租ハ左ノ納期ニ於テ之ヲ徵收ス
北海道
一 宅地租
第一期 其ノ年八月一日ヨリ三十一日限 年額ノ二分ノ一
第二期 翌年二月一日ヨリ末日限 年額ノ二分ノ一
二 其ノ他
第一期 其ノ年十一月一日ヨリ三十日限 年額ノ二分ノ一
第二期 翌年五月一日ヨリ三十一日限 年額ノ二分ノ一
鹿兒島縣大島郡十島村
翌年五月一日ヨリ八月三十一日限 年額全部
鹿兒島縣大島郡(十島村ヲ除ク)
翌年五月一日ヨリ三十一日限 年額全部
沖繩縣那覇市、首里市、島尻郡、中頭郡、國頭郡
一 宅地租及田租
其ノ年八月一日ヨリ三十一日限 年額全部
二 其ノ他
翌年五月一日ヨリ三十一日限 年額全部
沖繩縣宮古郡平良村字鹽川、仲筋、水納、八重山郡八重山村字波照間、與那國
翌年五月一日ヨリ七月三十一日限 年額全部
沖繩縣宮古郡(平良村字鹽川、仲筋、水納ヲ除ク)、八重山郡(八重山村字波照間、與那國ヲ除ク)
一 宅地租
翌年三月一日ヨリ三十一日限 年額全部
二 田租
其ノ年七月一日ヨリ三十一日限 年額全部
三 其ノ他
翌年五月一日ヨリ三十一日限 年額全部
第二章 土地ノ異動
第六條 土地ノ異動ニ關スル申吿書(年期滿了申吿書ヲ含ム)ニハ異動ノ種類ヲ表示シ原地ノ所在、地番、地目、地積及賃貸價格(無租地及免租年期地ニ付テハ賃貸價格ヲ除ク)竝ニ異動シタル地番、地目、地積及賃貸價格ヲ記載スベシ
前項ノ申吿書中新ニ土地臺帳ニ登錄スベキ土地ニ關スル申吿書又ハ分筆ノ申吿書ニハ地積ノ測量圖ヲ添附スベシ其ノ他ノ申吿書ニシテ之ニ記載シタル異動ノ地積ガ其ノ原地ノ地積ト同一ナラザルモノニ付亦同ジ
第七條 減租年期又ハ免租年期ノ申請書ニハ年期ノ種類ヲ表示シ土地ノ所在、地番、地目、地積及賃貸價格(無租地及免租年期地ニ付テハ賃貸價格ヲ除ク)ヲ記載シ尙左ノ事項ヲ附記スベシ
一 開拓減租年期又ハ埋立免租年期ニ付テハ有租地ト爲リタル事由
二 二十年ノ開墾減租年期ニ付テハ開墾ノ豫定地目及著手ノ日
三 四十年ノ開墾減租年期又ハ地目變換減租年期ニ付テハ開墾又ハ變換ノ豫定地目、著手ノ日及事業計畫
四 荒地免租年期ニ付テハ荒地ト爲リタル事由、被害ノ狀況及許可ヲ受ケントスル年期
五 前各號ノ年期ノ延長ニ付テハ土地ノ狀況及許可ヲ受ケントスル年期
第八條 開墾減租年期又ハ地目變換減租年期ノ許可ヲ受ケタル土地ニ付開墾若ハ變換ノ豫定地目ヲ變更シ又ハ開墾若ハ變換ヲ廢止シタルトキハ遲滯ナク稅務署長ニ之ヲ申吿スベシ
第三章 災害地免租
第九條 災害地免租ノ申請書ニハ收穫皆無ニ歸シタル事由、被害ノ狀況、土地ノ所在、地番、地目、地積及賃貸價格ヲ記載スベシ
第十條 災害地免租ノ申請ヲ爲ス者ハ稅務署長ノ承認ヲ受クル迄收穫皆無ノ事實ヲ證スルニ足ルベキ作毛ヲ存置スベシ
第十一條 地租法第六十六條ノ規定ニ依ル地租ノ免除ハ左ノ各號ノ定ムル所ニ依ル
一 地目變換地又ハ開墾地ニ在リテハ原地(變換又ハ開墾前ノ土地)ノ地租ヲ免除ス
二 耕地整理地ニ在リテハ收穫皆無ニ歸シタル換地ニ相當スル從前ノ土地ノ地租ヲ免除ス
第四章 自作農地免租
