朕商事非訟事件印紙法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム此法律ハ明治二十四年一月一日ヨリ施行スヘキコトヲ命ス
御名御璽
明治二十三年八月十五日
內閣總理大臣　伯爵　山縣有朋
司法大臣　伯爵　山田顯義
大藏大臣　伯爵　松方正義
法律第六十六號
商事非訟事件印紙法
第一條　商法中登記ニ關ル場合ヲ除ク外非訟事件ニ付裁判所ノ命令其他ノ處分ヲ求ムル者ハ以下數條ノ手續ニ從ヒ其差出ス書類ニ民事訴訟用印紙ヲ貼用ス可シ但口述ヲ以テスル場合ニ於テハ其調書ニ印紙ヲ貼用ス可シ
第五條第六條第七條ノ場合ニ於テハ管財人ヨリ差出ス計算書ニ印紙ヲ貼用ス可シ
第二條　左ニ揭クルモノニ付テハ五十錢ノ印紙ヲ貼用ス可シ
一　抗吿又ハ假差押ノ申立
二　債權者ヨリ爲ス破產宣吿ノ申立
三　支拂猶豫ノ申立
第三條　左ニ揭クルモノニ付テハ二十錢ノ印紙ヲ貼用ス可シ
一　抗吿ニ對スル答辯
二　裁判所ノ命令其他ノ處分ノ申立ニシテ本法ニ於テ特ニ規定セサル非訟事件ニ係ルモノ
第四條　破產手續ニ付テハ破產財團中ノ貸方金額ニ應シ左ノ區別ニ從ヒ印紙ヲ貼用ス可シ但財團管理費用其他破產手續上ノ費用及ヒ財團ノ爲メニ負擔シタル債務竝ニ別除ノ辨濟ニ供スル金額ハ貸方金額ヨリ之ヲ扣除ス可キモノトス
財團ノ價額五圓マテ　四十錢
同　十圓マテ　六十錢
同　二十圓マテ　一圓二十錢
同　五十圓マテ　三圓
同　七十五圓マテ　四圓四十錢
同　百圓マテ　六圓
同　二百五十圓マテ　十三圓
同　五百圓マテ　二十圓
同　七百五十圓マテ　二十六圓
同　千圓マテ　三十圓
同　二千五百圓マテ　四十圓
同　五千圓マテ　五十圓
同　五千圓以上ハ千圓ニ達スル每ニ四圓ヲ加フ
第五條　破產手續ニ付テハ財團ノ配當アル每ニ其配當金額ノ割合ヲ以テ印紙價額ニ相當スル金額ヲ引去リ置キ終局計算ニ至リ配當金總高ノ割合ニ從ヒ相當印紙ヲ貼用ス可シ
第六條　協諧契約ニ依リ手續ヲ止メタルトキハ第四條ニ揭ケタル印紙ノ半額ヲ貼用ス可シ
第七條　破產手續再施ノ場合ニ於テハ破產手續開始ニ於ケル場合ト同一ノ印紙ヲ貼用ス可シ
第八條　本法ニ定ムル印紙代價ノ負擔ニ付テハ民事訴訟法第一編第二章第五節ノ規定ヲ準用ス
民事訴訟用印紙法ハ本法ノ規定ニ牴觸セサルモノニ限リ之ヲ準用ス
朕商事非訟事件印紙法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム此法律ハ明治二十四年一月一日ヨリ施行スヘキコトヲ命ス
御名御璽
明治二十三年八月十五日
内閣総理大臣　伯爵　山県有朋
司法大臣　伯爵　山田顕義
大蔵大臣　伯爵　松方正義
法律第六十六号
商事非訟事件印紙法
第一条　商法中登記ニ関ル場合ヲ除ク外非訟事件ニ付裁判所ノ命令其他ノ処分ヲ求ムル者ハ以下数条ノ手続ニ従ヒ其差出ス書類ニ民事訴訟用印紙ヲ貼用ス可シ但口述ヲ以テスル場合ニ於テハ其調書ニ印紙ヲ貼用ス可シ
第五条第六条第七条ノ場合ニ於テハ管財人ヨリ差出ス計算書ニ印紙ヲ貼用ス可シ
第二条　左ニ掲クルモノニ付テハ五十銭ノ印紙ヲ貼用ス可シ
一　抗告又ハ仮差押ノ申立
二　債権者ヨリ為ス破産宣告ノ申立
三　支払猶予ノ申立
第三条　左ニ掲クルモノニ付テハ二十銭ノ印紙ヲ貼用ス可シ
一　抗告ニ対スル答弁
二　裁判所ノ命令其他ノ処分ノ申立ニシテ本法ニ於テ特ニ規定セサル非訟事件ニ係ルモノ
第四条　破産手続ニ付テハ破産財団中ノ貸方金額ニ応シ左ノ区別ニ従ヒ印紙ヲ貼用ス可シ但財団管理費用其他破産手続上ノ費用及ヒ財団ノ為メニ負担シタル債務並ニ別除ノ弁済ニ供スル金額ハ貸方金額ヨリ之ヲ扣除ス可キモノトス
財団ノ価額五円マテ　四十銭
同　十円マテ　六十銭
同　二十円マテ　一円二十銭
同　五十円マテ　三円
同　七十五円マテ　四円四十銭
同　百円マテ　六円
同　二百五十円マテ　十三円
同　五百円マテ　二十円
同　七百五十円マテ　二十六円
同　千円マテ　三十円
同　二千五百円マテ　四十円
同　五千円マテ　五十円
同　五千円以上ハ千円ニ達スル毎ニ四円ヲ加フ
第五条　破産手続ニ付テハ財団ノ配当アル毎ニ其配当金額ノ割合ヲ以テ印紙価額ニ相当スル金額ヲ引去リ置キ終局計算ニ至リ配当金総高ノ割合ニ従ヒ相当印紙ヲ貼用ス可シ
第六条　協諧契約ニ依リ手続ヲ止メタルトキハ第四条ニ掲ケタル印紙ノ半額ヲ貼用ス可シ
第七条　破産手続再施ノ場合ニ於テハ破産手続開始ニ於ケル場合ト同一ノ印紙ヲ貼用ス可シ
第八条　本法ニ定ムル印紙代価ノ負担ニ付テハ民事訴訟法第一編第二章第五節ノ規定ヲ準用ス
民事訴訟用印紙法ハ本法ノ規定ニ牴触セサルモノニ限リ之ヲ準用ス