明治30年の金本位制導入時、補助貨幣の改正は施行上の手数を考慮して見送られた。その後の調査で、現行の補助貨幣は重すぎることが判明し、各国の動向も参考に、より軽便な形状への改正が必要と判断された。今回の改正では50銭銀貨と20銭銀貨を対象とし、金に対する比率を28から21に引き下げる。これにより銀価が多少騰貴しても鋳潰しの心配がなく、かつ軽便な形状となる。10銭銀貨は現状維持とし、1円銀貨の新規発行は貿易上の混乱を避けるため見送る。新旧両方の補助貨幣は当面併用するが、旧貨は回収後に鋳直しを行う。
参照した発言:
第22回帝国議会 貴族院 本会議 第10号