第十二條 地租法第七十條第二項ニ規定スル永小作權者ニシテ同條第一項ノ規定ノ適用ヲ受ケントスル者ハ每年三月中ニ左ノ事項ヲ田畑所在ノ市町村長ニ申吿スベシ
一 永小作權ノ目的タル田畑ノ所在、地番、地目、地積及賃貸價格
二 田畑所有者ノ住所及氏名
三 永小作權設定ノ年月日
前項ノ申吿期間經過後新ニ地租法第七十條第一項ノ規定ニ該當スルニ至リタル場合ニ於テハ次ノ納期開始前ニ於テ前項ノ申吿ヲ爲スコトヲ得
第十三條 市町村長ニ於テ必要アリト認ムルトキハ前條ノ申吿ヲ爲シタル者ニ對シ永小作權ノ設定ヲ證スベキ證書其ノ他必要ナル書類ノ呈示又ハ提出ヲ求ムルコトヲ得
第十四條 第十二條ノ申吿ヲ爲シタル永小作權者ハ地租法第七十條第一項ノ規定ノ適用ニ關シテハ之ヲ當該田畑ノ所有者ト看做ス
第十五條 地租法第七十一條ノ規定ニ依ル地租免除ノ申請書ニハ土地ノ所在、地番及地目ヲ記載スベシ但シ申請者ガ其ノ住所地及隣接市町村內ニ於ケル自己ノ田畑ノ全部ニ付申請ヲ爲ス場合ニ於テハ其ノ旨ヲ記載シ各筆ノ記載ヲ省略スルコトヲ得
第十六條 市町村ハ其ノ市町村內ニ於ケル田畑ニ付地租ヲ納ムベキ者(地租法第七十條第二項ノ規定ニ依リ所有者ト看做サレタル永小作權者ヲ含ム)ノ住所ガ隣接市町村內ニ在ルトキハ各人別田畑ノ賃貸價格合計金額ヲ每年三月中ニ其ノ住所地市町村ニ通知スベシ
前項ノ通知後田畑地租ノ各納期開始迄ニ通知事項ニ異動ヲ生ジタルトキハ直ニ之ヲ住所地市町村ニ通知スベシ
第十七條 市町村ハ隣接市町村內ノ田畑ニ付地租法第七十一條ノ申請ヲ受ケタル場合ニ於テ申請者ノ住所地市町村及隣接市町村內ニ於ケル田畑賃貸價格ノ合計金額ガ其ノ同居家族ノ分ト合算シ二百圓未滿ナルトキハ其ノ旨ヲ田畑所在ノ市町村ニ通知スベシ
前項ノ通知後田畑地租ノ各納期開始ノ時迄ニ通知事項ニ異動ヲ生ジタルトキハ之ヲ田畑所在ノ市町村ニ通知スベシ
第五章 地租徵收
第十八條 市町村ハ其ノ市町村內ノ田畑ニ付地租法第七十一條ノ申請又ハ前條ノ通知ヲ受ケタルトキハ同法第七十條ノ規定ニ依リ地租ヲ免除スル田畑ヲ調查シ同法第七十五條ノ報吿ヲ爲スベシ
第十九條 市町村ハ其ノ市町村內ノ土地ニ付土地臺帳ノ副本及地租名寄帳ヲ設備スベシ
地租名寄帳ニ關シ必要ナル事項ハ大藏大臣之ヲ定ム
第六章 雜則
第二十條 地租法以外ノ法律ニ依リ一定ノ期間地租ノ全部又ハ一部ヲ免除スル土地ニ付テハ別段ノ規定アル場合ヲ除クノ外第六條及第七條ノ規定ヲ準用ス
第二十一條 地租法第七十八條ノ規定ニ依ル通知及減租又ハ免租ノ申請ニ對スル許否ノ通知ハ土地所在ノ市町村ヲ經由スベシ
第二十二條 市制第六條又ハ第八十二條第三項ノ市ニ於テハ本令中市ニ關スル規定ハ區ニ、市長ニ關スル規定ハ區長ニ之ヲ適用ス
町村制ヲ施行セザル地ニ於テハ本令中町村ニ關スル規定ハ町村ニ準ズベキモノニ、町村長ニ關スル規定ハ町村長ニ準ズベキモノニ之ヲ適用ス
