貨幣制度の良否は国家の利害と国民の生活に大きく関係するため、慎重な検討が必要である。現在の銀本位制では、銀価の下落により物価が騰貴し、貿易上の不利益が生じている。一方、欧米諸国は金本位制に移行しており、国際金融市場での地位を確保するためにも、日本も金本位制への移行が必要である。日清戦争の賠償金により金準備が整い、金本位制実施の好機が到来した。金本位制への移行により、為替相場の安定、物価の安定、国際金融市場との連携強化などの利点が期待できる。これは国家経済の健全な発展のために不可欠な改革である。
参照した発言:
第10回帝国議会 衆議院 本会議 第17号