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス但シ昭和六年分地租ニ限リ第五條ノ規定中北海道宅地租第一期其ノ年八月一日ヨリ三十一日限トアルハ其ノ年十一月一日ヨリ三十日限、其ノ他第一期其ノ年十一月一日ヨリ三十日限トアルハ翌年一月一日ヨリ三十一日限、沖繩縣那覇市、首里市、島尻郡、中頭郡、國頭郡宅地租及田租其ノ年八月一日ヨリ三十一日限トアルハ翌年一月一日ヨリ三十一日限、沖繩縣宮古郡(平良村字鹽川、仲筋、水納ヲ除ク)八重山郡(八重山村字波照間、與那國ヲ除ク)田租其ノ年七月一日ヨリ三十一日限トアルハ翌年一月一日ヨリ三十一日限、第十六條第一項ノ規定中三月中トアルハ十二月中トス
地租條例施行規則、土地臺帳規則、明治三十八年勅令第百五十九號及明治四十四年勅令第九十二號ハ之ヲ廢止ス但シ昭和五年分以前ノ地租ニ關シテハ仍從前ノ例ニ依ル
朕地租法施行規則ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和六年四月一日
内閣総理大臣 浜口雄幸
大蔵大臣 井上準之助
勅令第四十七号
地租法施行規則
第一章 総則
第一条 地租法第二条第一号及第二号ノ規定ニ依リ左ノ公共団体ヲ指定ス
一 府県組合、市町村組合、町村組合、市町村内ノ区、北海道地方費
二 市町村学校組合、町村学校組合、学区
三 水利組合、水利組合連合、北海道土功組合
第二条 土地ノ所有権、質権又ハ地上権ノ得喪変更ニ関スル事項ハ登記所ヨリ通知アルニ非ザレバ土地台帳ニ之ヲ登録セズ但シ左ノ場合ニ於テハ此ノ限ニ在ラズ
一 新ニ土地台帳ニ登録スベキ土地ヲ生ジタルトキ
二 未登記ノ土地ガ土地台帳ニ登録ヲ要セザル土地ト為リタルトキ
三 未登記ノ土地ガ収用セラレタルトキ
第三条 土地台帳ニ登録セラレタル土地所有者、質権者又ハ地上権者其ノ住所ニ異動ヲ生ジタルトキ又ハ其ノ氏名若ハ名称ヲ改メタルトキハ遅滞ナク之ヲ税務署長ニ申告スベシ
第四条 土地台帳謄本ノ交付ヲ受ケントスル者ハ土地一筆ニ付十銭ノ手数料ヲ納メ税務署長ニ之ヲ請求スベシ
前項ノ手数料ハ収入印紙ヲ以テ之ヲ納ムベシ
謄本ハ送付ニ要スル郵便切手ヲ提供シテ之ガ郵送ヲ求ムルコトヲ得
国有地又ハ御料地ノ払下又ハ譲与ニ係ル土地ニシテ未登記ノモノニ付テハ謄本ノ交付ヲ請求スルコトヲ得ズ
土地台帳謄本ノ書式ハ大蔵大臣之ヲ定ム
第五条 北海道、鹿児島県大島郡及沖縄県ニ於ケル地租ハ左ノ納期ニ於テ之ヲ徴収ス
北海道
一 宅地租
第一期 其ノ年八月一日ヨリ三十一日限 年額ノ二分ノ一
第二期 翌年二月一日ヨリ末日限 年額ノ二分ノ一
二 其ノ他
第一期 其ノ年十一月一日ヨリ三十日限 年額ノ二分ノ一
第二期 翌年五月一日ヨリ三十一日限 年額ノ二分ノ一
鹿児島県大島郡十島村
翌年五月一日ヨリ八月三十一日限 年額全部
鹿児島県大島郡(十島村ヲ除ク)
翌年五月一日ヨリ三十一日限 年額全部
沖縄県那覇市、首里市、島尻郡、中頭郡、国頭郡
一 宅地租及田租
其ノ年八月一日ヨリ三十一日限 年額全部
二 其ノ他
翌年五月一日ヨリ三十一日限 年額全部
沖縄県宮古郡平良村字塩川、仲筋、水納、八重山郡八重山村字波照間、与那国
翌年五月一日ヨリ七月三十一日限 年額全部
沖縄県宮古郡(平良村字塩川、仲筋、水納ヲ除ク)、八重山郡(八重山村字波照間、与那国ヲ除ク)
一 宅地租
翌年三月一日ヨリ三十一日限 年額全部
二 田租
其ノ年七月一日ヨリ三十一日限 年額全部
三 其ノ他
翌年五月一日ヨリ三十一日限 年額全部
第二章 土地ノ異動
第六条 土地ノ異動ニ関スル申告書(年期満了申告書ヲ含ム)ニハ異動ノ種類ヲ表示シ原地ノ所在、地番、地目、地積及賃貸価格(無租地及免租年期地ニ付テハ賃貸価格ヲ除ク)並ニ異動シタル地番、地目、地積及賃貸価格ヲ記載スベシ
前項ノ申告書中新ニ土地台帳ニ登録スベキ土地ニ関スル申告書又ハ分筆ノ申告書ニハ地積ノ測量図ヲ添附スベシ其ノ他ノ申告書ニシテ之ニ記載シタル異動ノ地積ガ其ノ原地ノ地積ト同一ナラザルモノニ付亦同ジ
第七条 減租年期又ハ免租年期ノ申請書ニハ年期ノ種類ヲ表示シ土地ノ所在、地番、地目、地積及賃貸価格(無租地及免租年期地ニ付テハ賃貸価格ヲ除ク)ヲ記載シ尚左ノ事項ヲ附記スベシ
一 開拓減租年期又ハ埋立免租年期ニ付テハ有租地ト為リタル事由
二 二十年ノ開墾減租年期ニ付テハ開墾ノ予定地目及著手ノ日
三 四十年ノ開墾減租年期又ハ地目変換減租年期ニ付テハ開墾又ハ変換ノ予定地目、著手ノ日及事業計画
四 荒地免租年期ニ付テハ荒地ト為リタル事由、被害ノ状況及許可ヲ受ケントスル年期
五 前各号ノ年期ノ延長ニ付テハ土地ノ状況及許可ヲ受ケントスル年期
第八条 開墾減租年期又ハ地目変換減租年期ノ許可ヲ受ケタル土地ニ付開墾若ハ変換ノ予定地目ヲ変更シ又ハ開墾若ハ変換ヲ廃止シタルトキハ遅滞ナク税務署長ニ之ヲ申告スベシ
第三章 災害地免租
第九条 災害地免租ノ申請書ニハ収穫皆無ニ帰シタル事由、被害ノ状況、土地ノ所在、地番、地目、地積及賃貸価格ヲ記載スベシ
第十条 災害地免租ノ申請ヲ為ス者ハ税務署長ノ承認ヲ受クル迄収穫皆無ノ事実ヲ証スルニ足ルベキ作毛ヲ存置スベシ
第十一条 地租法第六十六条ノ規定ニ依ル地租ノ免除ハ左ノ各号ノ定ムル所ニ依ル
一 地目変換地又ハ開墾地ニ在リテハ原地(変換又ハ開墾前ノ土地)ノ地租ヲ免除ス
二 耕地整理地ニ在リテハ収穫皆無ニ帰シタル換地ニ相当スル従前ノ土地ノ地租ヲ免除ス
第四章 自作農地免租
第十二条 地租法第七十条第二項ニ規定スル永小作権者ニシテ同条第一項ノ規定ノ適用ヲ受ケントスル者ハ毎年三月中ニ左ノ事項ヲ田畑所在ノ市町村長ニ申告スベシ
一 永小作権ノ目的タル田畑ノ所在、地番、地目、地積及賃貸価格
二 田畑所有者ノ住所及氏名
三 永小作権設定ノ年月日
前項ノ申告期間経過後新ニ地租法第七十条第一項ノ規定ニ該当スルニ至リタル場合ニ於テハ次ノ納期開始前ニ於テ前項ノ申告ヲ為スコトヲ得
第十三条 市町村長ニ於テ必要アリト認ムルトキハ前条ノ申告ヲ為シタル者ニ対シ永小作権ノ設定ヲ証スベキ証書其ノ他必要ナル書類ノ呈示又ハ提出ヲ求ムルコトヲ得
第十四条 第十二条ノ申告ヲ為シタル永小作権者ハ地租法第七十条第一項ノ規定ノ適用ニ関シテハ之ヲ当該田畑ノ所有者ト看做ス
第十五条 地租法第七十一条ノ規定ニ依ル地租免除ノ申請書ニハ土地ノ所在、地番及地目ヲ記載スベシ但シ申請者ガ其ノ住所地及隣接市町村内ニ於ケル自己ノ田畑ノ全部ニ付申請ヲ為ス場合ニ於テハ其ノ旨ヲ記載シ各筆ノ記載ヲ省略スルコトヲ得
第十六条 市町村ハ其ノ市町村内ニ於ケル田畑ニ付地租ヲ納ムベキ者(地租法第七十条第二項ノ規定ニ依リ所有者ト看做サレタル永小作権者ヲ含ム)ノ住所ガ隣接市町村内ニ在ルトキハ各人別田畑ノ賃貸価格合計金額ヲ毎年三月中ニ其ノ住所地市町村ニ通知スベシ
前項ノ通知後田畑地租ノ各納期開始迄ニ通知事項ニ異動ヲ生ジタルトキハ直ニ之ヲ住所地市町村ニ通知スベシ
第十七条 市町村ハ隣接市町村内ノ田畑ニ付地租法第七十一条ノ申請ヲ受ケタル場合ニ於テ申請者ノ住所地市町村及隣接市町村内ニ於ケル田畑賃貸価格ノ合計金額ガ其ノ同居家族ノ分ト合算シ二百円未満ナルトキハ其ノ旨ヲ田畑所在ノ市町村ニ通知スベシ
前項ノ通知後田畑地租ノ各納期開始ノ時迄ニ通知事項ニ異動ヲ生ジタルトキハ之ヲ田畑所在ノ市町村ニ通知スベシ
第五章 地租徴収
第十八条 市町村ハ其ノ市町村内ノ田畑ニ付地租法第七十一条ノ申請又ハ前条ノ通知ヲ受ケタルトキハ同法第七十条ノ規定ニ依リ地租ヲ免除スル田畑ヲ調査シ同法第七十五条ノ報告ヲ為スベシ
第十九条 市町村ハ其ノ市町村内ノ土地ニ付土地台帳ノ副本及地租名寄帳ヲ設備スベシ
地租名寄帳ニ関シ必要ナル事項ハ大蔵大臣之ヲ定ム
第六章 雑則
第二十条 地租法以外ノ法律ニ依リ一定ノ期間地租ノ全部又ハ一部ヲ免除スル土地ニ付テハ別段ノ規定アル場合ヲ除クノ外第六条及第七条ノ規定ヲ準用ス
第二十一条 地租法第七十八条ノ規定ニ依ル通知及減租又ハ免租ノ申請ニ対スル許否ノ通知ハ土地所在ノ市町村ヲ経由スベシ
第二十二条 市制第六条又ハ第八十二条第三項ノ市ニ於テハ本令中市ニ関スル規定ハ区ニ、市長ニ関スル規定ハ区長ニ之ヲ適用ス
町村制ヲ施行セザル地ニ於テハ本令中町村ニ関スル規定ハ町村ニ準ズベキモノニ、町村長ニ関スル規定ハ町村長ニ準ズベキモノニ之ヲ適用ス
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス但シ昭和六年分地租ニ限リ第五条ノ規定中北海道宅地租第一期其ノ年八月一日ヨリ三十一日限トアルハ其ノ年十一月一日ヨリ三十日限、其ノ他第一期其ノ年十一月一日ヨリ三十日限トアルハ翌年一月一日ヨリ三十一日限、沖縄県那覇市、首里市、島尻郡、中頭郡、国頭郡宅地租及田租其ノ年八月一日ヨリ三十一日限トアルハ翌年一月一日ヨリ三十一日限、沖縄県宮古郡(平良村字塩川、仲筋、水納ヲ除ク)八重山郡(八重山村字波照間、与那国ヲ除ク)田租其ノ年七月一日ヨリ三十一日限トアルハ翌年一月一日ヨリ三十一日限、第十六条第一項ノ規定中三月中トアルハ十二月中トス
地租条例施行規則、土地台帳規則、明治三十八年勅令第百五十九号及明治四十四年勅令第九十二号ハ之ヲ廃止ス但シ昭和五年分以前ノ地租ニ関シテハ仍従前ノ例ニ依ル